みらい(新人医療事務)
院長から「地域支援・外来医薬品供給対応体制加算3って、うちで算定候補になるか調べておいて」って言われたんですけど……正直、名前が長すぎて何の加算かピンとこないです。
あおい(元・医療事務)
たしかに長い名前ですよね。ざっくり言うと、後発医薬品(ジェネリック)の採用や、医薬品を安定して調剤できる体制を整えている診療所を評価する加算です。令和8年度(2026年度)の改定で新しくできた区分の一つで、点数の高い順に1・2・3の3段階があります。今回調べる「3」は、そのうちの一番点数が小さい区分にあたります。
みらい(新人医療事務)
新設ということは、令和6年度にはなかった加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。この加算は令和8年度(2026年度)診療報酬改定で新設された区分です。厚生労働省の施設基準届出チェックリストにも「新設」として掲載されていて、届出期限は令和8年6月1日とされています。前回改定(令和6年度)の点数表には存在しない項目なので、初めて名前を聞いた方が多いのも当然だと思います。
この加算はどんな診療所が対象になるのか
みらい(新人医療事務)
まず、うちみたいな普通の診療所でも対象になり得るんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
この加算は処方料の注8に規定されているもので、対象は診療所に限られます。病院は対象外です。厚生労働省の留意事項通知でも、この加算は診療所においてのみ算定する取り扱いとされています。当サイトが収録している一次資料の範囲でも、外来(クリニック)向けの加算として整理しています。
みらい(新人医療事務)
病院は最初から対象外なんですね。じゃあ患者さん側の条件は何かあるんですか?
あおい(元・医療事務)
患者さんの疾患などによる制限は特にありません。施設基準を満たして届出をしている診療所が、投薬(処方箋の交付を含む処方)を行った場合に、1処方につき加算する仕組みです。つまり「誰に対して」ではなく「どんな体制の診療所が処方したか」で決まる加算、という理解が近いです。
点数はいくらか(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数はどれくらいなんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の医科点数表(処方料の注8)によると、区分ごとに次の点数が定められています。
| 区分 | 点数(1処方につき) |
|---|---|
| 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算1 | 8点 |
| 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算2 | 7点 |
| 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算3 | 5点 |

みらい(新人医療事務)
今回調べている「3」は、5点ということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。1〜3のどの区分に該当するかは、体制の水準によって分かれる仕組みになっています。ただし、区分ごとの具体的な判定基準(後発医薬品の調剤状況などの水準)は施設基準の届出書(様式38の3)や地方厚生局の案内で個別に確認する必要があり、当サイトの一次資料の範囲だけでは区分の線引きの詳細までは確認できていません。この点は自院の届出内容や地方厚生局への確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
加算1や加算2との違いも気になります。
あおい(元・医療事務)
同じ処方料の注8の中で点数が分かれている区分なので、地域支援・外来医薬品供給対応体制加算1と地域支援・外来医薬品供給対応体制加算2の記事もあわせて確認しておくと、自院の体制がどの区分に近いか比較しやすいと思います。
点数は令和8年度(2026年度)時点のもの
点数は改定のたびに見直されます。必ず最新の医科点数表・告示で確認してください。
施設基準はどうなっているのか
みらい(新人医療事務)
施設基準はどんな内容なんですか?結構ハードルが高そうな名前ですよね。
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知では、この加算の趣旨として「後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ後発医薬品の採用を決定し、実際に後発医薬品を一定割合以上調剤する体制及び医薬品の流通改善に向けて医薬品の安定供給に資する取組を実施する体制が整備されている保険医療機関を評価したもの」と説明されています。つまり、ジェネリックの選び方や仕入れ方まで含めて、医薬品の安定供給に取り組んでいるかどうかを見る加算ということです。
みらい(新人医療事務)
「医薬品の流通改善に向けた取組」って、具体的には何をすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
そのひとつが「単品単価交渉」です。厚生労働省の疑義解釈(問37)によると、単品単価交渉とは「他の医薬品の価格の影響を受けず、地域差や個々の取引条件等により生じる安定供給に必要なコストを踏まえ、取引先と個別品目ごとに取引価格を決める交渉」を指します。逆に、総価値引率を使った交渉や、全国最低価格をベンチマークにした一方的な交渉などは、単品単価交渉には該当しないとされています。
単品単価交渉の判定方法(疑義解釈より)
別の疑義解釈(問9)では、「原則として全ての品目について単品単価交渉とすること」という施設基準について、直近に地方厚生(支)局長等へ提出した妥結率等に係る報告書で「単品単価交渉を行っていない」に該当しなければ要件を満たすものとして扱う、とされています。開設から1年に満たない場合など、報告書の提出自体がない場合は要件を満たすものとみなす取り扱いも示されています。自院の妥結率等報告書の提出状況が判定のポイントになるため、事務担当者だけで判断せず、卸業者との契約内容もあわせて確認するのがおすすめです。
