みらい(新人医療事務)
加算の一覧を見ていたら「在宅自己連続携行式腹膜灌流液交換用熱殺菌器加算」という、すごく長い名前の加算を見つけました。これって紫外線殺菌器加算とは別物なんですか?
あおい(元・医療事務)
良いところに気づきましたね。結論から言うと、まったくの別コードというより「同じ紫外線殺菌器加算の枠組みの中で、使っている機器が熱殺菌器の場合の扱いを示したもの」です。令和8年度の留意事項通知には「在宅自己連続携行式腹膜灌流液交換用熱殺菌器を使用した場合には、紫外線殺菌器加算の点数を算定する」とはっきり書かれています。つまり、透析液交換のカテーテル接続部を消毒する機器が紫外線殺菌器ではなく熱殺菌器であっても、算定候補になる点数は区分C154「紫外線殺菌器加算」と同じ、という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
名前は全然違うのに、点数の扱いは同じなんですね。混同しそうです。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。だからこそ、条文の主語をきちんと確認することが大事です。この記事では「在宅自己連続携行式腹膜灌流液交換用熱殺菌器加算」という名称がどの条文のどの加算を指しているのか、一次資料の文言に沿って確認していきます。
対象になりうる場面(在宅CAPDと熱殺菌器)
みらい(新人医療事務)
そもそも、どんな患者さんが対象になる場面なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示・注書きでは、区分C154「紫外線殺菌器加算」について「在宅自己連続携行式腹膜灌流を行っている入院中の患者以外の患者に対して、紫外線殺菌器を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する」と定められています。在宅自己連続携行式腹膜灌流、いわゆるCAPD(Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis)を自宅で行っている、入院中ではない患者さんが対象という枠組みです。
みらい(新人医療事務)
「熱殺菌器」というキーワードは、この条文には出てこないんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、区分C154の告示本文には「紫外線殺菌器」としか書かれていません。「熱殺菌器を使用した場合も同じ点数を算定する」と明記しているのは、留意事項通知のほうです。留意事項通知には「C154 紫外線殺菌器加算 在宅自己連続携行式腹膜灌流液交換用熱殺菌器を使用した場合には、紫外線殺菌器加算の点数を算定する」とあります。告示の対象患者の定義と、留意事項通知の機器の扱いをあわせて読む必要があります。
対象になりうる場面(令和8年度)
対象患者: 在宅で自己連続携行式腹膜灌流(CAPD)を行っている、入院中ではない患者 対象医療機関: 在宅自己腹膜灌流指導管理料を算定している診療所・病院 使用機器: 透析液交換時のカテーテル接続部を消毒する在宅自己連続携行式腹膜灌流液交換用熱殺菌器 算定される点数区分: 留意事項通知により、区分C154紫外線殺菌器加算の点数を算定する扱い
みらい(新人医療事務)
土台になる指導管理料があるんですよね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。この加算は単独では算定候補にならず、在宅自己腹膜灌流指導管理料(C102)に上乗せする「在宅療養指導管理材料加算」という位置づけです。告示の注1には「在宅自己腹膜灌流指導管理料1については、在宅自己連続携行式腹膜灌流を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅自己連続携行式腹膜灌流に関する指導管理を行った場合に算定するものとし、頻回に指導管理を行う必要がある場合は、同一月内の2回目以降1回につき2,000点を月2回に限り算定する」とあり、まず土台の指導管理料を算定していることが前提になります。
点数とコード(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している医科診療行為マスター(令和8年度)では、この加算はマスターコード「114008250」として登録されていて、点数は360点です。これは区分C154紫外線殺菌器加算の360点と同額です。留意事項通知の「熱殺菌器を使用した場合には、紫外線殺菌器加算の点数を算定する」という文言のとおり、機器の違いによって別の点数体系が新設されているわけではなく、同じ360点の枠組みで扱われる、という整理です。
| 区分・マスターコード | 加算名 | 点数 | 年度 |
|---|---|---|---|
| マスターコード114008250 | 在宅自己連続携行式腹膜灌流液交換用熱殺菌器加算 | 360点 | 令和8年度(2026年度) |
| C154 | 紫外線殺菌器加算 | 360点 | 令和8年度(2026年度) |
| (参考)C155 | 自動腹膜灌流装置加算 | 2,500点 | 令和8年度(2026年度) |

みらい(新人医療事務)
