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令和8年度最終更新 2026-07-28T09:08:22+00:00出典あり

腫瘍マーカー検査初回月加算は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

区分番号B001の「3」悪性腫瘍特異物質治療管理料の「注3」初回月加算で、適切な治療管理を行うために多項目の腫瘍マーカー検査を行うことが予想される初回月に限って所定点数に加算する。ただし当該初回月の前月に「D009」腫瘍マーカーを算定している場合は算定できない。施設基準・届出は不要。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

あおいさん、レセプトの査定リストに「腫瘍マーカー検査初回月加算」って出てきたんですけど、これって何の加算なんですか?聞いたことがなくて…。

あおい

あおい元・医療事務

これは「悪性腫瘍特異物質治療管理料」という管理料に上乗せする加算ですよ。区分番号B001の「3」の「注3」に定められていて、令和8年度(2026年度)の医科点数表では150点です。単独では算定できなくて、必ず悪性腫瘍特異物質治療管理料とセットになります。

みらい

みらい新人医療事務

悪性腫瘍特異物質治療管理料って、腫瘍マーカーの検査をしたら算定できるやつですよね?

あおい

あおい元・医療事務

そうです。厚生労働省の留意事項通知では「悪性腫瘍であると既に確定診断がされた患者について、腫瘍マーカー検査を行い、当該検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定する」とされています。今日お話しする初回月加算は、このうち「多項目の腫瘍マーカー検査を行うことが予想される初回月」に限って上乗せできる加算という位置づけです。

悪性腫瘍特異物質治療管理料の点数構造

みらい

みらい新人医療事務

そもそも悪性腫瘍特異物質治療管理料って、いくつか区分があるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

はい。医科点数表では「イ」と「ロ」の2区分に分かれています。「イ」は尿中BTAに係るもの、「ロ」はそれ以外の腫瘍マーカーに係るものです。まず全体像を図で見てみましょう。

腫瘍マーカー検査初回月加算の点数構造(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

図を見ると、初回月加算の矢印が「ロ」からしか出ていませんね。「イ」には付かないんですか?

あおい

あおい元・医療事務

鋭いですね、その通りです。告示の条文では「注2に規定する悪性腫瘍特異物質治療管理に係る腫瘍マーカーの検査を行った場合は、1回目の悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定すべき月に限り、150点をロの所定点数に加算する」と明記されています。注2は「ロ」の算定要件を定めた注ですから、初回月加算はロを算定するときにだけ関係する加算という整理になります。イ(尿中BTA)だけを算定している場合は対象外の可能性が高いです。

点数の整理(令和8年度)

  • イ 尿中BTAに係るもの: 220点
  • ロ その他のもの(1項目): 360点
  • ロ その他のもの(2項目以上): 400点
  • 注3 初回月加算(ロの所定点数に加算): +150点
みらい

みらい新人医療事務

ロを1項目だけやっても2項目以上やっても、初回月加算の150点は変わらないんですね。

あおい

あおい元・医療事務

条文上はそうですね。加算額自体は項目数で変わりません。ただし、実際にどの項目を何項目行ったかで「ロ」の本体点数(360点か400点か)が変わりますので、そこは検査内容の記録とセットで確認が必要です。

対象になる医療機関・患者は?

みらい

みらい新人医療事務

この加算、うちみたいな診療所でも対象になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

悪性腫瘍特異物質治療管理料自体は外来の医学管理料の区分なので、診療所・病院どちらも対象になり得ます。ただし当サイトが収録している一次資料の範囲では、入院中の患者は対象になっていません。あくまで外来での算定候補という整理です。

みらい

みらい新人医療事務

患者さん側の条件は何かありますか?

あおい

あおい元・医療事務

留意事項通知に明確な条件があります。「悪性腫瘍であると既に確定診断がされた患者について、腫瘍マーカー検査を行い、当該検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合」に限られます。つまり、確定診断がまだの患者や、スクリーニング目的だけの検査では対象にならない可能性が高いです。

対象範囲の確認ポイント

悪性腫瘍特異物質治療管理料そのものが「悪性腫瘍であると既に確定診断がされた患者」を前提としています。診断確定前のスクリーニング検査や、治療管理を伴わない単発の腫瘍マーカー検査だけでは、初回月加算どころか管理料本体も対象外の可能性があります。カルテ上で確定診断・検査結果・治療計画の要点が確認できるかを見ておく必要があります。

施設基準・届出は必要?

