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令和8年度最終更新 2026-08-16T00:02:24+00:00出典あり

心身医学療法、自院は算定候補?点数と要件【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

令和8年度の心身医学療法(区分I004)。80点〜150点(3区分)。精神科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関においても算定できるものとする。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

先輩、心身症の患者さんに心理療法をしているとき、「心身医学療法」って算定候補になるんでしょうか?受付で聞かれて答えられませんでした。

あおい

あおい元・医療事務

心身医学療法は診療報酬の区分I004にあたる項目で、心身症の患者さんに対して心理的なアプローチで症状の改善を図る治療を評価するものです。算定候補になるかどうかは、対象患者や算定回数のルールを一つずつ確認する必要がありますよ。今日は令和8年度(2026年度)の告示・留意事項通知をもとに整理していきましょう。

みらい

みらい新人医療事務

お願いします!そもそも心身医学療法って、具体的にはどんな治療のことを指すんですか?

あおい

あおい元・医療事務

厚生労働省の留意事項通知では、心身症の患者について一定の治療計画に基づいて身体的傷病と心理・社会的要因との関連を明らかにし、当該患者に心理的影響を与えることで症状の改善又は傷病からの回復を図る治療方法、と定義されています。自律訓練法、カウンセリング、行動療法、催眠療法、バイオフィードバック療法、交流分析、ゲシュタルト療法、生体エネルギー療法、森田療法、絶食療法、一般心理療法及び簡便型精神分析療法が含まれると明記されています。

対象医療機関・対象患者

みらい

みらい新人医療事務

精神科のクリニックじゃないと算定できないイメージがあるんですが、違うんですか?

あおい

あおい元・医療事務

それが心身医学療法の特徴のひとつです。告示の注1に「精神科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関においても算定できるものとする」と明記されています。つまり内科や心療内科など、精神科を標榜していない医療機関でも算定候補になりえます。ただし、後で説明する「習熟した医師」という要件は別途確認が必要です。

みらい

みらい新人医療事務

対象になる患者さんはどんな人なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

定義のとおり「心身症の患者」が対象です。心身症は、身体的な傷病があり、その発症や経過に心理・社会的な要因が関わっている状態を指します。留意事項通知では、心身医学療法を算定する場合、診療報酬明細書の傷病名欄において心身症による当該身体的傷病の傷病名の次に「(心身症)」と記載する、と定められています。例として「胃潰瘍(心身症)」が挙げられています。単に精神疾患の診断があるだけでは対象にならない点に注意が必要です。

点数・区分(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

点数はどうなっているんですか?

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度の告示では、患者の状態によって区分が分かれています。まとめると次の表のとおりです。

区分対象患者点数
1入院中の患者150点
2-イ入院中の患者以外・初診時110点
2-ロ入院中の患者以外・再診時80点
加算20歳未満の患者所定点数に所定点数の100分の200に相当する点数を加算

心身医学療法 点数区分(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

20歳未満だとかなり点数が増えるんですね。

あおい

あおい元・医療事務

告示の注5には「20歳未満の患者に対して心身医学療法を行った場合は、所定点数に所定点数の100分の200に相当する点数を加算する」と明記されています。留意事項通知では、この加算は必要に応じて児童相談所等と連携し、保護者等へ適切な指導を行った上で、20歳未満の患者に心身医学療法を行った場合に算定する、とされています。単に年齢要件を満たすだけでなく、運用面の記録も確認しておく必要がありますね。

施設基準・要件

みらい

みらい新人医療事務

届出は必要なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収集した一次資料の範囲では、心身医学療法について地方厚生局への施設基準の届出は確認できていません。ただし留意事項通知には「心身医学療法は、当該療法に習熟した医師によって行われた場合に算定する」と明記されています。届出という形の要件ではなく、実施する医師の習熟度という個別の要件がある点を押さえておいてください。

みらい

みらい新人医療事務

「習熟した医師」って、具体的にはどう確認すればいいんでしょう?

あおい

あおい元・医療事務

そこは告示・留意事項通知に数値基準までは示されていません。自院で対応する場合は、実施する医師の心身医学療法に関する研修歴や診療経験を院内で整理しておき、疑義が生じたときに説明できる状態にしておくことをおすすめします。最終的な該当性の判断は、審査支払機関への確認が必要です。

算定のタイミング・回数制限

みらい

みらい新人医療事務

何回でも算定していいわけじゃないですよね?