自動腹膜灌流装置加算というのも近くにありますね。
あおい(元・医療事務)
はい、区分C155の自動腹膜灌流装置加算です。告示には「C155 自動腹膜灌流装置加算 2,500点 注 在宅自己連続携行式腹膜灌流を行っている入院中の患者以外の患者に対して、自動腹膜灌流装置を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する」とあり、こちらは自動腹膜灌流(APD、機械で透析液を交換する方式)で使う装置についての加算です。熱殺菌器・紫外線殺菌器とは対象にしている機器がはっきり異なるので、取り違えないようにしたいところです。
似た名前の加算との違いに注意
「在宅自己連続携行式腹膜灌流液交換用熱殺菌器加算」(マスターコード114008250・360点)は、条文上は区分C154紫外線殺菌器加算の点数を算定する扱いです。名前が似ている区分C155自動腹膜灌流装置加算(2,500点)は対象機器が異なる別区分であり、同じものではありません。どちらの加算候補になるかは、実際に使用している機器の種類で確認する必要があります。
施設基準・届出の考え方
みらい(新人医療事務)
施設基準や届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、この熱殺菌器の扱いや区分C154紫外線殺菌器加算そのものに、個別の施設基準や届出を求める記載は、当サイトが確認した告示・留意事項通知の範囲では見当たりませんでした。一方で、土台となる在宅自己腹膜灌流指導管理料の側には、届出に関わる条件があります。告示の注4には「在宅自己腹膜灌流指導管理料2については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、在宅自己連続携行式腹膜灌流を行っている入院中の患者以外の患者に対して、当該指導管理料1を算定している他の保険医療機関の求めに応じて指導管理を行った場合に、一連の治療につき2回に限り算定する」とあります。
みらい(新人医療事務)
つまり、加算そのものより先に、土台の指導管理料の区分を確認したほうがいいということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。指導管理料2を算定する場合は、地方厚生局長等への届出が前提になります。指導管理料1についてはこの届出条件の記載が見当たりませんでした。まずは自院がどちらの区分で在宅自己腹膜灌流指導管理料を算定しているかを確認することをおすすめします。
確認しておきたいポイント
土台の指導管理料の区分: 在宅自己腹膜灌流指導管理料1・2のどちらで算定しているか 指導管理料2の届出: 施設基準に適合し地方厚生局長等に届け出た保険医療機関であるか 熱殺菌器加算そのものの届出: 当サイトが確認した資料の範囲では、個別の届出を求める記載は見当たらない(未確認)
算定タイミング・回数・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングや回数の制限はありますか?
あおい(元・医療事務)
区分C154の告示本文は「紫外線殺菌器を使用した場合に、第1款の所定点数に加算する」とだけ定めていて、回数の上限についての明記は当サイトが確認した資料の範囲では見当たりませんでした。留意事項通知の「在宅自己連続携行式腹膜灌流液交換用熱殺菌器を使用した場合には、紫外線殺菌器加算の点数を算定する」という一文からは、使用している機器の種類によって、どの点数区分で扱うかが決まる、という位置づけが読み取れます。
みらい(新人医療事務)
併算定について気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
土台になる在宅自己腹膜灌流指導管理料の側には注意書きがあります。告示の注2には「当該指導管理料1を算定する同一月内に区分番号J038に掲げる人工腎臓又はJ042に規定する腹膜灌流の1を算定する場合は、注1に規定する2回目以降の費用は、算定しない」とあります。熱殺菌器加算そのものについて、他の在宅療養指導管理材料加算との併算定を制限する記載は、当サイトが確認した資料の範囲では見当たりませんでした。
回数・併算定は要確認
熱殺菌器を使用した場合の回数制限、および他の在宅療養指導管理材料加算との併算定可否について、当サイトが確認した一次資料の範囲では明確な記載を確認できていません。土台の在宅自己腹膜灌流指導管理料側の併算定制限(人工腎臓・腹膜灌流の1との関係)とあわせて、レセプトコンピュータの設定や審査支払機関への確認をおすすめします。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが確認できた一次資料は令和8年度分の告示・留意事項通知が中心で、前回改定(令和6年度)時点のこの加算に関する資料までは突き合わせられていません。そのため、点数や算定要件の変更点は確認できていません(確認日: 2026年7月)。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」と言い切ってもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、そこは言い過ぎないようにしたいです。「変更があった」とも「変更がなかった」とも断定はできず、当サイトが参照した令和8年度の一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)との比較資料を確認できていない、という状態です。前回改定時点の扱いが気になる場合は、厚生労働省の過去の告示・通知を個別に確認することをおすすめします。
