みらい(新人医療事務)
訪問診療をやっているクリニックの先輩から「在宅経管栄養法用栄養管セット加算」って聞いたんですけど、これって何のための加算なんですか?名前が長くて、正直よくわからなくて…。
あおい(元・医療事務)
区分番号C162ですね。在宅で経管栄養(胃ろうや経鼻胃管などのチューブを使った栄養摂取)を行っている患者さんに、栄養を送るための「栄養管セット」を渡したときに算定する加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では2,000点とされています。在宅で経管栄養法の指導管理を行っている医療機関にとっては、身近な加算のひとつです。
みらい(新人医療事務)
栄養管セットって、チューブとか器具一式のことですよね? それを渡すたびに算定できるってことですか?
あおい(元・医療事務)
そこは丁寧に確認したいところです。厚生労働省の告示では「栄養管セットを使用した場合に、第1款の所定点数に加算する」とされていて、対象になる患者さんの範囲がきちんと定められています。まずはその対象範囲から見ていきましょう。
この加算はどんな場面で算定候補になるか
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんって、具体的にはどんな人なんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注書きには「在宅成分栄養経管栄養法、在宅小児経管栄養法又は在宅半固形栄養経管栄養法を行っている入院中の患者以外の患者」に対して栄養管セットを使用した場合、とあります。つまり在宅での経管栄養法を行っている外来・在宅の患者さんが対象で、入院中の患者さんは対象外ということですね。
みらい(新人医療事務)
「入院中の患者以外」ということは、外来通院中とか、訪問診療を受けている在宅の患者さんが対象ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。さらに、対象となる在宅経管栄養法には3つのパターンがあります。在宅成分栄養経管栄養法、在宅小児経管栄養法、そして在宅半固形栄養経管栄養法です。それぞれ対応する在宅療養指導管理料(C105・C105-2・C105-3)があります。
みらい(新人医療事務)
3つとも同じ条件で算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
いえ、半固形栄養だけは条件が少し違います。告示には「在宅半固形栄養経管栄養法を行っている患者については、区分番号C105-3に掲げる在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料を算定しているものに限る。」と明記されています。つまり半固形栄養のケースでは、同じ月にC105-3を算定していることが前提になる、ということです。ここは見落としやすいポイントなので、あとで整理しますね。
点数・区分番号の整理(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数は2,000点でしたよね。関連する在宅療養指導管理料の点数も一緒に見せてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。令和8年度の医科点数表(告示)に基づく表がこちらです。
| 区分番号 | 名称 | 点数(令和8年度) | 備考 |
|---|---|---|---|
| C162 | 在宅経管栄養法用栄養管セット加算 | 2,000点 | 第1款の所定点数に加算 |
| C105 | 在宅成分栄養経管栄養法指導管理料 | 2,500点 | 対象患者の基礎となる指導管理料 |
| C105-2 | 在宅小児経管栄養法指導管理料 | 1,050点 | 対象患者の基礎となる指導管理料 |
| C105-3 | 在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料 | 2,500点 | 最初に算定した日から起算して1年を限度 |
みらい(新人医療事務)
C162自体には「1年を限度」みたいな回数制限は無いんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた告示・留意事項通知の範囲では、C162そのものに回数制限や算定上限を定めた記載は見当たりませんでした。ただしC105-3(半固形栄養の指導管理料)には「最初に算定した日から起算して1年を限度」という制限があるので、半固形栄養のケースはこの上限も含めて確認が必要です。回数の取り扱いに迷う場合は、資料の該当箇所を自院でも直接確認することをおすすめします。

施設基準・届出について
みらい(新人医療事務)
施設基準とか届出って必要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
これは正直にお伝えしたいのですが、当サイトが収集している告示・留意事項通知の範囲では、この加算そのものに施設基準の充足や届出を求める記載は見当たりませんでした。基礎となる在宅成分栄養経管栄養法指導管理料などの在宅療養指導管理料についても、当サイトが確認した資料の範囲では同様に届出を求める記載は見つかっていません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ「届出は不要」って言い切っていいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重にしたいところです。資料に記載が無いことは「不要と確認できる根拠が今のところ見当たらない」という意味であって、「絶対に不要」と断定できるわけではありません。地方厚生局への届出状況や施設基準の取り扱いは、必ず自院の届出台帳や地方厚生局への確認を通じて最終確認してください。
届出の有無は必ず自院で最終確認を
本加算そのものに施設基準・届出を求める記載は、当サイトが収集した告示・留意事項通知の範囲では確認できていません。ただし記載が無いことが「不要の確定」を意味するわけではないため、届出済みかどうかは自院の届出状況や地方厚生局への確認で判断してください。
併算定の取り扱い(注入ポンプ加算との関係)
みらい(新人医療事務)
在宅の患者さんだと、注入ポンプを使っていることも多いですよね。注入ポンプ加算と一緒に算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
