みらい(新人医療事務)
血管露出術加算という加算名を見つけたんですが、これって何の加算なんですか?名前だけだと全然イメージがわかなくて…
あおい(元・医療事務)
血管露出術加算は、輸血の点数区分「K920 輸血」に関係する加算なんです。厚生労働省の医科点数表には、次のように書かれています。
根拠となる条文(医科点数表 K920 輸血 注3)
引用: 3 骨髄内輸血又は血管露出術を行った場合は、所定点数に区分番号D404に掲げる骨髄穿刺又は区分番号K606に掲げる血管露出術の所定点数をそれぞれ加算する。
みらい(新人医療事務)
つまり、輸血をするときに血管が細くて点滴の針が刺せないので、外科的に血管を露出させる処置をした場合に、その分を追加で算定できる、ということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そのイメージで合っています。輸血(K920)を行う際に、通常の穿刺ではなく血管を切開して露出させる処置(区分番号K606 血管露出術)や、骨髄内に輸血ルートを確保する処置(区分番号D404 骨髄穿刺)を行った場合に、その所定点数を輸血の点数に上乗せする加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表でもこの規定が置かれています。
血管露出術加算とはどんな加算ですか
みらい(新人医療事務)
具体的にはどんな場面で使われる加算なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
条文には「骨髄内輸血又は血管露出術を行った場合」としか書かれておらず、どのような場面を想定しているかを具体的に限定した記載は一次資料の範囲では見当たりません。区分番号K606に掲げる血管露出術を行ってから輸血(K920)を実施した場合に、この加算が算定候補になる、という整理になっています。
みらい(新人医療事務)
「候補になる」というのは、必ず取れるわけではないということですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。血管露出術を行ったかどうか、そしてそれが輸血のための血管確保として行われたかどうかは、実際のカルテ記載や術式の内容で個別に判断される部分なので、断定はできません。あくまで自院の診療内容と記録を照らし合わせて確認する算定候補として捉えてください。
対象になる医療機関・患者は
みらい(新人医療事務)
この加算は診療所でも算定候補になりますか?それとも病院だけですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが整理している範囲では、診療所・病院のどちらでも、また入院・外来のいずれでも対象になり得る加算として位置付けられています。在宅医療の枠組みは対象外の整理になっています。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの条件みたいなものはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
条文の文言としては「骨髄内輸血又は血管露出術を行った場合」としか書かれておらず、疾患名などで対象患者を限定する記載は一次資料の範囲では見当たりません。輸血(K920)を行う患者さんのうち、血管露出術という処置が実際に必要になったケースが対象、という理解になります。

点数を確認しましょう(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はどれくらいなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、次のように整理できます。
| 項目 | 点数 | 出典(区分番号) |
|---|---|---|
| 血管露出術加算(本加算) | 530点 | K920 輸血 注3 |
| 区分番号K606 血管露出術(基礎点数) | 530点 | K606 |
| 輸血適正使用加算(輸血管理料の加算・参考) | 輸血管理料1で120点/輸血管理料2で60点 | K920-2 注 |
みらい(新人医療事務)
血管露出術加算の530点って、区分番号K606の血管露出術の点数と同じなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。条文にある通り「区分番号K606に掲げる血管露出術の所定点数をそれぞれ加算する」という規定なので、単独で血管露出術を行った場合の点数と同額を、輸血の点数に上乗せする形になります。この点数は、令和8年厚生労働省告示第69号による医科点数表(告示PDFで確認する)に基づいています。
ここに注意
加算対象の確認: 「血管露出術」に当たるかどうかは、区分番号K606の定義に沿って判断される点に注意してください。 別の加算との混同: 表の3行目にある輸血適正使用加算は、輸血管理料(K920-2)に対する別の加算で、本加算(血管露出術加算)とは算定の根拠となる区分が異なります。
施設基準・届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するのに、施設基準の届出みたいなものは必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、血管露出術加算そのものに個別の施設基準や届出様式は見当たりません。輸血(K920)の算定要件を満たしていることが前提になります。
みらい(新人医療事務)
じゃあ届出のことは気にしなくていいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは断定できません。輸血管理料など関連する項目には別途届出が必要なものもあるので、自院がどの区分で輸血を算定しているかによって確認すべき届出は変わってきます。血管露出術加算そのものは届出不要という整理ですが、周辺の届出状況は個別に確認しておくと安心です。
算定タイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、ここは条文にはっきり書かれている注意点があります。
同日に他の手術がある場合の注意(算定できないケース)
引用(医科点数表の解釈・留意事項通知 K920 (16)): 「注3」の加算は、第1節に掲げる手術と同日に骨髄内輸血又は血管露出術が行われた場合には、算定できない。
みらい(新人医療事務)
「第1節に掲げる手術」というのは、他の一般的な手術のことですか?
