みらい(新人医療事務)
産婦人科のクリニックさんから「妊娠糖尿病の患者さんの指導管理で算定できる点数があるって聞いたんですけど」と聞かれたんです。在宅妊娠糖尿病患者指導管理料のことですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、区分C101-3の在宅妊娠糖尿病患者指導管理料ですね。令和8年度時点でも設けられている項目で、妊娠中の糖尿病患者さんや妊娠糖尿病の患者さんに対して、血糖自己測定に基づく療養指導を行った場合に算定候補になる管理料です。
みらい(新人医療事務)
「候補」なんですね。うちのクリニックでも算定候補になる、と言い切れないんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。対象患者に該当するか、実際にどんな指導を行っているかは医療機関ごとに違うので、断定はできません。まずは制度の中身を一つずつ確認していきましょう。
この管理料はどんな時に算定候補になるの?
みらい(新人医療事務)
そもそも、どういう患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
入院中の患者以外の方(妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者であって、厚生労働大臣が定める要件に該当する方)が対象です。つまり、外来通院中や在宅療養中の妊婦さんが対象で、入院している患者さんは対象になりません。
みらい(新人医療事務)
「妊娠糖尿病」って一括りに言っても、診断の基準が細かそうですね。
あおい(元・医療事務)
おっしゃる通りです。厚生労働省の留意事項通知では、対象になる患者さんを次のように整理しています。
在宅妊娠糖尿病患者指導管理料1の対象患者(診断基準)
妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者のうち、以下のア又はイに該当する者が対象です。
ア(妊娠時に診断された明らかな糖尿病): 空腹時血糖値126mg/dL以上、又はHbA1cがJDS値6.1%以上(NGSP値6.5%以上)、又は随時血糖値200mg/dL以上(この場合は空腹時血糖値又はHbA1cで確認)、又は糖尿病網膜症が存在する場合。
イ(ハイリスクな妊娠糖尿病): HbA1cがJDS値6.1%未満(NGSP値6.5%未満)で75gOGTT2時間値200mg/dL以上、又は75gOGTTで①空腹時血糖値92mg/dL以上 ②1時間値180mg/dL以上 ③2時間値153mg/dL以上のうち2項目以上該当、あるいは非妊娠時BMIが25以上でこのうち1項目以上該当する場合。
みらい(新人医療事務)
血糖値の基準だけでも結構細かいんですね……。これは産科の先生じゃないと判断が難しそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。診断は医師が行うものなので、事務側としては「この患者さんが上記のいずれかに該当する診断を受けているか」をカルテ・診療情報で確認する、という役割になります。加えて、血糖自己測定値に基づく指導を行うため血糖測定器を現に使用している者、という条件も満たす必要があります。
点数はどうなっているの?【令和8年度】
みらい(新人医療事務)
肝心の点数を教えてください!
あおい(元・医療事務)
令和8年度時点で、在宅妊娠糖尿病患者指導管理料には1と2の2区分があります。表にまとめますね。
| 区分 | 名称 | 点数 | 算定対象 |
|---|---|---|---|
| C101-3 注1 | 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料1 | 150点 | 妊娠中の糖尿病患者・妊娠糖尿病患者への周産期の指導管理 |
| C101-3 注2 | 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料2 | 150点 | 料1算定患者への分娩後12週以内の継続指導(1回限り) |

あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示では、「C101-3 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料 1 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料1 150点 2 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料2 150点」と示されています。料1と料2は別々の算定タイミングで、どちらも150点という点数区分です。
みらい(新人医療事務)
料2は「分娩後」の話でしたよね。回数に制限はありますか?
あおい(元・医療事務)
はい。料2は、料1を算定した入院中の患者以外の患者に対して、分娩後も継続して血糖管理のために適切な指導管理を行った場合に、当該分娩後12週の間、1回に限り算定する、とされています。1回限りという回数制限は必ず確認しておきたいポイントです。
回数制限に関する注意
料2は「分娩後12週の間に1回に限り」算定できる区分です。分娩後の指導を複数回行っても、算定できるのは1回のみという前提で運用状況を確認する必要があります。
届出や施設基準は必要なの?
