みらい(新人医療事務)
「在宅経腸投薬指導管理料」という名前を初めて見たんですけど、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の医科点数表にあるC117 在宅経腸投薬指導管理料ですね。パーキンソン病の治療で使うレボドパ・カルビドパ水和物製剤を、経腸的に投与している患者さんに対して、投薬などの医学管理を行った場合に算定候補になる管理料です。
みらい(新人医療事務)
レボドパ・カルビドパ水和物製剤って、飲み薬のイメージだったんですが、経腸投薬っていうのは点滴みたいなものですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、経腸投薬用のポンプを使って、専用のゲル製剤を消化管に直接送り込む投与方法のことです。厚生労働省の告示では、対象を「入院中の患者以外の患者であって、レボドパ・カルビドパ水和物製剤の経腸投薬を行っているもの」と定めています。まずはこの投薬方法に該当するかどうかが出発点になります。
対象医療機関・対象患者を確認する
みらい(新人医療事務)
この加算はクリニックでも病院でも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、当サイトが収録している一次資料の範囲では、医科の在宅療養指導管理料の一区分として位置づけられており、医療機関の種別(診療所・病院)による限定は明記されていません。ただし在宅療養の管理料なので、外来受診中の患者さんではなく、在宅で療養している入院中以外の患者さんが対象になります。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの条件は、レボドパ・カルビドパ水和物製剤を使っていること以外にもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項通知ではもう少し具体的に絞り込まれています。厚生労働省の留意事項通知には 「パーキンソン病の患者に対し、レボドパ・カルビドパ水和物製剤を経胃瘻空腸投与する場合に、医師が患者又は患者の看護に当たる者に対して、当該療法の方法、注意点及び緊急時の措置等に関する指導を行い、当該患者の医学管理を行った場合に算定する」 と定められています。
みらい(新人医療事務)
つまり、「経腸投薬をしている」だけでなく「パーキンソン病の患者さんに、経胃瘻空腸(胃ろう・空腸)から投与している」ことと、「投与方法・注意点・緊急時対応の指導」を行っていることが条件になるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。告示の「経腸投薬を行っているもの」という表現と、留意事項通知の「経胃瘻空腸投与」「パーキンソン病」という具体的な限定を、両方満たしているかを確認する必要があります。片方だけを見て判断すると、算定候補の見落としや誤りにつながりやすいところです。

点数を確認する
みらい(新人医療事務)
点数はどのくらいなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示では、次のとおり定められています。
| 区分 | 点数(令和8年度) | 算定単位 |
|---|---|---|
| C117 在宅経腸投薬指導管理料 | 1,500点 | 月1回を限度 |
みらい(新人医療事務)
月に何回でも算定できるわけではないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。在宅療養指導管理料は、区分ごとに特に規定がない限り月1回が限度です。同じ月に指導管理を2回以上行っても、算定できるのは1回目を行ったときだけ、というのが基本ルールです。
施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
この加算は施設基準の届出が必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している資料の範囲では、C117に固有の施設基準や地方厚生局への事前届出は明示されていません。届出が不要という位置づけの管理料ですが、これは「誰でも無条件に算定候補になる」という意味ではない点に注意してください。あくまで対象患者の要件(パーキンソン病・経胃瘻空腸投与・レボドパ・カルビドパ水和物製剤の使用)と、指導管理の実施内容を満たしているかどうかが判断の軸になります。
届出不要でも確認は必要
施設基準の届出が不要な区分であっても、対象患者の該当性や実施した指導管理の記録が不十分だと、算定候補として認められない可能性があります。自院の記録・様式が要件に対応しているか、最終的には審査支払機関の判断も含めて確認することをおすすめします。
算定タイミング・重複算定の注意点
みらい(新人医療事務)
ほかに気をつけるポイントはありますか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理料の通則で定められている、複数の指導管理が重なったときの扱いです。厚生労働省の留意事項通知(在宅療養指導管理料の通則)には 「在宅療養指導管理料は1月1回を限度として算定し、特に規定する場合を除き、同一の患者に対して同一月に指導管理を2回以上行った場合は、第1回の指導管理を行ったときに算定する」、また 「2以上の保険医療機関が同一の患者について同一の在宅療養指導管理料を算定すべき指導管理を行っている場合には、特に規定する場合を除き、主たる指導管理を行っている保険医療機関において当該在宅療養指導管理料を算定する」 と定められています。
みらい(新人医療事務)
同じ患者さんに、別の在宅療養指導管理料も一緒に算定できることはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