これは留意事項通知に明確な記載があります。「在宅経管栄養法用栄養管セット加算と『C161』注入ポンプ加算とは、併せて算定することができる。」とされていて、C161注入ポンプ加算との併算定は候補になります。経管栄養と注入ポンプを同時に使っている在宅患者さんは多いので、算定漏れが起きやすいポイントでもあります。
みらい(新人医療事務)
なるほど、注入ポンプを使っているケースは見落とさないようにしないと。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただしこれはあくまで当サイトが確認した留意事項通知の記載であって、それ以外の加算との併算定関係については、資料で個別に確認できたものだけを本文でお伝えしています。確認が取れていない組み合わせについては、算定前に公式資料や審査支払機関への確認をおすすめします。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から、この加算って何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、C162在宅経管栄養法用栄養管セット加算について、点数・対象患者・併算定の取り扱いに関する変更点は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、今までどおりの理解で大丈夫そうですね。
あおい(元・医療事務)
現時点で確認できている範囲ではそう言えますが、改定関連の資料は随時更新されることがあります。念のため最新の告示・留意事項通知や疑義解釈もあわせてチェックしておくと安心です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちのクリニックで算定候補になるか確認するには、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな順番で確認していくとわかりやすいですよ。
自院で確認する順番
- 患者さんが在宅成分栄養経管栄養法・在宅小児経管栄養法・在宅半固形栄養経管栄養法のいずれかを行っているか確認する
- 入院中の患者ではないこと(外来・在宅の患者であること)を確認する
- 半固形栄養のケースでは、同じ月にC105-3在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料を算定しているか確認する
- 実際に栄養管セットを使用したかどうかをカルテ・処方記録で確認する
- 注入ポンプ加算(C161)など、他の在宅材料加算との併算定漏れが無いか確認する
- 最終的な算定可否は、届出状況・公式資料・審査支払機関の判断で確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れって、どんなパターンがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
いくつか整理してみますね。
半固形栄養は指導管理料の算定有無とセットで確認
在宅半固形栄養経管栄養法を行っている患者さんの場合、C105-3在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料を算定していることが加算の前提です。栄養管セットだけ使用してC105-3の算定を見落とすと、加算の対象条件を満たさない可能性があります。
注入ポンプ加算との併算定漏れ
経管栄養と注入ポンプを併用している在宅患者さんは珍しくありません。C161注入ポンプ加算は本加算と併せて算定候補になる旨が留意事項通知に記載されているため、栄養管セット加算だけを算定して注入ポンプ加算を取り漏らしていないか確認しておきたいところです。
入院中の患者への誤算定に注意
C162は「入院中の患者以外の患者」が対象です。在宅療養中の患者さんが一時的に入院した場合など、算定対象から外れるケースがあるため、算定時点での入院状況の確認が必要です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、細かい疑問点をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。順番にお答えしますね。
みらい(新人医療事務)
栄養管セットと一緒に、胃ろうカテーテルなどの特定保険医療材料を使った場合、その材料費は別に算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
これは令和4年度に示された疑義解釈(疑義解釈資料の送付について その35)で回答が出ています。「区分番号C162在宅経管栄養法用栄養管セット加算において、特定保険医療材料である交換用胃瘻カテーテルを使用した場合は、特定保険医療材料の費用を別に算定することができるのか」という質問に対して、「算定可」と回答されています。令和4年度の疑義解釈ですが、当サイトが確認した範囲でこの取り扱いを否定・変更する令和8年度の記載は見当たりません。念のため最新の疑義解釈もあわせてご確認ください。
みらい(新人医療事務)
在宅小児経管栄養法の場合も、成分栄養や半固形栄養と同じように算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
はい、告示の対象患者には在宅小児経管栄養法を行っている患者さんも含まれています。ただしC105-3のような「対応する指導管理料の算定が前提」という限定は、告示の文言上は半固形栄養のケースにだけかかっています。小児経管栄養法のケースで他に確認しておきたい要件がないか、資料と照らして確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
月に何回まで算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた告示・留意事項通知の範囲では、C162自体に「月1回」といった回数の明記は見当たりませんでした。この点は資料の記載が確認できていないため、断定を避けて「要確認」として扱っています。回数の取り扱いに疑問がある場合は、審査支払機関や地方厚生局に確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する在宅療養指導管理料の記事もあわせてご覧いただくと理解が深まります。在宅成分栄養経管栄養法指導管理料、在宅小児経管栄養法指導管理料、在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料もチェックしてみてください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。