みらい(新人医療事務)
先輩、「在宅寝たきり患者処置指導管理料」って聞いたことがあるんですが、どんな場面で算定する管理料なんですか?
在宅寝たきり患者処置指導管理料とは何のための管理料か
あおい(元・医療事務)
在宅寝たきり患者処置指導管理料(区分番号 C109)は、自宅で創傷処置などの処置を行っているいわゆる「寝たきり」の患者さんに対して、その処置に関する指導管理を行った場合に算定できる管理料です。令和8年度(2026年度)の診療報酬告示第69号に規定されています。
みらい(新人医療事務)
「在宅で処置をしている寝たきりの患者」というと、どんな方がイメージされますか?
あおい(元・医療事務)
たとえば自宅で胃ろうから栄養を入れている方、褥瘡(床ずれ)の処置をしている方、尿道カテーテルを留置している方、喀痰吸引が必要な方などが典型的です。「創傷処置等」には複数の処置が含まれますが、それは後ほど詳しく説明しますね。
みらい(新人医療事務)
届出とか施設基準が難しそうで心配なんですが……
あおい(元・医療事務)
この管理料は届出・施設基準ともに不要です。算定のために地方厚生局への届出は必要ありません。ただし、患者さんの状態や処置の内容、算定タイミングといった要件の確認は必要です。

点数と算定単位(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はいくらですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)は月1回、1,050点です。告示第69号(令和8年厚生労働省告示第69号)に明記されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区分番号 | C109 |
| 管理料名 | 在宅寝たきり患者処置指導管理料 |
| 点数 | 1,050点 |
| 算定単位 | 月1回 |
| 届出要否 | 不要 |
| 施設基準 | なし |
| 年度 | 令和8年度(2026年度) |
みらい(新人医療事務)
1,050点というのは、10円換算だと10,500円相当ですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし「算定候補かどうか」は患者さんの状態・処置内容・算定タイミングなどの要件を満たしているかどうかが前提です。個々の算定可否は自院の状況と公式資料で確認が必要です。
対象患者と対象処置の範囲
みらい(新人医療事務)
「寝たきり状態またはこれに準ずる状態」というのは具体的にどういう方を指すんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
告示の注1では「在宅における創傷処置等の処置を行っている入院中の患者以外の患者であって、現に寝たきりの状態にあるもの又はこれに準ずる状態にあるもの」とされています。留意事項通知(保医発0305第6号)では、現に寝たきりの状態や、それに準ずる状態が対象と説明されています。
みらい(新人医療事務)
「これに準ずる状態」というのが少し曖昧に感じますが、自院でどう判断するんですか?
あおい(元・医療事務)
判断は担当医師が患者の状態を踏まえて行います。明確な基準は「自力で全く動けない」寝たきりに限らず、それに近い状態も含みますが、個々の事例の判断は主治医と自院の確認が必要です。算定候補になりうるかは、医師とともに患者状態を確認してください。
みらい(新人医療事務)
「創傷処置等の処置」として対象になるのはどんな処置ですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(保医発0305第6号)には対象となる処置が列挙されています。以下の表にまとめました。
| 対象となる処置の種類 |
|---|
| 創傷処置(気管内ディスポーザブルカテーテル交換を含む) |
| 皮膚科軟膏処置 |
| 留置カテーテル設置 |
| 膀胱洗浄 |
| 導尿(尿道拡張を要するもの) |
| 鼻腔栄養 |
| ストーマ処置 |
| 喀痰吸引 |
| 介達牽引 |
| 消炎鎮痛等処置 |
みらい(新人医療事務)
褥瘡の処置は「創傷処置」に含まれると考えていいですか?
あおい(元・医療事務)
通知では「創傷処置(気管内ディスポーザブルカテーテル交換を含む)」と記載されています。褥瘡は創傷の一種として含まれると解釈されることが多いですが、個別の算定可否は自院の状況と疑義解釈等で確認が必要です。
算定タイミング・来院時の特例
みらい(新人医療事務)
これは訪問診療のときに算定する管理料ですか?
あおい(元・医療事務)
原則として、担当医師が患者の家(患家)に訪問して指導管理を行った場合に算定します。ただし、留意事項通知には例外規定があります。
来院患者への算定に関する特例(確認が必要)
寝たきりの状態にある方またはこれに準ずる状態にある方が、家族等に付き添われて来院した場合については、例外的に算定することができる旨が留意事項通知(保医発0305第6号)に示されています。ただし、「例外的」とされている点に留意が必要で、通常の外来患者への算定とは異なります。個別の状況については自院で確認してください。
みらい(新人医療事務)
月1回の算定で、同じ月に2回以上指導管理を行った場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理料全体の通則(告示第69号 第2節 在宅療養指導管理料 通則 第1款 注1)により、月1回に限り算定し、同一の患者に1月以内に指導管理を2回以上行った場合は第1回の指導管理を行ったときに算定します。
施設基準・届出の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
届出・施設基準が不要だと先ほど聞きましたが、それ以外に自院で確認すべき点はありますか?
