診療報酬加算ナビ
令和8年度最終更新 2026-08-06T11:03:22+00:00出典あり

地域支援・外来医薬品供給対応体制加算1、診療所は算定候補?【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

地域支援・外来医薬品供給対応体制加算1。診療所の地域医薬品供給対応体制(要届出・施設基準)。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

「地域支援・外来医薬品供給対応体制加算」って名前、初めて見ました。令和8年度の改定で新しくできた加算ですか?

あおい

あおい元・医療事務

そうです。令和8年度診療報酬改定で新設された加算で、処方料(F100)の注8に規定されています。うちのように院内投薬をしている診療所なら、算定候補になるかもしれません。

みらい

みらい新人医療事務

病院でも対象になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

いいえ、対象は診療所のみです。留意事項通知には「診療所においてのみ算定する」とはっきり書かれています。病院は対象外の可能性が高いです。

この加算はどんな加算ですか

みらい

みらい新人医療事務

そもそも、何を評価するための加算なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

後発医薬品(ジェネリック医薬品)の品質・安全性・安定供給体制などの情報を収集・評価したうえで採用を決定し、実際に一定割合以上調剤する体制、そして医薬品の流通改善に向けて安定供給に取り組む体制が整っている診療所を評価するものです。留意事項通知の原文でも、この趣旨がそのまま説明されています。

みらい

みらい新人医療事務

なるほど。ジェネリックの安定供給に協力している診療所を後押しする加算なんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。医薬品の供給不安が続く中で、後発医薬品の採用体制と流通改善の取組を両輪で評価する仕組みになっています。

地域支援・外来医薬品供給対応体制加算 点数区分(令和8年度・診療所のみ)

対象医療機関・対象患者

みらい

みらい新人医療事務

うちは院外処方が中心なんですが、対象になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

そこは要確認のポイントです。この加算は処方料(F100)の注に規定されているため、処方料そのものを算定する場合が前提になります。投薬の通則には「処方箋を交付した場合は、第5節の所定点数(処方箋料)のみにより算定する」とあり、院外処方で処方箋料(F400)を算定するケースでは、処方料自体を算定しないため、この加算も対象外の可能性があります。

みらい

みらい新人医療事務

じゃあ、院内投薬をしている診療所が中心の話なんですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい。入院中の患者以外の外来患者に対する投薬で、処方料を算定している診療所が対象になります。入院中の患者の処方は入院基本料に含まれるため対象外です。

みらい

みらい新人医療事務

院外処方箋を発行する場合の処方箋料についても、別記事で確認できますか?

あおい

あおい元・医療事務

できますよ。処方箋料とこの加算は算定の土台が異なるので、自院がどちらのパターンかをまず確認するのが大事です。

点数と区分(1・2・3)

みらい

みらい新人医療事務

点数はどれくらいなんですか?

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度の点数表(告示)では、1処方につき次のように区分されています。

区分点数(1処方につき)
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算18点
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算27点
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算35点
みらい

みらい新人医療事務

1・2・3の違いは何で決まるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

施設基準に係る区分に応じて点数が変わる仕組みです。当サイトが収集している一次資料の範囲では、後発医薬品を調剤した割合など複数の基準に応じて1〜3の区分が決まると考えられますが、区分ごとの具体的な割合の基準値までは今回確認できた資料からは特定できませんでした。この点は届出時に地方厚生局へ提出する届出様式や、施設基準の正式な通知でご確認ください。

みらい

みらい新人医療事務

あいまいなところは、ちゃんと「わからない」と言うんですね。

あおい

あおい元・医療事務

数字を推測で書くと現場が混乱してしまうので、確認できた範囲だけをお伝えするようにしています。

施設基準

みらい

みらい新人医療事務

施設基準では、具体的に何が求められますか?

