小児科療養指導料とは何のための指導料か
みらい(新人医療事務)
先生、「小児科療養指導料」って、どんな指導料なんですか?名前からなんとなくは想像できるんですが……。
あおい(元・医療事務)
小児科療養指導料(区分番号B001-5)は、慢性疾患を持つ15歳未満の子どもに対して、小児科専任の医師が月1回、継続的に生活指導を行った場合に算定候補となる指導料です。
みらい(新人医療事務)
「慢性疾患」というのは、たとえばどんな病気が対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の留意事項通知(厚生労働省)によると、脳性麻痺、先天性心疾患、ネフローゼ症候群、ダウン症等の染色体異常、川崎病で冠動脈瘤のあるもの、脂質代謝障害、腎炎、溶血性貧血、再生不良性貧血、血友病、血小板減少性紫斑病、先天性股関節脱臼、内反足、二分脊椎、骨系統疾患、先天性四肢欠損、分娩麻痺、先天性多発関節拘縮症、そして児童福祉法に規定する小児慢性特定疾病や障害児の状態などが対象として示されています。また、出生時の体重が1,500g未満だった6歳未満の子どもも対象に含まれます。
みらい(新人医療事務)
それはかなり幅広い疾患ですね!うちのクリニックでも診ている子がいそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。慢性疾患で「生活指導が特に必要なもの」を主病とする場合、が算定候補です。ただし、あくまでも「主病」が対象の疾患であり、実際にその主病を中心とした療養上必要な指導が行われていることが前提になります。

対象医療機関と医師の要件
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関や先生なら算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示・留意事項通知によると、まず小児科を標榜する保険医療機関であることが前提です。診療所でも病院でも、小児科を標榜していれば対象医療機関の候補になります。
みらい(新人医療事務)
「小児科を標榜する」というのは、標榜科のひとつに小児科が入っていれば大丈夫ですか?
あおい(元・医療事務)
ここが重要なポイントなのですが、治療計画を作成する医師が小児科のみを専任する医師であることが必要です。ただし、アレルギー科を併せ担当している場合は例外として認められています。他の診療科を兼任している場合は算定できないとされているので、自院の医師体制を確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
つまり、内科と小児科を両方担当している先生が小児科療養指導料を算定しようとすると、届出云々の前に要件を満たさない可能性があるということですか?
あおい(元・医療事務)
その可能性があります。留意事項通知に「治療計画を作成する医師が当該保険医療機関が標榜する他の診療科を併せ担当している場合にあっては算定できない」と明記されているためです。アレルギー科との兼任は例外ですが、それ以外の診療科との兼任は要件から外れる恐れがあるため、まず自院の状況を確認してから判断することが大切です。
医師の専任要件を必ず確認
小児科療養指導料は、小児科専任の医師が作成する治療計画に基づく指導に対して算定候補となります。他の診療科(アレルギー科を除く)を兼任している医師が作成した治療計画の場合、要件を満たさない可能性があります。自院の医師の担当状況を確認してください。
点数・コードと算定タイミング
みらい(新人医療事務)
点数はどのくらいになるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の診療報酬告示によると、通常の対面指導では270点(月1回)です。施設基準を満たして届け出た保険医療機関が情報通信機器(オンライン)を用いて行った場合は、所定点数に代えて235点を算定することになります。
| 区分 | 点数 | 算定回数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 対面(通常) | 270点 | 月1回 | 届出不要・施設基準なし |
| 情報通信機器(オンライン) | 235点 | 月1回 | 施設基準を満たす届出機関のみ |
| 注5 人工呼吸器導入時相談支援加算 | 500点 | 月1回・1回限り | 長期人工呼吸器管理が見込まれる患者が対象 |
みらい(新人医療事務)
オンラインの場合は施設基準が必要なんですね。届出についてはどう考えればいいですか?