同一の患者に対して2以上の在宅療養指導管理を行っている場合、原則として主たる指導管理の所定点数のみで算定する、という考え方が通則にあります。C117と他の在宅療養指導管理料を同時に検討する場合は、どちらが「主たる指導管理」に当たるのかを個別に確認する必要があります。今回参照した資料の範囲では、C117に特有の併算定可否までは明記されていないため、疑義解釈や個別の算定判断が必要な場面では、審査支払機関への確認をおすすめします。
重複算定は自己判断しない
「経腸投薬用のポンプ加算」など、投与に使う機器等の加算区分が別途存在する可能性があります。C117の所定点数と、機器加算・材料加算の扱いが混同されないよう、点数表の該当区分を個別に確認してください。

令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前の改定と比べて、この加算は何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
今回、当サイトが確認できた一次資料(令和8年厚生労働省告示第69号、および関連の留意事項通知)の範囲では、C117 在宅経腸投薬指導管理料の点数・算定要件についての改定前後の変更点は確認されていません(確認日: 2026年7月)。
改定差分の確認範囲
今回の確認は、令和8年度の告示・留意事項通知(区分C117)の内容照合にとどまります。前回改定(令和6年度)時点の同区分の記載内容そのものは、当サイトが収録している一次資料の範囲では直接の比較対象を確認できていません。制度の経緯を詳しく知りたい場合は、厚生労働省の個別改定項目の資料もあわせてご確認ください。
みらい(新人医療事務)
変更が無いなら、そのまま安心していいってことですか?
あおい(元・医療事務)
「変更が確認されていない」ことと「今後も変わらない」ことは別です。改定の都度、疑義解釈や訂正通知で細部が補足されることもあるので、算定候補として運用する際は、最新の一次資料を都度確認する姿勢が大切です。
自院で確認する順番
自院で確認する順番
- 対象の患者さんが、パーキンソン病でレボドパ・カルビドパ水和物製剤を経胃瘻空腸投与されているかを確認する
- 入院中の患者ではなく、在宅療養中の患者であることを確認する
- 医師が、投与方法・注意点・緊急時の措置等について、患者本人または看護に当たる者へ指導を行っているかを確認する
- 当該指導管理の内容を診療録・記録に残しているかを確認する
- 同一月に他の在宅療養指導管理料を算定していないか、重複の有無を確認する
- 月1回の算定タイミングになっているかを確認する
よくある取り漏れ
レボドパ・カルビドパ水和物製剤の投与経路の確認漏れ
経口や通常の経管栄養での投与と、経胃瘻空腸投与(専用ポンプによる持続投与)は投与経路が異なります。留意事項通知が想定する投与方法に該当するか、処方内容と投与ルートを診療録で確認しないまま算定候補と判断してしまうケースに注意してください。
指導内容の記録不足
「投与方法・注意点・緊急時の措置等に関する指導」を行った事実が、診療録やカルテに残っていないと、算定候補として説明しづらくなります。指導日・指導内容・対象者(患者本人か、看護に当たる家族等か)を記録に残しておくことをおすすめします。
関連する在宅療養指導管理料もあわせて確認
みらい(新人医療事務)
似たような「在宅◯◯指導管理料」も他にあるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、在宅療養指導管理料には複数の区分があります。たとえば在宅酸素療法指導管理料や在宅小児低血糖症患者指導管理料も同じ在宅療養指導管理料の通則が適用される区分です。同じ患者さんで複数の在宅療養指導管理料が候補になる場合は、通則にある「主たる指導管理」の考え方もあわせて確認しておくと整理しやすいです。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
経腸投薬のポンプにかかる費用は、この1,500点に含まれているんですか?
あおい(元・医療事務)
今回参照した資料の範囲では、C117の所定点数とは別に、投与に使う機器・材料に関する加算区分が点数表に設けられている可能性があります。ポンプや材料にかかる加算の詳細は、点数表の該当区分を個別に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
パーキンソン病以外の疾患で経腸投薬をしている場合は対象外なんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「パーキンソン病の患者」という条件が明記されています。パーキンソン病以外の疾患で同様の投与を行っているケースが対象になるかどうかは、今回参照した資料だけでは判断できません。個別の状況については、審査支払機関等への確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出をしていなくても算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している資料の範囲では、C117に固有の届出は必要とされていません。ただし、対象患者の該当性や指導内容の記録など、他の要件を満たしているかどうかは別途確認が必要です。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚生労働省の公式資料を根拠にしています。詳細は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)区分C117 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)(令和8年3月5日保医発0305第6号)別添1 医科診療報酬点数表に関する事項 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713882.pdf
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者の状況や指導管理の実施状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。