この加算はどんな加算?
みらい(新人医療事務)
先生、区分C160の「在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算」って、初めて名前を聞きました。どんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅で中心静脈栄養法(IVH)を行っている患者さんに対して、輸液バッグや注射器、輸液ラインなどの「輸液セット」を使用した場合に算定できる加算です。在宅中心静脈栄養法指導管理料(区分C104)と同じグループの加算で、告示にもそのまま書かれていますよ。
みらい(新人医療事務)
「輸液セット」って具体的には何を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知に定義があります。読んでみますね。
輸液セットの定義(留意事項通知)
「C160 在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算 「輸液セット」とは、在宅で中心静脈栄養法を行うに当たって用いる輸液用器具(輸液バッグ)、注射器及び採血用輸血用器具(輸液ライン)をいう。」(診療報酬点数表に関する事項、令和8年度)
みらい(新人医療事務)
輸液バッグと注射器、輸液ラインの3点セットなんですね。うちのクリニックでも在宅の中心静脈栄養の患者さんがいるので、対象になるか気になります。
あおい(元・医療事務)
では、対象になる医療機関や患者さんの範囲から順番に確認していきましょう。
対象になる医療機関・患者
みらい(新人医療事務)
この加算、病院じゃないと算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、診療所でも病院でも、在宅療養の場面であれば算定候補になります。当サイトが参照している一次資料の整理では、対象は診療所・病院・在宅の場面で、入院中の患者さんは対象外です。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの条件はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注書きに、そのまま書かれています。
算定要件(告示の注書き)
「C160 在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算 2,000点 注 在宅中心静脈栄養法を行っている入院中の患者以外の患者に対して、輸液セットを使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。」(診療報酬の算定方法の一部を改正する件、令和8年厚生労働省告示第69号)
みらい(新人医療事務)
「入院中の患者以外」というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。入院中の患者さんには算定できません。あくまで在宅で療養している患者さんが対象です。ちなみに在宅中心静脈栄養法そのものの定義は、C104(在宅中心静脈栄養法指導管理料)の留意事項通知に書かれていて、「諸種の原因による腸管大量切除例又は腸管機能不全例等のうち、安定した病態にある患者について、在宅での療養を行っている患者自らが実施する栄養法」とされています。中心静脈栄養以外に栄養維持が困難で、医師が当該療法を必要と認めた患者さんが対象になります。
みらい(新人医療事務)
なるほど、C104と対象患者の考え方がつながっているんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。この加算単独で対象患者が決まるわけではなく、在宅中心静脈栄養法という指導管理の枠組みの中に位置づけられていると考えるとわかりやすいと思います。次は点数を見ていきましょう。

点数はいくら?
みらい(新人医療事務)
肝心の点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の点数表では2,000点です。表にまとめますね。
| 項目 | 内容 | 年度 |
|---|---|---|
| 区分番号 | C160 | 令和8年度 |
| 加算名 | 在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算 | 令和8年度 |
| 点数 | 2,000点 | 令和8年度 |
| 加算のかかり方 | 在宅療養指導管理料(第1款)の所定点数に加算 | 令和8年度 |
みらい(新人医療事務)
「第1款の所定点数に加算する」というのは、どういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
この加算だけを単独で算定するものではなく、在宅中心静脈栄養法指導管理料(C104)のような在宅療養指導管理料(第1款)の所定点数に、上乗せする形で算定する加算という意味です。C104については当サイトでも整理していますので、あわせて確認しておくと理解しやすいと思います。
関連する在宅療養指導管理料(告示の注書き)
「C104 在宅中心静脈栄養法指導管理料 3,000点 注 在宅中心静脈栄養法を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅中心静脈栄養法に関する指導管理を行った場合に算定する。」(診療報酬の算定方法の一部を改正する件、令和8年厚生労働省告示第69号)
