みらい(新人医療事務)
あおいさん、「退院時診療状況添付加算」という加算を見つけたんですけど、これはどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これは「診療情報提供料(Ⅰ)」(B009・250点)の注8にあたる加算ですよ。令和8年度(2026年度)時点で、患者さんの退院日の属する月又はその翌月に、退院後の治療計画・検査結果・画像診断に係る画像情報その他の必要な情報を添付して別の医療機関等へ紹介した場合、200点を所定点数に加算できる算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
診療情報提供料(Ⅰ)に上乗せする加算なんですね。どんな場面で使うことが多いんですか?
あおい(元・医療事務)
入院していた患者さんが退院した後、引き続き別の医療機関やケア施設で診療を受ける必要があるとき、退院後の治療計画や検査結果、画像情報を添えて紹介状を出す場面です。単なる紹介状ではなく、退院後の治療にすぐ役立つ情報を添付するのがポイントになります。
退院時診療状況添付加算の概要(令和8年度)

みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関は決まっていますか?届出とか施設基準は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
対象は診療所・病院どちらも算定候補になります。届出は不要で、施設基準もありません。ベース算定になる診療情報提供料(Ⅰ)自体を算定できる保険医療機関であれば、この加算についても算定要件を満たすかどうかの確認を進めることができます。
みらい(新人医療事務)
届出なしで確認できるのはありがたいですね。逆に、どんな要件を満たす必要がありますか?
あおい(元・医療事務)
大きく3つです。1つ目は患者の退院日の属する月又はその翌月であること、2つ目は添付の必要を認め患者の同意を得ていること、3つ目は紹介先が「別の保険医療機関、精神障害者施設、介護老人保健施設又は介護医療院」のいずれかであることです。この3つがそろって初めて算定候補になります。
点数・算定要件の整理
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 区分番号 | B009 診療情報提供料(Ⅰ)注8 |
| 点数 | 200点(加算) |
| 算定単位 | 退院日の属する月又はその翌月 |
| 対象医療機関 | 診療所・病院 |
| 届出 | 不要 |
| 施設基準 | なし |
| 患者同意 | 必要 |
| 紹介先 | 別の保険医療機関・精神障害者施設・介護老人保健施設・介護医療院 |
| 添付情報 | 退院後の治療計画・検査結果・画像診断に係る画像情報その他必要な情報 |
みらい(新人医療事務)
「添付情報」って具体的には何を用意すればいいんですか?レセプトを書くときに迷いそうです。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、心電図、脳波、画像診断の所見等診療上必要な検査結果、画像情報等及び退院後の治療計画等を添付することとされています。そして、添付した写しまたはその内容を診療録に添付または記載しておく必要があります。ここを診療録に残していないと、後から確認された際に根拠が示せなくなってしまいます。
みらい(新人医療事務)
なるほど、添付書類のコピーをカルテに残しておく、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。紹介状を出しっぱなしにするのではなく、「何を添付して紹介したか」を診療録側にも記録として残すのが実務上のポイントになります。
紹介先が介護老人保健施設・介護医療院の場合の注意点
みらい(新人医療事務)
紹介先によって何か違いはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、ここは見落としやすいポイントです。紹介先が介護老人保健施設または介護医療院である場合、その加算を算定した患者については、その後6か月間、この加算を再度算定することができません。
6か月ルールに注意
紹介先が「介護老人保健施設」または「介護医療院」の場合に限り、当該加算を算定した患者は、その後6か月間、同じ退院時診療状況添付加算を算定できません。同じ患者が短期間で入退院を繰り返し、その都度介護老人保健施設等へ紹介するようなケースでは、算定間隔を必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
一般の保険医療機関に紹介する場合は、この6か月ルールは関係ないんですか?
