みらい(新人医療事務)
院長から「うちも一般不妊治療管理料、算定できないか調べておいて」って言われたんですけど、正直まだイメージが湧いていません…。これってどんな管理料なんですか?
あおい(元・医療事務)
一般不妊治療管理料は、不妊症の患者さんに対して、タイミング法や人工授精といった一般不妊治療を計画的に継続して管理したときの管理料ですよ。令和8年度(2026年度)の医科点数表では区分番号B001の32に位置づけられていて、点数は250点です。ただし算定候補になるかどうかは、届出状況や患者さんの状態によって変わるので、まずは要件を一つずつ確認していきましょう。
みらい(新人医療事務)
「一般」不妊治療っていうのがちょっと引っかかります。体外受精とかとは違うんですか?
あおい(元・医療事務)
いいところに気づきましたね。厚生労働省の医科点数表には、B001の32「一般不妊治療管理料」とは別に、B001の33「生殖補助医療管理料」という区分があります。生殖補助医療管理料は体外受精や顕微授精など、より高度な不妊治療を管理する場合の管理料です。一般不妊治療管理料は、タイミング法や人工授精など、それより前段階の治療を管理する場合が対象になります。この2つは同じ患者さんに同時に算定するものではない、という点が後で出てくる注意点にも関わってきます。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
うちは診療所なんですけど、そもそも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
対象医療機関は、診療所・病院のどちらも含まれます。ただし「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが前提です。届出をしていない場合は、施設基準を満たしていても算定候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんはどんな方ですか?
あおい(元・医療事務)
告示の表現をそのまま説明すると、「入院中の患者以外の不妊症の患者であって、一般不妊治療を実施しているもの」です。入院中の患者さんは対象外という点、そして「不妊症」という診断と「一般不妊治療を実施している」という実施状況の両方が必要という点がポイントです。診断や治療の実態が伴わない場合は、要確認と考えたほうがよいでしょう。
点数・算定頻度(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数と算定できる回数を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、表にまとめますね。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区分番号 | B001の32(令和8年度医科点数表) |
| 名称 | 一般不妊治療管理料 |
| 点数 | 250点 |
| 算定頻度 | 3か月に1回に限り算定 |
| 届出 | 必要(施設基準届出済みであれば候補) |

みらい(新人医療事務)
3か月に1回っていうのは、月1回ではなく本当に3か月に1回なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。告示では「3月に1回に限り算定する」とされていて、月1回算定できる管理料と混同しやすいポイントです。カルテ上で前回算定日からの期間を確認する運用にしておくと、算定間違いを防ぎやすくなります。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準って、具体的にはどんな内容になるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示上は「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているもの」とだけ書かれていて、具体的な基準の中身は施設基準に関する通知や関連の疑義解釈で確認する形になります。厚生労働省が公表している疑義解釈資料(令和4年度・その37)では、施設基準の一つとして「当該保険医療機関において、不妊症の患者に係る診療を年間20例以上実施していること」という内容が言及されていました。これは令和4年度時点の疑義解釈なので、現行の令和8年度における施設基準の詳細な文言は、届出時に地方厚生局へ確認するのが確実です。
みらい(新人医療事務)
新規に届出する場合はどうなるんでしょう?
あおい(元・医療事務)
同じ疑義解釈では、新規届出の場合について「届出前6月以内の実施件数が、要件とされる年間実施件数の半数である10例以上であれば届出可能」という考え方が示されていました。ここも令和4年度時点の解釈なので、現行の取り扱いは自院が実際に届出をする際に地方厚生局へ確認することをおすすめします。届出の有無や実施件数の数え方を自己判断せず、必ず確認するようにしてくださいね。
施設基準は自己判断せず確認
施設基準の詳細な文言や実施件数の数え方は年度・通知によって解釈が補足されることがあります。「たぶん満たしているはず」で届出を進めず、地方厚生局や審査支払機関に確認してから手続きを進めましょう。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
一番大事なのは、3か月に1回という制限と、同意・治療計画の手続きです。告示の注1では「当該患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、3月に1回に限り算定する」とされています。同意を取っていない、あるいは計画的な管理の実態がない状態での算定は、算定要件を満たさない可能性があります。
みらい(新人医療事務)
さっき話に出た生殖補助医療管理料との関係も、ここで注意が必要なんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうです。告示の同じ注1には「ただし、区分番号B001の33に掲げる生殖補助医療管理料を算定している患者については算定しない」という一文が続いています。つまり、同じ患者さんについて生殖補助医療管理料を算定している期間は、一般不妊治療管理料は算定しない、という併算定の除外関係があるということです。転院や治療のステップアップで生殖補助医療に移行したタイミングでは、どちらを算定しているか記録上はっきりさせておく必要があります。
生殖補助医療管理料との重複算定に注意
一般不妊治療管理料と生殖補助医療管理料は、同一患者について同時に算定するものではありません。治療のステップが変わるタイミングでは、算定している管理料がどちらか、記録と請求の両方で確認してください。
みらい(新人医療事務)
治療計画や同意については、もう少し詳しく知りたいです。
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた留意事項の内容では、次のような手続きが求められています。治療計画を作成して、患者さんとそのパートナー(患者さんと共に不妊症と診断された方)に文書で説明した上で交付し、文書による同意を得ること。交付した文書の写しと同意を得た文書は診療録に添付すること。治療計画の作成にあたっては、病態だけでなく就労状況を含む社会的要因や、薬物療法の副作用・合併症のリスクなども考慮すること、とされています。さらに、少なくとも6か月に1回以上、患者さんとパートナーに治療内容などの同意を確認し、必要に応じて治療計画を見直すことも求められています。
みらい(新人医療事務)
記録の残し方について、他にポイントはありますか?