あおい(元・医療事務)
小児科療養指導料の本体(270点)については、届出不要・施設基準なしで算定候補になります。ただし情報通信機器を用いる場合(235点)は、「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」が要件になります。オンライン診療を行う予定がある場合は、届出の有無を確認してください。
みらい(新人医療事務)
算定を始めるタイミングに決まりはありますか?
あおい(元・医療事務)
あります。初診料を算定した初診の日の同月内に行った指導の費用は初診料に含まれます。また、第1回目の小児科療養指導料は、初診の日の属する月の翌月の1日以降、または退院した日から起算して1か月を経過した日以降に算定することになります。つまり、初診と同じ月には算定できないという点に注意が必要です。
算定開始時期に注意
初診月は算定候補になりません。初診の翌月1日以降(または退院後1か月経過後)から算定が候補になります。月次の入力チェックでミスが起きやすいポイントです。
施設基準・届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準や届出について、もう少し整理して教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
整理すると次のようになります。小児科療養指導料の本体(270点)は、施設基準の届出なしで算定候補となります。ただし、算定するには次の要件を満たすことが前提です。
自院で確認する順番
まず、小児科を標榜する保険医療機関かどうかを確認してください。
次に、小児科専任の医師(アレルギー科との兼任は可)が治療計画を作成しているか確認してください。
対象患者(15歳未満・慢性疾患で生活指導が特に必要・入院中以外)かどうかを確認してください。
情報通信機器(オンライン)で行う場合は、別途施設基準の届出が必要です。届出の有無を確認してください。
指導内容の要点を診療録等に記載することが必要です。
みらい(新人医療事務)
「入院中以外」というのは、外来の患者さんのことですか?
あおい(元・医療事務)
はい。入院している状態の患者は対象外です。また、退院後1か月以内の指導費用は入院基本料に含まれるとされていますので、退院直後もすぐには算定候補になりません。
算定上の注意点(併算定不可)
みらい(新人医療事務)
他の指導料と一緒に算定するとき、注意することはありますか?
あおい(元・医療事務)
同じ患者に対して以下の管理料・指導料を算定している場合は、重複算定に注意が必要です。令和8年度告示に明記されている3区分は特に確認してください。それ以外の管理料については、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関での確認が必要です。
小児科療養指導料との同時算定にあたって確認が必要なもの(令和8年度)
特定疾患療養管理料(B000): 令和8年度告示に「区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料を算定している患者については算定しない」と明記されています。同患者に算定している場合は要確認です。
難病外来指導管理料(B001-7): 令和8年度告示に同様の除外規定が明記されています。算定している患者は小児科療養指導料が算定候補にならない可能性があります。
小児悪性腫瘍患者指導管理料(B001-18): 令和8年度告示に同様の除外規定が明記されています。算定している患者は小児科療養指導料が算定候補にならない可能性があります。
在宅療養指導管理料(各区分): 在宅療養指導管理料を算定すべき指導管理を受けている患者への指導費用が含まれる旨の記述がありますが、対象となる具体的な区分については自院の届出状況・公式資料・審査支払機関へのご確認が必要です。
皮膚科特定疾患指導管理料(B001-8): 当該一次資料(令和8年度)では直接的な除外規定の記述が確認されていないため、他の管理料との併算定制限がある場合があります。自院の届出状況・公式資料・審査支払機関に確認が必要です。
精神科在宅患者支援管理料: 当該一次資料(令和8年度)では直接的な除外規定の記述が確認されていないため、他の管理料との併算定制限がある場合があります。自院の届出状況・公式資料・審査支払機関に確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
小児科療養指導料とてんかん指導料は同時に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
てんかん指導料(B001-6)との関係については、当該一次資料(令和8年度)で直接的な除外規定の記述が確認されていないため、断定はできません。同一患者への両方の算定を検討する場合は、他の管理料との併算定制限がある場合があるため、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関へ確認することをおすすめします。
学校との情報共有について
みらい(新人医療事務)
特に珍しい要件はありますか?他の指導料にはない規定とか……。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に「必要に応じ、患者の通学する学校との情報共有・連携を行うこと」という規定があります。学校との情報共有を「行うこと」とされているのは、慢性疾患を持つ子どもが学校生活を安全に送れるよう支援する趣旨からきています。算定要件の一環として認識しておくとよいでしょう。
