みらい(新人医療事務)
先輩、在宅酸素療法をしている患者さんが「携帯用の小さいボンベを持ち歩いている」って言ってたんですが、これって加算の対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
それはまさに「酸素ボンベ加算(区分C157)」の話ですね。令和8年度(2026年度)時点では、在宅酸素療法指導管理料(C103)を算定している患者さんが酸素ボンベを使用している場合に、材料加算として算定候補になりますよ。
みらい(新人医療事務)
材料加算というのは、指導管理料とは別に上乗せするものなんですね。届出とか必要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
ひとつずつ確認していきましょう。まず加算の全体像から見ていきますね。
酸素ボンベ加算とは
みらい(新人医療事務)
そもそも酸素ボンベ加算ってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
告示(令和8年厚生労働省告示第69号)の区分C157に規定されている注書きには、「在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者(チアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く。)に対して、酸素ボンベを使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。」とあります。
みらい(新人医療事務)
つまり、在宅酸素療法指導管理料(C103)の所定点数に上乗せする加算ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。「第1款の所定点数」というのは、在宅療養指導管理料(C103など)の点数のことです。酸素ボンベ加算は、その指導管理料に材料費相当分として加算する「第2款 在宅療養指導管理材料加算」の一区分です。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの条件も教えてください。
あおい(元・医療事務)
ポイントは2つです。1つ目は「在宅酸素療法を行っている、入院中の患者以外の患者」であること。つまり外来通院中や在宅療養中の患者さんが対象で、入院患者さんは対象外です。2つ目は「チアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く」という除外規定がある点です。
チアノーゼ型先天性心疾患の患者は対象外
留意事項(診療報酬点数表に関する事項)には「チアノーゼ型先天性心疾患の患者に対して指導管理を行った場合は、酸素ボンベ加算は別に算定できない。」と明記されています。該当患者への算定候補にはならない可能性があるため、対象患者の確認が必要です。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
診療所でも病院でも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。在宅療養指導管理料の枠組みの中の加算なので、診療所・病院のどちらでも対象になり得ます。当サイトが収録している一次資料の範囲では、対象医療機関を診療所・病院いずれかに限定する記載は確認されていません。
みらい(新人医療事務)
入院患者さんには使えないんでしたね。
あおい(元・医療事務)
そうです。告示の注に「入院中の患者以外の患者」と明記されているとおり、在宅・外来通院中の患者さんが対象です。入院中に酸素ボンベを使用しても、この加算の対象にはなりません。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示では、区分が2つに分かれています。

| 区分 | 対象 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| 酸素ボンベ加算1 | 携帯用酸素ボンベ | 880点 |
| 酸素ボンベ加算2 | 1以外の酸素ボンベ(携帯用以外) | 3,950点 |
あおい(元・医療事務)
(出典: 令和8年厚生労働省告示第69号 区分C157)。携帯用と、それ以外(据置型など)とで点数が大きく異なるのが特徴です。
みらい(新人医療事務)
携帯用かどうかで4倍以上も違うんですね。どちらを使っているかで確認する加算が変わってくるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。患者さんが実際にどちらのボンベを使用しているかを確認してから、どちらの区分で算定候補になるかを判断する必要があります。
携帯用酸素ボンベ加算の算定要件
みらい(新人医療事務)
「携帯用」の定義って何か決まりがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項(診療報酬点数表に関する事項)には、「「1」の加算は、医療機関への通院等に実際に携帯用小型ボンベを使用した場合に算定できる。なお、用いられるボンベのうち概ね1,500リットル以下の詰め替え可能なものについて算定の対象とし、使い捨てのものについては算定の対象としない。」と書かれています。
みらい(新人医療事務)
「通院等に実際に使用した場合」という条件があるんですね。それに使い捨てタイプは対象外なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、2点重要な条件があります。1つは実際に通院等で携帯用ボンベを使用している実態が必要なこと。もう1つは、概ね1,500リットル以下で詰め替え可能なボンベであることです。使い捨てタイプのボンベを使用している場合は、この区分の対象にならない可能性があるため確認が必要です。
携帯用酸素ボンベ加算の確認ポイント
- 医療機関への通院等に実際に携帯用小型ボンベを使用しているか
- 概ね1,500リットル以下で、詰め替え可能なボンベか(使い捨ては対象外)
- 患者が使用中の機器を診療録・在宅酸素療法の記録等で確認できるか
併算定・回数制限の注意点
みらい(新人医療事務)
酸素濃縮装置とかほかの機器も併用している患者さんの場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
