みらい(新人医療事務)
あおいさん、耳鼻科の先生から「唾石を内視鏡で取ったんだけど、加算ってつけられるの?」って聞かれました。唾石摘出術内視鏡加算というのを見つけたんですが、これって何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これは、区分番号K450「唾石摘出術(一連につき)」を実施したときに、条件を満たせば上乗せできる加算候補です。令和8年度(2026年度)の医科点数表に基づくと、K450には「表在性のもの」「深在性のもの」「腺体内に存在するもの」の3区分があって、そのうち「深在性のもの」または「腺体内に存在するもの」を内視鏡を用いて摘出した場合に、1,000点を所定点数へ加算できる仕組みです。
みらい(新人医療事務)
なるほど、内視鏡を使ったかどうかがポイントなんですね。表在性のものは対象外ってことですか?
あおい(元・医療事務)
そうですね。厚生労働省の令和8年度医科点数表(K450)には、次のように書かれています。「K450 唾石摘出術(一連につき) 1 表在性のもの 1,080点 2 深在性のもの 4,330点 3 腺体内に存在するもの 6,550点 注 2又は3の場合であって内視鏡を用いた場合は、1,000点を所定点数に加算する。」
あおい(元・医療事務)
この条文の「2又は3」というのが「深在性のもの」と「腺体内に存在するもの」を指しているので、「1 表在性のもの」は内視鏡加算の対象になっていません。うちの先生が摘出したのがどの区分に当たるか、まず診療録とカルテの記載で確認するのが最初のステップになります。
対象になる医療機関・場面
みらい(新人医療事務)
この加算、うちみたいな診療所でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
はい、当サイトが収集している一次資料の範囲では、この加算に施設基準の届出は必須とされていません。診療所・病院のどちらでも、外来・入院のいずれの場面でも対象になり得ます。ただし在宅で行う手術ではないので、訪問診療の場面は想定されていません。
みらい(新人医療事務)
届出がいらないなら、条件を満たせばすぐ算定候補になるんですね!
あおい(元・医療事務)
断定はできませんが、届出が不要という点では他の施設基準系の加算よりハードルは低めです。それでも「内視鏡を実際に用いたかどうか」「摘出したのがどの区分か」は診療内容そのものの確認が必要なので、算定候補になるかは診療録の記載とあわせて確認してくださいね。
点数とコード
みらい(新人医療事務)
点数を一覧で見せてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の点数表だとこうなっています。
| 区分 | 点数 | 内視鏡加算の対象 |
|---|---|---|
| K450「1」表在性のもの | 1,080点 | 対象外 |
| K450「2」深在性のもの | 4,330点 | 対象(+1,000点) |
| K450「3」腺体内に存在するもの | 6,550点 | 対象(+1,000点) |
| 唾石摘出術内視鏡加算(本加算) | +1,000点 | 「2」「3」を内視鏡で実施した場合のみ |

みらい(新人医療事務)
表在性のものは1,080点しかないのに、深在性や腺体内はぐっと点数が上がるんですね。
あおい(元・医療事務)
唾石の位置が深いほど手術の難易度・侵襲が大きくなるので、その分本体点数も高く設定されています。内視鏡加算の1,000点は、その「2」「3」の点数にさらに上乗せされる形です。算定にあたっては、レセプトコンピュータ側のマスターが令和8年度の点数・コードに対応しているかもあわせて確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
具体的にどれくらいの点数になるのか、イメージがまだつかめません。
あおい(元・医療事務)
たとえば「深在性のもの」を内視鏡で摘出した場合であれば、K450「2」の4,330点に唾石摘出術内視鏡加算の1,000点を加えて、あわせて5,330点が算定候補になる、というイメージです。「腺体内に存在するもの」を内視鏡で摘出した場合は、6,550点に1,000点を加えた7,550点が算定候補になります。実際の点数はレセプトコンピュータ側の設定にもよるので、あくまで一次資料の条文どおりに単純合算した目安として捉えてくださいね。
「表在性」「深在性」の区分はどう決まる?