みらい(新人医療事務)
この管理料、届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準や地方厚生局への届出について言及した記載は、当サイトが収集した一次資料の範囲では確認できていません。届出の要否そのものを、この記事だけで判断するのは避けたいところです。
みらい(新人医療事務)
届出の情報がはっきりしないと、何を確認すればいいのか迷ってしまいます。
あおい(元・医療事務)
そうですね。届出の要否は未確認である一方、対象患者の診断基準を満たしているか、実際に血糖自己測定に基づく療養指導を行っているかという算定要件は、告示・留意事項通知で確認できます。まずはこの算定要件を満たしているかを確認したうえで、届出の要否は地方厚生局・審査支払機関に個別にお問い合わせください。
施設基準・届出は要確認
在宅妊娠糖尿病患者指導管理料の施設基準・地方厚生局への届出に関する記載は、当サイトが収集した一次資料の範囲では確認できていません。届出の要否は自院の状況に応じて地方厚生局・審査支払機関にご確認ください。
併算定はどうなっているの?
みらい(新人医療事務)
ほかの加算と一緒に算定できるものはありますか?
あおい(元・医療事務)
血糖自己測定に使う機器を給付・貸与している場合は、血糖自己測定器加算という区分が別途設けられています。厚生労働省の留意事項では、「在宅自己注射指導管理料」「在宅小児低血糖症患者指導管理料」に加えて、在宅妊娠糖尿病患者指導管理料にも加算するものと整理されています。
みらい(新人医療事務)
それはこの管理料の点数に含まれているんですか、それとも別で算定するんですか?
あおい(元・医療事務)
血糖試験紙や穿刺器、測定機器などの給付・貸与にかかる費用の取り扱い(所定点数に含まれるか、別に算定できるか)については、当サイトが収集した一次資料の範囲では確認できていません。血糖自己測定器加算そのものが、在宅妊娠糖尿病患者指導管理料に加算する区分として別枠で設けられていることは留意事項通知で確認できますが、費用の内訳や重複算定の可否は、最新の医科点数表・留意事項通知で個別に確認してください。
前回改定(令和6年度)からの変更点はあるの?
みらい(新人医療事務)
前の改定から何か変わったところはありますか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの点数・算定要件の変更について、当サイトが収集した一次資料(告示・留意事項通知)の範囲では確認できていません。「個別改定項目について」など、改定内容を項目単位で示す一次資料までは照合できていない段階のため、「変更が無い」と断定はせず、要確認の扱いとしています(確認日: 2026年7月)。この管理料の区分番号自体は、厚生労働省の疑義解釈でも以前から取り扱われており、長く運用されてきた項目です。
みらい(新人医療事務)
変更の有無がはっきりしないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。変更が「ない」と確認できたわけではなく、当サイトが照合できた資料の範囲では変更点を見つけられていない、という段階です。最終的には最新の医科点数表・留意事項通知、および令和8年度改定の「個別改定項目について」で、点数・施設基準・算定要件を直接確認することをおすすめします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
分娩後の指導について、気になっていることがあります。
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
料2の「分娩後における血糖管理」って、血糖自己測定器を使っている場合に限られるんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の疑義解釈では、「血糖自己測定の必要の有無は問わない」という考え方が示されています。つまり、血糖自己測定を行っていない患者さんでも、分娩後の血糖管理のための指導管理という要件を満たせば、料2の算定候補になり得るということです。
みらい(新人医療事務)
なるほど、料1と料2で条件が少し違うんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。料1は血糖自己測定値に基づく指導を行うため血糖測定器を現に使用している者、という条件がありますが、料2の分娩後の指導そのものは血糖自己測定の有無を問わない、という整理です。この違いは見落としやすいので、改めて確認しておきたいですね。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
最後に、実際にうちのクリニックで確認する手順を教えてください!
あおい(元・医療事務)
では順番に整理しますね。
自院で確認する順番
- 対象患者が、妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者の診断基準(ア又はイ)に該当するか、診療録・診断情報で確認する
- 血糖自己測定値に基づく指導を行うため、血糖測定器を現に使用しているか(料1)を確認する
- 分娩後も継続した血糖管理の指導を行っているか、分娩後12週以内かを確認する(料2・1回限り)
- 入院中の患者ではなく、在宅・外来通院中の患者であることを確認する
- 血糖自己測定器加算など併算定できる区分がないか、最新の留意事項通知で確認する

みらい(新人医療事務)
こうやって順番に見ていくと、思ったより整理しやすいですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。焦って「対象かどうか」だけを見るのではなく、診断基準・指導内容・算定タイミングの3つを分けて確認するのがポイントです。
よくある取り漏れ
料1の算定要件(血糖測定器を現に使用していること)だけを見て、料2(分娩後12週以内・1回限り)の算定タイミングを見落とすケースが起こりやすいポイントです。分娩後の継続指導が行われているのに、料2の算定候補であることに気づかず取り漏れてしまう場合があります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する在宅療養指導管理料としては、在宅自己注射指導管理料 も参考になるかもしれません。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。