みらい(新人医療事務)
あおいさん、「持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算」っていう名前、初めて見ました。CPAPの管理料に何か加算がつくんですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。令和8年度(2026年度)診療報酬改定で新設された加算で、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の「注2」に規定されています。CPAP療法を行っている患者さんの使用状況をきちんとモニタリングしている医療機関を評価する加算、というイメージですね。
みらい(新人医療事務)
CPAPというと睡眠時無呼吸症候群の治療機器ですよね。うちのクリニックでも在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料を算定しているので、気になります。
あおい(元・医療事務)
ちょうど良いタイミングです。ただし先に言っておくと、この加算が算定候補になるかどうかは、施設基準の届出とモニタリング体制の実態次第です。この記事で一つずつ確認していきましょう。
この加算はどんな加算?
みらい(新人医療事務)
まず、そもそもどういう目的の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料(C107-2)を算定している医療機関のうち、CPAP療法を実施している入院中の患者以外の全ての患者について、使用時間などの着用状況や無呼吸低呼吸指数をモニタリング可能な機器で継続的に確認し、記録している体制を評価する加算です。厚生労働省の施設基準に適合し、地方厚生局長等に届け出た医療機関が対象になります。
みらい(新人医療事務)
「全ての患者」っていうのがポイントですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そこは要確認のポイントです。加算そのものを算定するかどうかに関わらず、CPAP療法の指導管理を実施している入院中の患者以外の全患者が対象になる、と一次資料に明記されています。一部の患者だけモニタリングしていても、この施設基準を満たしているとは言い切れません。
対象になる医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関が対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
診療所・病院の両方が対象で、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2(240点)を算定している外来・在宅の患者さんが対象になります。入院中の患者さんは、この加算の対象患者からは除かれます。
みらい(新人医療事務)
管理料1と管理料2、どちらでも加算できるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは間違えやすいところです。一次資料の点数表を見ると、この加算は「2について」と明記されていて、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2(240点)を算定した場合にのみ加算される仕組みです。管理料1(2,250点)を算定するケースでは、この加算の対象になりません。
管理料1と管理料2の違いに注意
持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算は、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2(240点)を算定する場合の加算です。管理料1(2,250点)を算定している患者には、この加算は対象外の可能性が高いため、レセプト区分を必ず確認してください。
点数の整理(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表を確認すると、次のようになっています。
| 区分 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料1 | 2,250点 | この加算の対象外 |
| 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2 | 240点 | この加算の算定対象 |
| 持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算(注2) | 15点 | 管理料2算定時のみ・施設基準の届出が必要 |

みらい(新人医療事務)
15点というのは、月1回とかの制限があるんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料には回数の上限についての明記は見当たりません。ただし管理料2自体が「月1回」を前提とした在宅療養指導管理料の区分ですので、実務上は管理料2の算定回数に連動する形になります。この点は、自院のレセプトコンピュータの設定や審査支払機関への確認も含めて、要確認としておきたいところです。
施設基準
みらい(新人医療事務)
施設基準は具体的にどんな内容ですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料(施設基準の通知)では、大きく2つの基準が示されています。1つ目は、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2の対象で、かつCPAP療法の指導管理を実施している入院中の患者以外の全ての患者について、使用時間等の着用状況や無呼吸低呼吸指数等がモニタリング可能な機器を使って、定期的にモニタリングを行っていることです。
みらい(新人医療事務)
もう1つは?
あおい(元・医療事務)
当該月の直近3か月以内で、CPAP療法の指導管理を行う入院中の患者以外の患者の延べ管理月数のうち、CPAP療法の1日使用時間が4時間以上の日が20日以上である管理月数の割合が4割以上であること、という数値基準です。単に機器を使っているだけでなく、一定の使用実績の割合まで求められている点が特徴的です。
施設基準で見落としやすいポイント
モニタリングは「加算を算定する患者」だけでなく、CPAP療法の指導管理を実施している入院中の患者以外の「全ての患者」が対象です。一部の患者だけをモニタリングしている状態では、施設基準を満たしていない可能性があります。
届出
みらい(新人医療事務)
届出は必要ですよね?