重要な注意点があります。まず告示(区分C158 酸素濃縮装置加算)の注には、「在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者(チアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く。)に対して、酸素濃縮装置を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。ただし、この場合において、区分番号C157に掲げる酸素ボンベ加算の2は算定できない。」と規定されています。
みらい(新人医療事務)
酸素濃縮装置加算(C158)を算定する場合、酸素ボンベ加算の2(携帯用以外)は同時に算定できないということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。この告示の文言からは、酸素ボンベ加算の1(携帯用)についての除外規定は見当たりません。ただし、携帯用酸素ボンベ加算と酸素濃縮装置加算を同一患者に併用する場合の算定可否について、この条文だけでは明確に判断できない部分もあるため、実際の組み合わせは審査支払機関への確認をおすすめします。
酸素濃縮装置加算との併算定
酸素濃縮装置加算(C158)を算定する場合、酸素ボンベ加算の2(携帯用以外)は算定できません(告示 区分C158 注)。携帯用酸素ボンベ加算(酸素ボンベ加算の1)との組み合わせは、告示の除外規定に明記がないため、自院での算定前に審査支払機関へ確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
回数の制限もあるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。留意事項には、「同一患者に対して酸素ボンベ(携帯用酸素ボンベを除く。)、酸素濃縮装置及び設置型液化酸素装置を併用して在宅酸素療法を行った場合は、合わせて3月に3回に限り算定する。」「同一患者に対して、携帯用酸素ボンベ及び携帯型液化酸素装置を併用して在宅酸素療法を行った場合は、合わせて3月に3回に限り算定する。」という機器併用時の回数制限が定められています。
みらい(新人医療事務)
併用しているケースでは、機器ごとに別々に3月3回ではなく、合算して3月3回ということなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。さらに、在宅療養指導管理材料加算全体の通則にも、「本款各区分に掲げる在宅療養指導管理材料加算は、第1款各区分に掲げる在宅療養指導管理料のいずれかの所定点数を算定する場合に、特に規定する場合を除き、3月に3回に限り算定する。」という回数の原則があります。
みらい(新人医療事務)
材料加算全体として、まず「3月に3回」が原則なんですね。その上で、機器を併用しているケースでは合算のルールが適用されると。
あおい(元・医療事務)
整理するとそうなります。実際にどの機器をどう組み合わせて使用しているかによって回数のカウント方法が変わるので、レセプト作成時には患者さんごとの使用機器の組み合わせを必ず確認してください。
回数制限のポイント(令和8年度)
- 在宅療養指導管理材料加算は原則「3月に3回」まで(第2款通則)
- 酸素ボンベ(携帯用を除く)・酸素濃縮装置・設置型液化酸素装置を併用する場合は合わせて3月3回
- 携帯用酸素ボンベ・携帯型液化酸素装置を併用する場合も合わせて3月3回
- 機器の組み合わせごとに回数カウントの単位が変わるため注意が必要
「酸素ボンベを使用した場合」の考え方
みらい(新人医療事務)
「酸素ボンベを使用した場合」というのは、具体的にどういう状態を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理材料加算に関する留意事項(診療報酬点数表に関する事項)には、「在宅療養指導管理材料加算は、例えば「酸素ボンベを使用した場合」とは当該保険医療機関の酸素ボンベを在宅で使用させた場合をいう等、保険医療機関が提供すること及び在宅における状態であることを前提にしているものであること。」という一般的な考え方が示されています。
みらい(新人医療事務)
つまり、保険医療機関が提供したボンベを、患者さんが在宅で使用している状態が前提ということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。この点も踏まえて、貸与している機器の管理体制についても留意事項では言及されています。「保険医療機関が所有する装置(酸素濃縮装置等)を患者に貸与する場合、保険医療機関は、当該装置の保守・管理を十分に行うこと。また、これらの装置の保守・管理を販売業者に委託する場合には、保険医療機関は、当該販売業者との間で、これらの装置の保守・管理に関する契約を締結し、保守・管理の内容を患者に説明した上で、定期的な確認と指導を行い、当該装置の保守・管理が当該販売業者により十分に行われている状況を維持すること。」とされています。
みらい(新人医療事務)
貸与するだけじゃなく、保守・管理体制まで求められているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。委託する場合は契約書の整備や定期確認の実施状況も、算定の前提として確認しておきたいポイントです。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準や届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の区分C157の条文を確認すると、点数区分と対象患者の定めのみが規定されており、施設基準への適合や地方厚生局への届出についての規定は見当たりません。当サイトが収録している一次資料の範囲では、酸素ボンベ加算そのものに個別の届出は不要と考えられます。
みらい(新人医療事務)
なるほど、届出が必要な加算とは違うんですね。
あおい(元・医療事務)
ただし、酸素ボンベ加算はあくまで在宅酸素療法指導管理料(C103)に対する加算です。本体であるC103の届出状況や、他の材料加算(酸素濃縮装置加算・液化酸素装置加算など)との組み合わせ方によって確認すべき点は変わってきます。届出の要否は自院の状況に応じて最終確認することをおすすめします。
届出要否の確認について
