みらい(新人医療事務)
先輩、「特殊カテーテル加算」ってレセプトで見かけたんですけど、これって何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅で自己導尿をしている患者さんに、カテーテルを支給したときに算定できる材料加算ですよ。区分番号はC163です。在宅自己導尿指導管理料(C106)などに上乗せする形で算定します。
みらい(新人医療事務)
「上乗せ」ということは、単独では算定できないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。特殊カテーテル加算は、在宅療養指導管理料の第1款の所定点数に加算するものなので、ベースとなる指導管理料が算定されていることが前提になります。カテーテルの種類によって点数が変わるので、まずはそこから確認していきましょう。
特殊カテーテル加算とは
みらい(新人医療事務)
そもそも、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象は「在宅自己導尿を行っている入院中の患者以外の患者」です。つまり、外来通院や在宅で自己導尿を行っている患者さんに対して、必要なカテーテルを支給した場合が対象になります。入院中の患者さんは対象外です。
みらい(新人医療事務)
入院と在宅で扱いが違うんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。在宅療養指導管理料そのものが「入院中の患者以外」を対象にした管理料なので、そこに上乗せする材料加算も同じ考え方になります。当サイトが収集している一次資料の範囲では、対象医療機関は診療所・病院どちらも含まれ、在宅の場面で使われる加算として整理しています。
特殊カテーテル加算の位置づけ
- 単独の加算ではなく、在宅療養指導管理料(第1款)に上乗せする「材料加算」
- 代表的なベースの管理料は在宅自己導尿指導管理料(C106、1,400点)
- 対象はカテーテルの種類(再利用型・間歇導尿用ディスポーザブル・間歇バルーン)で3つに区分
- 対象は在宅自己導尿を行う入院中の患者以外の患者
対象となるカテーテルと点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はどれくらいなんですか?
あおい(元・医療事務)
カテーテルの種類によって400点から2,100点まで幅があります。厚生労働省の告示に基づく令和8年度の点数区分は次のとおりです。
| カテーテルの種類 | 区分 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| 再利用型カテーテル | 1 | 400点 |
| 間歇導尿用ディスポーザブルカテーテル(親水性コーティングを有するもの) | 2のイ(1)60本以上90本未満 | 1,700点 |
| 間歇導尿用ディスポーザブルカテーテル(親水性コーティングを有するもの) | 2のイ(2)90本以上120本未満 | 1,900点 |
| 間歇導尿用ディスポーザブルカテーテル(親水性コーティングを有するもの) | 2のイ(3)120本以上 | 2,100点 |
| 間歇導尿用ディスポーザブルカテーテル(イ以外のもの) | 2のロ | 1,000点 |
| 間歇バルーンカテーテル | 3 | 1,000点 |
みらい(新人医療事務)
親水性コーティングのカテーテルだけ、本数で点数が変わるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。親水性コーティングを有するものは使用本数に応じて3段階に分かれていて、1月あたり60本以上使用した場合に限りこの点数区分の候補になります。60本に満たない場合は「2のロ(イ以外のもの)」の1,000点で算定することになります。

算定要件と併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
何種類も同時に使ったときはどうなるんですか? 例えば再利用型と間歇導尿用ディスポーザブルを両方使うとか。
あおい(元・医療事務)
そこは注意が必要なポイントです。再利用型カテーテル、間歇導尿用ディスポーザブルカテーテル、間歇バルーンカテーテルのいずれかを併せて使用した場合は、主たるもの(点数の高いもの、または実際の使用実態に応じたもの)のみを算定することになっています。3つ同時に算定することはできません。
みらい(新人医療事務)
「主たるもの」というのがちょっとイメージしづらいです。
あおい(元・医療事務)
実際にどのカテーテルを主に使用しているかで判断する、という理解です。これは厚生労働省の疑義解釈でも「再利用型カテーテルと間歇導尿用ディスポーザブルカテーテルを併せて使用している場合、主たるもののみ算定する」と示されています。併用パターンによって算定できる点数が変わるので、実際のカテーテル使用状況を確認したうえで判断する必要があります。
併算定・按分についての注意
特殊カテーテル加算は「主たるもののみ算定」というルールがあり、複数種類のカテーテルを併用した場合でも合算はできません。どのカテーテルを「主たるもの」として算定するかは個別の使用実態に基づく判断が必要なため、レセプト作成時は院内で判断根拠を残しておくことをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
親水性コーティングのカテーテルには、他にも要件があるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。親水性コーティングを有するものは、包装内に潤滑剤が封入されていて、開封後すぐに挿入可能なものに限られます。さらに、排尿障害が長期間かつ不可逆的に持続していて、代替の排尿方法がなく、適切な消毒操作が困難な場面など、使用する医学的な妥当性が求められています。
みらい(新人医療事務)
医学的な妥当性というと、具体的にはどういう患者さんなんですか?