あおい(元・医療事務)
算定にあたって確認すべき点を以下にまとめました。
自院で確認する順番
- 患者が入院中でないことを確認: 在院中の患者には算定できません
- 寝たきり状態(またはこれに準ずる状態)であることを確認: 主治医が患者状態を判断
- 在宅で対象処置を行っていることを確認: 創傷処置・留置カテーテル等が該当
- 皮膚科特定疾患指導管理料(B001の8)との併算定に注意: 算定している患者には算定不可
- 訪問診療での指導管理の実施を記録: 原則、患家での指導管理が必要
みらい(新人医療事務)
「皮膚科特定疾患指導管理料を算定している患者には算定しない」というのは、どういう理由ですか?
あおい(元・医療事務)
告示第69号 C109の注2に「区分番号B001の8に掲げる皮膚科特定疾患指導管理料を算定している患者については算定しない」と明記されています。同種の管理が重複することを避けるためのルールです。
在宅時医学総合管理料との同時算定(要確認)
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックは訪問診療をしていて、在宅時医学総合管理料(在総管)も算定しています。在宅寝たきり患者処置指導管理料と同時算定はできるんでしょうか? 「在宅時医学総合管理料 在宅寝たきり患者処置指導管理料 同時算定」って調べる方も多いと聞きました。
あおい(元・医療事務)
これはよくある疑問ですね。令和8年厚生労働省告示第69号の目次によれば、在宅寝たきり患者処置指導管理料(C109)は「第2章 特掲診療料 第2部 在宅医療 第2節 在宅療養指導管理料 第1款」、在宅時医学総合管理料(C002)は「第2章 特掲診療料 第2部 在宅医療 第1節 在宅患者診療・指導料」に位置づけられており、同じ第2部(在宅医療)内ですが別の節の区分に属します。
みらい(新人医療事務)
カテゴリが違えば、同時算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
区分が異なることから、同一月に併算定できる余地があるとも解釈されますが、注意点もあります。在宅療養指導管理料の通則(告示第69号 第2節 第1款 通則 注2)に「同一の患者に対して、本款各区分に掲げる在宅療養指導管理料に規定する在宅療養指導管理のうち2以上の指導管理を行っている場合は、主たる指導管理の所定点数のみにより算定する」という規定があります。
みらい(新人医療事務)
つまり、C109と他の在宅療養指導管理料(C100〜C119の範囲)は1つしか算定できないということですか?
あおい(元・医療事務)
その通りです。C109と同じ款(在宅療養指導管理料 第1款)に列挙されている他の管理料(例: 在宅自己注射指導管理料C101、在宅成分栄養経管栄養法指導管理料C105など)とは、同一患者に対して、主たる指導管理の点数のみを算定します。
在宅時医学総合管理料(C002)との同時算定は確認が必要
在宅時医学総合管理料(C002)は在宅療養指導管理料の第1款とは別カテゴリですが、同時算定の可否については、個々の算定状況・留意事項通知・疑義解釈の内容を踏まえて、自院の状況に合わせて確認することをお勧めします。「算定できる」と断定することは本記事の範囲外です。加算チェッカー等を活用して個別に整理してください。
みらい(新人医療事務)
慎重に確認する必要があるんですね。わかりました。
同時算定できない加算との関係
みらい(新人医療事務)
C109との組み合わせで、告示上で除外されている組み合わせはありますか?
