みらい(新人医療事務)
部長、「在宅ハイフローセラピー指導管理料」って書類で見かけたんですけど、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の区分C107-3のことですね。在宅でハイフローセラピー(高流量の鼻カニュラ酸素療法)を行っている患者さんに対して、装置の管理や生活上の注意点などを指導した場合に算定候補になる管理料です。入院中の患者さんは対象外で、あくまで在宅療養を続けている方が対象になります。
みらい(新人医療事務)
「ハイフローセラピー」って、普通の酸素吸入とは違うんですか?
あおい(元・医療事務)
そうですね。ハイフローセラピーは、酸素を加温・加湿しながら高い流量で鼻から送り込む治療法です。もともと入院中に使われることが多い方法ですが、症状が安定して在宅に移行しても継続が必要な患者さんがいます。その方たちの在宅療養を支えるための指導管理料が今回の区分です。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんって、具体的にどんな方なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
一次資料を見ると、この管理料は「1」と「2」の2つの区分に分かれています。「1」は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんが対象で、「2」は重度の低酸素血症で高濃度の酸素吸入を伴うハイフローセラピーを行っている患者さんが対象です。留意事項通知には次のように書かれています。
対象患者の一次資料(留意事項通知)
「在宅ハイフローセラピー指導管理料1の対象となる患者は、在宅ハイフローセラピー導入時に以下のいずれも満たす慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者であって、病状が安定し、在宅でのハイフローセラピーを行うことが適当と医師が認めた者とする」 「在宅ハイフローセラピー指導管理料2の対象となる患者は、以下のいずれも満たす重度の低酸素血症の患者であって、在宅で高濃度の酸素吸入(酸素流量6L/分以上)を伴うハイフローセラピーを行うことが適当と医師が認めた者とする」
みらい(新人医療事務)
具体的な状態の基準まで決まっているんですね。うちのクリニックが自分で判断していい話じゃなさそうです。
あおい(元・医療事務)
はい、そこは重要なポイントです。対象患者に当てはまるかどうかは臨床所見に基づく医師の判断事項なので、医療事務の側で「この患者さんは対象です」と決めるものではありません。私たちの役割は、指導管理の記録や算定要件の確認をサポートすることになります。
点数はどうなっていますか
みらい(新人医療事務)
点数はいくらなんですか? 「1」と「2」で違うんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示を見ると、実は「1」も「2」も同じ点数です。表にすると次のようになります。
| 区分 | 対象患者 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| 在宅ハイフローセラピー指導管理料1 | 慢性閉塞性肺疾患(COPD) | 2,400点 |
| 在宅ハイフローセラピー指導管理料2 | 重度の低酸素血症(高濃度酸素吸入を伴う) | 2,400点 |

みらい(新人医療事務)
どちらの区分でも点数は同じなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。区分は対象患者の状態によって分かれているだけで、点数自体は令和8年度時点で共通の2,400点です。ただし、どちらの区分で算定するにしても、対象患者の要件を満たしているかの確認が前提になります。
みらい(新人医療事務)
在宅で呼吸管理をしている患者さんだと、他の管理料と一緒に検討することもありそうですね。
あおい(元・医療事務)
はい。同じ在宅呼吸管理の系統だと、在宅酸素療法指導管理料や在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料といった管理料もあります。患者さんがどの療法を実際に行っているかで、確認すべき管理料が変わってきますので、あわせて確認しておくと整理しやすいです。
施設基準や届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
この加算、届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅ハイフローセラピー指導管理料そのものについて、告示・留意事項通知の中に地方厚生局への届出要否を明示した記載は、当サイトが確認できた範囲では見当たりませんでした。そのため届出の要否は断定できず、要確認とお伝えします。留意事項通知には、在宅ハイフローセラピーを実施する保険医療機関(または緊急時に入院するための施設)が備えるべき機械・器具が具体的に挙げられていますので、まずはそちらの確認を進めつつ、届出の要否については地方厚生局・審査支払機関へ事前に確認することをおすすめします。
届出要否は要確認・設備要件は別に確認
届出要否について当サイトが確認できた一次資料に明示の記載はありません。届出の要否そのものは地方厚生局・審査支払機関へ事前確認をおすすめします。あわせて、実施のために必要な設備の有無は別途確認が必要です。留意事項通知では「在宅ハイフローセラピーを実施する保険医療機関又は緊急時に入院するための施設は、次の機械及び器具を備えなければならない」として、酸素吸入設備・気管挿管又は気管切開の器具・レスピレーター・気道内分泌物吸引装置・動脈血ガス分析装置(常時実施できる状態であるもの)・スパイロメトリー用装置(常時実施できる状態であるもの)・胸部エックス線撮影装置(常時実施できる状態であるもの)を列挙しています。
みらい(新人医療事務)
自院に無い設備は、緊急時の入院先で備えていればいいということですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料はそのように読める書き方になっています。ただし個別の運用が要件を満たすかどうかは、自院の体制と照らし合わせた確認が必要です。ここは断定せず、地方厚生局や審査支払機関への確認をおすすめします。
算定のタイミングと注意点を教えてください
みらい(新人医療事務)