あおい

あおい元・医療事務

はい、告示の注3・注4に回数制限が定められています。入院中の患者については、入院の日から起算して4週間以内の期間は週2回、4週間を超える期間は週1回に限り算定します。入院中の患者以外については、初診日から起算して4週間以内の期間は週2回、4週間を超える期間は週1回に限り算定するとされています。

みらい

みらい新人医療事務

初診の日にいきなり心身医学療法をやった場合はどうなるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

告示の注2に「区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日において心身医学療法を行った場合は、診療に要した時間が30分を超えたときに限り算定する」とあります。留意事項通知ではこの診療時間について、医師自らが患者に対して行う問診、理学的所見(視診、聴診、打診及び触診)及び当該心身医学療法に要する時間をいい、これら以外の診療に要する時間は含まない、と説明されています。初診時に心身医学療法を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に診療に要した時間を記載することも求められています。

併算定の注意点

みらい

みらい新人医療事務

他の精神療法と一緒に算定できたりしますか?

あおい

あおい元・医療事務

そこは注意が必要なポイントです。留意事項通知には「『I001』入院精神療法、『I002』通院・在宅精神療法又は『I003』標準型精神分析療法を算定している患者については、心身医学療法は算定できない」と明記されています。通院・在宅精神療法側の留意事項でも、入院中の患者以外の精神疾患を有する患者に対して、通院・在宅精神療法に併せて心身医学療法が算定できる自律訓練法、森田療法等の療法を行った場合であっても、通院・在宅精神療法のみにより算定する、とされています。

みらい

みらい新人医療事務

医学管理料とかとの関係はどうですか?

あおい

あおい元・医療事務

通則には、特定疾患療養管理料など一部の医学管理料・在宅療養指導管理料と心身医学療法は、特に規定する場合を除いて同一月に算定できないという定めがあります。同じ月に複数の管理料を算定している患者さんについては、あわせて確認しておく必要がありますね。

併算定は個別に確認

心身医学療法とほかの精神療法・医学管理料の組み合わせは、除外規定に該当するかどうかを患者ごとに確認する必要があります。「算定できる」と決めつけず、対象患者の算定状況を告示・留意事項通知と照らし合わせてください。

みらい

みらい新人医療事務

同じ精神科専門療法の区分だと、ほかにどんな加算があるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

精神科専門療法の区分には、救急患者精神科継続支援料精神科継続外来支援・指導料 なども並んでいます。心身医学療法とは対象患者や算定要件が異なりますので、区分番号ごとに要件を分けて確認する習慣をつけておくと安心です。

令和8年度改定での変更点(前回改定との比較)

みらい

みらい新人医療事務

前回の改定から何か変わったところはあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

前回改定(令和6年度)からの主な変更は、当サイトが収集した一次資料の範囲では確認されていません(確認日: 2026年8月)。点数区分(入院中150点・入院中の患者以外の初診時110点・再診時80点)と20歳未満加算(所定点数に所定点数の100分の200に相当する点数を加算)は、令和8年度の告示でも同じ内容で示されています。

みらい

みらい新人医療事務

変わっていないなら安心ですね。

あおい

あおい元・医療事務

変更が確認されないことも、ひとつの確認結果として記録しておく意味があります。ただし今後の官報告示や疑義解釈で追加の解釈が示される可能性はありますので、算定の都度、最新の一次資料を確認する姿勢は変えないでくださいね。

自院で確認する順番

自院で確認する順番

  1. 対象患者かを確認 — 心身症の診断があり、身体的傷病と心理・社会的要因との関連を明らかにする治療計画があるか
  2. 実施医師を確認 — 心身医学療法に習熟した医師が実施しているか
  3. 初診時の時間要件を確認 — 初診の日に行う場合は、問診・理学的所見・療法に要した時間の合計が30分を超えているか
  4. 併算定の除外規定を確認 — 入院精神療法・通院在宅精神療法・標準型精神分析療法を算定していないか、同一月に対象外の医学管理料を算定していないか
  5. 回数制限を確認 — 入院・入院外それぞれで週1回または週2回の上限を超えていないか
  6. 20歳未満加算の運用を確認 — 該当する場合、必要に応じて児童相談所等との連携や保護者等への指導記録が残っているか
  7. レセプト記載を確認 — 傷病名欄への「(心身症)」の付記と、診療録への要点記載ができているか

自院で確認する順番(令和8年度)