あおい(元・医療事務)
医科点数表の手術の部は、第1節に手術料、輸血は第2節(輸血料)という区分で整理されています。条文の書きぶり通り、同日に第1節の手術(輸血以外の手術)が行われている場合は、この血管露出術加算(および骨髄内輸血加算)は算定できないとされています。同日に他の手術がある場合は対象外の可能性が高いので、まずそこを確認するのがポイントです。
みらい(新人医療事務)
血管露出術そのものについても、何か注意点はありますか?
あおい(元・医療事務)
あります。区分番号K606 血管露出術自体の留意事項として、次のように書かれています。
血管露出術としてカウントされないケース
引用(医科点数表の解釈・留意事項通知 K606): (1) 経皮的に留置針を挿入する場合は、血管露出術は算定できない。(2) 手術に伴う血管露出術は、同一術野でない場合においても算定できない。
あおい(元・医療事務)
つまり、単に皮膚の上から留置針を刺すだけの処置は血管露出術には当たらず、この加算の対象にもなりません。また、別の手術に伴って血管を露出させた場合も、同一の手術野でなくても算定できないとされています。輸血のためだけに独立して行われた血管露出術かどうかを、記録から確認しておく必要があります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している令和8年度の一次資料の範囲では、血管露出術加算の点数や算定要件について、前回改定からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。区分番号K920 輸血 注3の規定、区分番号K606 血管露出術の点数(530点)ともに、今回の一次資料で同様の内容が確認できています。
みらい(新人医療事務)
そうなんですね。安心していいのか、それとも念のため確認しておいた方がいいのか、ちょっと迷います。
あおい(元・医療事務)
「変更が見当たらない」というのは、あくまで当サイトが確認した資料の範囲での話です。念のため、自院が参照している最新の点数表や告示の該当ページも合わせて確認しておくと確実です。

自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院がこの加算の候補になるか、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で見ていくと整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
輸血(K920)を算定しているか確認する: まず、血管露出術加算の土台になる輸血そのものを算定しているかを確認します。 血管確保の方法を確認する: 通常の静脈穿刺ではなく、区分番号K606の血管露出術(または骨髄内輸血)を行ったかどうかをカルテ・術式記録で確認します。 同日の他の手術の有無を確認する: 同じ日に第1節に掲げる手術(輸血以外の手術)が行われていないかを確認します。行われていれば算定できない可能性があります。 血管露出術の定義に当てはまるか確認する: 単なる留置針の挿入や、他の手術に付随した処置ではないかを確認します。 記録を整えて算定候補として整理する: 上記が確認できれば、算定候補として院内のレセプト担当と共有します。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
気をつけたいのは、「血管を出す処置をした」という記録だけが残っていて、それが区分番号K606の血管露出術としての要件を満たしているかまでは確認されていないケースです。頻度の傾向を示す一次資料はないので、あくまで確認すべきポイントの一つとして捉えてください。
取り漏れ・誤算定になりやすいポイント
留置針との混同: 経皮的に留置針を挿入しただけの処置は血管露出術に当たらないため、加算の対象になりません。 同日の他手術の見落とし: 同日に第1節の手術がある場合は算定できないため、輸血以外の処置予定も含めて確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
記録の書き方でも気をつけた方がいいことがありそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。血管露出術を行った経緯と、輸血のために行ったという位置づけをカルテに残しておくと、後から確認するときにも整理がしやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
骨髄内輸血の場合も同じ530点になるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、条文上は骨髄内輸血と血管露出術は別の区分として整理されています。当サイトのマスターデータでは骨髄内輸血に関する加算は血管露出術加算とは別の項目として登録されています。点数を混同しないよう、どちらの処置を行ったかで区別して確認してください。
みらい(新人医療事務)
輸血管理料の届出をしていないと、この加算は算定候補にならないんですか?
あおい(元・医療事務)
条文の文言としては、血管露出術加算そのものと輸血管理料の届出を直接結びつける記載は一次資料の範囲では見当たりません。ただし、輸血に関する体制やその他の加算の届出状況は病院によって異なるため、自院の届出状況を確認したうえで判断することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
この加算は毎回の輸血のたびに算定できるものですか?
あおい(元・医療事務)
条文では回数の上限についての記載は一次資料の範囲では見当たりません。ただし、血管露出術を実際に行った都度の算定という前提になるため、行っていない回の輸血にまで広げて算定することは候補になりません。
みらい(新人医療事務)
似たような名前の加算と間違えないようにするには、どうしたらいいですか?
あおい(元・医療事務)
表にも出てきた輸血適正使用加算は、輸血管理料に対する加算で、血管露出術加算とは根拠になる区分(K920-2とK920注3)が違います。加算名だけで判断せず、どの区分番号に基づく加算なのかを確認する習慣をつけておくと、混同を防げます。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。