みらい(新人医療事務)
先輩、在宅酸素療法をしている患者さんが、携帯用ボンベじゃなくて据え置き型の「酸素濃縮装置」を使っているそうなんです。これも加算の対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
それはまさに「酸素濃縮装置加算(区分C158)」の話ですね。令和8年度(2026年度)時点では、在宅酸素療法指導管理料(C103)を算定している患者さんが酸素濃縮装置を使用している場合に、材料加算として算定候補になりますよ。
みらい(新人医療事務)
酸素ボンベ加算とは別物なんですね。両方使っている患者さんもいそうですが、大丈夫でしょうか?
あおい(元・医療事務)
いい着眼点です。実は併算定に注意が必要な組み合わせがあります。ひとつずつ確認していきましょう。まず加算の全体像からです。
酸素濃縮装置加算とは
みらい(新人医療事務)
そもそも酸素濃縮装置加算ってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
告示(令和8年厚生労働省告示第69号)の区分C158に規定されている注書きには、「在宅酸素療法を行っている入院中の患者以外の患者(チアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く。)に対して、酸素濃縮装置を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。ただし、この場合において、区分番号C157に掲げる酸素ボンベ加算の2は算定できない。」とあります。
みらい(新人医療事務)
つまり、在宅酸素療法指導管理料(C103)の所定点数に上乗せする加算ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。「第1款の所定点数」というのは、在宅療養指導管理料(C103など)の点数のことです。酸素濃縮装置加算は、その指導管理料に材料費相当分として加算する「第2款 在宅療養指導管理材料加算」の一区分にあたります。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの条件も教えてください。
あおい(元・医療事務)
ポイントは2つです。1つ目は「在宅酸素療法を行っている、入院中の患者以外の患者」であること。つまり外来通院中や在宅療養中の患者さんが対象で、入院患者さんは対象外です。2つ目は「チアノーゼ型先天性心疾患の患者を除く」という除外規定がある点です。
チアノーゼ型先天性心疾患の患者は対象外
留意事項(診療報酬点数表に関する事項)には「チアノーゼ型先天性心疾患の患者に対して指導管理を行った場合は、酸素濃縮装置加算は別に算定できない。」と明記されています。該当患者への算定候補にはならない可能性があるため、対象患者の確認が必要です。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
診療所でも病院でも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。在宅療養指導管理料の枠組みの中の加算なので、診療所・病院のどちらでも対象になり得ます。当サイトが収集している一次資料の範囲では、対象医療機関を診療所・病院いずれかに限定する記載は確認されていません。
みらい(新人医療事務)
入院患者さんには使えないんでしたね。
あおい(元・医療事務)
そうです。告示の注に「入院中の患者以外の患者」と明記されているとおり、在宅・外来通院中の患者さんが対象です。入院中に酸素濃縮装置を使用しても、この加算の対象にはなりません。
点数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示では、酸素ボンベ加算のように区分が分かれておらず、1区分のみです。

| 区分番号 | 加算名 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| C158 | 酸素濃縮装置加算 | 4,000点 |
あおい(元・医療事務)
(出典: 令和8年厚生労働省告示第69号 区分C158)。酸素ボンベ加算(携帯用880点/それ以外3,950点)と違い、区分は1つだけで4,000点です。
みらい(新人医療事務)
酸素ボンベ加算の「携帯用以外」よりも少し高い点数なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし点数の比較だけで判断せず、実際に患者さんがどの機器(酸素濃縮装置・酸素ボンベ・液化酸素装置)を使用しているかを確認したうえで、どの区分が算定候補になるかを判断する必要があります。
併算定・回数制限の注意点
みらい(新人医療事務)
酸素ボンベも一緒に使っている患者さんの場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
重要な注意点があります。告示の区分C158の注には、「酸素濃縮装置を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する。ただし、この場合において、区分番号C157に掲げる酸素ボンベ加算の2は算定できない。」と規定されています。
みらい(新人医療事務)
酸素濃縮装置加算(C158)を算定する場合、酸素ボンベ加算の2(携帯用以外)は同時に算定できないということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。この告示の文言からは、酸素ボンベ加算の1(携帯用)についての除外規定は見当たりません。ただし、携帯用酸素ボンベ加算と酸素濃縮装置加算を同一患者に併用する場合の算定可否について、この条文だけでは明確に判断できない部分もあるため、実際の組み合わせは審査支払機関への確認をおすすめします。
酸素ボンベ加算との併算定
