みらい(新人医療事務)
「難治性がん性疼痛緩和指導管理加算」という名前を初めて見たんですが、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これは、がん性疼痛緩和指導管理料(B001の22)の注2に規定されている加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、がん性疼痛緩和のための専門的な治療が必要な患者さんに対して、放射線治療や神経ブロックなどの療法について文書で説明を行った場合に、患者1人につき1回に限り100点を加算できる、という位置づけになっています。
みらい(新人医療事務)
「患者1人につき1回に限り」というのが気になります。月1回とかではないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ベースのがん性疼痛緩和指導管理料は月1回の算定が基本ですが、この加算は告示の文言どおり「患者1人につき1回に限り」という回数制限がついています。告示には次のようにあります。
告示の該当箇所(令和8年度・医科点数表)
「2 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がん性疼痛緩和のための専門的な治療が必要な患者に対して、当該患者又はその家族等の同意を得て、当該保険医療機関の保険医が、その必要性及び診療方針等について文書により説明を行った場合に、難治性がん性疼痛緩和指導管理加算として、患者1人につき1回に限り所定点数に100点を加算する。」
みらい(新人医療事務)
「専門的な治療」って具体的には何を指しているんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知でもう少し具体化されていて、放射線治療や神経ブロックなどの療法が挙げられています。ただし「等」となっているので、これ以外の専門的治療が対象になり得るかは、資料の範囲では断定できません。留意事項通知の該当部分はこちらです。
留意事項通知の該当箇所(令和8年度)
「(4)『注2』に規定する難治性がん性疼痛緩和指導管理加算は、がん疼痛の症状緩和を目的とした放射線治療及び神経ブロック等の療法について、患者又はその家族等が十分に理解し、納得した上で治療方針を選択できるように文書を用いて説明を行った場合に、患者1人につき1回に限り算定する。」
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
うちみたいな診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
がん性疼痛緩和指導管理料自体は診療所・病院のどちらでも対象になり得る項目で、外来・入院のいずれの患者も対象になり得ます。ただし在宅で療養中の患者さんについては、当サイトが整理している範囲では対象に含めていません。在宅患者さんに関わる場合は、対象になるかどうかを自院で個別に確認していただくことをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
なるほど、施設の種類だけでなく、届出の有無も関わってきそうですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。この加算は「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが前提になっています。届出をしていない医療機関では、対象患者の要件を満たしていても算定候補にはなりません。

点数と算定のタイミング
みらい(新人医療事務)
点数を整理して教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、次のような構成になっています。
| 項目 | 点数 | 算定回数の考え方 |
|---|---|---|
| がん性疼痛緩和指導管理料(B001の22・注1) | 200点 | 月1回に限り算定 |
| 難治性がん性疼痛緩和指導管理加算(注2) | 100点 | 患者1人につき1回に限り加算 |
みらい(新人医療事務)
加算だけを単独で算定することはできないんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の書き方を見る限り、この加算はがん性疼痛緩和指導管理料の「注」として規定されているものなので、管理料本体の算定要件と切り離して単独で算定することは想定されていないと考えられます。ただし、管理料本体を算定する月と、この加算を算定するタイミングが必ずしも同一である必要があるかどうかは、資料の記載だけでは判然としない部分があり、確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
算定にあたって、患者さんへの説明はどう進めればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
告示・留意事項通知に共通しているのは、「患者又はその家族等の同意を得て」「保険医が」「必要性及び診療方針等について文書により説明」を行う、という流れです。放射線治療や神経ブロックなどの療法について、患者さんやご家族が十分に理解し、納得した上で治療方針を選択できるように文書で説明することが求められています。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準の中身って、この資料からわかりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが要件として明記されています。ただし、具体的にどのような人員配置や体制が求められるかという詳細な基準の中身までは、この記事の根拠資料には含まれていません。
施設基準・届出は自院で必ず確認
具体的な施設基準の内容(人員配置・体制等)は、施設基準に関する告示・通知の別添で個別に定められています。届出済みであれば算定候補になりますが、詳細要件の充足については、地方厚生局への届出内容と最新の施設基準通知を自院で必ずご確認ください。
みらい(新人医療事務)
届出をしていない場合は、対象外になってしまうんですか?