あおい(元・医療事務)
在宅中心静脈栄養法指導管理料(C104) の記事もあわせてご覧いただくと、指導管理料と材料加算の関係がつかみやすいと思います。
みらい(新人医療事務)
C104とセットで理解しておくのがよさそうですね。次は施設基準や届出について知りたいです。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
この加算、届出とか施設基準は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、今回確認できた告示・留意事項通知の該当箇所には、この加算に固有の施設基準や個別の届出を求める記載は見当たりませんでした。
みらい(新人医療事務)
「見当たらない」というのは、「不要」と言い切っていいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重にお答えしたいところです。資料に記載が無いことをもって「必ず不要」と言い切ることはできません。地方厚生局への届出状況や運用は保険医療機関ごとに事情が異なることもあるので、最終的には自院の届出台帳や地方厚生局の資料で確認することをおすすめします。
施設基準・届出は未確認区分として扱う
本加算に固有の施設基準・届出要件については、当サイトが参照した告示・留意事項通知の範囲では確認できていません。届出の要否は自院の届出状況・地方厚生局の資料で必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
わかりました。次は算定できるタイミングや回数の制限を知りたいです。
算定のタイミング・回数制限
あおい(元・医療事務)
この加算は「第2款 在宅療養指導管理材料加算」というグループに属していて、そのグループ全体にかかる通則があります。
第2款 在宅療養指導管理材料加算 通則(告示)
「第2款 在宅療養指導管理材料加算 通則 1 本款各区分に掲げる在宅療養指導管理材料加算は、第1款各区分に掲げる在宅療養指導管理料のいずれかの所定点数を算定する場合に、特に規定する場合を除き、3月に3回に限り算定する。」(診療報酬の算定方法の一部を改正する件、令和8年厚生労働省告示第69号)
みらい(新人医療事務)
「3月に3回に限り」ということは、毎月ずっと算定できるわけではないんですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。C160の告示の条文自体には回数についての特別な定めが書かれていないため、この通則の「3月に3回」という上限が適用されると考えられます。この上限を超えて算定することはできないので、算定回数の管理が必要です。
みらい(新人医療事務)
回数の管理まで気をつけないといけないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。留意事項通知の方でも、在宅療養指導管理材料加算の考え方について補足があります。
第2款 在宅療養指導管理材料加算 補足(留意事項通知)
「第2款 在宅療養指導管理材料加算 1 在宅療養指導管理材料加算は、要件を満たせば、第1款在宅療養指導管理料を算定するか否かにかかわらず、別に算定できる。」(診療報酬点数表に関する事項、令和8年度)
みらい(新人医療事務)
これって、C104を算定していなくても、この加算だけ算定できるということですか?
あおい(元・医療事務)
そう単純に言い切れる書き方ではないんです。この一文だけを取り出すと独立して算定できるようにも読めますが、C160はもともとC104のような在宅療養指導管理料の所定点数に「加算する」ものとされているので、実際の運用は自院のレセプト担当者や審査支払機関に確認しながら判断するのが安全です。当サイトでは、この点は断定せず「要確認」として扱っています。
算定タイミングの解釈は要確認
「在宅療養指導管理料を算定するか否かにかかわらず、別に算定できる」という留意事項通知の記載と、「第1款の所定点数に加算する」という告示の条文の関係については、当サイトの一次資料の範囲だけでは断定できません。実際の算定タイミングは、自院のレセプト担当者・地方厚生局・審査支払機関に確認してください。
併算定はできる?
みらい(新人医療事務)
この輸液セット加算、他の材料と一緒に算定できないケースってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。同じ第2款の通則に、保険医療材料を使う加算についての注意点が書かれていて、C160が名指しで挙げられています。
調剤報酬との重複算定に関する注意(告示・留意事項通知)
「前号の規定にかかわらず、本款各区分に掲げる在宅療養指導管理材料加算のうち、保険医療材料の使用を算定要件とするものについては、当該保険医療材料が別表第三調剤報酬点数表第4節の規定により調剤報酬として算定された場合には算定しない。」(告示)/「「2」の「保険医療材料の使用を算定要件とするもの」とは、「C160」在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算等をいう。」(診療報酬点数表に関する事項、令和8年度)
みらい(新人医療事務)
つまり、輸液セットの費用が調剤報酬の方で算定されている場合は、この加算は算定できないということですか?
