みらい(新人医療事務)
あおいさん、「慢性疼痛疾患管理料」って初めて聞きました。どんな管理料なんですか?
あおい(元・医療事務)
腰痛や膝の痛みなど、慢性的な疼痛が主病の患者さんに対して、マッサージや器具等による療法を行いながら療養上の指導をした場合に算定候補になる管理料ですよ。正式な区分番号は「B001の17」です。令和8年度(2026年度)時点で、点数は130点(月1回)です。
みらい(新人医療事務)
130点で月1回なんですね。どんなクリニックでも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
算定候補になるのは診療所のみです。病院は対象外なので、まずそこを確認してください。届出は不要で、施設基準もありません。診療所である保険医療機関であれば、届出なしで算定の要件確認を進めることができます。
慢性疼痛疾患管理料の概要(令和8年度)

みらい(新人医療事務)
対象になる疾患って具体的にどんな病気ですか?
あおい(元・医療事務)
告示・留意事項通知で代表例として挙げられているのが「変形性膝関節症」と「筋筋膜性腰痛症」です。疼痛が「主病」であることが要件で、疼痛による運動制限を改善する等を目的としてマッサージまたは器具等による療法を行った場合に算定候補になります。慢性的な疼痛を主訴とする整形外科系の疾患が中心になります。
みらい(新人医療事務)
「療法を行った場合」というのがポイントなんですね。外来でのリハビリ系の処置と一緒に使う感じですか?
あおい(元・医療事務)
そうですね。注意点として、この管理料の所定点数の中にいくつかの処置の費用が包括されています。具体的には次の7区分です。
所定点数に含まれる処置(薬剤料は除く)
- J118 介達牽引
- J118-2 矯正固定
- J118-3 変形機械矯正術
- J119 消炎鎮痛等処置
- J119-2 腰部又は胸部固定帯固定
- J119-3 低出力レーザー照射
- J119-4 肛門処置
あおい(元・医療事務)
ただし、これらの処置に係る薬剤料は別途算定できるので、薬剤を使用した場合はレセプトに計上できます。
みらい(新人医療事務)
なるほど!処置料は包括されるけど薬剤料は別、ということですね。把握しておかないと請求漏れになりそうです。
点数・算定要件の整理
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 点数 | 130点 |
| 算定単位 | 月1回 |
| 対象医療機関 | 診療所のみ |
| 届出 | 不要 |
| 施設基準 | なし |
| 対象患者 | 入院中以外の慢性疼痛に係る疾患を主病とする患者 |
| 療法の実施 | マッサージ又は器具等による療法を行った場合 |
| 摘要欄記載 | 算定年月日の記載が必要 |
みらい(新人医療事務)
月に何回も算定できるわけじゃないんですね。患者さんが何度も来ていても1回しか算定できない?
あおい(元・医療事務)
そうです。月1回の制限があります。毎月通院される患者さんがいても、慢性疼痛疾患管理料として請求できるのは月に1回だけです。診療所であれば届出も施設基準充足の確認も不要なので、対象患者かどうかと、適切な療法と指導を行っているかどうかの確認が主なポイントになります。
算定の要件を一つずつ確認する
みらい(新人医療事務)
自院が算定候補かどうか、どの順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな順番で確認するとわかりやすいです。

自院で確認する順番
- 自院は診療所(保険医療機関)か確認する(病院・有床診療所の入院患者は対象外)
- 対象患者は「入院中以外」かどうか確認する(入院中患者は算定不可)
- その患者の主病が「慢性疼痛に係る疾患」かどうか確認する(変形性膝関節症・筋筋膜性腰痛症等)
- マッサージや器具等による療法を実際に行ったか確認する
- 療養上必要な指導を行ったか確認する
- 月に一度しか算定していないか確認する
- レセプト摘要欄に算定年月日を記載する
みらい(新人医療事務)
一番最初が「診療所かどうか」というのは分かりやすいですね。整形外科やリハビリを行う診療所では関係してくる可能性がありそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。変形性膝関節症や腰痛症の患者さんをよく診る診療所では特に確認してほしい管理料です。
「生活習慣病管理料」との使い分け・関係について
みらい(新人医療事務)
「生活習慣病管理料」もよく聞くんですが、慢性疼痛疾患管理料とどう違うんですか?また一緒に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
まず性質が異なります。生活習慣病管理料は脂質異常症・高血圧症・糖尿病を「主病」とする患者に対し、療養計画書を用いた総合的な管理を行う場合に算定候補になるものです。一方、慢性疼痛疾患管理料は慢性疼痛を「主病」とする患者に対して疼痛の管理・療法指導を行う場合に算定候補となります。
主病の確認が重要
どちらの管理料も「主病」が要件の中心にあります。同一患者でも主病が何かによって、どちらの管理料の算定候補になるかが変わります。また、一人の患者が複数の疾患を持っている場合、主病の判断は診療録の記載と医師の判断に基づきます。生活習慣病管理料との併算定の可否については、公式資料・疑義解釈・審査支払機関での確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
つまり主病で分かれるんですね。腰痛が主病なら慢性疼痛疾患管理料、高血圧が主病なら生活習慣病管理料、という理解でいいですか?