改定差分の確認状況(令和8年度)
確認した資料: 令和8年厚生労働省告示第69号(区分C154・C102・C155)、留意事項通知(区分C154関連部分) 確認結果: 前回改定(令和6年度)との比較資料は未突き合わせのため、変更の有無は確認できていません 確認日: 2026年7月
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの場合はどう確認すればいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
順番に確認していくのがおすすめです。ステップにまとめますね。
自院で確認する順番(令和8年度)
- 在宅自己腹膜灌流指導管理料(C102)を算定しているか確認する
- 対象の患者さんが入院中ではなく、在宅で自己連続携行式腹膜灌流(CAPD)を行っているか確認する
- 透析液交換時のカテーテル接続部の消毒に、熱殺菌器・紫外線殺菌器のどちらを使用しているか確認する
- 熱殺菌器を使用している場合は、留意事項通知に基づき区分C154紫外線殺菌器加算の点数(マスターコード114008250・360点)を算定候補として確認する
- 自動腹膜灌流装置(区分C155)を使用していないか、機器の種類を取り違えていないか確認する
- 土台の指導管理料の届出区分(1・2)と届出の有無を確認する

みらい(新人医療事務)
これだけ順番があると、自分で全部確認するのは大変そうです。
あおい(元・医療事務)
迷ったときは加算チェッカーを使うのも一つの方法です。自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まとめますね。
よくある取り漏れ
使用機器の未確認: 熱殺菌器・紫外線殺菌器・自動腹膜灌流装置のどれを使っているか、カルテ上で明確になっていないことがあります 土台の指導管理料の未算定: この加算だけを見て、土台の在宅自己腹膜灌流指導管理料を算定していないケースに気づかないことがあります 似た名前の区分との取り違え: マスターコード114008250と区分C155自動腹膜灌流装置加算は対象機器が異なる別区分のため、機器の種類を確認せずに混同しないよう注意が必要です
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後によくある疑問も聞いておきたいです。この加算は病院でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
告示の本文では医療機関の種別(診療所・病院)を限定する記載は見当たらず、在宅自己腹膜灌流指導管理料を算定している医療機関であれば、診療所・病院のどちらでも算定候補になり得ます。ただし個別の届出状況によって変わりますので、確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
熱殺菌器と紫外線殺菌器、両方を同じ患者さんに使うことはありますか?
あおい(元・医療事務)
実際の臨床現場での機器の使い分けは医療機関ごとに異なるため、当サイトでは判断できません。どちらの機器を使用しているかは、担当医・臨床工学技士等に確認し、算定に迷う場合は審査支払機関にご相談ください。
みらい(新人医療事務)
マスターコード114008250と区分C154は別々に算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した留意事項通知の文言では「熱殺菌器を使用した場合には、紫外線殺菌器加算の点数を算定する」とされており、熱殺菌器を使用した場合はこの点数区分で算定する扱いで、区分C154と重ねて算定するという記載ではありません。詳しい取り扱いは審査支払機関にご確認ください。
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚生労働省公式資料を根拠にしています。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)区分C154・C102・C155: https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf 留意事項通知(区分C154関連部分・令和8年3月5日 保医発0305号): 当サイト確認時点でPDFへの直接リンクが404となっていたため、URL記載は省略しています。厚生労働省サイト内の令和8年度診療報酬改定関連の告示・通知一覧からご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や使用している機器を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。