てんかん指導料ってどんな加算?
みらい(新人医療事務)
「てんかん指導料」って初めて見た名前なんですが、これはどういう場面で出てくる加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
てんかんの患者さんに対して、治療計画に基づいて療養上必要な指導を行ったときに算定できる指導料です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、B001特定疾患治療管理料の「6 てんかん指導料」として位置づけられています。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんはどんな人ですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示では「てんかん(外傷性のものを含む。)の患者であって入院中以外のもの又はその家族」に対する指導が対象とされています。入院中の患者さんではなく、外来で通院している患者さんやそのご家族が対象になる点がポイントです。
みらい(新人医療事務)
「外傷性のものを含む」ってわざわざ書いてあるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。頭部外傷などが原因のてんかんも対象に含まれることが明記されています。逆に言うと、てんかん以外の疾患の指導ではこの加算の対象にはなりません。
対象になる医療機関・診療科
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関でも算定できる加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、標榜している診療科が限定されています。告示の留意事項では「小児科、神経科、神経内科、精神科、脳神経外科又は心療内科を標榜する保険医療機関において、当該標榜診療科の専任の医師が」指導を行った場合、とされています。この6診療科のいずれかを標榜していること、かつその診療科を専任で担当している医師が指導を行うことが条件です。
みらい(新人医療事務)
「専任の医師」というのは、他の診療科と兼任していると対象外になるということですか?
あおい(元・医療事務)
そこは施設ごとの体制次第で解釈が分かれうる部分なので、断定はできません。専任要件の充足は自院の医師の配置状況によって確認が必要な点です。診療所・病院のどちらでも対象になり得ますが、入院中の患者さんは対象外という点も忘れずに確認しておきたいところです。
点数と算定回数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数はどれくらいなんですか?
あおい(元・医療事務)
医科点数表マスターでは、通常の指導が250点、情報通信機器を用いた場合は218点となっています。どちらも月1回に限り算定できる仕組みです。
| 区分 | 点数(令和8年度) | 算定回数 |
|---|---|---|
| てんかん指導料(通常) | 250点 | 月1回 |
| てんかん指導料(情報通信機器を用いた場合) | 218点 | 月1回 |

みらい(新人医療事務)
情報通信機器を使うと点数が下がるんですね。オンライン診療みたいなイメージですか?
あおい(元・医療事務)
はい、オンラインで指導を行った場合の区分です。ただし後で説明しますが、こちらは施設基準の届出が必要になる点で通常版と大きく違います。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
届出が必要な加算だと、事務の準備が大変なイメージがあります。てんかん指導料はどうですか?
あおい(元・医療事務)
通常の指導(250点)については、当サイトが収録している一次資料の範囲では、施設基準の届出は不要とされています。標榜診療科と専任医師の要件を満たしていれば、特別な届出なしで算定候補になり得ます。
みらい(新人医療事務)
じゃあ届出は一切いらないんですか?
あおい(元・医療事務)
いえ、そこは区分によって変わります。情報通信機器を用いた場合(218点)は事情が違って、告示に「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、てんかん指導料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、218点を算定する」と明記されています。つまり、オンラインで指導を行って218点を算定するには、施設基準を満たしたうえで地方厚生局への届出が前提になります。
みらい(新人医療事務)
通常版と情報通信機器版で届出の要否が違うんですね、ややこしい…。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。「てんかん指導料だから届出はいらない」と一括りにせず、どちらの区分で算定するかで確認内容が変わる、と押さえておいてください。
届出の要否を区分ごとに確認
通常の指導(250点): 一次資料の範囲では施設基準の届出は不要 情報通信機器を用いた場合(218点): 地方厚生局長等への届出が前提(施設基準の内容は自院で公式資料をご確認ください)
算定タイミングの注意
みらい(新人医療事務)
患者さんが来院したその日から、すぐに算定していいものなんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、初回算定にはタイミングの決まりがあります。留意事項通知には「第1回目のてんかん指導料は、『A000』初診料を算定した初診の日又は当該保険医療機関から退院した日からそれぞれ起算して1か月を経過した日以降に算定できる」とあります。初診日または退院日から1か月が経過してから、初回の算定が可能になるということです。
みらい(新人医療事務)
初診したその日にすぐ指導料を取れるわけではないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。あわせて「診療計画及び診療内容の要点を診療録に記載する」ことも留意事項で求められています。指導の内容を診療録にきちんと残しておくことが、算定の前提として位置づけられています。
