みらい(新人医療事務)
在宅血液透析をしている患者さんのカルテに「透析液供給装置加算」という記載を見つけたんですが、これって何の加算なんですか?点数もかなり高いので気になっています。
あおい(元・医療事務)
良いところに気づきましたね。透析液供給装置加算は、区分番号C156として告示されている加算で、10,000点というまとまった点数が設定されています。ただし単独では算定できず、在宅血液透析指導管理料(区分番号C102-2)という管理料に「上乗せ」する形で算定する材料加算です。
みらい(新人医療事務)
上乗せ、ですか。管理料本体とは別物なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。医科点数表では在宅療養指導管理料が「第1款」、そこに使う材料の費用をまとめた在宅療養指導管理材料加算が「第2款」として整理されています。透析液供給装置加算はこの第2款に属する加算のひとつです。まずはこの位置づけを押さえておくと、以降の話が整理しやすくなります。
この加算はどんな加算ですか
みらい(新人医療事務)
そもそも透析液供給装置って、どんな装置なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
在宅血液透析(自宅で患者さん自身やご家族が透析を行う治療法)では、透析液を作るための水処理装置(逆浸透を用いた水処理装置)や、その前処理のためのフィルターが必要になります。透析液供給装置加算は、こうした装置一式を医療機関が患者さんに貸与し、実際に使用した場合に算定候補になる加算です。
みらい(新人医療事務)
装置を「使った場合」というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。告示の注書きには「在宅血液透析を行っている入院中の患者以外の患者に対して、透析液供給装置を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する」と明記されています。つまり、在宅血液透析指導管理料を算定している患者さんのうち、実際に透析液供給装置を使用している方が対象です。装置を使っていない患者さんには、この加算は算定候補になりません。
対象医療機関・対象患者はどこまで広がりますか
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関でも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅血液透析指導管理料を算定できる診療所・病院であれば、対象医療機関になり得ます。ただし前提として、在宅血液透析指導管理料(C102-2)を算定していることが必要です。この管理料自体は、施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関でなければ算定できません。
みらい(新人医療事務)
つまり、透析液供給装置加算だけを見るのではなく、土台になる管理料の届出も一緒に確認する必要があるんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。対象患者は「在宅血液透析を行っている入院中の患者以外の患者」で、かつ実際に透析液供給装置を使用している方です。入院中の患者さんは対象になりません。日本透析医会の在宅血液透析管理マニュアルに基づく患者・介助者への教育や同意取得など、管理料側の要件が満たされていることも前提になります。
点数・区分番号を確認する
みらい(新人医療事務)
点数と区分番号を整理して見せてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい。告示上の表記に沿って表にまとめました。
| 区分番号 | 加算名 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| C102-2 | 在宅血液透析指導管理料(本体) | 10,000点 | 月1回(導入期は別途加算あり) |
| C156 | 透析液供給装置加算 | 10,000点 | 在宅血液透析指導管理料の所定点数に加算 |
みらい(新人医療事務)
本体の管理料と同じ10,000点なんですね。合わせると20,000点になるということですか?
あおい(元・医療事務)
装置を使用している患者さんであれば、管理料10,000点に加算10,000点が上乗せされる計算になります。ただし、この加算は在宅療養指導管理材料加算という区分に属していて、令和8年度の告示では「第2款各区分に掲げる在宅療養指導管理材料加算は、第1款各区分に掲げる在宅療養指導管理料のいずれかの所定点数を算定する場合に、特に規定する場合を除き、3月に3回に限り算定する」という通則があります。透析液供給装置加算にこの通則以外の特別な回数規定は確認できていないため、実務上は管理料と同じ月に、3か月で3回を上限に算定候補になると整理できます。「月1回・上限なし」と単純化せず、この通則を踏まえて自院で確認してください。

施設基準・届出の考え方
みらい(新人医療事務)
透析液供給装置加算そのものに、専用の届出や施設基準はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
透析液供給装置加算そのものについて、単独の施設基準や届出を求める告示・通知は、当サイトが収集している一次資料の範囲では確認できていません。ただし、この加算は在宅血液透析指導管理料に上乗せする形の加算なので、前提となる管理料側の届出・施設基準が満たされていることが欠かせません。
みらい(新人医療事務)
「加算自体に届出がいらない」で終わらせず、土台の管理料を必ず見る、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。在宅血液透析指導管理料は、施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関でなければ算定できないとされています。この届出が有効であること、そして日本透析医会の在宅血液透析管理マニュアルに基づく患者教育・同意取得が行われていることを、まず自院で確認してください。
断定できないポイント
透析液供給装置加算そのものに関する専用の施設基準・届出様式の要否は、当サイトが収集している一次資料の範囲では明確な規定を確認できていません。届出の要否・様式は地方厚生局への確認、または在宅血液透析指導管理料側の届出内容と合わせて必ず一次資料で確認してください。
算定回数・併算定で注意したいこと
みらい(新人医療事務)
算定回数以外に、注意しておきたいことはありますか?