よくある取り漏れ

見落としやすいポイント

  • 傷病名欄の記載漏れ: 「(心身症)」の付記を忘れると、算定要件を満たしていても事務的な不備につながります
  • 初診時の時間記録漏れ: 30分を超えたことをカルテや摘要欄に残していないと、後から時間要件を説明できなくなります
  • 他の精神療法との重複算定: 入院精神療法・通院在宅精神療法・標準型精神分析療法を算定している月に、心身医学療法も算定してしまうケース
  • 回数制限の見落とし: 4週間の起算日を初診日・入院日で管理せず、週の上限回数を超えて算定してしまうケース

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者の状態や算定回数の状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。

公式情報・参考資料

あおい

あおい元・医療事務

この記事の内容は以下の厚生労働省公式資料を根拠としています。詳細な算定要件は必ず一次資料でご確認ください。

参考資料(厚労省公式・令和8年度)

最終確認のお願い

この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の対象患者の状態・実施医師の要件充足・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

公式データで見る算定要件・施設基準・届出

  • 算定要件

    注1精神科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関においても算定できるものとする。2区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日において心身医学療法を行った場合は、診療に要した時間が30分を超えたときに限り算定する。3入院中の患者については、入院の日から起算して4週間以内の期間に行われる場合にあっては週2回、入院の日から起算して4週間を超える期間に行われる場合にあっては週1回に限り算定する。4入院中の患者以外の患者については、初診日から起算して4週間以内の期間に行われる場合にあっては週2回、初診日から起算して4週間を超える期間に行われる場合にあっては週1回に限り算定する。5 20歳未満の患者に対して心身医学療法を行った場合は、所定点数に所定点数の100分の200に相当する点数を加算する。

  • 注意点

    I004心身医学療法

    全文を読む ▾

    (1) 心身医学療法とは、心身症の患者について、一定の治療計画に基づいて、身体的傷病と心理・社会的要因との関連を明らかにするとともに、当該患者に対して心理的影響を与えることにより、症状の改善又は傷病からの回復を図る治療方法をいう。この心身医学療法には、自律訓練法、カウンセリング、行動療法、催眠療法、バイオフィードバック療法、交流分析、ゲシュタルト療法、生体エネルギー療法、森田療法、絶食療法、一般心理療法及び簡便型精神分析療法が含まれる。

    (2) 心身医学療法は、当該療法に習熟した医師によって行われた場合に算定する。

    (3) 心身医学療法は、初診時(「A000」初診料の「注5」のただし書に規定する初診を含む。以下この項において同じ。)には診療時間が 30 分を超えた場合に限り算定できる。この場合において診療時間とは、医師自らが患者に対して行う問診、理学的所見(視診、聴診、打診及び触診)及び当該心身医学療法に要する時間をいい、これら以外の診療に要する時間は含まない。なお、初診時に心身医学療法を算定する場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄に当該診療に要した時間を記載する。

    (4) 心身医学療法を算定する場合にあっては、診療報酬明細書の傷病名欄において、心身症による当該身体的傷病の傷病名の次に「(心身症)」と記載する。例「胃潰瘍(心身症)」

    (5) 心身医学療法を行った場合は、その要点を診療録に記載する。

    (6) 入院の日及び入院の期間の取扱いについては、入院基本料の取扱いの例による。

    (7) 「注5」に規定する加算は、必要に応じて児童相談所等と連携し、保護者等へ適切な指導を行った上で、20 歳未満の患者に対して、心身医学療法を行った場合に、所定点数を加算する。- 529 -

    (8) 「I001」入院精神療法、「I002」通院・在宅精神療法又は「I003」標準型精神分析療法を算定している患者については、心身医学療法は算定できない。

よくある質問

心身医学療法は精神科以外のクリニックでも算定候補になりますか?

告示の注1により、精神科を標榜していない保険医療機関でも算定候補になります。対象患者が心身症であることと、実施医師が心身医学療法に習熟していることが前提です。

心身医学療法の点数はいくらですか?

令和8年度の告示では、入院中の患者150点、入院中の患者以外で初診時110点、再診時80点の区分です。20歳未満の患者には所定点数に所定点数の100分の200に相当する点数が加算されます。

通院・在宅精神療法と心身医学療法は同時に算定できますか?

通院・在宅精神療法側の留意事項通知では、通院・在宅精神療法に併せて心身医学療法に該当する療法を行った場合でも、通院・在宅精神療法のみで算定するとされています。

公式資料の根拠

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

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