あおい

あおい元・医療事務

まず、後発医薬品の品質・安全性・安定供給体制などの情報を収集・評価し、その結果を踏まえて採用を決定し、実際に一定割合以上調剤する体制が必要です。さらに、医薬品の流通改善に向けて安定供給に資する取組を実施する体制も求められます。

みらい

みらい新人医療事務

「流通改善に向けた取組」って、具体的には何をすればいいんですか?

あおい

あおい元・医療事務

疑義解釈では「単品単価交渉」という言葉がキーワードになっています。厚労省の回答では、単品単価交渉とは「他の医薬品の価格の影響を受けず、地域差や個々の取引条件等により生じる安定供給に必要なコストを踏まえ、取引先と個別品目ごとに取引価格を決める交渉」と説明されています。

みらい

みらい新人医療事務

逆に、単品単価交渉に当たらない交渉もあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

あります。総価値引率を用いた交渉(総価交渉)や、全国最低価格に類する価格をベンチマークとして一方的に決める交渉などは、単品単価交渉には該当しないとされています。総価交渉が中心の卸取引だと、この要件を満たさない可能性があるので確認が必要です。

みらい

みらい新人医療事務

この要件を満たしているかどうかは、どうやって判定するんですか?

あおい

あおい元・医療事務

疑義解釈その7(問9)では、直近に地方厚生(支)局長等へ提出した妥結率等に係る報告書において「単品単価交渉を行っていない」に該当しないことをもって、この要件を満たすものとして扱う、とされています。妥結率等に係る報告書を提出していない場合は要件を満たさないものとして扱われますが、開設から1年未満の場合や許可病床数200床以上の病院でない場合で報告書の提出をしていない保険医療機関は、要件を満たすものとみなす、という扱いも示されています。

単品単価交渉のよくある取り漏れ

総価交渉のみの卸取引: 医薬品の値引き交渉をすべて総価(まとめ値引き)で行っている場合、単品単価交渉の要件を満たさない可能性があります。個別品目ごとの取引価格の設定状況を卸と確認しましょう。

届出は必要ですか

みらい

みらい新人医療事務

届出はいりますか?

あおい

あおい元・医療事務

はい、届出が必要です。この加算は「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが算定の前提になっています。届出済みであれば算定候補になりますが、未届出のままでは算定できません。

みらい

みらい新人医療事務

届出の期限とかはあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度診療報酬改定に伴う施設基準届出チェックリストでは、この加算は「新設」区分として届出期限が令和8年6月1日と示されています。改定後にはじめて算定を考える診療所は、届出のタイミングを見落とさないようにしたいところです。

届出のタイミングに注意

届出は「新設」区分として扱われており、届出期限が定められています。届出前の投薬分には遡って加算できない可能性があるため、算定を検討する場合はできるだけ早く自院の届出状況を確認してください。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

この加算は前からあったんですか?

あおい

あおい元・医療事務

いいえ、令和8年度診療報酬改定で新設された加算です。施設基準届出チェックリストでも「新設」と明記されています。つまり、令和6年度改定の時点ではこの加算そのものが存在していませんでした。

みらい

みらい新人医療事務

じゃあ、令和6年度との点数比較はできないんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうですね。新設項目なので「変更点」というよりは「新しく登場した項目」という位置づけです。ジェネリック医薬品の供給不安への対応として、令和8年度改定でこうした体制評価の加算が新たに設けられた、と理解しておくとよいと思います。

新設加算は届出の見落としに注意

新設された施設基準は、既存の届出書類に含まれていないため、改定後に新たに届出手続きが必要です。「点数表に載っているから自動的に算定できる」わけではなく、届出をして初めて算定候補になる点に注意しましょう。

自院で確認する順番

みらい

みらい新人医療事務

うちで確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

次のような順番で確認するとわかりやすいと思います。

自院で確認する順番

  1. 診療所であるか(病院は対象外の可能性が高い)
  2. 外来患者に対する投薬で、処方料(F100)を算定しているか(院外処方のみの場合は対象外の可能性)
  3. 後発医薬品の情報収集・評価・採用決定の体制、および一定割合以上の調剤体制があるか
  4. 単品単価交渉など、医薬品の流通改善に資する取組ができているか(総価交渉のみでないか)
  5. 施設基準の届出(届出様式)を地方厚生局に提出しているか

