診療報酬加算ナビ
令和8年度最終更新 2026-09-08T00:07:09+00:00出典あり

通院集団精神療法、自院は算定候補?【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

令和8年度の通院集団精神療法(区分I006)。270点。入院中の患者以外の患者について、6月を限度として週2回に限り算定する。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

「通院集団精神療法」という名前を初めて見たんですけど、どんな加算なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

精神科の外来で、複数の患者さんが集まって行う精神療法に対する点数ですよ。区分番号はI006で、令和8年度は270点(1日につき)です。入院していない患者さんが対象で、対人関係の練習や自己洞察を深める目的で実施します。

みらい

みらい新人医療事務

入院中の患者さんには使えないんですか?

あおい

あおい元・医療事務

そうなんです。入院中の患者さんに同じような集団精神療法を行った場合は、I005「入院集団精神療法」という別の区分(100点)になります。名前が似ているので混同しやすいポイントですね。今日はI006(通院・外来向け)に絞って一緒に確認していきましょう。

通院集団精神療法とはどんな治療か

みらい

みらい新人医療事務

そもそも「集団精神療法」って、具体的に何をするんですか?

あおい

あおい元・医療事務

厚生労働省の留意事項通知では、「入院中の患者以外の患者であって、精神疾患を有するものに対して、一定の治療計画に基づき、集団内の対人関係の相互作用を用いて、自己洞察の深化、社会適応技術の習得、対人関係の学習等をもたらすことにより病状の改善を図る治療法」と定義されています。

みらい

みらい新人医療事務

個別のカウンセリングとは違うんですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい。集団という場を使って、他の患者さんとのやり取りの中で気づきを得ていく治療法です。統合失調症やうつ病、依存症など、幅広い精神疾患の患者さんに対して行われることがありますが、実際にどの患者さんに適用するかは、治療計画に基づいた医師の判断になります。

対象医療機関・対象患者

みらい

みらい新人医療事務

どんな医療機関でもできるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

いいえ、精神科を標榜している保険医療機関であることが前提です。加えて、実施する体制にも条件があります。留意事項では「精神科を担当する医師及び1人以上の精神保健福祉士又は公認心理師等により構成される2人以上の者が行った場合に限り算定する」とされています。

みらい

みらい新人医療事務

つまり、医師だけではダメで、精神保健福祉士さんや公認心理師さんが最低1人は必要ということですね。

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。医師1人+コメディカル1人以上の、合計2人以上のチーム体制が実施の前提になります。この体制が組めるかどうかが、算定候補になるかの最初の分かれ目です。

点数・算定単位(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

点数の整理をお願いします。

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度の点数表では以下のとおりです。似た名前の区分と混同しないよう、周辺の区分もあわせて整理しますね。

区分番号名称点数算定単位対象
I005入院集団精神療法100点1日につき入院中の患者
I006通院集団精神療法270点1日につき入院中の患者以外
I006-2依存症集団療法別に規定1回につきアルコール依存症患者(届出施設限定)

通院集団精神療法 点数区分(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

I006-2というのもあるんですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい、こちらはアルコール依存症の患者さんを対象とした集団療法で、「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」でのみ実施できる、届出必須の区分です。週1回かつ計10回までという回数制限もあり、I006(通院集団精神療法)とは要件が異なります。対象疾患や実施回数の上限が違うので、依存症治療に特化したプログラムを検討している場合はI006-2の要件も別途確認する必要がありますね。

似た名前の加算との違いに注意

  • I005(入院集団精神療法): 入院中の患者が対象。点数は100点で、I006とは別区分。
  • I006(通院集団精神療法): 入院外の患者が対象。270点。今回のテーマ。
  • I006-2(依存症集団療法): アルコール依存症患者限定・施設基準の届出が必要。I006とは別に算定要件・回数制限が定められている。

実施回数・時間の要件

みらい

みらい新人医療事務

何人くらいで、どのくらいの時間やるものなんですか?

あおい

あおい元・医療事務

留意事項通知に具体的な数字が示されています。「1回に10人に限り、1日につき1時間以上実施した場合に、開始日から6月を限度として週2回に限り算定する」とされています。

みらい

みらい新人医療事務

人数の上限があるんですね。10人を超えるグループだと算定できない、ということですか?