あおい(元・医療事務)
届出をしていない医療機関では、この加算は対象外の可能性が高いです。ただし、それはあくまで届出の有無という切り口での整理であって、届出さえすればすべてのケースで算定候補になる、という意味ではありません。対象患者の要件や説明・記録の要件も併せて満たす必要があります。
記録・併算定の考え方
みらい(新人医療事務)
説明したら、それで終わりですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、記録も要件になっています。留意事項通知には次のように明記されています。
診療録記載の要件(留意事項通知・令和8年度)
「(5)『注2』に規定する難治性がん性疼痛緩和指導管理加算を算定する場合は、説明内容の要点を診療録に記載する。」
みらい(新人医療事務)
他の医学管理料と一緒に算定できるかどうかも気になります。
あおい(元・医療事務)
がん性疼痛緩和指導管理料の区分については、留意事項通知に併算定に関する記載があります。
併算定に関する記載(留意事項通知・令和8年度)
「(6)同一月又は同一日においても第2章第1部の各区分に規定する他の医学管理等及び第2部第2節第1款の各区分に規定する在宅療養指導管理料は併算定できる。」
みらい(新人医療事務)
これはがん性疼痛緩和指導管理料の区分全体についての記載なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。この記載はがん性疼痛緩和指導管理料(B001の22)の区分について書かれたもので、難治性がん性疼痛緩和指導管理加算はこの区分の注2にあたります。個別の組み合わせで実際に併算定が候補になるかどうかは、レセプトの実務では算定要件を一つずつ確認する必要があります。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わった点はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、難治性がん性疼痛緩和指導管理加算そのものについて、前回改定(令和6年度)からの点数や算定要件の変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。ただし、これは当サイトが参照できた資料の範囲内での確認結果であり、関連する周辺項目(がん性疼痛緩和指導管理料本体の区分構成など)に変更がないことまで保証するものではありません。
改定の確認ポイント
- 令和8年度(2026年度)改定: 難治性がん性疼痛緩和指導管理加算(100点・患者1人につき1回)に関する変更は、当サイトが収録している資料の範囲では確認されていません。
- 令和6年度(2024年度)改定時点の内容との比較は、最新の告示・留意事項通知を直接ご確認いただくことをお勧めします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの医療機関で確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくと整理しやすいと思います。
自院で確認する順番
- がん性疼痛緩和指導管理料に関わる施設基準の届出が済んでいるかを確認する
- 対象患者が「がん性疼痛緩和のための専門的な治療が必要な患者」に該当するかを確認する
- 患者又は家族等の同意を得て、保険医が必要性・診療方針等を文書で説明したかを確認する
- 説明内容の要点を診療録に記載したかを確認する
- 難治性がん性疼痛緩和指導管理加算が、当該患者について過去に算定済みでないかを確認する(患者1人につき1回限り)

みらい(新人医療事務)
この順番で見ていけば、算定候補かどうか整理できそうですね。
あおい(元・医療事務)
はい。特に「患者1人につき1回限り」という回数制限は見落としやすいポイントなので、レセプト担当の方は算定履歴の管理を意識しておくとよいと思います。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れって、どんなものがありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか整理してみますね。
取り漏れ・確認漏れになりやすいポイント
- 文書による説明を行ったものの、その要点を診療録に記載し忘れている
- 「患者1人につき1回限り」という制限を意識せず、同一患者に複数回算定してしまっている(過去の算定履歴の確認不足)
- 施設基準の届出内容が最新の体制と合っているか、定期的な見直しができていない
- がん性疼痛緩和指導管理料本体の算定要件(月1回・緩和ケアに係る研修を受けた保険医が行うこと等)と、加算(注2)の要件を混同してしまう
算定は候補であり確定ではありません
ここまでの内容は、告示・留意事項通知に基づく一般的な整理です。個別の患者・診療内容について実際に算定できるかどうかは、自院の届出状況や診療内容の詳細によって変わり得ます。算定候補になるかどうかの最終判断は、自院及び審査支払機関にご確認ください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある疑問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
がん性疼痛緩和指導管理料自体は診療所・病院のどちらでも対象になり得る項目です。ただし、この加算特有の施設基準の届出が済んでいることが前提になりますので、届出状況を自院で確認していただくのが確実です。
みらい(新人医療事務)
小児の患者にも使えますか?
あおい(元・医療事務)
がん性疼痛緩和指導管理料の本体には小児加算に関する記載がありますが、これは難治性がん性疼痛緩和指導管理加算(注2)とは別の規定です。この記事の根拠資料の範囲では、加算(注2)そのものに小児向けの特別な扱いがあるとは確認できていないため、対象になるかどうかは資料の詳細を確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
在宅患者に説明した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では、この加算は在宅療養の枠組みでの算定対象には含めていません。在宅患者さんへの説明・指導を検討されている場合は、対象になるかどうかを自院で個別に確認していただくことをお勧めします。
公式資料の根拠
あおい(元・医療事務)
この記事は、以下の厚生労働省の公式資料を根拠に整理しています。詳細な施設基準・届出手続きは、必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示・医科点数表 B001の22 がん性疼痛緩和指導管理料) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年度・B001の22 関連通知)
難治性がん性疼痛緩和指導管理加算を上位区分から確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
この加算がどの区分に含まれているかも確認しておきたいです。
あおい(元・医療事務)
難治性がん性疼痛緩和指導管理加算は、特定疾患治療管理料(B001)という大きな区分の中の一項目(がん性疼痛緩和指導管理料・注2)にあたります。関連する医学管理料の全体像を確認したいときは、こちらも参考にしてみてください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。