みらい(新人医療事務)
先生、「在宅中耳加圧療法指導管理料」っていう項目を見つけたんですけど、初めて聞く名前で全然イメージがわかなくて…。どんな患者さんに関係する管理料なんですか?
あおい(元・医療事務)
耳鼻咽喉科領域の在宅指導管理料の一つですね。メニエール病や遅発性内リンパ水腫と診断された患者さんが、自宅で「在宅中耳加圧装置」という機器を使って療養を続ける際に、医師が療養上の指導を行った場合に算定候補になる項目です。区分番号はC120、令和8年度(2026年度)時点で1,800点です。
みらい(新人医療事務)
中耳加圧装置というのは、耳に何か機械を当てるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
小型の機器を使って、中耳に陽圧の刺激を1日に数回加えることで、内リンパ水腫によるめまい症状のコントロールを図る在宅療法です。最初に医療機関で機器の使い方を指導してもらい、その後は自宅で患者さん自身や介助にあたるご家族が装置を操作します。この管理料は、そうした在宅療養に対して医師が行う指導そのものを評価するものです。
みらい(新人医療事務)
なるほど、機器を貸すことそのものではなく、指導に対する評価なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。装置の提供自体は別の枠組みで扱われますが、この管理料が評価しているのは「療養上の指導」という行為です。ここを混同すると算定の考え方がずれてしまうので、最初に押さえておきたいポイントです。
在宅中耳加圧療法指導管理料とは(対象疾患・対象患者)
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの条件を、もう少し詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示・留意事項通知で確認できる範囲では、大きく2つの軸で整理できます。ひとつは対象疾患で、「メニエール病」または「遅発性内リンパ水腫」と診断された患者さんが対象です。もうひとつは療養の実施状況で、在宅中耳加圧装置を用いた療養を実施している、入院中以外の患者さんが対象になります。入院患者さんへの指導は、この管理料の対象には含まれません。
みらい(新人医療事務)
指導の中身については、何か決まりがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。厚生労働省の留意事項通知には「医師が患者又は患者の看護に当たる者に対して、当該療法の方法、注意点及び緊急時の措置等について療養上の指導を行った場合に算定する」と明記されています。装置の使い方だけでなく、注意点や緊急時の対応まで含めて指導することが前提になっている点は押さえておきたいところです。
みらい(新人医療事務)
「患者の看護に当たる者」というのは、家族への指導でもいいということですか?
あおい(元・医療事務)
資料の文言上は、患者さん本人だけでなく看護にあたる方への指導も含めた書き方になっています。ただし、具体的にどの範囲の方まで対象として扱えるかまでは、今回確認できた資料には詳細な記載がありません。判断に迷う場合は個別に確認することをおすすめします。

点数と算定の基本(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数まわりを表で確認したいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度時点の内容を表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区分番号 | C120 |
| 名称 | 在宅中耳加圧療法指導管理料 |
| 点数 | 1,800点 |
| 対象患者 | メニエール病又は遅発性内リンパ水腫で、在宅中耳加圧装置による療養を実施する入院中以外の患者 |
| 対象年度 | 令和8年度(2026年度) |
みらい(新人医療事務)
機器のレンタル代とか、装置そのものの費用は別に請求できるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ。留意事項通知には「療養上必要な機器等に係る費用は、所定点数に含まれ別に算定できない」とはっきり書かれています。機器代を別途請求することはできない、という点は誤解しやすいので確認しておいてください。
みらい(新人医療事務)
実施条件として、学会のガイドラインを守る必要があるとも聞きました。
あおい(元・医療事務)
そうです。留意事項通知では「関連学会の定める適正使用指針を遵守して実施した場合に限り算定する」とされています。適正使用指針という言葉が出てくるのはこの管理料の特徴的なところで、装置の使い方を自己流にせず、学会が定めた指針に沿って運用しているかどうかが前提条件になっています。
算定要件は網羅ではありません
ここで紹介しているのは、当サイトが確認できた告示・留意事項通知の内容の一部です。実際の算定にあたっては、必ず最新の告示・通知の全文をご確認ください。
施設基準・届出はどうなっている?
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要なんですか? 他の在宅指導管理料だと届出が必要なものもありますよね。
あおい(元・医療事務)
今回確認できた告示・留意事項通知の範囲では、この管理料について施設基準や届出手続きに関する記載は見当たりませんでした。多くの在宅指導管理料で求められる「地方厚生局長等への届出」に関する言及が、確認できた資料の中にはない、という状況です。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届け出なくてもすぐに算定候補になるということですか?
