みらい(新人医療事務)
院長から「難治性の皮膚疾患で在宅療養している患者さんがいるんだけど、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料って算定候補になるか調べてくれる?」って言われたんです。名前が長くて、正直どんな患者さんが対象なのかピンときていなくて…。
あおい(元・医療事務)
在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料(区分番号C114)ですね。名前のとおり、在宅で難治性の皮膚疾患の処置をしている患者さんへの指導管理を評価する加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では1,000点、月1回に限り算定候補になります。ただし対象となる疾患がかなり限定されているので、まずはそこから確認していきましょう。
みらい(新人医療事務)
「難治性の皮膚疾患」って、具体的にはどんな病気なんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知では、対象疾患が「表皮水疱症患者又は水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症患者であって、難治性の皮膚病変に対する特殊な処置が必要なもの」と明記されています。告示のほうは「別に厚生労働大臣が定める疾患の患者であって」という委任の書き方になっていて、疾患名そのものは告示に直接書かれておらず、留意事項通知で具体化されている構造です。単に皮膚が治りにくい、という程度では対象になりません。この2つの疾患名のどちらかに該当し、かつ特殊な処置が必要な状態であることが前提です。
この加算はどんな時に対象になるのか
みらい(新人医療事務)
対象患者はわかりました。では、どんな医師が、どんな場面で指導管理を行えば対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注1に「皮膚科又は形成外科を担当する医師が、別に厚生労働大臣が定める疾患の患者であって、在宅において皮膚処置を行っている入院中の患者以外のものに対して、当該処置に関する指導管理を行った場合に算定する」とあります。ポイントは3つです。1つ目は担当医師が皮膚科又は形成外科であること、2つ目は患者が入院中ではなく在宅で皮膚処置を行っていること、3つ目はその処置についての指導管理を医師が行うことです。
みらい(新人医療事務)
「指導管理」って、具体的には何をするんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(1)に「水疱、びらん又は潰瘍等の皮膚の状態に応じた薬剤の選択及び被覆材の選択等について療養上の指導を行った場合」とあります。つまり、その時々の皮膚の状態に合わせて、どの薬剤・どの被覆材(ドレッシング材)を使うかを患者さんやご家族に指導することが中心です。処置そのものというより、在宅でのケアの方針を医師が組み立てて指導するイメージですね。

みらい(新人医療事務)
対象は診療所でも病院でも同じですか?
あおい(元・医療事務)
はい、医療機関の種別による区別は告示・留意事項通知には見当たりません。皮膚科又は形成外科を担当する医師が在宅の患者さんに指導管理を行うという要件を満たしていれば、診療所・病院のどちらでも算定候補になります。逆に言えば、皮膚科・形成外科以外の科の医師が単独で指導管理を行った場合は対象外の可能性があるので、そこは注意が必要です。
点数とコードを確認する
みらい(新人医療事務)
点数のところ、もう少し詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
医科点数表の該当箇所を、そのまま表にまとめますね。
| 区分番号 | 名称 | 点数 | 算定単位 | 年度 |
|---|---|---|---|---|
| C114 | 在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料 | 1,000点 | 月1回 | 令和8年度 |
みらい(新人医療事務)
個別のマスターコードは記事に書かなくていいんですか?
あおい(元・医療事務)
今回、当サイトが確認している一次資料の範囲では、区分番号(C114)以外の個別のレセプト電算コードまでは確認できていません。実際にレセプトへ入力する際のコードは、自院のレセプトコンピュータや医科診療行為マスターで確認してくださいね。
点数は今後改定される可能性があります
本記事の点数は令和8年度(2026年度)診療報酬改定時点のものです。次回改定以降は点数・算定要件が変わる可能性があるため、算定時は必ず最新の告示・通知をご確認ください。
算定要件を確認する
みらい(新人医療事務)
対象疾患と担当医師の要件はわかりました。ほかに気をつける算定要件はありますか?