あおい(元・医療事務)
基本的にはその方向で考えることになりますが、実際の算定可否・主病の認定・併算定の詳細については、一次情報(告示・通知・疑義解釈)と個別の診療内容・審査支払機関の判断での確認が必要です。診療録への主病の明記が重要なポイントになります。
レセプト記載のポイント
みらい(新人医療事務)
慢性疼痛疾患管理料をレセプトに記載するとき、何か特別な記載が要りますか?
あおい(元・医療事務)
支払基金の記載要件によると、算定年月日の摘要欄への記載が必要です。元号年月日の形式(例: 令和○年○月○日)での記載が求められています。これを忘れると返戻・査定の原因になることがありますので、レセプト作成時に必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
算定年月日の記載が必要なんですね。これは必ず入れないといけない情報なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、記載が必要な項目です。また、慢性疼痛疾患管理料を算定した月の診療内容として、どのような療法を行い、どのような指導を実施したかを診療録に残しておくことも、後日の確認や審査への対応のために重要です。
レセプト記載の確認ポイント
- 摘要欄に算定年月日(元号年月日形式)を記載する
- 診療録に行った療法(マッサージ・器具等)と指導内容の要点を記載する
- 月1回の算定になっているか確認する
- 包括処置(J118等)が重複して計上されていないか確認する
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、慢性疼痛疾患管理料に何か変更はありましたか?
あおい(元・医療事務)
当サイト収録の一次資料(告示: 令和8年3月保険局医療課)の範囲では、令和8年度(2026年度)改定での変更は確認されていません(2026年6月時点・厚労省一次情報ベース)。前回改定(令和6年度)からの主な変更点として、点数・施設基準・算定要件・対象患者の変更は一次資料上では確認されていません。
前回改定との対比(令和6年度改定→令和8年度)
- 点数: 変更なし(130点)
- 対象医療機関: 変更なし(診療所のみ)
- 届出: 変更なし(不要)
- 算定タイミング: 変更なし(月1回)
- 包括処置範囲: 変更なし(J118等7区分)
みらい(新人医療事務)
前回から変わっていないということは、これまでと同じように算定候補かどうかを確認すればいいわけですね。
あおい(元・医療事務)
一次資料の範囲ではそう読めますが、改定告示・通知・疑義解釈の全容は必ず原文でご確認ください。運用上の細かい解釈変更が出ることもあります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
「療養上必要な指導」というのはどのくらいの内容が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、疼痛による運動制限を改善する等の目的でマッサージ又は器具等による療法を行った場合に算定できるとされています。指導の具体的な時間等については公式資料に数値の定めは確認されていないため、診療録への記載内容と実際の診療内容が適切かどうかを、個別に確認することをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
同じ患者さんに消炎鎮痛等処置(J119)を行っても、薬剤は別途算定できるというのは、具体的にどういうことですか?
あおい(元・医療事務)
たとえばJ119消炎鎮痛等処置を行う際に湿布薬(薬剤)を使用した場合、処置の手技料は慢性疼痛疾患管理料の所定点数に含まれますが、その処置に使用した薬剤の費用(薬剤料)は別途算定が可能、ということです。一方、処置の手技点数(技術料)自体は別途計上できないことに注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、技術料は包括だけど薬剤料は別途計上できる、というわけですね。これは間違えそうです。
あおい(元・医療事務)
取り漏れよりも逆に二重算定のリスクがある部分です。レセプトを作成する際に、包括処置の手技料が重複して計上されていないかを確認することが大切です。
算定上の注意
消炎鎮痛等処置等の包括処置を同日に行っている場合、手技料(処置料)を慢性疼痛疾患管理料とは別に算定することはできません。レセプトチェックで重複計上がないか確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。診療所かどうか、対象患者の主病、療法の実施状況などを入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。