併算定の注意点(要確認)
みらい(新人医療事務)
他の指導料と一緒に算定できたりするんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
ここは慎重に確認したいポイントです。告示の注では「区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料、区分番号B001の5に掲げる小児科療養指導料又は区分番号B001の18に掲げる小児悪性腫瘍患者指導管理料を算定している患者については算定しない」とされています。つまり、同じ患者さんについて特定疾患療養管理料・小児科療養指導料・小児悪性腫瘍患者指導管理料のいずれかを算定している場合、てんかん指導料は算定しない扱いになります。
みらい(新人医療事務)
それ以外にも気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
はい。留意事項通知の通則にも「特定疾患療養管理料、ウイルス疾患指導料、小児特定疾患カウンセリング料、小児科療養指導料、てんかん指導料、難病外来指導管理料、皮膚科特定疾患指導管理料、慢性疼痛疾患管理料、小児悪性腫瘍患者指導管理料及び耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料並びに…在宅療養指導管理料及び…心身医学療法は特に規定する場合を除き同一月に算定できない」という同一月の併算定制限が定められています。てんかん指導料も、この対象リストに名前が挙がっています。
併算定は個別に確認
てんかん指導料は、特定疾患療養管理料・小児科療養指導料・小児悪性腫瘍患者指導管理料を算定している患者には算定しない扱いです。また同一月に算定できない項目のリストにも含まれています。実際の併算定可否は、患者さんの算定状況ごとに自院・審査支払機関で確認が必要です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
情報が多くて整理しきれないので、確認する順番を教えてください。
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認していくとわかりやすいと思います。
自院で確認する順番
- 標榜診療科が小児科・神経科・神経内科・精神科・脳神経外科・心療内科のいずれかか確認する
- 指導を行う医師がその診療科の専任医師にあたるか確認する
- 対象患者が入院中以外のてんかん(外傷性含む)患者またはその家族か確認する
- 初診日または退院日から1か月経過しているか、初回算定のタイミングを確認する
- 診療計画・診療内容の要点を診療録に記載できる体制か確認する
- 通常版(250点)か情報通信機器版(218点・要施設基準届出)かを選び、必要な届出の有無を確認する
- 対象患者について特定疾患療養管理料・小児科療養指導料・小児悪性腫瘍患者指導管理料等の算定状況を確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でうっかり見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れ
初回算定のタイミング: 初診日・退院日から1か月経過を待たずに算定してしまうケース 診療録への記載: 診療計画・診療内容の要点の記載が抜けているケース 併算定の見落とし: 特定疾患療養管理料や小児科療養指導料を算定中の患者にそのまま算定してしまうケース 情報通信機器版の届出: 218点で算定する際に、施設基準の届出状況を確認しないまま運用してしまうケース
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えしておきたいのですが、当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和6年度からの変更点を確認できる比較資料が現時点で揃っていません。そのため、前回改定との差分について「変わった」「変わっていない」のどちらも断定はできない状態です(確認日: 2026年7月)。
みらい(新人医療事務)
そうなんですね。無理に「変更なし」と言い切らないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、確認できていないことを「確認できていない」とそのままお伝えするのも大事だと考えています。令和8年度時点の点数・要件については、この記事でご紹介した告示・留意事項通知の内容が現行の一次情報です。改定差分が気になる場合は、厚生労働省の公式資料や自院が契約する審査支払機関の案内もあわせてご確認ください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある疑問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者さんにも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
告示・留意事項通知では「入院中以外のもの」が対象とされています。入院中の患者さんへの指導は、この記事で扱っているてんかん指導料の対象には含まれていません。
みらい(新人医療事務)
患者さん本人ではなく、家族への指導だけでも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項の対象には「患者であって入院中以外のもの又はその家族」と記載されており、家族に対する指導も対象に含まれる書き方になっています。ただし治療計画に基づく指導であることが前提です。
みらい(新人医療事務)
情報通信機器を使う場合、特別な指針に沿う必要がありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項通知に「情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する」とあります。オンライン診療の指針に沿っているかどうかも、確認が必要な項目です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。