あおい(元・医療事務)
条文上、6か月の算定制限は「算定対象が介護老人保健施設又は介護医療院である場合」に限定されています。ただし、実際の算定可否や記録の整合性については、公式資料と個別の診療内容に基づいて確認することをお勧めします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院でこの加算が算定候補になるか、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな流れで確認するとわかりやすいです。

自院で確認する順番
- 患者が退院しているか、退院日の属する月又はその翌月であるかを確認する
- 別の保険医療機関・精神障害者施設・介護老人保健施設・介護医療院への紹介予定があるか確認する
- 添付の必要性を認め、患者の同意を得ているか確認する
- 退院後の治療計画・検査結果・画像診断に係る画像情報その他必要な情報を添付しているか確認する
- 添付した写し又はその内容を診療録に添付・記載しているか確認する
- 紹介先が介護老人保健施設・介護医療院の場合、6か月以内の同一算定がないか確認する
みらい(新人医療事務)
順番に見ていくと、抜け漏れが防げそうですね。特に3番目の「同意」と5番目の「診療録への記載」は忘れそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。この2つは公式資料でも明記されている要件なので、レセプト作成前に必ずチェックしてほしい項目です。
よくある取り漏れ・混同しやすい加算
みらい(新人医療事務)
似たような加算と間違えることってありますか?
あおい(元・医療事務)
たとえば「ハイリスク妊婦紹介加算」も同じ診療情報提供料(Ⅰ)の加算で、200点という点数まで同じです。ただし対象がまったく異なります。
退院時診療状況添付加算とハイリスク妊婦紹介加算の違い
- 退院時診療状況添付加算: 退院患者を対象とし、退院日の属する月又はその翌月に算定候補(回数の明示的な上限は退院ごとの紹介が前提)
- ハイリスク妊婦紹介加算: ハイリスク妊産婦共同管理料(Ⅰ)の施設基準に適合し届け出た医療機関が対象、当該患者の妊娠中1回に限り算定候補
- 両者とも200点だが、対象患者・算定タイミング・届出要否の前提が異なるため、点数だけで同一視しない
あおい(元・医療事務)
点数が同じだからといって同じ加算だと思い込むと、対象患者や算定回数の判断を誤るリスクがあります。名称と算定要件を必ず個別に確認してください。
みらい(新人医療事務)
「診療情報提供料(Ⅰ)」本体との関係も整理しておきたいです。
あおい(元・医療事務)
診療情報提供料(Ⅰ)本体は250点の基本点数で、そこに退院時診療状況添付加算の200点が上乗せされる形です。本体の算定要件を満たしていることが前提になりますので、まずは診療情報提供料(Ⅰ)本体の算定候補かどうかも合わせて確認しておくとよいです。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、この加算に何か変更はありましたか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料(令和8年度点数表・区分番号B009の注8)の範囲では、点数・算定要件・対象医療機関・届出の取扱いに変更は確認されていません(2026年7月時点・厚労省一次情報ベース)。前回改定(令和6年度)との詳細な比較資料は、当サイト収録の一次資料の範囲では確認できていません。
確認できている範囲の整理(令和8年度時点)
- 点数: 200点(加算)
- 対象医療機関: 診療所・病院
- 届出: 不要
- 施設基準: なし
- 6か月の再算定制限: 介護老人保健施設・介護医療院宛ての場合に限り適用
みらい(新人医療事務)
前回改定との比較資料がまだ確認できていないなら、慎重に見た方がいいですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。「変更がない」と断定するのではなく、令和8年度時点の一次資料で確認できている内容として扱ってください。詳細な改定経緯については、告示・通知・疑義解釈の原文を必ずご確認ください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
紹介先の医療機関から「情報が足りない」と言われた場合はどうすればいいですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、心電図、脳波、画像診断の所見等診療上必要な検査結果、画像情報等及び退院後の治療計画等を添付することとされています。何を添付すべきかは患者の病状によって変わりますので、診療上必要な情報かどうかを個別に判断し、診療録にも記載を残しておくことが大切です。
みらい(新人医療事務)
患者さんの同意はどのタイミングで取ればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
条文上は「添付の必要を認め、当該患者の同意を得て」紹介を行うことが要件です。具体的な同意取得の時期や様式についての細かい定めは、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。同意を得た事実が確認できるよう、診療録への記載方法は院内で統一しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
同じ月に複数回紹介した場合、200点を複数回算定できますか?
あおい(元・医療事務)
算定回数の明示的な上限や複数回算定の可否について、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。介護老人保健施設・介護医療院宛ての場合は前述の6か月ルールが関係してきますので、算定回数や間隔については公式資料・審査支払機関での確認をおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。退院日・紹介先・添付情報の内容を整理しながら入力すると、確認すべきポイントが整理できます。あわせて土台となる診療情報提供料(Ⅰ)や、似た点数で混同しやすいハイリスク妊婦紹介加算もチェックしておくと理解が深まります。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。