あおい(元・医療事務)
大きく2点あります。1点目は、透析液供給装置は患者1人につき1台を貸与する前提だということです。留意事項通知には「透析液供給装置は患者1人に対して1台を貸与し、透析液供給装置加算には、逆浸透を用いた水処理装置・前処理のためのフィルターの費用を含む」と明記されています。装置の台数と対象患者数が対応しているかを確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
2点目は何ですか?
あおい(元・医療事務)
逆浸透を用いた水処理装置や前処理用フィルターの費用は、この加算に含まれているという点です。つまり、これらの機器の費用を別建てで特定保険医療材料料などとして重ねて算定することは想定されていません。会計・レセプト担当の方は、装置関連費用の二重計上がないか確認しておくと安心です。
併算定の確認ポイント
在宅血液透析指導管理料を算定する同一月内に「J038」人工腎臓を算定する場合、管理料側の2回目以降の費用(頻回指導加算部分)は算定しないという規定があります。透析液供給装置加算そのものとJ038の関係を含め、同一月の他加算との組み合わせは、レセプト確定前に必ず個別に確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定、令和6年度からは何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの変更点について、当サイトが収集している一次資料の範囲では確認されていません。点数10,000点、区分番号C156、算定要件の記載内容ともに、令和8年度の告示・留意事項通知で確認できる内容から大きな変更は見当たりませんでした。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」と言い切ってもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
言い切るというより、「当サイトが確認した一次資料の範囲では変更が見当たらなかった」という言い方が正確です。念のため、直近の疑義解釈や訂正通知が出ていないか、自院で定期的に確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの医療機関で確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
自院で確認する順番
-
在宅血液透析指導管理料(C102-2)の届出状況を確認 — 施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等への届出が有効かどうか
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対象患者かどうかを確認 — 在宅血液透析を行っている、入院中ではない患者であるか
-
透析液供給装置を実際に貸与・使用しているかを確認 — 装置を処方・貸与し、患者が使用している事実があるか
-
装置の台数を確認 — 患者1人に対して1台の貸与になっているか
-
算定回数を確認 — 在宅療養指導管理材料加算の通則(3月に3回を上限とする規定)に沿った算定になっているか
-
他加算との重複計上がないかを確認 — 逆浸透水処理装置・フィルター費用を特定保険医療材料料等で二重に計上していないか

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある取り漏れのパターンってありますか?
取り漏れの例
- 管理料の届出切れに気づかない: 在宅血液透析指導管理料の届出内容が古いまま更新されておらず、加算だけを算定してしまっているケース
- 装置未使用月の算定: 患者が入院した月や、装置を一時的に使用していない月にも継続して加算を算定してしまっているケース
- 台数と患者数の不整合: 複数患者に対して装置の台数が合っておらず、貸与実態と請求内容にずれが生じているケース
みらい(新人医療事務)
どれも「事実確認を怠る」パターンですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。装置の貸与実態と算定記録を突き合わせる運用を、月次で作っておくと取り漏れ・過剰算定のどちらも防ぎやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある疑問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
透析液供給装置加算は、在宅血液透析指導管理料を算定していない月でも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注書きでは「第1款の所定点数に加算する」とされており、在宅血液透析指導管理料の所定点数に上乗せする形の加算です。管理料を算定しない月に、この加算だけを単独で算定できるかどうかは、当サイトが収集している一次資料の範囲では明確な記載を確認できていません。管理料と同じ月に算定するのが原則という前提で、個別のケースは審査支払機関に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
装置のレンタル料そのものは、別に患者さんに請求できるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、透析液供給装置加算に逆浸透を用いた水処理装置・前処理のためのフィルターの費用が含まれるとされています。装置に関する費用は基本的にこの加算に含まれる前提で整理されていますので、別建てで自費請求や特定保険医療材料料として重複計上しないよう確認してください。
みらい(新人医療事務)
病院でもクリニックでも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
在宅血液透析指導管理料を届け出て算定している保険医療機関であれば、病院・診療所を問わず算定候補になり得ます。規模ではなく、管理料側の届出と、装置使用の実態があるかどうかが確認のポイントです。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。在宅血液透析指導管理料の届出状況や装置の使用実態を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する 在宅血液透析指導管理料 の記事も、あわせて確認しておくと理解が深まります。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は以下の厚労省公式資料を根拠としています。詳細な算定要件・施設基準は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号・別表第一 医科診療報酬点数表) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/000433602.pdf
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。加算の算定に際しては、在宅血液透析指導管理料の届出状況と、透析液供給装置の使用実態を必ず自院で確認してください。