みらい(新人医療事務)
あおいさん、「在宅抗菌薬吸入療法用ネブライザ加算」っていう加算、レセプトで見かけたんですけど、これって何のための加算なんですか?名前が長くて全然イメージがわかなくて…。
あおい(元・医療事務)
在宅で吸入抗菌薬治療を受けている患者さんが、自宅で超音波ネブライザを使って薬を吸入するときに、その機器の使用に対して加算する項目ですね。令和8年度の医科点数表ではC175として整理されています。対象になるのは、かなり限定された患者さんです。
みらい(新人医療事務)
限定された患者さんというと?
あおい(元・医療事務)
一次資料の記載では、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺非結核性抗酸菌症の患者さんで、多剤併用療法による前治療の効果が不十分だった方が対象です。そうした患者さんに、アミカシン硫酸塩吸入用製剤を投与する際に、超音波ネブライザを使用した場合に算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
MAC肺非結核性抗酸菌症…呼吸器内科の慢性疾患ですよね。うちのクリニックでも該当しそうな患者さんがいるかもしれません。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ここで確認しておきたいのが、指導管理料(C121 在宅抗菌薬吸入療法指導管理料)との関係です。一次資料には、在宅療養指導管理材料加算は要件を満たせば指導管理料の算定の有無にかかわらず別に算定できる、という通則があります。ただしC175はC121の枠組みに位置づく加算のため、実務上はC121の算定状況を含めて自院で確認しておくのが安全です。まずはベースの指導管理料の算定状況を確認するところから始めるとよいですよ。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
病院じゃないと算定できない加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、診療所・病院のどちらでも対象になり得ますし、入院ではなく外来・在宅の患者さんが対象です。当サイトの記載では、入院中の患者さん以外という条件が明記されています。
みらい(新人医療事務)
入院患者さんは対象外なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。一次資料には「在宅抗菌薬吸入療法を行っている入院中の患者以外の患者に対して、超音波ネブライザを使用した場合に、第1款の所定点数に加算する」と明記されています。在宅療養の患者さんが自宅でネブライザを使うことを想定した加算ということです。
みらい(新人医療事務)
対象患者の要件は、さっき教えてもらったMACの話だけですか?
あおい(元・医療事務)
対象患者の定義はもう少し詳しく書かれています。一次資料には「マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺非結核性抗酸菌症患者であって、多剤併用療法による前治療において効果不十分な患者(入院中の患者以外のものに限る。)に対して、アミカシン硫酸塩吸入用製剤を投与するに当たり、超音波ネブライザを使用した場合に算定する」とあります。前治療の効果が不十分だったという経過が要件に含まれている点は見落としやすいので注意したいところです。
見落としやすいポイント
「MAC肺非結核性抗酸菌症であること」だけでなく、「多剤併用療法による前治療で効果不十分だったこと」という治療経過の要件も含まれています。単に対象疾患名だけで判断しないようにしましょう。
点数・算定単位(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数はいくらなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示では、次のように月ごとに点数が変わる形になっています。
| 区分 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| 1月目 | 7,480点 | 初回の投与を行った月 |
| 2月目以降 | 1,800点 | 2月目以降継続して算定する場合 |
みらい(新人医療事務)
1月目が急に高いんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。一次資料では「在宅抗菌薬吸入療法用ネブライザ加算において、『1月目』とは初回の投与を行った月のことをいう」と定義されています。1月目とそれ以降で点数が異なる理由づけ自体は一次資料に明記が無いため、ここでは点数構成の事実のみをお伝えしています。

回数制限の解釈は要確認
在宅療養指導管理材料加算の一般的な枠組みでは、告示に「本款各区分に掲げる在宅療養指導管理材料加算は、第1款各区分に掲げる在宅療養指導管理料のいずれかの所定点数を算定する場合に、特に規定する場合を除き、3月に3回に限り算定する」という定めがあります。一方でC175自体の注は「1月目・2月目以降」という継続的な算定方法を定めており、この一般ルールとの関係を当サイトが収録する一次資料の範囲で明確に確認できていません。実際の算定回数の取り扱いは、審査支払機関または地方厚生局にご確認ください。
施設基準・届出(要確認)
みらい(新人医療事務)
この加算、施設基準の届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収録している一次資料の範囲では、C175固有の施設基準や届出様式についての記載を確認できていません。在宅療養指導管理材料加算は、ベースとなる指導管理料(この場合はC121)を算定する枠組みの中で扱われる加算という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
じゃあ届出は要らないってことですか?