酸素濃縮装置加算(C158)を算定する場合、酸素ボンベ加算の2(携帯用以外)は算定できません(告示 区分C158 注)。携帯用酸素ボンベ加算(酸素ボンベ加算の1)との組み合わせは、告示の除外規定に明記がないため、自院での算定前に審査支払機関へ確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
回数の制限もあるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。留意事項には、「同一患者に対して酸素ボンベ(携帯用酸素ボンベを除く。)、酸素濃縮装置及び設置型液化酸素装置を併用して在宅酸素療法を行った場合は、合わせて3月に3回に限り算定する。」「同一患者に対して携帯用酸素ボンベ及び携帯型液化酸素装置を併用して在宅酸素療法を行った場合は、合わせて3月に3回に限り算定する。」という機器併用時の回数制限が定められています。
みらい(新人医療事務)
併用しているケースでは、機器ごとに別々に3月3回ではなく、合算して3月3回ということなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。さらに、在宅療養指導管理材料加算全体の通則にも、「本款各区分に掲げる在宅療養指導管理材料加算は、第1款各区分に掲げる在宅療養指導管理料のいずれかの所定点数を算定する場合に、特に規定する場合を除き、3月に3回に限り算定する。」という回数の原則があります。
みらい(新人医療事務)
材料加算全体として、まず「3月に3回」が原則なんですね。その上で、機器を併用しているケースでは合算のルールが適用されると。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。実際にどの機器をどう組み合わせて使用しているかによって回数のカウント方法が変わるので、レセプト作成時には患者さんごとの使用機器の組み合わせを必ず確認してください。
回数制限のポイント(令和8年度)
- 在宅療養指導管理材料加算は原則「3月に3回」まで(第2款通則)
- 酸素ボンベ(携帯用を除く)・酸素濃縮装置・設置型液化酸素装置を併用する場合は合わせて3月3回
- 携帯用酸素ボンベ・携帯型液化酸素装置を併用する場合も合わせて3月3回
- 酸素濃縮装置加算(C158)と酸素ボンベ加算の2は同一患者で併算定不可
「酸素濃縮装置を使用した場合」の考え方
みらい(新人医療事務)
「酸素濃縮装置を使用した場合」というのは、具体的にどういう状態を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理材料加算に関する留意事項(診療報酬点数表に関する事項)には、「在宅療養指導管理材料加算は、例えば「酸素ボンベを使用した場合」とは当該保険医療機関の酸素ボンベを在宅で使用させた場合をいう等、保険医療機関が提供すること及び在宅における状態であることを前提にしているものであること。」という一般的な考え方が示されています。
みらい(新人医療事務)
つまり、保険医療機関が提供した機器を、患者さんが在宅で使用している状態が前提ということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。この点も踏まえて、貸与している機器の管理体制についても留意事項では言及されています。「保険医療機関が所有する装置(酸素濃縮装置等)を患者に貸与する場合、保険医療機関は、当該装置の保守・管理を十分に行うこと。また、これらの装置の保守・管理を販売業者に委託する場合には、保険医療機関は、当該販売業者との間で、これらの装置の保守・管理に関する契約を締結し、保守・管理の内容を患者に説明した上で、定期的な確認と指導を行い、当該装置の保守・管理が当該販売業者により十分に行われている状況を維持すること。」とされています。
みらい(新人医療事務)
貸与するだけじゃなく、保守・管理体制まで求められているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。酸素濃縮装置はレンタル業者経由で導入している医療機関も多いので、委託する場合は契約書の整備や定期確認の実施状況も、算定の前提として確認しておきたいポイントです。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準や届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の区分C158の条文を確認すると、点数と対象患者の定めのみが規定されており、施設基準への適合や地方厚生局への届出についての規定は見当たりません。当サイトが収集している一次資料の範囲では、酸素濃縮装置加算そのものに個別の届出は不要と考えられます。
みらい(新人医療事務)
なるほど、届出が必要な加算とは違うんですね。
あおい(元・医療事務)
ただし、酸素濃縮装置加算はあくまで在宅酸素療法指導管理料(C103)に対する加算です。本体であるC103の届出状況や、他の材料加算(酸素ボンベ加算・液化酸素装置加算など)との組み合わせ方によって確認すべき点は変わってきます。届出の要否は自院の状況に応じて最終確認することをおすすめします。
届出要否の確認について
告示の条文には施設基準・届出に関する規定が見当たらないため、酸素濃縮装置加算自体は届出不要と考えられますが、最終的な判断は自院の届出状況・公式資料・審査支払機関でご確認ください。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から、この加算に変更はあったんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料(令和8年厚生労働省告示第69号)の範囲で確認した限りでは、酸素濃縮装置加算(区分C158)の点数(4,000点)や算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省告示第69号ベース)。
令和8年度改定 酸素濃縮装置加算の変更点(一次資料確認の範囲)