みらい

みらい新人医療事務

この加算、施設基準とか届出って必要なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している令和8年度の一次資料の範囲では、悪性腫瘍特異物質治療管理料および初回月加算に施設基準や事前の届出は求められていません。人員配置や設備要件を満たしているかを確認するタイプの加算ではなく、算定要件(対象患者・検査内容・診療録記載)を満たしているかどうかがポイントになります。

みらい

みらい新人医療事務

届出がいらないなら、要件さえ満たせば毎回算定できるってことですか?

あおい

あおい元・医療事務

そこは慎重に考えたいところです。届出は不要でも、「初回月に限る」という回数制限と、「前月の算定状況」による除外要件があります。次で詳しく見ていきましょう。

算定タイミング・回数制限・併算定の注意

みらい

みらい新人医療事務

「初回月に限る」って、具体的にどういう意味なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

留意事項通知にこう書かれています。「注3に規定する初回月加算は、適切な治療管理を行うために多項目の腫瘍マーカー検査を行うことが予想される初回月に限って算定する」。つまり、その患者について悪性腫瘍特異物質治療管理料(ロ)を初めて算定する月にしか付けられない、という時間的な制限です。2か月目以降は算定候補にならない可能性が高いです。

みらい

みらい新人医療事務

「前月に何か算定していると付けられない」というルールもあるんでしたっけ?

あおい

あおい元・医療事務

はい、これがこの加算でいちばん見落としやすいポイントです。条文はこうなっています。「ただし、悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定する当該初回月の前月において、『D009』腫瘍マーカーを算定している場合は、当該初回月加算は算定できない」。つまり、悪性腫瘍特異物質治療管理料としてではなく、区分番号D009の腫瘍マーカー検査そのものを前月に単独で算定していた場合、初回月加算は対象外になる可能性があるということです。

併算定・重複算定の注意

留意事項通知では次の点も明記されています。「悪性腫瘍特異物質治療管理料には、腫瘍マーカー検査、当該検査に係る採血及び当該検査の結果に基づく治療管理に係る費用が含まれるものであり、1月のうち2回以上腫瘍マーカー検査を行っても、それに係る費用は別に算定できない」。また、イとロの両方の検査・治療管理を同一月に行った場合は「ロの所定点数のみにより算定する」とされています。初回月加算を含め、月をまたいだ検査歴・算定歴の確認が欠かせません。

みらい

みらい新人医療事務

カルテには何を残しておけばいいんでしょうか?

あおい

あおい元・医療事務

留意事項通知に「腫瘍マーカー検査の結果及び治療計画の要点を診療録に添付又は記載する」とあります。検査結果そのものと、それに基づく治療計画の要点、この2つが診療録上で確認できる状態にしておくことが前提になります。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

この加算、前回の令和6年度改定から何か変わったんですか?

あおい

あおい元・医療事務

前回改定(令和6年度)からの変更点について、当サイトが確認できた令和8年度の一次資料(医科点数表・留意事項通知)の範囲では、腫瘍マーカー検査初回月加算に関する点数・算定要件の変更を示す記載は見当たりませんでした(確認日: 2026年7月)。150点という加算額、ロの所定点数にのみ加算されること、前月にD009腫瘍マーカーを算定していると算定できないという除外要件、いずれも令和8年度の一次資料上の記載として確認しています。

みらい

みらい新人医療事務

「変更なし」と決めつけているわけじゃないんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうですね。点数表・留意事項通知という一次資料の記載を確認した範囲での話であって、疑義解釈や個別通知まで含めた全ての改定経緯を保証するものではありません。気になる場合は、自院が契約している審査支払機関や地方厚生局にも確認しておくと安心です。

自院で確認する順番

みらい

みらい新人医療事務

結局、うちの患者さんで算定候補になるか、どういう順番で確認したらいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

フローにするとこうなります。

腫瘍マーカー検査初回月加算 自院で確認する順番(令和8年度)

自院で確認する順番

  1. 患者が悪性腫瘍であると確定診断されているかをカルテで確認する
  2. 今月が悪性腫瘍特異物質治療管理料(ロ)を初めて算定する月かどうかを確認する
  3. 多項目の腫瘍マーカー検査(区分番号D009のうち1項目以上)を実施予定かを確認する
  4. 前月に区分番号D009腫瘍マーカーを単独で算定していないかをレセプト履歴で確認する
  5. 検査結果と治療計画の要点を診療録に記載・添付する
あおい

あおい元・医療事務

この順番で1つずつ確認して、いずれも満たしていそうであれば算定候補として院内で検討する、という流れになります。最終的な判断は自院の記録と実際の運用に基づいて行ってください。

よくある取り漏れ

みらい

みらい新人医療事務

取り漏れとか、逆に付け間違いとかでよくあるパターンってありますか?