あおい

あおい元・医療事務

留意事項の文言上は「1回に10人に限り」となっているので、10人を超える集団で実施した場合の扱いは、この記述だけでは判断がつきません。実施人数の管理については、自院の運用でこの上限を踏まえて患者数を調整しているか、確認しておくと安心です。

みらい

みらい新人医療事務

期間の制限もあるんですね。

あおい

あおい元・医療事務

「開始日から6月を限度として週2回に限り」なので、ある患者さんについて通院集団精神療法を始めた日から6か月間、かつ週2回までが上限です。7か月目に入ったら、その患者さんについては算定できなくなる、という理解になります。

届出の要否

みらい

みらい新人医療事務

施設基準の届出は必要なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

ここは丁寧に確認したいところです。I006-2(依存症集団療法)は明確に届出が必須と書かれていますが、I006(通院集団精神療法)の留意事項には、届出を求める記載は見当たりません。実施体制(医師+精神保健福祉士又は公認心理師等1人以上の計2人以上)を満たしていれば算定候補になる、という整理です。

みらい

みらい新人医療事務

じゃあ届出なしで大丈夫、ということですね。

あおい

あおい元・医療事務

いえ、そこは断定を避けたいところです。当サイトが確認できた一次資料の範囲では届出を求める記載が見当たらない、という状態にとどまります。地方厚生局への確認事項や、自院が把握していない別の通知が存在する可能性もゼロではないので、実際に算定を始める前には、自院が届け出ている施設基準の一覧や、地方厚生局への確認を通じて、届出の要否を最終確認してください。

算定タイミング・併算定の注意

みらい

みらい新人医療事務

同じ日に他の精神科の治療も受けている患者さんの場合はどうなりますか?

あおい

あおい元・医療事務

大事な注意点です。留意事項には「通院集団精神療法と同一日に行う他の精神科専門療法は、別に算定できない」とあります。告示の注にも「通院集団精神療法と同一日に行う他の精神科専門療法は、所定点数に含まれるものとする」と明記されています。

みらい

みらい新人医療事務

つまり、同じ日に別の精神科専門療法を行っても、I006の点数にまとめて含まれてしまうということですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい。例えば同じ日に精神科作業療法(I007)や他の専門療法を実施しても、別立てでは算定できません。レセプトを作成する際は、同一日の精神科専門療法の重複算定になっていないか、必ず確認してください。

併算定・記録の注意

通院集団精神療法と同一日に行う他の精神科専門療法は、別に算定できません(所定点数に含まれる扱い)。また、実施した場合はその要点を個々の患者の診療録等に記載することが留意事項で求められています。記録の抜け漏れは、算定の妥当性を確認する際の重要な確認ポイントになります。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

前回の改定から何か変わったところはありますか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している一次資料(告示・留意事項通知)の範囲で確認した限り、通院集団精神療法(I006)の点数(270点)や算定要件(開始日から6月を限度に週2回まで、1回10人まで、1時間以上実施、医師+精神保健福祉士又は公認心理師等1人以上の2人体制)について、前回改定からの明確な変更は確認されていません(確認日: 2026年8月・厚労省一次情報ベース)。

みらい

みらい新人医療事務

変わっていない、ということが分かるだけでも安心ですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうですね。ただし、精神科専門療法の区分全体では、公認心理師の位置づけの明確化など、近年の改定で用語が整理されてきた経緯もあります。当サイトで確認できる一次資料の範囲を超える変更点が別途ある可能性はゼロではないので、より詳しい経緯を知りたい場合は、厚生労働省が公開している改定の概要ページもあわせてご確認いただくと確実です。

自院で確認する順番

みらい

みらい新人医療事務

実際にうちの医療機関で検討する場合、どんな順番で確認すればいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

次のようなステップで進めるとスムーズですよ。

自院で確認する順番

  1. 精神科を標榜している医療機関かどうかを確認する
  2. 精神科を担当する医師と、精神保健福祉士又は公認心理師等1人以上による、合計2人以上の実施体制を組めるかを確認する
  3. 対象になりうる入院外の患者さんが、1回10人程度のグループを構成できるだけいるかを確認する
  4. 1日1時間以上、週2回までの実施スケジュールを組めるか、既存の診療体制と照らし合わせる
  5. 届出の要否について、地方厚生局への確認や自院の届出状況の棚卸しを行う
  6. 実施記録(診療録等への要点記載)の運用ルールを整える

通院集団精神療法 自院で確認する順番(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

この順番で確認すれば、抜け漏れが防げそうですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい。特に3番の「10人規模のグループを組めるか」は見落とされがちなポイントです。少人数の外来患者さんしかいない場合、集団療法として実施すること自体が難しいケースもあります。

よくある取り漏れ

みらい

みらい新人医療事務

現場でよくある見落としってありますか?