自院で確認する順番(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

この順番なら、事務でも一つずつ確認していけそうです。

あおい

あおい元・医療事務

はい。特に2番目の「院外処方か院内投薬か」を最初に整理しておくと、そもそも検討する意味があるかどうかがはっきりします。

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

公式資料の根拠

この記事の一次資料

令和8年厚生労働省告示第69号「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(点数区分・算定要件): https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf

疑義解釈資料の送付について(その2)令和8年4月1日 医科 問37(単品単価交渉の定義): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/newpage_21053.html

疑義解釈資料の送付について(その7)令和8年5月29日 問9(単品単価交渉の判定方法): https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001707505.pdf

令和8年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリストの一部訂正について(届出期限・新設区分): https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001706142.pdf

令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00042.html

公式データで見る算定要件・施設基準・届出

  • 算定要件

    別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において投薬を行った場合には、地域支援・外来医薬品供給対応体制加算として、当該基準に係る区分に従い、1処方につき次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する

よくある質問

病院でも算定できますか?

留意事項通知に「診療所においてのみ算定する」と明記されているため、病院は対象外の可能性が高いです。

院外処方箋を発行しているクリニックは対象外ですか?

処方料(F100)を算定する院内投薬が前提のため、院外処方のみで処方箋料(F400)を算定している場合は対象外の可能性があります。院内投薬分があれば確認の余地があります。

加算1・2・3の区分はどう決まりますか?

後発医薬品の調剤割合などの実績に応じて区分される仕組みですが、具体的な割合の基準値は届出様式や正式な施設基準通知でご確認ください。

卸との価格交渉はどんな形なら要件を満たしますか?

個別品目ごとに取引価格を決める単品単価交渉が必要です。総価交渉やベンチマーク価格による一方的な交渉は該当しないとされています。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

関連する加算

加算令和8年度

地域支援・外来医薬品供給対応体制加算2は算定候補?【令和8年度】

地域支援・外来医薬品供給対応体制加算2。診療所の地域医薬品供給対応体制(要届出・施設基準)。

診療所要届出
加算令和8年度

地域支援・外来医薬品供給対応体制加算3、自院は算定候補?【令和8年度】

地域支援・外来医薬品供給対応体制加算3。診療所の地域医薬品供給対応体制(要届出・施設基準)。

診療所要届出
感染対策令和8年度

連携強化加算、自院は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

外来感染対策向上加算を算定する診療所の上乗せ加算(初診料注12・再診料注16、月1回3点)。感染対策向上加算1を算定する医療機関へ感染症発生状況・抗菌薬使用状況等を報告。要届出。

診療所要届出
時間外対応令和8年度

時間外対応体制加算、自院は算定候補?【令和8年度】

地域の身近な診療所が休日・夜間等の問い合わせ・受診に対応する体制を評価する加算(再診料注10、区分1=7点/2=5点/3=4点/4=2点)。診療所限定・要届出。令和6年度の「時間外対応加算」から名称変更。

診療所要届出
管理料令和8年度

心不全再入院予防継続管理料、自院は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

令和8年度の心不全再入院予防継続管理料(区分B001-10)。225点〜1,000点(5区分)。対象: 診療所・病院・届出必要・施設基準あり。管理料1: 届出病棟に入院している患者であって、慢性心不全の急性増悪を含む急性心不全で入院したもの。

診療所病院要届出
管理料令和8年度

遺伝性疾患療養指導管理料、自院は算定候補?【令和8年度】

令和8年度の遺伝性疾患療養指導管理料(区分B001-11)。200点〜700点(9区分)。1遺伝性疾患療養指導管理料の注1から注3までに規定する施設基準(1) 遺伝性疾患の診療に係る経験を3年以上有する常勤の医師が1名以上配置されていること。