あおい(元・医療事務)
そこは断定できません。資料に記載がないことと、実際の運用で届出が一切不要と扱われることは、必ずしもイコールではないからです。算定候補かどうかの最終的な判断は、自院の地方厚生局への確認、または加算チェッカーでの確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
施設基準がない代わりに、何か別の条件が課されているということですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の届出に代わるものとして位置づけられているのが、先ほど触れた「関連学会の適正使用指針の遵守」です。届出という手続き面での要件ではなく、実施内容そのものが指針に沿っているかどうかが問われている、と捉えるとイメージしやすいと思います。
確認しておきたいポイント
届出の要否は改定のたびに変わることがあります。「前回確認したときは不要だった」という情報だけで判断せず、算定する診療月時点の最新情報を確認してから指導を行うようにしましょう。
算定のタイミング・回数・併算定の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
月に何回まで算定できるとか、回数の決まりはありますか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、今回確認できた告示・留意事項通知の範囲では、算定回数の上限についての明記は確認できていません。他の多くの在宅指導管理料では「月1回」という制限が付くケースが多いのですが、この管理料についてそれを裏付ける記載は見当たりませんでした。
みらい(新人医療事務)
他の在宅指導管理料と一緒に算定することはできるんですか?
あおい(元・医療事務)
併算定の可否についても、確認できた資料の中に明確な記載はありませんでした。同一月に複数の在宅指導管理料の対象になりそうな患者さんがいる場合は、自己判断で併算定せず、審査支払機関への確認や加算チェッカーでの整理をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
資料に書いていないことは、うのみにせず確認する、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。「書かれていない=どちらでもよい」ではなく、「書かれていない=個別に確認が必要」と考えるようにしています。特に回数制限や併算定は、算定ミスや返戻につながりやすい部分なので、資料に明記がない項目こそ慎重に扱うようにしましょう。
回数制限・併算定は個別確認が必要です
算定回数の上限や他の指導管理料との併算定可否について、当サイトが確認できた一次資料には明確な記載がありません。資料に記載のない事項を「できる」「できない」と断定せず、必ず自院の状況に応じて審査支払機関等にご確認ください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から、何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、在宅中耳加圧療法指導管理料の点数(1,800点)や算定要件について、前回改定(令和6年度)からの主な変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
ずっと変わっていない項目なんですね。
あおい(元・医療事務)
そう見えますが、改定のたびに告示・通知の該当箇所を確認し直すことが大切です。点数が同じでも、対象疾患の範囲や指導の記載要件が変わることもあるので、「前回もこうだったから」と思い込まず、令和8年度の資料で都度確認する習慣をつけておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
次の改定でも、同じように確認したほうがいいですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特にこの管理料のように施設基準の届出が明記されていない項目は、運用ルールが通知レベルで調整されることもあるので、改定のタイミングごとに最新の一次資料を見直すようにしてください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックで実際に確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくと整理しやすいと思います。
自院で確認する順番
- 対象患者がメニエール病又は遅発性内リンパ水腫と診断されているか、入院中でないかを確認する
- 在宅中耳加圧装置による療養を実施しているか、関連学会の適正使用指針に沿った運用になっているかを確認する
- 医師が療法の方法・注意点・緊急時の措置について療養上の指導を行い、指導内容を記録に残しているかを確認する
- 施設基準の届出要否・算定回数・他の指導管理料との併算定可否を、自院の地方厚生局や審査支払機関、加算チェッカーで確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
見落としやすい確認ポイント
指導内容の記録: 装置の使い方だけでなく、注意点や緊急時の措置についても指導したことをカルテに残しているかを確認しましょう。 入院患者との混同: 対象は入院中以外の患者に限られます。入院中に同様の指導を行った場合との切り分けを意識してください。 機器費用の重複請求: 療養上必要な機器等の費用は所定点数に含まれるため、別立てで請求していないかを確認しましょう。
みらい(新人医療事務)
似たような名前の在宅指導管理料もありますよね。混同しないためのコツはありますか?
あおい(元・医療事務)
対象疾患と使う機器で見分けるのが一番わかりやすいです。関連する在宅指導管理料として、体内に刺激装置を植え込んで治療する在宅振戦等刺激装置治療指導管理料や、自己管理型の疼痛治療を評価する在宅自己疼痛管理指導管理料もあります。どちらも「在宅指導管理料」という同じカテゴリに属しますが、対象疾患も使用する機器もこの管理料とは異なるので、患者さんの診断名と使用機器の組み合わせで整理しておくと確認がスムーズです。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
遅発性内リンパ水腫とメニエール病、両方の診断名がついていないと対象にならないんですか?
あおい(元・医療事務)
資料の記載は「メニエール病又は遅発性内リンパ水腫」となっているので、どちらか一方の診断が確認できれば対象になり得ます。両方の診断名が必須というわけではありません。
みらい(新人医療事務)
装置を使い始めたばかりの患者さんでも、初回から算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
療養上の指導を実際に行った月であれば、開始初月でも算定候補になり得ます。ただし指導の実施と記録が伴っていることが前提です。回数の考え方について不明点がある場合は、加算チェッカーで確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
耳鼻咽喉科以外の診療科でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
診療科そのものを限定する記載は確認できていません。対象疾患の診断と療養上の指導という要件を満たしているかどうかで確認するのがよいと思います。診療科名だけで対象外と判断しないほうがよさそうです。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出をしていない場合、算定候補にはならないんですか?
あおい(元・医療事務)
今回確認できた資料には届出に関する記載自体がないため、届出をしていないことだけを理由に算定候補から外れる、とは言い切れません。ただし最終的な判断は自院の届出状況と最新の公式資料、審査支払機関の判断によって変わるので、必ず個別に確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。