みらい(新人医療事務)
「H003-2」リハビリテーション総合計画評価料って、リハビリの点数表を見ていると必ず出てくるんですけど、正直まだよくわかっていなくて…。これって何のための評価料なんですか?
あおい(元・医療事務)
リハビリテーション総合計画評価料は、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった多職種が共同で「リハビリテーション総合実施計画書」を作り、それに基づいて行ったリハビリの効果や実施方法を、みんなで評価したときに算定するものです。疾患別リハビリテーション料(脳血管疾患等リハビリテーション料や運動器リハビリテーション料など)を算定している患者さんに対して、計画づくりと評価のプロセスそのものを評価する項目、とイメージするとわかりやすいと思います。
みらい(新人医療事務)
なるほど、リハビリの「中身」ではなく「計画と評価の手続き」を評価する点数なんですね。うちは診療所なんですけど、対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度のリハビリテーション総合計画評価料は、診療所・病院のどちらでも、外来・入院のどちらでも算定候補になります。ただし在宅(訪問診療のみの場面)は対象になっていません。あくまで疾患別リハビリテーション料を算定している患者さんが前提です。自院がどの疾患別リハビリテーション料の届出をしているかによって、算定候補になるかどうかが変わってきますよ。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
「疾患別リハビリテーション料の届出をしているかによる」というのが気になります。もう少し具体的に教えてください。
あおい(元・医療事務)
リハビリテーション総合計画評価料には「1」と「2」の2つの区分があります。「1」は、心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ・Ⅱ)、廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ・Ⅱ)、運動器リハビリテーション料(Ⅰ・Ⅱ)、呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)、がん患者リハビリテーション料、認知症患者リハビリテーション料のいずれかの施設基準に適合し届出をしている医療機関で、多職種が共同してリハビリテーション計画を策定し、該当のリハビリテーションを行った場合に算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
「2」はどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
「2」は、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ・Ⅱ)、廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ・Ⅱ)、運動器リハビリテーション料(Ⅰ・Ⅱ)の施設基準に適合し届出をしている医療機関が対象で、かつ「介護リハビリテーションの利用を予定している患者」に対して行った場合に限られます。介護保険法上の要介護被保険者等であって、各疾患別リハビリテーション料の標準的算定日数の3分の1を経過した期間にリハビリテーションを実施している患者さんが該当します。つまり、医療保険のリハビリから介護保険のリハビリへの移行が視野に入っている患者さんの計画評価、というイメージです。
みらい(新人医療事務)
対象になる疾患別リハビリテーション料をひとつも届出していない場合は、そもそも対象外の可能性が高いということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。まず自院がどの疾患別リハビリテーション料を届出しているかを確認するのが最初の一歩になります。届出がなければ、リハビリテーション総合計画評価料の算定候補にはなりません。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はいくらになるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度は、区分ごとに「初回の場合」と「2回目以降の場合」に分かれています。表にまとめますね。
| 区分 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| リハビリテーション総合計画評価料1(初回の場合) | 300点 | 心大血管疾患リハ等の該当施設基準に適合・届出 |
| リハビリテーション総合計画評価料1(2回目以降の場合) | 240点 | 同一疾患で2回目以降の算定 |
| リハビリテーション総合計画評価料2(初回の場合) | 240点 | 介護リハビリテーション利用予定患者が対象 |
| リハビリテーション総合計画評価料2(2回目以降の場合) | 196点 | 同一疾患で2回目以降の算定 |
| 入院時訪問指導加算(注3) | 150点 | 入院中1回限り |
| 運動量増加機器加算(注4) | 上肢・下肢 各150点 | 月1回限り、発症日から2月を限度 |

みらい(新人医療事務)
点数区分がけっこう多いんですね。「初回」と「2回目以降」って何を基準に判定するんですか?
