みらい(新人医療事務)
先輩、レセプトを見ていたら「在宅ハイフローセラピー装置加算」っていう項目があったんですけど、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅でハイフローセラピーを行っている患者さんに、在宅ハイフローセラピー装置を使ってもらった場合に算定候補になる、在宅療養指導管理材料加算の一つですよ。令和8年度の告示コードでは「C174」です。
みらい(新人医療事務)
ハイフローセラピーって、そもそもどんな治療なんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知では「在宅ハイフローセラピーとは、呼吸器疾患の患者のうち要件を満たす状態の退院患者について、在宅において実施するハイフローセラピーをいう」と説明されています。鼻カニューレなどを通じて高流量の加温加湿された酸素混合ガスを送り込み、呼吸を助ける治療法です。入院中に導入した後、状態が安定した患者さんが自宅に戻って続けるケースが対象になります。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者さんは対象外なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。告示の注書きにも「在宅ハイフローセラピーを行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅ハイフローセラピー装置を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する」とはっきり書かれています。入院中の患者さんはこの加算の対象にはなりません。
在宅ハイフローセラピー装置加算とは
みらい(新人医療事務)
あらためて、この加算がどういう位置づけなのか整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
位置づけとしては「C107-3 在宅ハイフローセラピー指導管理料」を算定すべき指導管理を行っている患者さんに対して、在宅ハイフローセラピー装置そのものを使用した場合の材料加算です。第1款(在宅療養指導管理料)の所定点数に上乗せする形で算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
指導管理料とセットになっているイメージですか?
あおい(元・医療事務)
イメージとしては近いですね。指導管理料の算定対象になっている患者さんが、実際に装置を使っているかどうかで、この装置加算の算定候補になるかが変わってきます。指導管理料だけでは装置の使用費用は含まれていないので、装置を使う場合に加算するという構造です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、指導管理料と装置加算はセットで確認する項目なんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。次は対象になる医療機関や患者さんの条件を見ていきましょう。
対象になる医療機関・患者
みらい(新人医療事務)
うちみたいな診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の整理では、対象は診療所・病院・在宅とされていて、入院・外来は対象外です。つまり入院中の患者さんではなく、在宅で療養している患者さんが対象になります。診療所でも病院でも、在宅療養指導管理を行っていれば算定候補になり得ますよ。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんはどんな人ですか?
あおい(元・医療事務)
これは在宅ハイフローセラピー指導管理料(C107-3)の対象患者と重なります。留意事項通知では、指導管理料1の対象は「在宅ハイフローセラピー導入時に要件を満たす慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者であって、病状が安定し、在宅でのハイフローセラピーを行うことが適当と医師が認めた者」とされています。告示の注でも、指導管理料2は「重度の低酸素血症の患者のうち、入院中の患者以外の患者に対して、高濃度の酸素吸入を伴う在宅ハイフローセラピーに関する指導管理を行った場合」と定義されています。
みらい(新人医療事務)
COPDの患者さんと、重度の低酸素血症の患者さんの2パターンがあるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。どちらのパターンでも、実際に在宅ハイフローセラピー装置を使用していることが、この装置加算の算定候補になる前提です。指導管理料の対象患者に当てはまるかどうかは、診療録の記載や医師の判断で確認する必要があります。
AIが診療実績・体制を判定することはできません
対象患者に該当するかどうかの医学的判断(COPDの病状、動脈血二酸化炭素分圧の数値など)は、担当医師が診療内容に基づいて行うものです。本記事はあくまで確認の入り口であり、個々の患者さんが対象になるかどうかの判定は行いません。
点数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
気になっていたんですけど、点数はいくらなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示では、装置の種類によって2区分に分かれています。表で見てみましょう。
| 区分 | 内容 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| 1 | 自動給水加湿チャンバーを用いる場合 | 3,500点 |
| 2 | 1以外の場合 | 2,500点 |

みらい(新人医療事務)
自動給水加湿チャンバーがあるかないかで、1,000点も違うんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。自動給水加湿チャンバーは、加湿用の水を自動で補充してくれる機構のことです。使用している装置にこの機構が搭載されているかどうかを、まず確認する必要がありますね。
みらい(新人医療事務)
どちらの区分になるかは、装置の仕様書とかで確認すればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
装置の取扱説明書やメーカーの仕様書、リース契約書などで、自動給水加湿チャンバーの有無を確認するのが確実です。曖昧なまま高い方の点数で請求してしまうと、後で確認を求められる可能性があるので、必ず装置の仕様を確認してから区分を決めるようにしてくださいね。
算定要件を確認する
みらい(新人医療事務)
算定要件って、具体的にはどう書かれているんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注書きをそのまま読むと「在宅ハイフローセラピーを行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅ハイフローセラピー装置を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する」となっています。ポイントは2つで、①入院中の患者ではないこと、②在宅ハイフローセラピー装置を実際に使用していること、この両方を満たすことが算定候補の条件です。
みらい(新人医療事務)
装置を「使用している」というのは、どうやって確認したらいいんですか?