算定するときに気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まず、指導管理の内容は診療録への記載が求められています。それから、この管理料を算定している患者さん(入院中の患者を除く)については、他の一連の処置の費用を別に算定できないという整理になっています。
併算定できない項目(留意事項通知)
留意事項通知には「在宅ハイフローセラピー指導管理料を算定している患者(入院中の患者を除く)については、『J024』酸素吸入、『J024-2』突発性難聴に対する酸素療法、『J025』酸素テント、『J026』間歇的陽圧吸入法、『J026-3』体外式陰圧人工呼吸器治療、『J018』喀痰吸引、『J018-3』干渉低周波去痰器による喀痰排出、『J026-2』鼻マスク式補助換気法及び『J026-4』ハイフローセラピー(これらに係る酸素代も含む)の費用(薬剤及び特定保険医療材料に係る費用を含む)は算定できない」とあります。
みらい(新人医療事務)
結構たくさんありますね。レセプトを組むときに見落としそうです。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。同じ患者さんの在宅療養に関わる複数の処置・材料をまとめて確認するくせをつけておくと、算定漏れや二重算定のミスを防ぎやすくなります。迷ったときは一次資料の該当箇所に立ち返るのが確実です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは読者の方が気になるところですよね。今回、当サイトが確認できた一次資料(告示・留意事項通知)の範囲では、在宅ハイフローセラピー指導管理料の点数(管理料1・2とも2,400点)、対象患者の考え方、届出要否についての一次資料の記載状況(明示の記載が見当たらない状態)について、前回改定(令和6年度)からの変更点は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
改定差分の確認範囲
点数だけでなく、施設基準・人員要件、対象患者の考え方、必要な設備の記載についても一次資料を確認しましたが、変更を示す記述は見つかりませんでした。今後、疑義解釈や訂正通知が出た場合は、当サイトの一次資料の整理を更新します。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」ということも、ちゃんと確認した結果なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。確認していないのと、確認した上で変更なしと分かっているのとでは大きく違います。読者の方にはその区別を明示してお伝えするようにしています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックで算定候補になるか、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で見ていくとわかりやすいです。
自院で確認する順番
- 患者さんが在宅でハイフローセラピーを行っている方で、入院中でないことを確認する
- 対象患者の要件(COPDによる管理料1、または重度の低酸素血症による管理料2)に医師が該当すると判断しているかを確認する
- 指導管理の実施内容(装置の保守・管理、夜間・緊急時対応の説明など)を診療録に記載できているかを確認する
- 実施に必要な設備(酸素吸入設備・気管挿管器具・レスピレーター等)を自院または連携する緊急時入院先が備えているかを確認する
- 同じ患者さんについて併算定できない処置(J024・J026-4等)を別に算定していないかを確認する

みらい(新人医療事務)
最初の一歩は「入院中じゃないこと」の確認からなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。在宅療養指導管理料はもともと「在宅」の患者さんを前提にしている点数なので、入院中かどうかの切り分けを最初に押さえておくと、その後の確認がスムーズになります。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れ
指導管理料1と2の区別: 対象患者の状態(COPDか、重度の低酸素血症か)によって区分が変わります。点数は同じでも、どちらの区分で算定しているか診療録・レセプトで整合させておく必要があります。 併算定できない処置の見落とし: 在宅酸素関連の処置(J024・J026-4等)を別途算定してしまうと、重複算定になる可能性があります。 設備要件の確認漏れ: 届出要否が一次資料で明確に確認できていない場合でも、実施に必要な設備(酸素吸入設備・気管挿管器具等)の有無は別途確認が必要です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者さんは対象外ということでしたが、退院直後はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
一次資料では「入院中の患者以外の患者」が対象とされています。退院後、在宅療養に移行した時点からが対象になる、という整理です。退院日をまたぐケースなど個別の判断が必要な場合は、審査支払機関への確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)の時点でもこの管理料はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
その点については、当サイトが確認できた一次資料の範囲では、令和6年度時点の記録までは確認できていません。令和8年度の一次資料で確認できる内容を中心にご案内しています。
みらい(新人医療事務)
さっきの話だと、施設基準の届出は不要なんですか? なぜ設備の要件だけ細かく決まっているのか気になります。
あおい(元・医療事務)
そこは正確にお伝えすると、告示・留意事項通知の中に届出要否を明示した一次資料の記載は、当サイトが確認できた範囲では見当たっていません。「不要」と断定はせず、届出要否そのものは地方厚生局や審査支払機関に確認していただくのが確実です。一方で、設備要件は届出とは別に一次資料に明記されているので、そちらは自院の体制と照らし合わせて先に確認しておくとよいでしょう。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者の状況や設備の準備状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。