あおい(元・医療事務)
はい。当サイトが確認できた留意事項の内容では、毎回の指導内容の要点を診療録に記載すること、初回算定時には患者さんとパートナーを不妊症と診断した理由を診療録に記載すること、そして初回算定時に「患者さんとパートナーが婚姻関係にあること」または「治療の結果出生した子について認知を行う意向があること」のいずれかに該当することを確認し、その確認方法を診療録に記載することが求められています。これらは診療録の記載事項として細かく定められている部分なので、算定候補かどうかの前に、記録の運用が整っているかを一度確認しておくと安心です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定と比べて、一般不妊治療管理料に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが確認できた一次資料(令和8年度の告示・留意事項)の範囲では、点数(250点)・算定頻度(3か月に1回)・対象患者の考え方について、前回改定(令和6年度)からの明確な変更点は確認されていません。改定のたびに施設基準の細部や記載様式が見直されることもあるので、届出を検討する際は、届出時点での最新の施設基準通知を地方厚生局のページなどで確認することをおすすめします。
改定の有無は届出前にも再確認
「前回から変わっていないはず」という思い込みで手続きを進めず、届出のタイミングで最新の施設基準・様式を確認する習慣をつけておくと安心です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの医院で確認すべき順番を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
では、確認する順番をステップにまとめますね。
自院で確認する順番
- 一般不妊治療管理料の施設基準に適合し、地方厚生局に届出済みかを確認する
- 対象患者が「入院中以外の不妊症の患者であって、一般不妊治療を実施しているもの」に当てはまるかを確認する
- 患者さんとパートナーに治療計画を文書で説明し、文書による同意を得ているかを確認する
- 生殖補助医療管理料を同時に算定していないかを確認する
- 前回算定から3か月以上経過しているかを確認し、算定候補として整理する

みらい(新人医療事務)
こうやって順番にすると、何から手をつければいいか分かりやすいです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に届出の有無と、生殖補助医療管理料との重複がないかの2点は見落としやすいところなので、最初にチェックしておくと後の確認がスムーズになりますよ。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場で見落としやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは次のようなケースです。
よくある取り漏れ
同意書の添付漏れ: 文書による同意を得ていても、交付した文書の写しや同意書を診療録に添付し忘れているケース。 算定間隔の誤り: 「3か月に1回」を「毎月」と混同し、算定間隔が短くなってしまうケース。 重複算定の見落とし: 生殖補助医療管理料に治療がステップアップした後も、一般不妊治療管理料を算定し続けてしまうケース。
対象外の可能性がある場合
入院中の患者さんや、施設基準の届出が済んでいない場合、同意・治療計画の文書化がされていない場合は、算定候補ではなく対象外の可能性があります。断定はできないので、該当しそうな場合は必ず自院の記録と公式資料で確認してください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが疑問に思いそうなことを聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。どうぞ。
みらい(新人医療事務)
生殖補助医療管理料と一般不妊治療管理料、両方の届出をしておくことはできますか?
あおい(元・医療事務)
届出自体は、それぞれの施設基準を満たしていれば可能と考えられます。ただし、同一患者について同時に算定するものではないという点は、届出の有無とは別の注意点として押さえておく必要があります。実際の算定可否は、患者さんごとの治療の段階に応じて確認してください。
みらい(新人医療事務)
3か月に1回というのは、暦月で数えるんですか?
あおい(元・医療事務)
算定間隔の具体的な数え方(暦月か日数かなど)は、告示・留意事項の原文に明確な記載がない場合、審査支払機関に確認するのが確実です。当サイトが確認できた資料の範囲では、断定的な数え方までは示されていません。
みらい(新人医療事務)
施設基準の年間実施件数は、令和8年度でも同じ数字なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できたのは令和4年度時点の疑義解釈での言及です。令和8年度時点の施設基準の正確な文言・数値は、届出前に地方厚生局の最新の施設基準通知で確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。