あおい(元・医療事務)
診療録や在宅療養計画書に、装置を使用している事実と、指導管理の内容を記載しておくことが基本になります。指導管理料側の留意事項でも「指導管理の内容について、診療録に記載する」とされているので、装置加算についても同じように記録を残しておくと確認しやすくなりますよ。
算定要件の確認ポイント
入院中でないこと: 入院患者は対象外。在宅療養中の患者であることを確認する 装置の実使用: 処方だけでなく実際に装置を使用している事実を診療録等で確認する 区分の判定: 自動給水加湿チャンバーの有無で3,500点か2,500点かが変わる
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
この加算を取るのに、届出が必要だったりしますか?
あおい(元・医療事務)
在宅ハイフローセラピー装置加算そのものについては、告示の条文の中に「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た」といった、届出を求める記載は見当たりません。当サイトが収録している一次資料の整理でも、対象は診療所・病院・在宅、届出は不要という扱いになっています。
みらい(新人医療事務)
じゃあ何も準備しなくていいんですか?
あおい(元・医療事務)
装置加算そのものに施設基準の届出は不要ですが、前提となる在宅ハイフローセラピー指導管理料(C107-3)の対象患者要件や、指導管理の実施記録はきちんと整えておく必要があります。また留意事項通知では、在宅ハイフローセラピーを実施する保険医療機関または緊急時に入院するための施設について、酸素吸入設備や気道内分泌物吸引装置、動脈血ガス分析装置など、備えるべき機械・器具も定められています。これは指導管理料側の要件ですが、装置加算を算定する前提として押さえておくとよいでしょう。
届出不要の記載範囲について
「届出不要」としているのは、当サイトが収録している厚生労働省告示・当サイトの整理に基づく確認結果です。取扱いに疑義がある場合は、最新の告示・通知や地方厚生局・審査支払機関への確認をおすすめします。
併算定・回数の考え方(要確認)
みらい(新人医療事務)
在宅ハイフローセラピーに関連する加算って、他にもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。同じ在宅療養指導管理材料加算の区分には「在宅ハイフローセラピー材料加算」という別の加算もあります。これは在宅ハイフローセラピー装置に必要な回路部品などの附属品にかかる費用をカバーする加算で、今回の在宅ハイフローセラピー装置加算(装置本体の使用に対する加算)とは対象にしている費用の性質が異なります。
みらい(新人医療事務)
この2つは一緒に算定できるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは当サイトが収録している一次資料の範囲では明確な記載を確認できていません。装置本体の加算と附属品の加算という違いはありますが、同一月に同時に算定候補になるかどうかは個別の請求ルールに関わる部分なので、断定はできません。ここは要確認として扱ってくださいね。
みらい(新人医療事務)
回数制限とかもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
回数についても、告示の条文からは月何回までといった明示的な制限は確認できていません。在宅療養指導管理料の通則には、同一の患者に対して複数の指導管理を行っている場合は主たる指導管理の所定点数のみで算定する、という取り扱いもあるので、他の在宅療養指導管理関連の加算と合わせて算定する場合は、審査支払機関への確認も含めて慎重に確認することをおすすめします。
併算定・回数は個別確認が必要です
在宅ハイフローセラピー材料加算との関係や、他の在宅療養指導管理料・材料加算との併算定の可否、月あたりの算定回数の扱いは、当サイトが収録している一次資料の範囲では確定的な記載を確認できていません。実際の請求前に、最新の告示・通知および審査支払機関への確認を必ず行ってください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定と比べて、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)時点の在宅ハイフローセラピー装置加算に関する告示・通知は確認できておらず、令和6年度との直接の比較はできていません(確認日: 2026年7月)。確認できているのは令和8年度の告示内容のみで、自動給水加湿チャンバーを用いる場合3,500点、それ以外2,500点という区分・点数です。
