みらい(新人医療事務)
あおいさん、「自動腹膜灌流装置加算」ってレセプトで時々見るんですけど、これはどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅で腹膜透析(腹膜灌流)を行っている患者さんが、灌流液の交換を自動で行う「自動腹膜灌流装置」(いわゆるAPD装置)を使っているときに、算定を検討する材料加算ですよ。区分番号は「C155」です。
みらい(新人医療事務)
「自動」ってことは、機械が液を交換してくれる装置なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。この加算は単独では算定できず、在宅自己腹膜灌流指導管理料(C102)という管理料に上乗せする形で算定を検討します。まずはこの位置づけから整理していきましょう。
自動腹膜灌流装置加算ってどんな加算?
みらい(新人医療事務)
まず、この加算がどんなグループに入るのか教えてください。
あおい(元・医療事務)
自動腹膜灌流装置加算は「在宅療養指導管理材料加算」というグループの加算です。厚生労働省の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)には、「C155 自動腹膜灌流装置加算 2,500点 注 在宅自己連続携行式腹膜灌流を行っている入院中の患者以外の患者に対して、自動腹膜灌流装置を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。」と記載されています。
みらい(新人医療事務)
「第1款の所定点数に加算する」っていうのがよく分からないんですが……。
あおい(元・医療事務)
「第1款」というのは在宅療養指導管理料の本体部分のことで、C155が対象にしている患者さんの内容から見て、実務上は在宅自己腹膜灌流指導管理料(C102)の所定点数に上乗せする加算という位置づけになります。C102を算定していない患者さんに、C155だけを単独で算定することは想定されていません。
みらい(新人医療事務)
つまり「C102+C155」でセットのイメージですね。
あおい(元・医療事務)
はい、そのイメージで問題ありません。ただし、C102を算定している患者さん全員が対象になるわけではなく、自動腹膜灌流装置を使っている場合に限られます。この条件は後でもう少し詳しく見ていきましょう。
自動腹膜灌流装置加算の算定要件を確認しよう
みらい(新人医療事務)
算定を検討するための具体的な条件を教えてください。
あおい(元・医療事務)
告示の注書きに書かれている条件は、大きく2つです。1つ目は「在宅自己連続携行式腹膜灌流を行っている入院中の患者以外の患者」であること、2つ目は「自動腹膜灌流装置を使用した場合」であることです。
みらい(新人医療事務)
「在宅自己連続携行式腹膜灌流」というのは、C102の対象になる療法のことですよね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。C102の告示にも同じように「在宅自己連続携行式腹膜灌流を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅自己連続携行式腹膜灌流に関する指導管理を行った場合に算定する」とあります。C155はこの管理料の対象患者のうち、灌流液の交換に自動腹膜灌流装置を使っているケースについて、材料加算として算定を検討する形です。
みらい(新人医療事務)
「入院中の患者以外」というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。在宅(自宅療養)の患者さんが対象で、入院中の患者さんは対象外という整理です。この点はC102・C155のどちらの告示文言にも共通しています。
装置の使用実態は個別確認が必要
「自動腹膜灌流装置を使用した場合」に該当するかどうかは、実際の処方・使用状況をカルテや処方記録で確認する必要があります。装置の種類や使用頻度の判断まで、この記事だけで確定させないようにしてください。
対象になるのはどんな医療機関・患者?
みらい(新人医療事務)
うちのような診療所でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
診療所・病院のどちらでも算定候補になり得ます。在宅で腹膜灌流の指導管理を行っている保険医療機関であれば、医療機関の規模は問いません。
みらい(新人医療事務)
対象患者さんのイメージも教えてください。
あおい(元・医療事務)
腎不全などで在宅腹膜灌流(腹膜透析)を続けている患者さんのうち、灌流液の交換を自動腹膜灌流装置(APD装置)を使って行っている方が対象になります。夜間などに機械で自動的に交換を行うタイプの腹膜透析を選択している患者さんが、代表的なイメージです。
みらい(新人医療事務)
入院患者さんは基本的に対象外なんですよね。
あおい(元・医療事務)
はい。告示の文言どおり「入院中の患者以外」が対象です。入院中の患者さんについては、この材料加算の対象にはなりません。
自動腹膜灌流装置加算の点数はいくら?
