みらい(新人医療事務)
先生、CTの画像で心臓の血管の詰まり具合を調べる「血流予備量比コンピューター断層撮影」っていう検査があるって聞いたんですが、これも点数が算定できる項目なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、区分番号E200-2「血流予備量比コンピューター断層撮影解析」として、令和8年度の医科点数表に定められている項目ですよ。CT画像をもとに冠動脈の血流予備量比(FFR-CT)を解析するもので、施設基準の届出をしている医療機関で行った場合に算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
「算定候補」ということは、届出をしていないとダメなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。施設基準の届出状況によって算定できるかどうかが変わるので、まずは自院の届出状況を確認するところから始めましょう。
この検査項目は何のためのもの?
みらい(新人医療事務)
そもそも、この項目はどんな検査に対する点数なんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には「血流予備量比コンピューター断層撮影解析は、血流予備量比コンピューター断層撮影の解析を行うものとして薬事承認を取得したプログラムを用いた解析結果を参照して、コンピューター断層撮影による診断を行った場合に限り算定する。」と定められています。薬事承認を受けた解析プログラムを使ったCT画像の解析結果を参照して診断した場合が対象です。
みらい(新人医療事務)
薬事承認を受けたプログラムを使うことが前提なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。承認を受けていないプログラムでの解析は、この区分での算定対象外の可能性があります。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注2に「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。」と定められています。保険医療機関であることが前提で、施設基準の届出をしていない医療機関では、この区分番号での算定対象にはなりません。
みらい(新人医療事務)
患者さん側の条件はどうですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には「血流予備量比コンピューター断層撮影解析が必要な医学的理由及び冠動脈CT撮影による診断のみでは治療方針の決定が困難である理由を患者に説明した書面又はその写しを診療録に添付すること。」と定められています。つまり、通常の冠動脈CT撮影の結果だけでは治療方針を決めきれない患者さんが対象という位置づけです。
点数とコード(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はいくらなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、次のとおり定められています。
| 区分番号 | 項目名 | 点数 | 算定回数の制限 |
|---|---|---|---|
| E200-2 | 血流予備量比コンピューター断層撮影解析 | 7,800点 | 月1回に限り算定可 |
みらい(新人医療事務)
月1回だけなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、告示の注1に「血流予備量比コンピューター断層撮影解析の種類又は回数にかかわらず、月1回に限り算定できるものとする。」と定められています。同じ月に何度解析を行っても、算定できるのは1回までです。

施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準は具体的にどんな内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注2で求められているのは「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。」という部分です。具体的な基準の細目(人員配置や実施体制など)は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていないので、施設基準の告示・通知の原文を厚生局に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
届出をしていない医療機関は、この検査自体をやってもダメなんですか?
あおい(元・医療事務)
検査そのものを実施すること自体とは別に、届出をしていなければこの区分番号での算定はできません。届出の有無を必ず確認してください。
算定のタイミング・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するときに、他の検査と一緒に算定できない、みたいな決まりはありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項通知にかなり詳しく書かれています。まず心臓カテーテル検査との関係です。
心臓カテーテル法との関係(留意事項通知より・原文引用)
血流予備量比コンピューター断層撮影解析の結果により、血流予備量比が陰性にもかかわらず、本検査実施後90日以内に「D206」心臓カテーテル法による諸検査を行った場合は、主たるものの所定点数のみ算定する。
みらい(新人医療事務)
陰性だったのにカテーテル検査もした、というケースですね。両方合算はできないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。それから、併せて算定できない項目のリストも明記されています。
併せて算定できない項目(留意事項通知より・原文引用)
血流予備量比コンピューター断層撮影解析と「D206」の「注4」冠動脈血流予備能測定検査加算、「D215」の「3」の「ホ」負荷心エコー法、「E101」シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影(同一のラジオアイソトープを用いた一連の検査につき)、「E101-2」ポジトロン断層撮影、「E101-3」ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影(一連の検査につき)、「E101-4」ポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影(一連の検査につき)、「E102」核医学診断及び「E202」磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影)(一連につき)は併せて算定できない。
みらい(新人医療事務)
これはレセプトを作るときに必ずチェックしないといけないところですね。
あおい(元・医療事務)
併算定の除外リストが多いので、レセプト担当の方は一覧を手元に置いておくと安心だと思います。
記録・説明義務について
みらい(新人医療事務)
検査をした後、カルテに何か書かないといけないことはありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項通知に複数の記載義務が定められています。
記録・説明で必要になること(留意事項通知より・原文引用)
診療録への記載: 血流予備量比コンピューター断層撮影解析の検査結果及び検査結果に基づき患者に説明した内容を診療録に記載すること。 説明書面の添付: 血流予備量比コンピューター断層撮影解析が必要な医学的理由及び冠動脈CT撮影による診断のみでは治療方針の決定が困難である理由を患者に説明した書面又はその写しを診療録に添付すること。 摘要欄への記載: 血流予備量比コンピューター断層撮影解析による血流予備量比の値を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。 適正使用指針の遵守: 関連学会が定める適正使用指針に沿って実施すること。
みらい(新人医療事務)
記録がひとつでも抜けていたら、算定できなくなってしまうんですか?