みらい(新人医療事務)
前回と比べたわけではないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。「変更なし」と断定するのではなく、当サイトが令和6年度分の一次資料を収録できていないため比較自体ができていない、というのが正確なところです。前回改定からの変更点を確認したい場合は、厚生労働省の個別改定項目の資料や官報告示を直接確認することをおすすめします。
改定確認の状況
令和6年度改定: 当サイトが収録する一次資料の範囲では、この加算に関する令和6年度分の告示・通知を確認できていません 令和8年度改定(現行): 自動給水加湿チャンバーあり3,500点/なし2,500点(厚生労働省告示で確認済み)
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの患者さんで算定候補になるか確認するには、どういう順番で見ればいいですか?
あおい(元・医療事務)
順番に並べると分かりやすいですよ。

自院で確認する順番
在宅ハイフローセラピー指導管理料(C107-3)を算定している、入院中でない患者かを確認する その患者さんが実際に在宅ハイフローセラピー装置を使用しているかを診療録・療養計画書で確認する 使用している装置に自動給水加湿チャンバーが搭載されているか、仕様書やメーカー資料で確認する 在宅ハイフローセラピー材料加算など関連加算との併算定の可否を、最新の通知や審査支払機関で確認する すべて確認できたら算定候補として記録し、請求準備を進める
みらい(新人医療事務)
この順番で見ていけば、抜け漏れが減りそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に3番目の自動給水加湿チャンバーの有無は見落としやすいポイントなので、装置ごとにチェックリスト化しておくと安心です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある取り漏れって、どんなパターンがありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか典型的なパターンがあります。
よくある取り漏れパターン
装置区分の未確認: 自動給水加湿チャンバーの有無を確認せずに一律の点数で請求してしまう 入院中の混同: 入院中に一時的に在宅ハイフローセラピーの説明をした患者を、在宅の対象と混同してしまう 指導管理料との紐付け漏れ: 装置加算だけを見て、前提となる指導管理料(C107-3)の対象患者要件の確認を省いてしまう
みらい(新人医療事務)
装置区分の確認漏れは、うっかりやってしまいそうです。
あおい(元・医療事務)
装置の入れ替えやリース更新のタイミングで区分が変わることもあるので、定期的に装置の仕様を見直す運用にしておくと、取り漏れも過剰請求も防ぎやすくなりますよ。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
在宅ハイフローセラピー材料加算(C171-3)と、この装置加算はどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅ハイフローセラピー材料加算は、保険医療機関から装置が提供される場合に、回路部品などの附属品にかかる費用をカバーする加算です。一方、今回の在宅ハイフローセラピー装置加算は、装置本体を使用したことに対する加算という位置づけになります。どちらも在宅療養指導管理材料加算の区分に含まれますが、対象にしている費用が異なります。
みらい(新人医療事務)
自動給水加湿チャンバーがついているかどうか分からない場合はどうすればいいですか?
あおい(元・医療事務)
装置のメーカーや販売代理店に確認するのが確実です。院内で管理している場合は、契約書や納品時の仕様書に記載があることが多いので、まずはそちらを確認してみてください。
みらい(新人医療事務)
令和6年度改定のときも、この加算はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和6年度時点の告示・通知を確認できておらず、前回改定との比較はできていません。確認できているのは令和8年度の告示内容で、自動給水加湿チャンバーを用いる場合3,500点、それ以外2,500点という区分です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する 在宅ハイフローセラピー指導管理料 の記事も、あわせて確認しておくと理解が深まります。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。