みらい(新人医療事務)
気になる点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の点数表では、自動腹膜灌流装置加算は2,500点です。これは単独の点数ではなく、C102在宅自己腹膜灌流指導管理料の所定点数に上乗せする加算点数になります。
| 区分 | 点数(令和8年度) | 備考 |
|---|---|---|
| 在宅自己腹膜灌流指導管理料1(C102) | 4,000点 | 頻回指導管理の場合、月2回まで2回目以降1回2,000点を追加 |
| 在宅自己腹膜灌流指導管理料2(C102) | 1,500点 | 施設基準の届出をした医療機関が、他院からの依頼で指導管理を行った場合 |
| 自動腹膜灌流装置加算(C155) | +2,500点 | 自動腹膜灌流装置を使用した場合に加算 |
| 遠隔モニタリング加算(C102 注3) | +115点(月1回) | 継続的な遠隔モニタリングを実施した場合 |

みらい(新人医療事務)
C102の本体点数に、C155の2,500点がそのまま上乗せされるイメージでいいんですか?
あおい(元・医療事務)
基本的にはそのイメージで問題ありませんが、実際のレセプト上の算定額は、頻回指導管理の加算や遠隔モニタリング加算など他の要素との組み合わせによっても変わってきます。最終的な算定額は、個別の算定要件に沿って確認してください。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した告示・留意事項通知の範囲では、自動腹膜灌流装置加算そのものに固有の施設基準や届出を求める記載は見当たりませんでした。あくまでC102在宅自己腹膜灌流指導管理料に上乗せする材料加算という位置づけのためです。
みらい(新人医療事務)
じゃあ「届出は一切不要」と考えていいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重にしたいところです。「見当たらなかった」ことは「不要と確定した」こととイコールではありません。特に、C102在宅自己腹膜灌流指導管理料2のほうは「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが条件になっているため、自院がどちらの区分で算定しているかによっても、確認すべきポイントが変わります。
届出の要否は必ず自院で最終確認を
自動腹膜灌流装置加算そのものへの固有の届出は資料上見当たりませんが、上乗せ先であるC102側の届出状況(特に指導管理料2の施設基準)は別途確認が必要です。地方厚生(支)局への確認も含めて、自院の届出内容を必ず確認してください。
併算定・算定できないケースに注意
みらい(新人医療事務)
気をつけたい併算定のルールはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まず、C102の留意事項通知には「(1)『注1』の『頻回に指導管理を行う必要がある場合』とは、次のような患者について指導管理を行う場合をいう。ア 在宅自己連続携行式腹膜灌流の導入期にあるもの イ 糖尿病で血糖コントロールが困難であるもの ウ 腹膜炎の疑い、トンネル感染及び出口感染のあるもの エ 腹膜の透析効率及び除水効率が著しく低下しているもの オ その他医師が特に必要と認めるもの」と示されています。
みらい(新人医療事務)
この5つのどれかに該当する場合に、月2回まで頻回加算を検討できるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。加えて、人工腎臓・腹膜灌流との併算定にも回数制限があります。留意事項通知には「(3)在宅自己腹膜灌流指導管理料1を算定している患者(入院中の患者を除く。)は週1回を限度として、『J038』人工腎臓又は『J042』腹膜灌流の1の連続携行式腹膜灌流のいずれか一方を算定できる。なお、当該管理料を算定している患者に対して、他の医療機関において連続携行式腹膜灌流を行っても、当該所定点数は算定できない。」とあります。
みらい(新人医療事務)
他院で同じ処置を受けていても、二重には算定できないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。あわせて、遠隔モニタリング加算(月1回115点)にも実施要件があります。留意事項通知には「(4)遠隔モニタリング加算は、以下の全てを実施する場合に算定する。ア 注液量、排液量、除水量、体重、血圧、体温等の状態について継続的なモニタリングを行うこと。イ モニタリングの状況に応じて、適宜患者に来院を促す等の対応を行うこと。ウ 当該加算を算定する月にあっては、モニタリングにより得られた所見等及び行った指導管理の内容を診療録に記載すること。エ モニタリングの実施に当たっては、厚生労働省の定める『医療情報システムの安全管理に関するガイドライン』等に対応すること。」と定められています。
よくある取り漏れ・思い込みに注意
「C102を算定していれば自動的にC155も算定できる」と思い込んでしまうケースがあります。C155は自動腹膜灌流装置を実際に使用している場合に限られる加算のため、処方・使用状況をそのつど確認せずに算定候補から外してしまう、あるいは逆に条件を満たさないまま算定してしまう、どちらの取り漏れ・誤りにも注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