あおい(元・医療事務)
大事なポイントですね。これは令和8年度改定で新設された区分なので、次のセクションで詳しく説明します。まずは、いずれの区分も患者1人につき1月に1回に限り算定できる、という回数制限を押さえておいてください。
点数は算定単位の目安です
上記の点数は令和8年度時点の医科点数表(告示)に基づく整理です。実際の算定可否は、届出状況・患者の状態・診療内容によって変わります。自院の状況に当てはめて機械的に算定候補と判断せず、必ず個別に確認してください。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準について、もう少し詳しく知りたいです。リハビリテーション総合計画評価料そのものの届出が別途あるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ。リハビリテーション総合計画評価料に固有の施設基準・届出というものはなく、対象となる疾患別リハビリテーション料(心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料Ⅰ・Ⅱ、廃用症候群リハビリテーション料Ⅰ・Ⅱ、運動器リハビリテーション料Ⅰ・Ⅱ、呼吸器リハビリテーション料Ⅰ、がん患者リハビリテーション料、認知症患者リハビリテーション料)の施設基準に適合し、地方厚生局長等に届出を行っていることが前提になります。
みらい(新人医療事務)
つまり、すでに疾患別リハビリテーション料の届出をしていれば、それだけで自動的に対象になるということですか?
あおい(元・医療事務)
そこは注意が必要です。届出は前提条件のひとつに過ぎず、実際には多職種が共同でリハビリテーション総合実施計画書を作成し、それに基づいて評価を行うという実施要件も満たす必要があります。届出済みであれば算定候補にはなりますが、それだけで決めつけず、計画書の作成・説明・記録のプロセスまで含めて確認することをおすすめします。
届出状況の確認ポイント
自院が届出している疾患別リハビリテーション料の種類(心大血管疾患・脳血管疾患等Ⅰ/Ⅱ・廃用症候群Ⅰ/Ⅱ・運動器Ⅰ/Ⅱ・呼吸器Ⅰ・がん患者・認知症患者)を一覧にし、それぞれがリハビリテーション総合計画評価料1・2のどちらに紐づくかを事務長・リハビリ科と一緒に整理しておくと、判断がぶれにくくなります。
リハビリテーション総合実施計画書の作成と患者への説明
みらい(新人医療事務)
「計画書を作成する」というのは、具体的にどういう流れになるんですか?
あおい(元・医療事務)
定期的な医師の診察と運動機能検査・作業能力検査等の結果に基づいて、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士等の多職種が共同でリハビリテーション総合実施計画書を作成します。作成した内容は、医師本人か、医師の指示を受けた看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のいずれかから患者さんに説明し、交付したうえで、その写しを診療録に添付する必要があります。
みらい(新人医療事務)
誰が説明してもいいということですね。何か例外はありますか?
あおい(元・医療事務)
あります。回復期リハビリテーション病棟入院料(A308)または特定機能病院リハビリテーション病棟入院料(A319)を算定している患者さんについては、医師本人による説明が必須とされています。多職種の誰かが代わりに説明する、という扱いはできません。
みらい(新人医療事務)
計画書の写しには、説明した日や説明した人の名前も書かないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
説明日・説明者の記載がリハビリテーション総合実施計画書の写しにない場合は、診療録のほうに記載することとされています。あわせて、患者本人や家族の署名は不要とされています。自院の運用が最新のルールに沿っているか確認しておくとよいと思います。
みらい(新人医療事務)
様式は決まった書式を使わないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
リハビリテーション総合実施計画書は、別紙様式21またはこれに準じた様式を使うこととされています。なお、前回改定(令和6年3月5日保医発0305第4号)の別紙様式21(これを参考にしたものを含む)を引き続き使っても差し支えないとされているので、様式を今すぐ全面的に作り直す必要はありません。記載内容としては、リハビリテーションの実施計画に不足がないようにしたうえで、患者や家族の理解に資する記載になるよう配慮することが求められています。
計画書運用でよくある確認漏れ
「誰が説明したか」の記録漏れと、回復期リハビリテーション病棟入院料・特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定する患者への医師説明の徹底、この2点は現場で見落とされやすいポイントです。監査や返戻の際にも確認されやすい項目なので、定期的にチェックしておくと安心です。
算定タイミング・回数制限・加算
みらい(新人医療事務)
算定できる回数にも制限があるんですよね。
あおい(元・医療事務)
はい。リハビリテーション総合計画評価料1・2とも、患者1人につき1月に1回までが算定単位の上限です。これに加えて、条件を満たす場合に算定候補になる加算が2つあります。
みらい(新人医療事務)
どんな加算ですか?
