この加算は何のための加算か
みらい(新人医療事務)
血小板洗浄術加算っていう名前を初めて見たんですけど、これって何をしたら算定候補になる加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これは医科点数表のK920「輸血」の注12に基づく加算です。血小板輸血を行うときに、血小板濃厚液を洗浄して血漿成分を取り除く処置(血小板洗浄術)をした場合に、580点を所定点数に加算できます。
みらい(新人医療事務)
洗浄って、なんのためにやるんですか?
あおい(元・医療事務)
目的は副作用の発生防止です。血液・造血器疾患の患者さんで、血小板濃厚液に含まれる血漿成分が原因の副作用(アレルギー反応など)を避けたいときに、置換液等で洗浄操作をしてから輸血します。この「副作用防止目的での洗浄」という条件が算定候補になるかどうかのポイントです。
みらい(新人医療事務)
令和8年度の話ですよね? 前の年度の資料と混ざっていないか気になります。
あおい(元・医療事務)
はい、この記事は令和8年度(2026年度)の医科点数表・留意事項通知をもとに整理しています。年度が変わると点数や取り扱いが変わることがあるので、この記事の情報も令和8年度時点のものとして読んでください。
対象医療機関・対象患者/場面
みらい(新人医療事務)
うちは診療所なんですけど、対象になりますか? 病院じゃないとダメとか、入院じゃないとダメとか、条件があったりします?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載している加算の分類では、この加算は診療所・病院どちらも対象、入院・外来どちらの場面も対象として扱っています。輸血そのものが入院で行われることが多い処置ではありますが、外来で血小板輸血を行うケースもゼロではありません。
みらい(新人医療事務)
在宅医療の現場ではどうですか?
あおい(元・医療事務)
在宅の場面は、当サイトの整理では対象外の扱いになっています。血小板輸血や洗浄操作は院内の設備・体制を前提とすることが多いため、在宅では想定されにくい加算です。ただしこれは一般的な整理であって、個別の在宅診療の体制によって状況が異なる可能性はあるので、対象外と決めつけず、実施を検討する場合は自院の体制で確認していただくのが安全です。
みらい(新人医療事務)
対象患者は「血液・造血器疾患」の方、というイメージでいいですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知の表現では「血液・造血器疾患において、副作用の発生防止を目的として」洗浄操作をした場合、とされています。つまり疾患名そのものよりも、副作用防止目的で洗浄してから血小板輸血を行った、という診療行為の実態が算定候補の判断材料になります。
点数とコードの整理
みらい(新人医療事務)
点数と、関連するコードを整理してもらえますか? K920って輸血のところに他にもいろいろ注加算がある印象があって、混同しそうで心配です。
あおい(元・医療事務)
混同しやすいところなので、表で整理しますね。血小板洗浄術加算は「注12」、ほかの加算はそれぞれ別の注に基づいています。
| 加算名 | 根拠 | 点数 | 届出 |
|---|---|---|---|
| 血小板洗浄術加算 | K920輸血 注12 | 580点 | 不要 |
| 不規則抗体加算 | K920輸血 注6 | 197点(頻回時は週1回) | 不要 |
| 血液交叉試験加算 | K920輸血 注8 | 30点 | 不要 |
| 無菌的分割製剤作成加算 | K920輸血 注13 | 400点 | 必要(施設基準あり) |

みらい(新人医療事務)
それぞれ別の注に基づく別の加算、ということですね。血小板洗浄術加算だけ見ればいいなら分かりやすいです。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。それぞれ算定要件が独立しているので、「血小板洗浄術加算が算定候補だから、他の加算も自動的に算定候補になる」という関係ではありません。加算ごとに条文を確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
マスターコードみたいな数字ってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省が公表している届出手続きの資料の中で、血小板洗浄術加算には「150366470」というコードが割り当てられています。ただし、このコードはレセプト実務で使う番号なので、実際の運用では院内のレセプトコンピュータやマスター管理の担当者と一緒に確認するのが確実です。
施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
施設基準を届け出ないと算定候補にならない、というパターンも多い印象なんですが、この加算はどうですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では、血小板洗浄術加算は施設基準の届出が不要な加算として扱っています。無菌的分割製剤作成加算(注13)のように、別に厚生労働大臣が定める施設基準への適合と地方厚生局長等への届出が必要な加算とは扱いが異なります。
みらい(新人医療事務)
届出がいらないなら、洗浄すれば無条件で算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは注意が必要です。届出は不要でも、留意事項通知には「血小板洗浄術の実施に当たっては関係学会の定めるガイドラインを遵守すること」という条件が明記されています。届出の有無とは別に、実施手順として学会ガイドラインに沿っているかどうかを自院で確認する必要があります。
届出不要でも要確認
届出が不要な加算であっても、留意事項通知の実施要件(関係学会のガイドライン遵守など)は別に確認が必要です。「届出がいらない=無条件で算定候補」ではありません。
算定のタイミング・回数・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングとか、回数の制限ってありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知や告示の条文では、血小板輸血に伴って血小板洗浄術を行った場合に加算する、とされています。つまり血小板輸血の実施と洗浄操作がセットで行われた場合が対象で、洗浄操作だけを単独で評価する加算ではありません。
みらい(新人医療事務)
ほかの輸血関連の加算と一緒に算定できるかどうかも気になります。
あおい(元・医療事務)
K920輸血には、この記事で紹介した加算以外にもコンピュータクロスマッチ加算や間接クームス検査加算など複数の注加算があります。それぞれの算定要件は独立していて、資料の中でこの加算と他の輸血関連加算の併算定を明確に除外する記載は、当サイトが確認できている範囲では見当たりません。ただし、確認できていないだけの可能性もあるので、実際に複数の加算を同時に算定する場合は、届出状況や算定履歴も含めて自院で確認するか、審査支払機関に確認するのが安全です。
併算定は資料の該当条文で確認
K920輸血の各注加算は、それぞれ独立した算定要件を持ちます。この記事で紹介した内容は血小板洗浄術加算(注12)を中心にした整理であり、他の加算との組み合わせを保証するものではありません。併算定の可否は該当する注の条文と自院の記録で確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前の改定、令和6年度(2024年度)のころと比べて、この加算は何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載している一次資料の範囲では、血小板洗浄術加算(K920輸血 注12・580点)について、前回改定(令和6年度)からの点数や算定要件の変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・当サイトの一次資料ベース)。
みらい(新人医療事務)
つまり、点数も条件も、令和8年度もこれまでと同じ扱いということですか?