よくある取り漏れ・付け間違い

  • 「イ」しか算定していないのに初回月加算を付けてしまう: 条文上、初回月加算は「ロ」の所定点数に対する加算です。イ(尿中BTA)のみの場合は対象外の可能性が高く、要確認です。
  • 前月の算定履歴を見落とす: 前月に区分番号D009腫瘍マーカーを算定していると初回月加算は算定できない可能性があります。月をまたいだ履歴の確認が抜けやすいポイントです。
  • 2か月目以降にも付けてしまう: 初回月加算は「初回月に限る」加算です。継続して腫瘍マーカー検査を行っていても、2回目以降の月は対象外の可能性が高いです。
  • 診療録への記載漏れ: 検査結果・治療計画の要点の記載がないと、算定の根拠が確認できなくなります。

よくある質問

みらい

みらい新人医療事務

あおいさん、最後にいくつか聞いてもいいですか?「イ」と「ロ」って何が違うんでしたっけ?

あおい

あおい元・医療事務

「イ」は尿中BTAという特定の1項目に絞った区分で220点、「ロ」はそれ以外の腫瘍マーカー(区分番号D009に掲げるもの)を1項目以上行った場合の区分で、1項目なら360点、2項目以上なら400点です。区分番号D009には、癌胎児性抗原(CEA)やα-フェトプロテイン(AFP)など多数の検査項目が定められています。初回月加算はこの「ロ」を算定する月にだけ関わってきます。

みらい

みらい新人医療事務

入院中の患者さんには使えないんですよね?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している一次資料の範囲では、悪性腫瘍特異物質治療管理料は外来を前提とした医学管理料の区分として整理されており、入院中の算定は想定されていません。入院患者については別の管理・検査体系で確認する必要があります。

みらい

みらい新人医療事務

施設基準の届出は本当に不要なんですか?何度も聞いてすみません。

あおい

あおい元・医療事務

いえ、大事な確認です。当サイトが確認できた範囲では届出は不要です。ただ、届出が不要というのは「事前に施設基準を満たして地方厚生局に届け出る手続きがない」という意味であって、算定要件(確定診断・検査内容・診療録記載・前月の算定歴)を満たしているかどうかの確認が不要ということではありません。

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や検査内容、前月の算定履歴を整理しながら、確認すべきポイントを一つずつ確認できます。関連する 特定疾患治療管理料(B001) のページも、悪性腫瘍特異物質治療管理料を含む他の区分と合わせて確認する際の参考になります。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

算定要件・施設基準・届出は?

  • 算定要件

    「注3」に規定する初回月加算は、適切な治療管理を行うために多項目の腫瘍マーカー検査を行うことが予想される初回月に限って算定する。ただし、悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定する当該初回月の前月において、「D009」腫瘍マーカーを算定している場合は、当該初回月加算は算定できない。

  • 対象医療機関

    悪性腫瘍特異物質治療管理料は、悪性腫瘍であると既に確定診断がされた患者について、腫瘍マーカー検査を行い、当該検査の結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定する。

よくある質問

腫瘍マーカー検査初回月加算の点数はいくらですか?

令和8年度の医科点数表では、悪性腫瘍特異物質治療管理料の「ロ」の所定点数に150点を加算します。イ(尿中BTA)のみの場合は対象外の可能性があります。

施設基準の届出は必要ですか?

当サイトが確認できた一次資料の範囲では、施設基準・届出は不要とされています。ただし算定要件(対象患者・検査内容・診療録記載・前月の算定歴)の確認は必要です。

毎月算定できますか?

できません。悪性腫瘍特異物質治療管理料を初めて算定する月に限られており、2か月目以降は対象外の可能性が高いです。前月にD009腫瘍マーカーを算定している場合も対象外の可能性があります。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

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