あおい(元・医療事務)
ひとつは入院時訪問指導加算(150点)です。回復期リハビリテーション病棟入院料(A308)を算定する患者さんについて、入院日前7日以内または入院後7日以内に患者さんの同意を得たうえで、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のうち1名以上が退院後生活する患家等を訪問し、住環境や家族の状況などを評価したうえで計画を策定した場合に、入院中1回に限り算定候補になります。ただし、入院期間の起算日が変わらない再入院の場合は対象外の可能性があります。
みらい(新人医療事務)
もうひとつは何ですか?
あおい(元・医療事務)
運動量増加機器加算です。脳卒中または脊髄障害の急性発症に伴う上肢または下肢の運動機能障害がある患者さんに対し、医師・理学療法士・作業療法士のうち1名以上が状態を評価し、運動量増加機器を用いることが適当と判断してリハビリテーション計画を作成した場合に、上肢・下肢それぞれ150点が算定候補になります。使用に有効性が認められ、継続すべき医学的必要性があれば、発症日から起算して2月を限度に、それぞれ月1回まで算定候補になります。
加算は個別の要件確認が必須です
入院時訪問指導加算・運動量増加機器加算とも、対象患者の条件(入院料の種類、疾患の種類、発症からの期間など)が細かく定められています。本文で紹介した内容は一次資料の要点整理であり、実際の算定にあたっては診療録・計画書の記載内容と照らし合わせた個別確認が必要です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
さっき「初回」と「2回目以降」の話が出ましたけど、これは前からあった区分なんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、これは令和8年度改定で新設された区分です。厚生労働省の疑義解釈資料でも、「令和8年度診療報酬改定において、H003-2リハビリテーション総合計画評価料1及び2について、2回目以降の場合が新設された」と説明されています。前回改定(令和6年度)までは、初回か2回目以降かで点数を分けるという仕組み自体がありませんでした。
みらい(新人医療事務)
「初回」と「2回目以降」はどう判定するんですか?
あおい(元・医療事務)
同じ保険医療機関で、同一の疾患に対するリハビリテーションの実施にあたって初めてリハビリテーション総合計画評価料を算定する場合は、他の医療機関での算定の有無にかかわらず「初回の場合」として算定します。他院で算定したあとに転院・転医してきた患者さんでも、自院では「初回」扱いになる、ということです。
みらい(新人医療事務)
同じ患者さんでも、症状が悪化したりしたらまた「初回」に戻ったりするんですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。新たな疾患の発症や、疾患の再発・急性増悪などによってリハビリテーションの起算日が再設定され、改めてリハビリテーション総合実施計画書を作成・評価した場合は、その時点でまた「初回の場合」として算定します。たとえば脳梗塞が再発して脳血管疾患等リハビリテーションの起算日が再設定された場合がこれにあたります。
みらい(新人医療事務)
改定前から算定していた患者さんはどう扱われるんですか?