あおい(元・医療事務)
現時点で当サイトが確認できている資料の範囲では、そう理解して差し支えありません。ただし「変更が無いことの完全な証明」ではなく、あくまで当サイトが収載する資料の範囲での確認です。過去の改定内容と厳密に照合したい場合は、厚生労働省が公表している改定資料を直接確認していただくのが確実です。
改定差分の確認ポイント
点数が変わっていなくても、施設基準や算定要件だけが改定で変わるケースもあります。「点数が同じだから内容も同じ」と思い込まず、該当する注の条文を都度確認する習慣が安全です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの医院でこの加算が算定候補になるか確認するとき、どういう順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認するとスムーズです。
自院で確認する順番
- 血小板輸血を実施したかどうかを確認する
- その輸血に伴って、血漿成分を除去する目的で洗浄操作(血小板洗浄術)を行ったかどうかを確認する
- 副作用の発生防止という目的で行われた洗浄かどうか、診療録に記録されているかを確認する
- 関係学会の定めるガイドラインに沿った手順で実施されているかを確認する
- ここまで確認できれば算定候補として、院内のレセプト担当者・審査支払機関にも確認したうえで請求する

みらい(新人医療事務)
届出が要らないぶん、記録と手順の確認が大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。届出という「事前の手続き」がない代わりに、実施のたびに「洗浄した理由」「ガイドラインに沿っているか」を診療録に残しておくことが、後から確認するときの支えになります。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
算定し忘れとか、逆に算定してはいけないのにしてしまう、みたいな取り漏れのパターンってありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは次のようなケースです。
取り漏れ例(1) 洗浄を行ったのに未算定
血小板輸血の際に副作用防止目的で洗浄操作を行ったのに、通常の血小板輸血としてだけ記録・請求してしまい、580点の加算を算定し忘れるケースがあります。洗浄操作を行った事実が診療録に残っているか、まず確認してみてください。
取り漏れ例(2) 目的が不明確なまま算定
洗浄操作をしたことは事実でも、それが「副作用の発生防止目的」であったことが診療録から読み取れないと、算定候補かどうかの判断が難しくなります。目的も含めて記録しておくことが確認をスムーズにします。
みらい(新人医療事務)
逆に、算定してはいけないケースもありますか?
あおい(元・医療事務)
血小板輸血を伴わない操作や、副作用防止目的ではない洗浄操作に対してこの加算を当てはめるのは、条文の条件から外れる可能性があります。「洗浄した」という行為だけでなく、目的と輸血の実施がセットになっているかを確認してください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか気になることを聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。順番に答えますね。
みらい(新人医療事務)
血小板洗浄術加算は、届出をしていなくても算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
はい、当サイトの整理では届出不要の加算として扱っています。ただし関係学会のガイドライン遵守という実施要件は別に確認が必要です。届出の有無だけで判断せず、実施内容もあわせて確認してください。
みらい(新人医療事務)
外来でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの分類では外来も対象に含めていますが、実際に血小板輸血・洗浄操作を外来で行う体制があるかどうかは医療機関ごとに異なります。自院の外来診療の実施体制で確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から点数は変わっていますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収載している一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの点数変更は確認されていません。最新の状況は厚生労働省の公表資料でも確認していただくと安心です。
みらい(新人医療事務)
血小板輸血をしていない場合でも、洗浄すれば算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
条文では「血小板輸血に伴って」洗浄術を行った場合とされているため、血小板輸血を伴わない洗浄単独では算定候補にならない可能性があります。輸血の実施とセットになっているかを確認してください。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
この記事の内容って、どの資料をもとにしているんですか?
あおい(元・医療事務)
主に次の厚生労働省の公式資料をもとに整理しています。
| 資料 | リンク |
|---|---|
| 医科点数表 別表第一 K920「輸血」注12(告示) | https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf |
| 診療報酬(留意事項通知・施設基準等の取扱い)の最新情報ページ | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/index.html |
あおい(元・医療事務)
個別の通知PDFは訂正で随時ファイル番号が更新されることがあるため、最新版はこの厚生労働省のページ経由で確認していただくのが確実です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。