告示の条文には施設基準・届出に関する規定が見当たらないため、酸素ボンベ加算自体は届出不要と考えられますが、最終的な判断は自院の届出状況・公式資料・審査支払機関でご確認ください。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から、この加算に変更はあったんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料(令和8年厚生労働省告示第69号)の範囲で確認した限りでは、酸素ボンベ加算(区分C157)の点数区分・点数(880点・3,950点)について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省告示第69号ベース)。
令和8年度改定 酸素ボンベ加算の変更点(一次資料確認の範囲)
- 点数区分(携帯用880点・携帯用以外3,950点): 変更は確認されていません
- 算定要件(在宅酸素療法・チアノーゼ型先天性心疾患除外): 変更は確認されていません
なお、点数以外の細目(施設基準・様式・疑義解釈等)を含む改定の全体像は、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要」(個別改定項目について)でご確認いただくことをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
大きな変更はなかったということで、少し安心しました。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際に自院で算定候補になるか確認するときは、どんな順番で見ればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認するとわかりやすいですよ。
自院で確認する順番
- 対象患者が在宅酸素療法指導管理料(C103)を算定中の外来・在宅患者か(入院患者は対象外)
- チアノーゼ型先天性心疾患の患者ではないか
- 使用しているボンベが携帯用か、携帯用以外かを確認する
- 携帯用の場合、実際に通院等で使用しているか、概ね1,500リットル以下の詰め替え可能なボンベか(使い捨ては対象外)
- 酸素濃縮装置・液化酸素装置など他の材料加算と併用していないか、併用時の回数制限(3月3回)を満たしているか
- 直近3か月の算定回数(3回まで)を確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場で見落としやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるパターンを3つ紹介します。
よくある取り漏れ
取り漏れ1: 携帯用と携帯用以外の区分の取り違え: 患者さんが実際に使用しているボンベの種類を確認せず、どちらか一方の区分で機械的に算定してしまうケースがあります。使用機器の種類を必ず確認しましょう。
取り漏れ2: 併用時の回数カウント漏れ: 酸素濃縮装置や液化酸素装置と併用している患者さんについて、機器ごとに別々に3月3回とカウントしてしまい、合算ルールを見落とすケースがあります。
取り漏れ3: 使い捨てボンベの誤算定: 携帯用酸素ボンベ加算は詰め替え可能なボンベが対象で、使い捨てタイプは対象外です。使用機器の仕様を確認せずに算定してしまうと、後日の確認で修正が必要になる可能性があります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後によくある質問をまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
現場でよく出る質問を挙げますね。
みらい(新人医療事務)
チアノーゼ型先天性心疾患の患者さんが酸素ボンベを使っている場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項に「チアノーゼ型先天性心疾患の患者に対して指導管理を行った場合は、酸素ボンベ加算は別に算定できない」と明記されています。この加算の対象外になる可能性が高いため、対象患者の該当状況を確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
酸素濃縮装置加算と酸素ボンベ加算は同時に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
告示(区分C158)に「酸素濃縮装置加算を算定する場合において、区分番号C157に掲げる酸素ボンベ加算の2は算定できない」と規定されています。酸素ボンベ加算の1(携帯用)についての除外規定は告示上見当たりませんが、実際の組み合わせは審査支払機関への確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者さんにも酸素ボンベ加算は算定できますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注に「入院中の患者以外の患者」と明記されているため、入院中の患者さんは対象外と考えられます。在宅・外来通院中の患者さんが対象です。
みらい(新人医療事務)
3月に3回を超えて使用機器を交換した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理材料加算は「特に規定する場合を除き、3月に3回に限り算定する」という通則があります。回数の上限を超える場合の取り扱いについて、当サイトが収集している一次資料の範囲では詳細な例外規定は確認されていません。個別のケースは審査支払機関への確認をおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちの患者さんが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです。
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。使用機器や届出状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。あわせて 在宅酸素療法指導管理料(C103) の記事もご覧いただくと、本体の指導管理料側の確認ポイントも把握できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。