あおい(元・医療事務)
経過措置的な扱いが疑義解釈で示されています。令和8年5月31日以前にリハビリテーション総合計画評価料1または2を算定していた場合は、同年6月以降は、その区分の「2回目以降の場合」として算定することとされています。改定直後の移行期に該当する患者さんがいる医療機関は、この扱いを確認しておくとよいと思います。

点数だけでなく判定ルールも変わった改定
令和8年度改定では、点数区分そのものが新設されたので、単に「点数が上がった・下がった」という話ではなく、「初回か2回目以降かをどう判定するか」という運用ルールごと新しく確認する必要があります。レセプト請求の際に区分を間違えないよう、院内で判定基準を共有しておくことをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
最後に、自院で何から確認していけばいいか整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、確認する順番をまとめますね。
自院で確認する順番
- 自院が届出している疾患別リハビリテーション料(心大血管疾患・脳血管疾患等Ⅰ/Ⅱ・廃用症候群Ⅰ/Ⅱ・運動器Ⅰ/Ⅱ・呼吸器Ⅰ・がん患者・認知症患者)を確認する
- その届出内容がリハビリテーション総合計画評価料1・2のどちらに対応するかを整理する
- 対象患者が、介護リハビリテーションの利用を予定している患者に該当するかを確認する(該当すれば区分2の対象)
- 医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等の多職種でリハビリテーション総合実施計画書を共同作成する体制になっているかを確認する
- 患者への説明担当者(医師本人が必要なケースを含む)と、説明日・説明者の記録方法を確認する
- 同一疾患での算定が初回か2回目以降かを判定し、レセプトの区分を確認する
みらい(新人医療事務)
こうやって順番に見ていくと、思ったより確認すべきことが多いですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。点数だけを見て「取れそうだ」と判断せず、届出・計画書作成・説明・記録という一連のプロセスがきちんと回っているかまで確認することが大切です。
よくある取り漏れ
算定漏れが起きやすいポイント
入院時訪問指導加算は、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者に限定されているため、対象患者の見落としが起きやすい加算です。また、運動量増加機器加算は発症日から2月という期限があるため、期限を過ぎてから算定しようとして算定不可になるケースが想定されます。該当する可能性がある患者は、早めに院内で共有しておくと取りこぼしを防ぎやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
いくつか疑問が残っているので、質問形式で確認してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。どうぞ。
みらい(新人医療事務)
他の医療機関ですでにリハビリテーション総合計画評価料を算定していた患者さんが転院してきた場合、うちでは「初回」と「2回目以降」のどちらで算定すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
自院で同一疾患について初めて算定する場合は、他院での算定の有無にかかわらず「初回の場合」として算定します。転院・転医してきた患者さんでも、自院での算定実績がなければ「初回」扱いになります。
みらい(新人医療事務)
計画書を患者さんに説明したあと、説明した内容そのものも診療録に書かないといけませんか?
あおい(元・医療事務)
説明した内容自体を診療録に記載する必要は、原則としてありません。ただし、説明の際に患者さんから計画に対する意見など、特に記載すべき事項があった場合は診療録に記載することとされています。
みらい(新人医療事務)
リハビリテーション総合計画評価料2の対象になる「介護リハビリテーションの利用を予定している患者」って、具体的にはどんな患者さんですか?
あおい(元・医療事務)
介護保険法第62条に規定する要介護被保険者等であって、各疾患別リハビリテーション料に規定する標準的算定日数の3分の1を経過した期間にリハビリテーションを実施している患者さんを指します。医療保険でのリハビリから、介護保険でのリハビリへの移行が視野に入ってくる時期の患者さん、というイメージで捉えておくとよいと思います。
関連するリハビリテーション加算もあわせて確認
みらい(新人医療事務)
リハビリテーション関連の加算は他にもあるんですよね。
あおい(元・医療事務)
はい。休日にリハビリテーションを実施する場合の休日リハビリテーション加算や、リハビリテーションの実施状況データを提出する場合のリハビリテーションデータ提出加算、疾患別リハビリテーションの初期加算など、リハビリテーション総合計画評価料と合わせて確認しておきたい加算があります。同じ患者さんのリハビリテーションに関わる加算なので、届出状況を一緒に整理しておくと確認漏れを防ぎやすくなります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。