みらい(新人医療事務)
単に「ジェネリックをたくさん使っていればOK」という単純な話じゃないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。採用のプロセスや、卸との価格交渉のやり方まで問われる施設基準なので、薬剤の仕入れ担当者や、契約している卸業者とも情報共有しておく必要があります。
届出は必要なのか
みらい(新人医療事務)
これって届出しないと算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、届出が必要な施設基準です。厚生労働省の施設基準届出チェックリストでも「新設」の届出対象として明記されていて、届出期限は令和8年6月1日とされています。届出様式は「様式38の3 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算の施設基準に係る届出書添付書類」で、この様式の中で「地域支援・外来医薬品供給対応体制加算1・2・3」のどの区分で届け出るかを選ぶ形になっています。
みらい(新人医療事務)
つまり、届出をして初めて「候補」になるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。届出をしていない場合はそもそも算定の土台に乗りません。すでに届出済みであれば算定候補になりますが、未届出の場合はまず地方厚生局への届出の要否から確認する必要があります。届出期限を過ぎている場合の扱いや、区分の変更手続きについては地方厚生局へ直接確認することをおすすめします。
届出の有無は自院で必ず確認
届出をしていない、あるいは区分の選択に迷う場合は、算定を進める前に地方厚生局への確認を優先してください。
算定のタイミングと注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングや回数の制限はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
この加算は「1処方につき」加算する仕組みです。処方料や処方箋料の算定に付随する加算なので、投薬を行うたびに、その処方の区分に応じた点数が加わる形になります。回数の上限が特に定められているわけではなく、要件を満たす処方のたびに算定する構造です。
みらい(新人医療事務)
他の加算と一緒に算定できるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
併算定の可否は、処方料・処方箋料の他の注書きとの関係や、個別の算定ルールによって変わります。当サイトの一次資料の範囲では、他の加算との組み合わせの可否まで詳細に確認できていない部分もあるため、レセプトコンピュータの設定や、審査支払機関への確認も含めて自院で最終確認していただくことをおすすめします。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定と比べて、何が変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
この加算そのものが令和8年度(2026年度)改定で新設された区分なので、「変更」というより「新規追加」という位置づけになります。厚生労働省の施設基準届出チェックリスト(新設・届出対象)に記載されている内容が、当サイトが確認できた一次資料の範囲での情報です。令和6年度(2024年度)以前の点数表にはこの名称の加算は存在せず、今回の改定で医薬品の安定供給対策の一環として新たに設けられたものと整理できます。
新設加算のため過去実績がない
新設の加算であるため、算定件数や運用の定着状況についての実績データはまだ限られています。届出や運用の実務については、地方厚生局や卸業者との情報交換を通じて最新の取り扱いを確認するのが安全です。
自院で確認する順番

自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちで確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
まず①自院が診療所(病院ではない)かどうかを確認します。次に②後発医薬品の採用プロセスや、卸との単品単価交渉など、医薬品の安定供給に関する体制が施設基準を満たしているかを整理します。続いて③地方厚生局へ様式38の3で届出済みかどうかを確認し、未届出であれば届出の要否から検討します。最後に④届出済みの場合は、自院がどの区分(1・2・3)で届け出ているかを確認し、その区分の点数で算定候補になっているかをレセプトの設定と突き合わせます。
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よくある取り漏れ
区分の届出内容とレセプト設定のズレ
届出上は区分2で届け出ているのに、レセプトコンピュータ側の設定が区分3のままになっている、といった食い違いが起こりやすいポイントです。届出内容と実際の算定設定が一致しているか、定期的に突き合わせることをおすすめします。
卸との契約内容の把握不足
単品単価交渉の要件は、事務担当者だけでは把握しきれない卸との契約条件に関わります。仕入れ・購買担当者や卸業者とも情報を共有し、妥結率等報告書の提出状況を確認しておくと、施設基準の充足状況を把握しやすくなります。
この記事の根拠にした公式資料
みらい(新人医療事務)
最後に、どんな資料を見て確認したのか教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
主に厚生労働省の医科点数表(F100処方料の注8、令和8年度)、令和8年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリスト、施設基準の届出様式集、疑義解釈資料の送付についてを確認しています。点数表は厚生労働省の告示PDF、施設基準の新設情報は施設基準届出チェックリストの訂正PDF、単品単価交渉の考え方は疑義解釈資料のページで確認できます。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。