みらい(新人医療事務)
なるほど、子どもならではの規定ですね。学校に情報提供した記録も残したほうが良さそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。指導内容の要点を診療録等に記載することも求められていますので、学校との連携を行った場合もその経緯を記録することをおすすめします。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度(2026年度)の改定で、小児科療養指導料に変更はありましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)改定について、当サイトに収録している令和8年度の医科点数表(告示・留意事項通知)を確認した範囲では、小児科療養指導料の点数(270点、情報通信機器使用235点)および算定要件・対象疾患に関して大きな変更は確認されていません(確認日: 2026年06月・厚労省告示・留意事項通知ベース)。
みらい(新人医療事務)
では、令和6年度(2024年度)からの改定での変化もないということですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)との差分については、本データベース内の一次資料の範囲で確認できていない部分もあります。施設基準や事務要件の細部の変更については、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定の概要」や「個別改定項目について」等の公式資料で確認することをおすすめします。
前回改定(令和6年度)との対比
点数(対面): 確認資料では270点が維持されていることが確認できます。
情報通信機器(オンライン): 令和8年度でも235点(施設基準届出機関)の規定が確認されています。
対象疾患: 留意事項通知(令和8年度版)で同一の疾患リストが確認されています。
変更の有無: 当サイト収録資料の範囲では点数・対象要件の主要変更は確認されていません。ただし、全ての改定項目を網羅的に確認したものではないため、公式資料での最終確認を推奨します。
よくある取り漏れポイント
みらい(新人医療事務)
実際に算定ミスや取り漏れが起きやすいのはどんな場面ですか?
あおい(元・医療事務)
よく見られるのは次のようなケースです。
取り漏れ・算定ミスのよくある場面
初診月に誤算定: 初診の月は算定候補外です。翌月以降が算定の候補月になります。レセプト入力時に初診日と算定月を必ず確認してください。
医師の兼任診療科の見落とし: 小児科以外の診療科(アレルギー科を除く)を兼任している医師が担当している場合、算定要件を満たさない可能性があります。
特定疾患療養管理料(B000)との二重算定: 令和8年度告示に、同じ患者に対して特定疾患療養管理料(B000)を算定している場合は小児科療養指導料を算定しない旨が明記されています。月次のチェックで漏れやすいポイントです。
退院後の早期算定: 退院後1か月以内の指導は入院基本料に含まれるため、退院後1か月経過後から算定候補となります。
診療録への記載漏れ: 指導内容の要点を診療録等に記載することが求められています。指導を行った際の記録を忘れずに。
みらい(新人医療事務)
特定疾患療養管理料との二重算定は、まず確認が必要ですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。令和8年度告示に明記されているとおり、同一患者に特定疾患療養管理料(B000)を算定している場合は小児科療養指導料が算定対象外となります。管理料の種類が増えると確認が複雑になりますが、月次のレセプトチェックでしっかり漏れのないようにしてください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
「家族への指導だけ」でも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
家族に対して指導を行った場合は、患者を伴った場合に限り算定候補となります。家族のみの来院(患者本人が同席しない場合)では算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
在宅訪問などで指導した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料を算定すべき指導管理を受けている患者に対して行った指導の費用は、在宅療養指導管理料に含まれるとされています。在宅療養指導管理を並行して行っている患者の場合は、小児科療養指導料の算定候補にならない可能性があります。具体的な状況は審査支払機関への確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
オンライン診療で対応した場合の点数は少し下がるんですね。施設基準の届出は難しいんですか?
あおい(元・医療事務)
情報通信機器(オンライン)を用いた場合の235点には、別に厚生労働大臣が定める施設基準への適合と届出が必要です。どのような施設基準が必要かは、厚生労働省の告示・通知等でご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自分のクリニックが算定候補かどうか、もっと詳しく確認したいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。