- 点数(4,000点): 変更は確認されていません
- 算定要件(在宅酸素療法・チアノーゼ型先天性心疾患除外・酸素ボンベ加算の2との併算定不可): 変更は確認されていません
なお、点数以外の細目(施設基準・様式・疑義解釈等)を含む改定の全体像は、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要」(個別改定項目について)でご確認いただくことをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
大きな変更はなかったということで、少し安心しました。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際に自院で算定候補になるか確認するときは、どんな順番で見ればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認するとわかりやすいですよ。
自院で確認する順番
- 対象患者が在宅酸素療法指導管理料(C103)を算定中の外来・在宅患者か(入院患者は対象外)
- チアノーゼ型先天性心疾患の患者ではないか
- 患者さんが実際に使用している機器が酸素濃縮装置か(酸素ボンベ・液化酸素装置との違いを確認)
- 酸素ボンベ加算の2(携帯用以外)と同時に算定していないか
- 他の機器と併用している場合、3月3回の回数制限を満たしているか
- 貸与機器の保守・管理体制(委託契約や定期確認)が整っているか

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場で見落としやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるパターンを3つ紹介します。
よくある取り漏れ
取り漏れ1: 酸素ボンベ加算との重複算定: 酸素濃縮装置加算を算定しているのに、酸素ボンベ加算の2(携帯用以外)も同時に算定してしまうケースがあります。同一患者・同一月での組み合わせを必ず確認しましょう。
取り漏れ2: 併用時の回数カウント漏れ: 酸素ボンベや液化酸素装置と併用している患者さんについて、機器ごとに別々に3月3回とカウントしてしまい、合算ルールを見落とすケースがあります。
取り漏れ3: 貸与機器の保守・管理記録の未整備: 酸素濃縮装置をレンタル業者経由で貸与している場合、業者との保守・管理契約や定期確認の実施記録が整備されていないと、算定の前提条件を満たしているか説明しづらくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後によくある質問をまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
現場でよく出る質問を挙げますね。
みらい(新人医療事務)
チアノーゼ型先天性心疾患の患者さんが酸素濃縮装置を使っている場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項に「チアノーゼ型先天性心疾患の患者に対して指導管理を行った場合は、酸素濃縮装置加算は別に算定できない」と明記されています。この加算の対象外になる可能性が高いため、対象患者の該当状況を確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
酸素ボンベ加算と酸素濃縮装置加算は同時に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
告示(区分C158)に「酸素濃縮装置加算を算定する場合、区分番号C157に掲げる酸素ボンベ加算の2は算定できない」と規定されています。酸素ボンベ加算の1(携帯用)についての除外規定は告示上見当たりませんが、実際の組み合わせは審査支払機関への確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者さんにも酸素濃縮装置加算は算定できますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注に「入院中の患者以外の患者」と明記されているため、入院中の患者さんは対象外と考えられます。在宅・外来通院中の患者さんが対象です。
みらい(新人医療事務)
酸素濃縮装置加算の算定に施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
告示の区分C158の条文には施設基準・届出に関する規定が見当たらず、当サイトが収集している一次資料の範囲では届出不要と考えられます。ただし最終的な判断は自院の届出状況・公式資料・審査支払機関でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
3月に3回を超えて機器を交換した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理材料加算は「特に規定する場合を除き、3月に3回に限り算定する」という通則があります。回数の上限を超える場合の取り扱いについて、当サイトが収集している一次資料の範囲では詳細な例外規定は確認されていません。個別のケースは審査支払機関への確認をおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちの患者さんが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです。
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。使用機器や届出状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。あわせて 在宅酸素療法指導管理料(C103) の記事もご覧いただくと、本体の指導管理料側の確認ポイントも把握できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。