あおい(元・医療事務)
読み方としてはそうなります。輸液セットに該当する保険医療材料が、調剤報酬点数表の別表第三第4節の規定で調剤報酬として算定された場合には、この加算は算定しないとされています。院内と院外のどちらで輸液セットに相当する材料費が算定されているかを確認しておく必要がありますね。
みらい(新人医療事務)
薬局との連携も関係してくるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。院外処方で薬局が関わるケースでは、どちらの側で材料費を算定しているかを事前にすり合わせておくと、後から重複算定に気づいて修正する手間を減らせます。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定(令和6年度)から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えする必要があります。当サイトが参照している一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの区分C160の点数・算定要件の変更点は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省の告示・留意事項通知ベース)。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」と言い切っていいわけではないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。当サイトが収録している一次資料の範囲での確認結果、というところまでが正確な言い方になります。改定内容の全体像を詳しく確認したい場合は、厚生労働省が公開している改定資料もあわせてご覧いただくのがおすすめです。
改定差分の確認範囲(令和6年度→令和8年度)
区分C160の点数(2,000点)・算定要件の文言について、当サイトが参照した令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません。今後の一次資料の確認状況によって更新される可能性があります。
自院で確認する順番
あおい(元・医療事務)
ここまでの内容を、自院で確認する順番として整理しておきますね。
自院で確認する順番
- 在宅で中心静脈栄養法を行っている患者さんか(入院中でないこと)を確認する
- 輸液バッグ・注射器・輸液ラインからなる「輸液セット」を実際に使用しているかを確認する
- 在宅中心静脈栄養法指導管理料(C104)など、第1款の在宅療養指導管理料の算定状況を確認する
- 輸液セットに相当する材料費が調剤報酬(別表第三第4節)で算定されていないかを確認する
- 直近3か月の算定回数が「3月に3回」の上限を超えていないかを確認する
- 施設基準・届出の要否は自院の届出台帳・地方厚生局の資料で最終確認する

みらい(新人医療事務)
こうやって順番に並べてもらえると、確認漏れが減りそうです。
よくある取り漏れ
あおい(元・医療事務)
この加算まわりで、実際によくある取り漏れのパターンをいくつか挙げておきますね。
取り漏れが起きやすいポイント
輸液セットを使用しているのに、在宅中心静脈栄養法指導管理料(C104)側の算定状況だけを見て加算の存在自体に気づいていないケースがあります。指導管理料と材料加算はセットで確認する習慣をつけることが大切です。
回数管理の見落とし
「3月に3回」という通則の上限を意識せず、毎月当たり前のように算定してしまうと、後からレセプト返戻や査定の対象になる可能性があります。算定回数を記録・管理する仕組みを持っておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
回数の管理は本当に見落としやすそうです。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。特に長期間、在宅中心静脈栄養法を続けている患者さんほど、毎月の算定が当たり前になって回数の意識が薄れがちなので、定期的にレセプトを見直す機会を作っておくとよいと思います。同じ「在宅療養指導管理材料加算」のグループには、血糖自己測定器加算(C150) のように対象となる指導管理料が明確に決まっている加算もあるので、あわせて確認しておくと材料加算全体の考え方が整理しやすいと思います。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある質問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
C160は在宅中心静脈栄養法指導管理料(C104)を算定していないと絶対に算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
告示では「第1款の所定点数に加算する」とされていて、留意事項通知には「在宅療養指導管理料を算定するか否かにかかわらず、別に算定できる」という記載もあります。この両者の関係は当サイトの一次資料の範囲だけでは断定できないため、自院のレセプト担当者・審査支払機関に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)から点数は変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが参照している一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません。令和8年度の告示では2,000点です。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが参照した告示・留意事項通知の該当箇所には、固有の施設基準・届出を求める記載は見当たりませんでした。ただし記載が無いことをもって断定はできないので、自院の届出台帳・地方厚生局の資料で確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や輸液セットの使用状況、算定回数の管理状況などを入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。