あおい

あおい元・医療事務

いくつかありますよ。まとめてみますね。

よくある取り漏れ・確認漏れ

  • I005(入院集団精神療法)との混同: 入院中の患者にはI005が適用されるため、I006で算定しないよう区別が必要です。
  • 実施体制の記録不足: 医師+精神保健福祉士又は公認心理師等の2人以上体制で実施したことを、診療録等で示せる形になっているか確認が必要です。
  • 6か月・週2回の上限管理: 患者ごとの開始日を管理していないと、期間・回数の上限を超えて算定してしまうリスクがあります。
  • 同一日の他の精神科専門療法との重複算定: 同じ日に精神科作業療法など他の専門療法を別立てで算定していないか、レセプト作成時の確認が必要です。

参考にした公式資料

あおい

あおい元・医療事務

この記事の内容は、以下の厚生労働省の公式資料を根拠にしています。実際の算定判断の際は、必ず一次資料の原文をご確認ください。

参考資料(厚労省公式・令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

精神科専門療法には他にも似たような加算がありますね。

あおい

あおい元・医療事務

そうですね。同じ精神科専門療法の区分には、救急患者精神科継続支援料 のような加算もあります。合わせて確認しておくと、自院でどの精神科専門療法が算定候補になるか整理しやすくなりますよ。

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。実施体制や届出状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。

最終確認のお願い

この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・実施体制・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

公式データで見る算定要件・施設基準・届出

  • 算定要件

    注1入院中の患者以外の患者について、6月を限度として週2回に限り算定する。2通院集団精神療法と同一日に行う他の精神科専門療法は、所定点数に含まれるものとする。

  • 注意点

    I006通院集団精神療法

    全文を読む ▾

    (1) 通院集団精神療法とは、入院中の患者以外の患者であって、精神疾患を有するものに対して、一定の治療計画に基づき、集団内の対人関係の相互作用を用いて、自己洞察の深化、社会適応技術の習得、対人関係の学習等をもたらすことにより病状の改善を図る治療法をいう。

    (2) 通院集団精神療法は、精神科を標榜している保険医療機関において、精神科を担当する医師及び1人以上の精神保健福祉士又は公認心理師等により構成される2人以上の者が行った場合に限り算定する。

    (3) 1回に 10 人に限り、1日につき1時間以上実施した場合に、開始日から6月を限度として週2回に限り算定する。

    (4) 通院集団精神療法を実施した場合はその要点を個々の患者の診療録等に記載する。

    (5) 通院集団精神療法と同一日に行う他の精神科専門療法は、別に算定できない。

よくある質問

通院集団精神療法(I006)は入院患者にも算定できますか?

いいえ、対象は入院中の患者以外です。入院中の患者に対する集団精神療法はI005(入院集団精神療法、100点)という別区分になります。

通院集団精神療法の実施メンバーの要件は?

留意事項では、精神科を担当する医師及び1人以上の精神保健福祉士又は公認心理師等により構成される2人以上の者が行った場合に限り算定するとされています。

依存症の患者への集団療法はI006とI006-2のどちらですか?

アルコール依存症患者に対する施設基準の届出をした上での特定プログラムはI006-2(依存症集団療法)が対象です。それ以外の精神疾患への集団精神療法はI006(通院集団精神療法)です。

同じ日に他の精神科専門療法を行った場合はどうなりますか?

通院集団精神療法と同一日に行う他の精神科専門療法は別に算定できず、所定点数に含まれる扱いになります。

公式資料の根拠

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

関連する加算

精神科専門療法令和8年度

依存症集団療法(I006-2)、自院は算定候補?【令和8年度】

令和8年度の依存症集団療法(区分I006-2)。300点〜340点(6区分)。当該保険医療機関に、専任の精神科医及び専任の看護師又は専任の作業療法士がそれぞれ1名以上勤務していること(いずれも薬物依存症に対する集団療法に係る適切な研修を修了した者に限る。)。

精神科専門療法令和8年度

精神科作業療法、自院は算定候補?施設基準と届出を確認【令和8年度】

令和8年度の精神科作業療法(区分I007)。220点。別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に算定する。

精神科専門療法令和8年度

入院生活技能訓練療法は算定候補?点数と人員要件【令和8年度】

令和8年度の入院生活技能訓練療法(区分I008)。75点〜100点(2区分)。入院中の患者について、週1回に限り算定する。

精神科専門療法令和8年度

精神科ショート・ケア、自院は算定候補?届出を確認【令和8年度】

令和8年度の精神科ショート・ケア(区分I008-2)。138点〜330点(8区分)。22については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、疾患等に応じた診療計画を作成して行われる場合に算定する。

精神科専門療法令和8年度

精神科デイ・ケア、自院は算定候補?【令和8年度】

令和8年度の精神科デイ・ケア(区分I009)。266点〜700点(12区分)。22については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、疾患等に応じた診療計画を作成して行われる場合に算定する。

精神科専門療法令和8年度

精神科ナイト・ケア、自院は算定候補?施設基準を確認【令和8年度】

令和8年度の精神科ナイト・ケア(区分I010)。486点〜540点(3区分)。別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に算定する。