あおい(元・医療事務)
そこまでは資料からは確認できませんが、記載事項として明記されている以上、記録の不備は審査で確認が入る可能性があります。抜け漏れがないか、算定前に確認する体制を作っておくと安心です。
他院で撮影した画像を解析する場合
みらい(新人医療事務)
うちでCTを撮っていない患者さんの画像を解析する、というケースもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。留意事項通知には次のように定められています。
他院撮影画像の解析(留意事項通知より・原文引用)
当該保険医療機関以外の医療機関で撮影したコンピューター断層撮影画像について解析を行った場合は、当該画像につき1回に限り所定点数を算定できるが、患者が当該傷病につき解析を行った医療機関に受診していない場合は算定できない。
みらい(新人医療事務)
つまり、画像だけ受け取って解析するだけでは算定できないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、患者さんがその医療機関を受診していることが前提です。画像解析だけを単独で請け負うような扱いはできない、という位置づけです。
令和8年度における算定方法の変更点(令和8年6月1日施行)
みらい(新人医療事務)
この検査、名前に「解析」って付くようになったのは最近なんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。厚生労働省の疑義解釈資料(その2・問63)で、算定方法の変更が明確にされています。
令和8年6月1日前後での算定方法の違い(疑義解釈その2 問63より)
令和8年5月31日以前: 「E200-2」血流予備量比コンピューター断層撮影として、単独の区分番号で算定していました。 令和8年6月1日以降: 「E200」コンピューター断層撮影(CT撮影)(一連につき)、同「注4」の冠動脈CT撮影加算、及び「E200-2」血流予備量比コンピューター断層撮影解析の3つを合わせて算定する方式に変わりました。疑義解釈では「(答)そのとおり。」と回答されています。
みらい(新人医療事務)
じゃあ今は、CT撮影の点数と冠動脈CT撮影加算も一緒に確認しないといけないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。冠動脈CT撮影加算については別記事でも詳しく解説しているので、あわせて確認してみてください。冠動脈CT撮影加算 の届出状況とセットで確認すると、算定の抜け漏れに気づきやすくなります。
みらい(新人医療事務)
この変更点以外に、施設基準や点数そのものが変わった、というような情報はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、算定方法の組み立て(区分の分け方)が変わったことは確認できていますが、7,800点という点数や、注1・注2の施設基準要件そのものが変わったという記載は確認されていません。今後の疑義解釈や訂正通知で追加の情報が出る可能性もあるので、最新の公式資料もあわせて確認してください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
情報が多くて、どこから確認すればいいか迷ってしまいます。
あおい(元・医療事務)
順番に並べておくと、確認しやすくなりますよ。
自院で確認する順番
- 施設基準の届出をしているかどうかを確認する
- 薬事承認を取得した解析プログラムを使用しているかを確認する
- 冠動脈CT撮影による診断のみで治療方針が決定できない医学的理由を、患者への説明書面として準備できているかを確認する
- 「D206」心臓カテーテル法や、E101系・E102・E202など併算定除外の項目と同月に重複していないかを確認する
- 診療録への説明内容の記載、診療報酬明細書の摘要欄への血流予備量比の値の記載を確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある取り漏れのパターンってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか典型的なパターンがあります。
取り漏れ・記載漏れの典型例
摘要欄の記載漏れ: 血流予備量比の値を診療報酬明細書の摘要欄に記載することが求められていますが、この記載が漏れているケースがあります。 説明書面の添付漏れ: 冠動脈CT撮影だけでは治療方針が決定できない理由を患者に説明した書面又はその写しの、診療録への添付が漏れているケースがあります。 併算定除外の見落とし: E101・E102・E202など、併せて算定できない項目のリストが長いため、同月の他検査との重複に気づかず算定してしまうケースがあります。
みらい(新人医療事務)
どれも「知らなかった」では済まされない項目ばかりですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。レセプト提出前のチェックリストに、この検査特有の確認項目として組み込んでおくのがおすすめです。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。