あおい(元・医療事務)
回数制限が明確に決まっています。留意事項通知(1)に「月1回に限り算定する」とありますので、同じ月に複数回指導管理を行っても、算定候補になるのは月1回分だけです。頻回に受診・訪問診療がある患者さんでは、月内のどのタイミングで算定するかを院内でルール化しておくと確認しやすくなります。
みらい(新人医療事務)
材料費とか処置の費用はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこも留意事項通知に具体的に書かれています。(2)には「特定保険医療材料以外のガーゼ等の衛生材料や、在宅における水疱の穿刺等の処置に必要な医療材料に係る費用は当該指導管理料に含まれる」とあります。つまり、特定保険医療材料以外の衛生材料費は、この1,000点に含まれていて別建てでは算定しません。一方で(3)には「当該指導管理料を算定している患者に対して行う処置の費用(薬剤及び特定保険医療材料に係る費用を含む。)は別に算定できる」ともあるので、処置そのものの費用や薬剤・特定保険医療材料の費用は、指導管理料とは別に算定候補になります。
含まれる費用・別に算定候補になる費用の整理
指導管理料に含まれる費用: 特定保険医療材料以外の衛生材料(ガーゼ等)、水疱の穿刺等に必要な医療材料。別に算定候補になる費用: 処置そのものの費用、薬剤の費用、特定保険医療材料の費用。この線引きを取り違えると請求もれや過剰請求につながるので、レセプト担当者と共有しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、材料費の扱いは間違えやすそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。特に衛生材料と特定保険医療材料は名前が紛らわしいので、実際に使っている被覆材が特定保険医療材料に該当するかどうかは、院内の採用材料一覧と照らし合わせて確認することをおすすめします。
施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
この加算、施設基準の届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認している範囲では、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料そのものに、事前の施設基準届出は求められていません。届出が不要な分、要件を満たしているかどうかは算定の都度、医師と事務のダブルチェックが大切になります。
みらい(新人医療事務)
届出がいらないなら、確認するポイントは少ないんですね。
あおい(元・医療事務)
届出は不要でも、対象疾患・担当診療科・在宅での皮膚処置という3つの実体要件は毎回満たしている必要があります。「届出が不要=誰でも自由に算定候補になる」という意味ではないので、そこは混同しないようにしたいですね。届出済みであれば候補になる、というより、この加算は「都度の診療内容が要件を満たしているか」を確認するタイプの加算だと考えるとわかりやすいです。
届出不要でも確認は必要です
施設基準の届出が不要であっても、対象疾患・担当医師の診療科・在宅での皮膚処置の実施という算定要件は、算定のたびに満たしている必要があります。要確認の状態のまま算定しないようにしましょう。
併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
他の指導管理料と一緒に算定できないケースってありますか?
あおい(元・医療事務)
あります。告示の注2に「区分番号B001の7に掲げる難病外来指導管理料又は区分番号B001の8に掲げる皮膚科特定疾患指導管理料を算定している患者については、算定しない」と明記されています。つまり、同じ患者さんが難病外来指導管理料または皮膚科特定疾患指導管理料をすでに算定している場合は、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料は対象外の可能性が高いということです。
みらい(新人医療事務)
併算定のチェックは、どのタイミングでやるのが確実ですか?