あおい(元・医療事務)
そこは断定できません。届出の要否は「未確認」として扱い、自院が地方厚生局に行っている届出の内容と、この加算の算定要件を照らし合わせて確認していただく必要があります。届出済みの指導管理料の枠内であれば算定候補になりますが、最終判断は自院での確認が前提です。
施設基準・届出は自院で確認を
施設基準・届出の充足状況をAIが判定することはできません。地方厚生局への届出状況、算定要件の充足状況は、必ず自院の担当者・審査支払機関にご確認ください。
算定タイミング・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まず、在宅療養指導管理材料加算は、要件を満たせば、ベースの指導管理料を算定するかどうかにかかわらず、別に算定できるという整理が一次資料にあります。ただし、同一の保険医療機関で2つ以上の指導管理を同時に行っている場合は、主たる指導管理の所定点数を算定し、材料加算やそこで使用した薬剤・特定保険医療材料の費用はそれぞれ算定できる、という扱いになっています。
みらい(新人医療事務)
複数の在宅指導を並行している患者さんだと、ちょっと複雑になりそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ここは実際のレセプトを組む段階で迷いやすいポイントです。もう一つ、退院のタイミングに関する記載もあります。当サイトが収録している資料では、入院中の患者さんやその看護にあたる方に対して、退院時に在宅抗菌薬吸入療法指導管理料を算定すべき指導管理を行った場合は、退院の日に限り、指導管理料の所定点数とこのネブライザ加算の点数をあわせて算定できる、とされています。
みらい(新人医療事務)
退院した日だけ特別扱いってことですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ただしその記載では、同じ退院月に外来・往診・訪問診療でも指導管理を行った場合であっても、指導管理の所定点数とこのネブライザ加算は重ねて算定できない、ともされています。同じ月に何度も算定できるものではない、という点は意識しておく必要があります。
併算定・算定タイミングの確認ポイント
複数の在宅指導管理を並行している患者さんでは、主たる指導管理の選び方によって材料加算の扱いが変わります。退院月の算定については、退院日の特例と同月内の重複算定不可のルールをあわせて確認しましょう。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、この加算について前回改定(令和6年度)時点の記載を、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。そのため、令和6年度からの変更点は「確認されていません」という整理になります。ここでご案内している点数・算定要件は、あくまで令和8年度時点の告示・留意事項通知に基づく内容です。
みらい(新人医療事務)
変更があったかどうかも分からない、ということなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。過去の疑義解釈の中には、この加算の対象となる治療について、かつて別の区分番号の点数を準用して算定していた経緯をうかがわせる記載もありますが、当時と現在では点数体系の整理のされ方自体が異なっているため、単純な新旧比較としてご紹介するのは避けています。前回改定からの正確な差分を知りたい場合は、審査支払機関や厚生労働省の一次資料で個別にご確認ください。
改定差分の確認状況
令和6年度改定からの変更点について、当サイトが収録する一次資料の範囲では確認されていません(確認日: 2026年7月)。令和8年度時点の告示・留意事項通知に基づく記載であることをご留意ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちの患者さんが対象になるか、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認していくと整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
- 在宅抗菌薬吸入療法指導管理料(C121)を算定しているか
- 患者さんがマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺非結核性抗酸菌症で、多剤併用療法による前治療の効果が不十分だったか
- アミカシン硫酸塩吸入用製剤を、超音波ネブライザを使って投与しているか
- 入院中の患者さんではなく、在宅・外来の患者さんであるか
- 初回投与の月(1月目)か、2月目以降かを確認し、該当する点数区分を確認する
- 施設基準・届出の状況、併算定・算定タイミングのルールを自院・審査支払機関で確認する

みらい(新人医療事務)
この順番で見ていけば、うちが算定候補になりそうかどうか、まず自分たちで整理できそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。特にステップ1と2は見落としやすいところなので、丁寧に確認してくださいね。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある取り漏れって、どんなパターンがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
いくつかパターンがあります。
よくある取り漏れ①
ベースとなる在宅抗菌薬吸入療法指導管理料(C121)は算定しているのに、超音波ネブライザ使用時のこの加算を算定し忘れているケースです。指導管理料と加算は別区分なので、算定漏れが起きやすいポイントです。
よくある取り漏れ②
1月目と2月目以降で点数が異なることを把握しておらず、2月目以降も1月目の点数で請求してしまう、あるいはその逆のケースです。「1月目」は初回投与を行った月という定義を確認しましょう。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
この加算だけを単独で算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
一次資料には、在宅療養指導管理材料加算は要件を満たせば指導管理料の算定の有無にかかわらず別に算定できる、という通則があります。ただしC175はC121(在宅抗菌薬吸入療法指導管理料)の枠組みに位置づく加算のため、実務上はC121の算定状況を含めて自院で確認することをおすすめします。単独算定の可否はケースにより異なるため、要確認として扱ってください。
みらい(新人医療事務)
入院患者さんには使えないんですか?
あおい(元・医療事務)
原則として入院中の患者さん以外が対象です。ただし退院日に限り、指導管理料とあわせて算定できる特例の記載があります。この特例の適用は個別に確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録する一次資料の範囲では、この加算固有の届出条項を確認できていません。届出の要否は「未確認」として、自院・地方厚生局にご確認ください。
参考にした公式資料
みらい(新人医療事務)
この記事はどんな資料をもとに書かれているんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表の告示本文を一次資料としています。厚生労働省が公開している「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」の告示PDFに、C175 在宅抗菌薬吸入療法用ネブライザ加算とC121 在宅抗菌薬吸入療法指導管理料の該当区分がまとめて掲載されています。厚生労働省 医科点数表(令和8年度)該当PDF から確認できます。留意事項通知の内容もあわせて参照していますが、当サイトが2026年7月時点で確認した限りでは該当PDFのリンクが変更されており、最新のリンク先は厚生労働省サイトでご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する在宅抗菌薬吸入療法指導管理料については、在宅抗菌薬吸入療法指導管理料 の記事もあわせてご確認ください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。