みらい(新人医療事務)
表在性とか深在性とか、どこで見分けるんですか? 先生の感覚だけで決まるものなんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に定義が書かれています。「(1)「1」表在性のものとは、導管開口部付近に位置する唾石をいう。(2)「2」深在性のものとは、腺体付近の導管等に位置する唾石をいう。」
あおい(元・医療事務)
つまり、唾石がどこにあったかという解剖学的な位置で区分が決まります。事務側で勝手に判断するものではなく、手術記録・診療録に医師が記載した内容を確認するのが確実です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、事務員が「たぶん深在性だろう」と決めつけちゃダメなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。判断に迷うときは、算定の前に医師・診療科に確認するのが確実です。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
「一連につき」の算定単位に注意
留意事項通知には「所期の目的を達するために複数回実施した場合であっても、一連として算定する」と明記されています。同じ唾石摘出のために複数回処置を行っても、K450とその内視鏡加算は一連としてまとめて算定する取り扱いになります。1回ごとに繰り返し算定できるものではない点は確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
複数回に分けて手術しても、1回分としてしか算定できないってことですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。レセプトの重複請求チェックでも引っかかりやすいポイントなので、同一患者で複数回の来院・入院にまたがった場合は、一連の手術としてまとめられているか確認しておくと安心です。なお、この加算そのものに固有の併算定除外規定が一次資料内で確認できているわけではないため、他の手術・処置との組み合わせについては、個別の点数表通則や疑義解釈もあわせて確認することをおすすめします。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度に改定されたばかりですけど、この加算は変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している公式資料の範囲では、令和8年度点数表においてK450「2」「3」を内視鏡で実施した場合に1,000点を加算する、という条文の内容が確認できています。ただし、前回改定(令和6年度)時点の点数表との比較については、当サイトが収集した資料の範囲では確認できていません。区分ごとの点数は改定のたびに見直されることがあるため、「前回と同じ」と決めつけず、算定時には最新の令和8年度点数表で点数・区分をあらためて確認してください。
改定年度をまたぐ確認のコツ
点数表は改定のたびに点数や区分の呼び方が変わることがあります。レセプトコンピュータのマスターが令和8年度版に更新されているか、事務局・システム担当にも確認しておくと取りこぼしを防げます。
自院で確認する順番
自院で確認する順番
- K450唾石摘出術を実施したカルテ・手術記録を確認する
- 摘出した唾石が「深在性のもの」または「腺体内に存在するもの」に該当するかを診療録の記載で確認する
- 内視鏡を用いて摘出したことが手術記録に明記されているかを確認する
- 複数回にわたる処置であれば、一連の手術としてK450と加算を1回分にまとめて算定できているか確認する
- レセプトコンピュータのマスターが令和8年度点数表に対応しているか確認する
よくある取り漏れ
表在性のものと取り違えていないか
「深在性」「腺体内」と「表在性」は解剖学的な位置で区分されます。手術記録に区分の記載がないまま事務側で判断してしまうと、対象外の「表在性のもの」に内視鏡加算をつけてしまう、あるいは逆に対象になる区分を見逃してしまう可能性があります。区分が記録に明記されているか、算定前に確認しておきたいポイントです。
内視鏡使用の記載漏れ
内視鏡を実際に使っていても、手術記録に「内視鏡を用いた」という記載がないと、算定候補として確認しづらくなります。手術記録のテンプレートに内視鏡使用の有無を記載する欄があるか、確認しておくと取り漏れを防ぎやすくなります。

よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問させてください。表在性のものを内視鏡で摘出したときは、加算はつかないんですか?
あおい(元・医療事務)
条文上、内視鏡加算の対象は「2又は3の場合」、つまり深在性のものと腺体内に存在するものに限定されています。表在性のもの(「1」)を内視鏡で行った場合でも、この加算の対象にはなりません。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は本当に不要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、この加算について施設基準の届出は求められていません。ただし今後の改定で取り扱いが変わる可能性もあるので、算定時には最新の届出要件もあわせて確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
歯科の点数表にも似たような唾石摘出術があるって聞いたんですが、同じものですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、歯科診療報酬点数表の唾石摘出術は区分番号が異なり、医科のK450とは別建てで扱われています。今回ご紹介しているのはあくまで医科点数表のK450と、その注加算である唾石摘出術内視鏡加算についてです。歯科の算定ルールを医科にそのまま当てはめないよう注意してください。
みらい(新人医療事務)
レセプトへの記載で気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
K450の本体点数と唾石摘出術内視鏡加算は、レセプトコンピュータの設定によって表示のされ方が異なることがあります。令和8年度のマスターに沿って正しく反映されているか、システム担当者と一緒に確認しておくと、算定候補の見落としや記載ミスを防ぎやすくなります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。似たしくみの加算として、スパイラル内視鏡加算も内視鏡を使った場合に上乗せされる考え方なので、あわせて確認してみるのもおすすめです。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。