あおい(元・医療事務)
レセプトを締める前に、同一患者・同一月で難病外来指導管理料や皮膚科特定疾患指導管理料の算定履歴がないかを確認するのが確実です。特に複数の診療科・複数の医師が関わっている患者さんでは、他の指導管理料が別の担当医から算定されているケースもあるので、院内で情報共有しておくと見落としを防げます。
あおい(元・医療事務)
なお、在宅療養指導管理料の仲間には、在宅寝たきり患者処置指導管理料(C109)のように、対象疾患や算定要件が異なる加算もあります。対象患者の状態によってどちらが候補になるか変わってくるので、迷ったときは加算ごとに要件を照らし合わせて確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、令和6年度から令和8年度にかけて何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料(医科点数表・留意事項通知・疑義解釈)の範囲では、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料の点数(1,000点)・算定要件・対象疾患について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(2026年7月確認・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
変更なしって、逆に確認しなくていいってことですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、変更が確認されていないというのは「当サイトが照合した資料の範囲で差分が見当たらない」という意味です。実際の算定にあたっては、必ず最新の告示・留意事項通知をご自身でも確認してくださいね。
関連する令和8年度の疑義解釈
令和8年3月23日付の疑義解釈資料(訪看関係)では、「特掲診療料の施設基準等の別表第8に新たに規定された在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている状態にある者」について、「現に医科点数表区分番号「C114」在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料を算定している利用者が該当するものであり、当該管理料を算定せずに単に難治性の皮膚病変を有する利用者は該当しない」との回答が示されています。これは訪問看護ステーション側が別表第8該当者かどうかを判断する基準についての疑義解釈であり、医療機関側のC114算定要件そのものを変更するものではありません。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、自院で何をどの順番で確認すればいいのか整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
では、確認の流れをステップにしますね。
自院で確認する順番
- 対象患者を確認する: 表皮水疱症、または水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症で、難治性の皮膚病変に特殊な処置が必要な患者かどうかを確認します。
- 担当医師の診療科を確認する: 指導管理を行う医師が皮膚科又は形成外科を担当しているかを確認します。
- 在宅での皮膚処置の実施状況を確認する: 患者が入院中でなく、在宅で皮膚処置を行っているかを確認します。
- 指導内容を記録する: 薬剤の選択・被覆材の選択等について療養上の指導を行った内容をカルテに記録します。
- 併算定の有無を確認する: 同じ患者が難病外来指導管理料または皮膚科特定疾患指導管理料を算定していないかを確認します。
- 算定回数を確認する: 同一月にすでに算定していないか(月1回まで)を確認します。

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れって、どんなパターンがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
よく見かけるのは、対象疾患の確認が曖昧なまま「難治性の皮膚病変だから対象だろう」と判断してしまうケースです。対象は表皮水疱症と水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症の2疾患に限定されているので、この病名がカルテ・診断名にきちんと記載されているかをまず確認してください。
取り漏れが起きやすいポイント
対象疾患の記載もれ: 診断名が表皮水疱症・水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症のいずれかとして明確に記録されているか。指導内容の記録もれ: 薬剤・被覆材の選択等、療養上の指導を行った具体的な内容がカルテに残っているか。併算定チェックもれ: 難病外来指導管理料・皮膚科特定疾患指導管理料の算定有無を月次で確認しているか。
みらい(新人医療事務)
逆に、算定してはいけないのに算定してしまうパターンもありますか?
あおい(元・医療事務)
皮膚科・形成外科以外の医師が指導管理を行った場合に、診療科の要件を見落として算定候補としてしまうケースは注意が必要です。院内に複数の在宅療養指導管理料があると、担当医師の診療科要件がそれぞれ異なることもあるので、加算ごとの要件を混同しないようにしましょう。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが気になりそうな質問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
対象疾患が表皮水疱症や水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症以外の難治性皮膚疾患だったら、算定候補にはならないんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認している告示・留意事項通知の範囲では、対象疾患はこの2疾患に限定されています。他の難治性皮膚疾患であっても対象外の可能性が高いですが、個別の病態については自院の判断だけで決めず、審査支払機関にも確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
訪問診療と外来受診、どちらでも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
告示・留意事項通知には受診形態(訪問診療か外来か)を限定する記載は見当たりません。ポイントは「在宅において皮膚処置を行っている入院中の患者以外」という点なので、外来受診の患者さんであっても在宅で皮膚処置を継続している状態であれば、確認が必要な候補になり得ます。ただし個別の判断が必要な場面もあるので、迷った場合は確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
訪問看護と連携している場合、何か注意点はありますか?
あおい(元・医療事務)
さきほどの令和8年度の疑義解釈にもあったとおり、訪問看護ステーション側が特掲診療料の施設基準等の別表第8該当者として扱えるのは、医療機関が現にC114を算定している患者さんに限られます。単に難治性の皮膚病変があるだけでは該当しないとされているので、訪問看護と連携する際は、自院がC114を算定している状態かどうかを共有しておくとスムーズです。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。