あおい(元・医療事務)
告示第69号 第2節 第1款 通則 注3(在宅療養後方支援病院等からの紹介の場合の複数算定)の規定で、除外される組み合わせが明記されています。C109が関係するものとして、以下の組み合わせが除外(同時算定不可)とされています。
C109 と同時算定が除外される組み合わせ(告示第69号 通則 注3)
- C105-2(在宅小児経管栄養法指導管理料)とC109の組み合わせ
- C105-3(在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料)とC109の組み合わせ
- C109(在宅寝たきり患者処置指導管理料)とC114(在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料)の組み合わせ
上記は「在宅療養後方支援病院または在宅療養支援診療所・病院から紹介された患者に対して異なる指導管理を行う場合」に複数算定が認められる際の除外規定であり、通常の同一保険医療機関内での算定とは前提が異なります。詳細は告示・通知を自院で確認してください。
みらい(新人医療事務)
C109とC114(在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料)は同時算定できないんですね。
あおい(元・医療事務)
その組み合わせが除外リストに含まれています。これは処置内容が重なりやすいことが理由と考えられますが、具体的な判断は自院と公式資料で確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、この管理料は何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)診療報酬改定の告示・留意事項通知(保医発0305第6号・令和8年3月5日)を踏まえた範囲では、C109 在宅寝たきり患者処置指導管理料について、点数・算定単位・対象患者・対象処置・施設基準・届出要件の各項目で、前回改定(令和6年度)からの主な変更は確認されていません(2026年6月・厚労省告示第69号・留意事項通知ベース)。
みらい(新人医療事務)
据え置きということですね。安定した管理料なんですね。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示を確認した範囲では変更なしですが、疑義解釈や訂正通知で細部が変わることもあります。最新の公式資料を定期的にチェックする習慣が大切です。
よくある取り漏れポイント
取り漏れが起きやすいポイント(令和8年度)
- 対象処置の範囲を狭く解釈している: 喀痰吸引・消炎鎮痛等処置なども対象に含まれます。患者が在宅で行っている処置を漏れなく確認してください
- 「寝たきり準ずる状態」の患者を見落としている: 完全な寝たきりだけでなく「準ずる状態」も対象です。主治医が状態を確認することが重要です
- 訪問診療記録との整合: 原則として「訪問して指導管理を行った」ことが算定要件です。記録の整備を確認してください
- 皮膚科特定疾患指導管理料との重複: B001の8を同月に算定している場合はC109は算定できません
- 月1回の制限: 同一月に2回以上指導管理を行っても算定は1回だけです
みらい(新人医療事務)
来院患者で算定する場合、外来受診の記録だけでよいですか?
あおい(元・医療事務)
原則は訪問での算定ですが、「寝たきり状態にある方が家族等に付き添われて来院した場合」の例外的な算定の場合も、診療録への記録が必要です。算定根拠となる患者状態・処置内容・指導管理の記録を残すことが重要です。
自院で確認する順番

みらい(新人医療事務)
自院でこの管理料を算定できるかどうか、確認する手順を教えてください。
あおい(元・医療事務)
以下の順番で確認するとスムーズです。
自院で確認する順番
- 対象患者のリストアップ: 在宅(訪問診療対象)で創傷処置・ストーマ処置・喀痰吸引・留置カテーテル等の処置を受けている患者を抽出する
- 寝たきり状態の確認: 「寝たきり状態またはこれに準ずる状態」かどうかを主治医が判断・記録する
- 入院中でないことの確認: 入院中の患者は対象外
- 皮膚科特定疾患指導管理料の算定状況確認: B001の8を算定している患者はC109の対象外
- 他の在宅療養指導管理料との関係確認: 同一患者に複数の在宅療養指導管理料を算定している場合は主たるものだけ算定
- 記録・請求の整備: 訪問診療録・指導管理記録の整備
よくある質問
みらい(新人医療事務)
「在宅寝たきり患者処置指導管理料」という名前からして、看護師が処置を行っている場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
算定するのは「医師が指導管理を行った場合」です。患者や家族が処置を行う、または看護師が訪問看護で処置を行っている場合でも、医師が処置に関する指導管理を行った場合に算定候補になります。「誰が処置をしているか」ではなく「医師が指導管理を行ったか」が要件です。
みらい(新人医療事務)
在宅時医学総合管理料(在総管・C002)を算定している訪問診療患者で、在宅寝たきり患者処置指導管理料との同時算定について疑問があります。別のクリニックで確認したいんですが。
あおい(元・医療事務)
在宅時医学総合管理料と在宅寝たきり患者処置指導管理料の同時算定の可否は、算定区分が異なることから可能という解釈もありますが、個々の状況によって判断が変わりえます。自院の在総管算定状況・患者状態・処置内容を整理した上で、加算チェッカーや社会保険事務局、または審査支払機関に確認することをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
退院直後の患者で、在宅移行後すぐに算定できますか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理料に関する留意事項通知(保医発0305第6号)の通則第8号に、「入院中の患者に対して、退院時に退院後の在宅療養指導管理料を算定すべき指導管理を行った場合には、退院の日1回に限り、在宅療養指導管理料の所定点数を算定できる」という規定があります。退院当日に指導管理を行った場合に算定候補となる可能性がありますが、退院月の算定状況や個別の条件について自院で確認が必要です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックでも対象患者がいるかもしれないと思えてきました。もう少し詳しく確認したいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。訪問診療患者の状態・実施している処置・算定中の管理料などを入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。