あおい(元・医療事務)
資料では、原則として次のいずれかに該当する患者さんに使用した場合に算定するとされています。脊髄障害、二分脊椎、その他の中枢神経を原因とする神経因性膀胱、またはその他の医学的根拠がある場合です。診療報酬明細書の摘要欄に、これらの要件を満たす医学的根拠を記載することも求められています。
親水性コーティングカテーテルの算定候補になりうる条件
- 包装内に潤滑剤が封入され、開封後すぐに挿入可能なカテーテルであること
- 脊髄障害、二分脊椎、その他の中枢神経を原因とする神経因性膀胱などに該当すること
- 排尿障害が長期間かつ不可逆的に持続し、代替の排尿方法がないこと
- 1月あたり60本以上使用していること(他のカテーテルと合わせた本数を含む)
- レセプト摘要欄に医学的根拠の記載があること
施設基準・届出について
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、特殊カテーテル加算そのものについて、施設基準の届出を求める記載は確認できていません。ベースとなる在宅自己導尿指導管理料(C106)を含む在宅療養指導管理料も、施設基準の届出を前提としない整理になっています。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出なしでそのまま算定できるということですか?
あおい(元・医療事務)
そこは断定はできません。届出の要否は制度上の位置づけによるものなので、実際の取り扱いは自院の届出状況・地方厚生局への確認内容と照らし合わせる必要があります。また、届出の有無にかかわらず、算定要件(対象患者・使用実態・摘要欄の記載など)を満たしているかどうかは別に確認が必要です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定と比べて何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料(令和8年度の告示・留意事項通知)の範囲では、点数区分・算定要件について前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。再利用型400点、間歇導尿用ディスポーザブルの各区分、間歇バルーン1,000点という構成は、当サイトが収集している資料の範囲で維持されています。
みらい(新人医療事務)
過去の疑義解釈を見ると、算定回数に制限があったような記載もありますが?
あおい(元・医療事務)
令和2年度の疑義解釈では「3月に3回に限り」算定できるという運用が示されていた時期がありました。ただし、当サイトが収集している令和8年度の告示条文には、月あたりの具体的な算定回数の上限は明記されていません。この点は運用が変わっている可能性があるため、断定はできず、実際の取り扱いは審査支払機関や自院の算定実績と照らし合わせて確認することをおすすめします。
回数制限についての確認事項
特殊カテーテル加算の算定回数について、当サイトが収集している令和8年度の告示・留意事項通知には明確な月あたりの上限記載は確認できていません。過去の疑義解釈(令和2年度)で言及されていた運用が現在も同様かどうかは、この記事の一次資料だけでは判断できないため「未確認」として扱っています。自院での算定実績や審査支払機関への確認を優先してください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、自院で確認するときはどんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
自院で確認する順番は、こうなります。
自院で確認する順番
-
ベースの管理料を確認 — 在宅自己導尿指導管理料(C106)など、第1款の在宅療養指導管理料を算定しているか
-
対象患者かを確認 — 在宅自己導尿を行っている入院中の患者以外の患者であるか
-
使用しているカテーテルの種類を確認 — 再利用型・間歇導尿用ディスポーザブル・間歇バルーンのどれを主に使用しているか
-
併用の有無を確認 — 複数種類を併用している場合、「主たるもの」がどれかを整理しているか
-
親水性コーティングの該当有無を確認 — 該当する場合は、対象患者の条件・使用本数(月60本以上)・摘要欄の記載を満たしているか
-
算定回数・運用ルールを確認 — 月あたりの算定実績が、これまでの審査結果や院内ルールと整合しているか

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れ
- 親水性コーティングカテーテルを使用しているのに、月間本数が60本未満で高い点数区分のまま算定してしまう
- 複数種類のカテーテルを併用しているのに、それぞれを別々に算定してしまう(主たるもののみが正しい扱い)
- 親水性コーティングカテーテル使用時、レセプト摘要欄に医学的根拠の記載が漏れている
- ベースとなる在宅自己導尿指導管理料の算定要件(入院中の患者以外であること等)の確認が抜けている
よくある質問
みらい(新人医療事務)
いくつか気になっていることを聞いてもいいですか? まず、うちは診療所なんですが、病院じゃないと算定できないなんてことはないですよね?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している資料の範囲では、対象医療機関を診療所に限定するような記載は確認できていません。在宅自己導尿を行っている対象患者への支給という要件が中心なので、診療所・病院いずれも算定候補になりえます。ただし施設ごとの実際の取り扱いは自院で確認してください。
みらい(新人医療事務)
患者さんが自分でカテーテルを購入した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
特殊カテーテル加算は、医療機関が療養上必要と判断したカテーテルを患者さんに支給した場合に算定するものです。支給の実態がない場合の扱いについては、この記事の一次資料だけでは判断できないため、個別のケースは自院の運用と照らし合わせて確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
間歇バルーンカテーテルというのは、どんなカテーテルなんですか?
あおい(元・医療事務)
資料の定義では、患者自身が間歇導尿を行うことができるカテーテルで、接続してバルーンを膨らませるためのリザーバーを備えていて、患者自身が消毒下で携帯できるものとされています。再利用型や間歇導尿用ディスポーザブルとは別の区分として1,000点が設定されています。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚生労働省の公式資料を根拠としています。詳細な算定要件は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚生労働省公式・令和8年度ほか)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)C163 特殊カテーテル加算 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号)C163 特殊カテーテル加算 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713882.pdf
- 疑義解釈資料の送付について(その9・その15)医科(令和2年度・索引ページ) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/newpage_21053.html
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。使用しているカテーテルの種類や併用状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。