みらい(新人医療事務)
「地域支援・外来医薬品供給対応体制加算2」って、1や3もあるみたいですけど、何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
同じ処方料(F100)の注8に規定されている加算で、1・2・3の3区分があります。加算2は令和8年度の点数表(告示)では1処方につき7点です。区分によって点数が変わる仕組みなので、まず加算2がどういう位置づけかを確認していきましょう。
みらい(新人医療事務)
病院でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、対象は診療所のみです。留意事項通知には「診療所においてのみ算定する」とはっきり書かれています。病院は対象外の可能性が高いです。
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算2はどんな加算ですか
みらい(新人医療事務)
そもそも、何を評価するための加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
後発医薬品(ジェネリック医薬品)の品質・安全性・安定供給体制などの情報を収集・評価したうえで採用を決定し、実際に一定割合以上調剤する体制、そして医薬品の流通改善に向けて安定供給に取り組む体制が整っている診療所を評価するものです。留意事項通知の原文でも、この趣旨がそのまま説明されています。
みらい(新人医療事務)
なるほど。ジェネリックの安定供給に協力している診療所を後押しする加算なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。医薬品の供給不安が続く中で、後発医薬品の採用体制と流通改善の取組を両輪で評価する仕組みになっています。加算1・2・3は、この体制の水準に応じて区分される点数です。

対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
うちは院外処方が中心なんですが、対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
そこは要確認のポイントです。この加算は処方料(F100)の注に規定されているため、処方料そのものを算定する場合が前提になります。投薬の通則には「処方箋を交付した場合は、第5節の所定点数(処方箋料)のみにより算定する」とあり、院外処方で処方箋料(F400)を算定するケースでは、処方料自体を算定しないため、この加算も対象外の可能性があります。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、院内投薬をしている診療所が中心の話なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。入院中の患者以外の外来患者に対する投薬で、処方料を算定している診療所が対象になります。入院中の患者の処方は入院基本料に含まれるため対象外です。院外処方箋を発行するケースの処方箋料(F400)は別の加算体系になるので、自院がどちらのパターンかを最初に整理しておくと確認がスムーズです。
みらい(新人医療事務)
病院向けに似たような加算はないんですか?
あおい(元・医療事務)
地域支援・医薬品供給対応体制加算(A243)という入院患者向けの加算が別にあります。名称が似ているので混同しやすいのですが、こちらの記事で扱っているのは外来(処方料)が対象の加算です。自院が診療所か病院かで、確認すべき加算が変わる点に注意してください。
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算2 算定要件と点数区分
みらい(新人医療事務)
算定要件の原文はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
処方料の注8には「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において投薬を行った場合には、地域支援・外来医薬品供給対応体制加算として、当該基準に係る区分に従い、1処方につき次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する」と規定されています。区分に応じて点数が決まる、という組み立てです。
みらい(新人医療事務)
点数はどれくらいなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の点数表(告示)では、1処方につき次のように区分されています。
| 区分 | 点数(1処方につき) |
|---|---|
| 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算1 | 8点 |
| 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算2 | 7点 |
| 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算3 | 5点 |
みらい(新人医療事務)
加算2は真ん中の点数なんですね。1や3との違いは何で決まるんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準に係る区分に応じて点数が変わる仕組みです。当サイトが収集している一次資料の範囲では、後発医薬品を調剤した割合など複数の基準に応じて1〜3の区分が決まると考えられますが、区分ごとの具体的な割合の基準値までは今回確認できた資料からは特定できませんでした。この点は届出時に地方厚生局へ提出する届出様式や、施設基準の正式な通知でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
あいまいなところは、ちゃんと「わからない」と言うんですね。
あおい(元・医療事務)
数字を推測で書くと現場が混乱してしまうので、確認できた範囲だけをお伝えするようにしています。自院がどの区分に該当するかは、実績に基づいて判定される前提だと考えておいてください。
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算2 施設基準
みらい(新人医療事務)
施設基準では、具体的に何が求められますか?