あおい(元・医療事務)
必要です。別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして、地方厚生局長等への届出が求められています。一次資料では、この加算の施設基準に係る届出は所定の様式(別添20の12)を用いることとされています。
みらい(新人医療事務)
届出をしていない場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
施設基準を実態として満たしていても、届出をしていなければ、この加算は算定候補にはなりません。届出済みであれば候補になる、という順番で考えてください。届出の有無は必ず自院で確認が必要です。
算定のタイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
まず繰り返しになりますが、対象は在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2を算定する場合に限られます。また、この加算とは別に、同じ「注」の中には遠隔モニタリング加算(150点、月数に応じて加算)という別の加算も規定されています。名称が似ているので、レセプトの記載を混同しないよう注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
遠隔モニタリング加算とは別物なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、別の加算です。持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算は「モニタリング体制そのもの」を評価する加算で、遠隔モニタリング加算は「情報通信機器を用いた遠隔での管理」を評価する加算です。施設基準もそれぞれ別に定められています。
他の加算との混同に注意
持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算と遠隔モニタリング加算は、同じ在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の注に規定されていますが、施設基準・算定要件が異なる別の加算です。どちらの届出状況にあるか、自院のレセプトで必ず確認してください。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前からあったんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算は令和8年度改定で新設された加算です。厚生労働省が公開している令和8年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリストにも、令和8年6月1日付の「新設」項目として記載されています。前回の令和6年度改定の時点では、この加算は存在していませんでした。
みらい(新人医療事務)
新設ということは、今まで届出をしていた医療機関はいないということですね。
あおい(元・医療事務)
そうなります。在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2を算定している医療機関であっても、この加算については令和8年度改定以降にあらためて施設基準を確認し、必要であれば新たに届出をする必要があります。
新設加算での取り漏れ
令和8年度改定で新設された加算のため、既に在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2を算定していても、この加算については未届出のままになっているケースが起こりやすい時期です。管理料2算定患者のモニタリング体制を見直すタイミングで、届出状況もあわせて確認しておくと安心です。
自院で確認する順番
自院で確認する順番
在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2を算定しているか確認する CPAP療法の指導管理を実施している入院中の患者以外の全患者について、使用時間・無呼吸低呼吸指数等をモニタリング可能な機器で確認できているか確認する 直近3か月で、CPAP1日使用時間4時間以上の日が20日以上である管理月数の割合が4割以上になっているか、実績を集計する 施設基準の届出(別添20の12)を地方厚生局長等に行っているか確認する 届出済み・要件を満たしていれば算定候補として、レセプト担当者・医師と最終確認する
よくある質問
みらい(新人医療事務)
管理料1を算定している患者にはこの加算はつけられないんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料の点数表では、この加算は「2について」と明記されており、管理料2を算定する場合の加算とされています。管理料1を算定しているケースでは、対象外の可能性が高いです。最終的には自院のレセプト区分と公式資料で確認してください。
みらい(新人医療事務)
モニタリングの機器は特定の製品でないといけませんか?
あおい(元・医療事務)
一次資料には「使用時間等の着用状況、無呼吸低呼吸指数等がモニタリング可能な機器」という要件は書かれていますが、特定の製品名までは確認できていません。この点は自院で使用している機器の仕様を確認したうえで、必要であれば地方厚生局に問い合わせるのが確実です。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)から何か変わった点はありますか?
あおい(元・医療事務)
この加算自体が令和8年度改定での新設です。前回改定(令和6年度改定)の時点では該当する加算は存在していませんでした。既存の在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の点数や算定要件との比較というよりも、まったく新しい評価軸が加わった、という理解が近いです。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
元になっている資料も教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の一次資料として、次の3つを確認しています。
| 資料 | URL |
|---|---|
| 医科点数表 C107-2 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料(令和8年度) | https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf |
| 持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算の施設基準に関する通知(令和8年度) | https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001698334.pdf |
| 令和8年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリストの一部訂正について | https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001697773.pdf |
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況やモニタリング体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料 のページもあわせて確認してみてください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。