遠隔モニタリング加算は自動腹膜灌流装置加算とセットで算定できるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
遠隔モニタリング加算はC102の注3に定められた別の加算で、C155の自動腹膜灌流装置加算とは要件が異なります。両方を検討する場合でも、それぞれの算定要件(装置の使用状況、モニタリング体制の実施状況)を別々に確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から、何か変わった点はありますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料(令和8年厚生労働省告示第69号、および関連する留意事項通知)の範囲では、自動腹膜灌流装置加算の点数(2,500点)や算定要件の内容について、前回改定(令和6年度)からの変更を示す記載は確認されていません(確認日: 2026年7月)。
みらい(新人医療事務)
「変更なし」と言い切ってしまっていいんですか?
あおい(元・医療事務)
あくまで「当サイトが確認した資料の範囲では変更が見当たらない」という意味です。点数が据え置きに見えても、算定要件や摘要欄の記載ルールだけが改定で変わることもあるため、断定的な言い方は避けたいところです。今後の訂正通知や疑義解釈で取り扱いが補足・変更される可能性もありますので、最新の公式情報は都度確認してください。
改定差分の確認ポイント
点数が変わっていなくても、算定要件・対象患者の範囲・届出の扱いだけが変わる改定は珍しくありません。「点数据え置き=内容も同じ」と決めつけず、告示・留意事項通知の該当箇所を都度確認する習慣をつけましょう。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちで算定候補かどうか、どんな順番で確認していけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認していくと整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
- 患者さんが在宅自己連続携行式腹膜灌流(在宅腹膜透析)を行っており、入院中でないかを確認する
- 自動腹膜灌流装置(APD装置)を実際に使用しているかを、処方内容やカルテの記載で確認する
- C102在宅自己腹膜灌流指導管理料1・2のどちらで算定しているか、その区分の要件を満たしているかを確認する
- 頻回指導管理・遠隔モニタリング加算など、他の加算の該当有無をあわせて確認する
- 同一月内に人工腎臓・腹膜灌流を算定している場合は、週1回の回数制限に抵触していないかを確認する
- 届出の要否について、自院の届出状況・地方厚生(支)局への確認を行う

みらい(新人医療事務)
こうやって順番に見ていけば、抜け漏れなく確認できそうです。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある疑問をまとめて聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
自動腹膜灌流装置加算は単独で算定できますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ。告示の文言上、在宅自己腹膜灌流指導管理料(C102)の所定点数に上乗せする材料加算という位置づけです。C102の対象患者でない場合は、C155単独での算定は想定されていません。
みらい(新人医療事務)
在宅自己連続携行式腹膜灌流(CAPD)と自動腹膜灌流装置(APD)はどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
C102・C155の告示はいずれも「在宅自己連続携行式腹膜灌流を行っている患者」という表現を使っています。その中で、灌流液の交換に自動腹膜灌流装置を使用している場合にC155の算定を検討する、という整理です。装置の医学的な仕組みの詳細については、この記事の範囲を超えるため、必要に応じて専門資料をあわせて確認してください。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者さんは本当に対象外なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。告示の注書きに「入院中の患者以外の患者に対して」と明記されているため、入院中の患者さんは対象外という整理になります。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料の範囲では、自動腹膜灌流装置加算そのものに固有の届出を求める記載は見当たりませんでした。ただし、上乗せ先のC102在宅自己腹膜灌流指導管理料2は施設基準の届出が条件になっているため、自院の届出区分・届出状況をあわせて確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や装置の使用状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。