あおい(元・医療事務)
まず、後発医薬品の品質・安全性・安定供給体制などの情報を収集・評価し、その結果を踏まえて採用を決定し、実際に一定割合以上調剤する体制が必要です。さらに、医薬品の流通改善に向けて安定供給に資する取組を実施する体制も求められます。この骨格は加算1・2・3で共通しており、実績の水準によって区分が分かれる仕組みです。
みらい(新人医療事務)
「流通改善に向けた取組」って、具体的には何をすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈では「単品単価交渉」という言葉がキーワードになっています。厚労省の回答では、単品単価交渉とは「他の医薬品の価格の影響を受けず、地域差や個々の取引条件等により生じる安定供給に必要なコストを踏まえ、取引先と個別品目ごとに取引価格を決める交渉」と説明されています。
みらい(新人医療事務)
逆に、単品単価交渉に当たらない交渉もあるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。総価値引率を用いた交渉(総価交渉)や、全国最低価格に類する価格をベンチマークとして一方的に決める交渉などは、単品単価交渉には該当しないとされています。総価交渉が中心の卸取引だと、この要件を満たさない可能性があるので確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
この要件を満たしているかどうかは、どうやって判定するんですか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈その7(問9)では、直近に地方厚生(支)局長等へ提出した妥結率等に係る報告書において「単品単価交渉を行っていない」に該当しないことをもって、この要件を満たすものとして扱う、とされています。妥結率等に係る報告書を提出していない場合は要件を満たさないものとして扱われますが、開設から1年未満の場合や許可病床数200床以上の病院でない場合で報告書の提出をしていない保険医療機関は、要件を満たすものとみなす、という扱いも示されています。
単品単価交渉のよくある取り漏れ
総価交渉のみの卸取引: 医薬品の値引き交渉をすべて総価(まとめ値引き)で行っている場合、単品単価交渉の要件を満たさない可能性があります。個別品目ごとの取引価格の設定状況を卸と確認しましょう。
届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
届出はいりますか?
あおい(元・医療事務)
はい、届出が必要です。この加算は「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが算定の前提になっています。届出済みであれば、加算2としての算定候補になりますが、未届出のままでは算定できません。
みらい(新人医療事務)
届出の期限とかはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度診療報酬改定に伴う施設基準届出チェックリストでは、この加算は「新設」区分として届出期限が令和8年6月1日と示されています。改定後にはじめて算定を考える診療所は、届出のタイミングを見落とさないようにしたいところです。
届出のタイミングに注意
届出は「新設」区分として扱われており、届出期限が定められています。届出前の投薬分には遡って加算できない可能性があるため、算定を検討する場合はできるだけ早く自院の届出状況を確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算は前からあったんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、令和8年度診療報酬改定で新設された加算です。施設基準届出チェックリストでも「新設」と明記されています。つまり、令和6年度改定の時点ではこの加算そのものが存在していませんでした。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、令和6年度との点数比較はできないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。新設項目なので「変更点」というよりは「新しく登場した項目」という位置づけです。ジェネリック医薬品の供給不安への対応として、令和8年度改定でこうした体制評価の加算が新たに設けられ、実績の水準に応じて1〜3の区分(加算2は7点)が設定された、と理解しておくとよいと思います。
新設加算は届出の見落としに注意
新設された施設基準は、既存の届出書類に含まれていないため、改定後に新たに届出手続きが必要です。「点数表に載っているから自動的に算定できる」わけではなく、届出をして初めて算定候補になる点に注意しましょう。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちで確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認するとわかりやすいと思います。
自院で確認する順番
- 診療所であるか(病院は対象外の可能性が高い)
- 外来患者に対する投薬で、処方料(F100)を算定しているか(院外処方のみの場合は対象外の可能性)
- 後発医薬品の情報収集・評価・採用決定の体制、および一定割合以上の調剤体制があるか
- 単品単価交渉など、医薬品の流通改善に資する取組ができているか(総価交渉のみでないか)
- 実績の水準が加算2に該当するか(届出様式・施設基準の正式な通知で区分を確認)
- 施設基準の届出を地方厚生局に提出しているか

みらい(新人医療事務)
この順番なら、事務でも一つずつ確認していけそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。特に2番目の「院外処方か院内投薬か」を最初に整理しておくと、そもそも検討する意味があるかどうかがはっきりします。そのうえで5番目の区分判定は、実績数値を伴う確認になるので少し丁寧に見ていく必要があります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。
公式資料の根拠
この記事の一次資料
令和8年厚生労働省告示第69号「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(点数区分・算定要件): https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(保医発)F100処方料の解説: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00042.html
疑義解釈資料の送付について(その2)令和8年4月1日 医科 問37(単品単価交渉の定義): https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/newpage_21053.html
疑義解釈資料の送付について(その7)令和8年5月29日 問9(単品単価交渉の判定方法): https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001707505.pdf
令和8年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリストの一部訂正について(届出期限・新設区分): https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001706142.pdf