診療報酬加算ナビ
令和8年度最終更新 2026-07-30T07:03:01+00:00出典あり

消化管ポリポーシス加算、算定候補になる条件は?【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

K721内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術の注1に規定する加算。家族性大腸腺腫症の患者に対して実施した場合に、年1回に限り5,000点を所定点数に加算する。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

あおいさん、「消化管ポリポーシス加算」という加算、初めて見ました。これはどんな時に算定候補になるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

これはK721内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術の注1に規定されている加算です。厚生労働省の告示では「家族性大腸腺腫症の患者に対して実施した場合は、消化管ポリポーシス加算として、年1回に限り5,000点を所定点数に加算する」とされています。手術そのものの点数に、条件を満たした場合だけ上乗せされる加算、というイメージです。

みらい

みらい新人医療事務

家族性大腸腺腫症というのは、名前からして遺伝性の病気っぽいですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうですね。大腸に多数の腺腫(ポリープ)ができる疾患として知られています。ただ、病態そのものの医学的な判断は医師が行うものであり、私たち事務スタッフの役割は、算定要件に当てはまっているかどうかを診療録や告示・通知に基づいて確認することです。今日は、この加算がどんな条件で算定候補になるのか、一緒に整理していきましょう。

対象医療機関・対象患者

みらい

みらい新人医療事務

この加算、うちのようなクリニックでも対象になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算自体に医療機関の病床規模などの限定は確認できていません。診療所・病院のいずれも対象になり得ますし、入院・外来のどちらの場面でも算定候補になります。ただし在宅の場面はこの加算の対象にはなりません。あくまでK721内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術という手術行為に付随する加算だからです。

みらい

みらい新人医療事務

つまり、その手術ができる医療機関であることが前提なんですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい。そのうえで、対象になる患者さんの要件を満たしているかどうかが算定候補のポイントになります。次の章で確認していきましょう。

点数・区分(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

具体的な点数も確認しておきたいです。

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度の告示に基づく点数はこちらの表のとおりです。

区分内容点数算定回数
K721 1長径2センチメートル未満5,000点第1回目の実施日に1回
K721 2長径2センチメートル以上7,000点第1回目の実施日に1回
注1消化管ポリポーシス加算5,000点年1回に限り
注2バルーン内視鏡加算450点条件を満たした場合
注3病変検出支援プログラム加算60点一連の検査につき1回
みらい

みらい新人医療事務

消化管ポリポーシス加算だけでも本体の点数と同じくらいの点数になるんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうなんです。だからこそ、対象患者の要件を正確に確認することが大切になります。次の章で、その要件を詳しく見ていきましょう。

対象患者の要件(4つの条件)

消化管ポリポーシス加算 対象患者の要件(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

さっき「条件を満たした場合」とおっしゃっていましたが、具体的にはどんな条件なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

厚生労働省の留意事項通知には、「『注1』に規定する消化管ポリポーシス加算は、以下のいずれも満たす家族性大腸腺腫症患者に対して内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を行った場合、年1回に限り算定できる」と記載されています。条件は4つです。まず「ア」は年齢の条件で、16歳以上であることとされています。

みらい

みらい新人医療事務

16歳未満だと対象外の可能性があるということですね。

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。次に「イ」は腺腫の数の条件で、大腸に腺腫が100個以上あることとされています。通知には「手術又は内視鏡により摘除された大腸の腺腫の数を合算しても差し支えない」ともありますので、1回の処置だけでなく、これまでの摘除数を合算して判断できる余地があります。

みらい

みらい新人医療事務

残り2つの条件も教えてください。

あおい

あおい元・医療事務

「ウ」は大腸切除の手術が実施された場合の条件で、大腸が10センチメートル以上残存していることとされています。そして「エ」は大腸の三分の一以上が密生型ではないこと、という条件です。通知では密生型について「大腸内視鏡所見において、十分に進展させた大腸粘膜を観察し、正常粘膜よりも腺腫の占拠面積が大きい場合をいう」と定義されています。

みらい

みらい新人医療事務

4つとも満たさないといけないんですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい、通知には「以下のいずれも満たす」と明記されていますので、ア〜エの4条件すべてを満たすことが前提になります。1つでも満たさない場合は、対象外の可能性が高くなると考えられます。ただし、腺腫の個数や密生型かどうかの判断は診療録・内視鏡所見に基づく医学的な評価になりますので、算定候補かどうかは医師の診療記録とあわせて確認が必要です。

摘除の範囲についての注意

みらい

みらい新人医療事務

4条件を満たしていれば、それだけで算定候補になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

もう一つ大事な条件があります。留意事項通知には、「『注1』の消化管ポリポーシス加算を算定する場合は、長径1㎝を超える大腸のポリープを基本的に全て摘除すること」と記載されています。つまり、見つかった長径1センチメートル超のポリープを基本的にすべて処置したうえでの算定、という前提になっています。

みらい

みらい新人医療事務

一部だけ切除した場合はどうなるんでしょう…?

あおい

あおい元・医療事務

そこまでの詳細な例外規定は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。確認が必要な論点ですので、判断に迷う場合は診療録の記載内容を踏まえて、審査支払機関等に確認することをおすすめします。

届出要否

みらい

みらい新人医療事務

この加算そのものに、施設基準の届出は必要なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している一次資料の範囲では、消化管ポリポーシス加算そのものに独立した施設基準の届出は確認できていません。K721内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術という基本術式が算定できる医療機関であれば、対象患者の要件を満たした場合に算定候補になる、という位置づけです。

みらい

みらい新人医療事務

届出が不要なら、条件さえ満たせばすぐ算定できそうですね。

あおい

あおい元・医療事務

条件を満たしていることが前提ですが、届出関連の情報は改定や告示で変わることがありますので、最新の届出状況・施設基準は自院で必ず確認してください。届出が不要な加算だからこそ、逆に算定要件の充足を診療録側できちんと記録しておくことが大切になります。

算定タイミング・回数制限・併算定の注意

算定回数・併算定の注意

消化管ポリポーシス加算は、年1回を上限とする加算です。K721内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術自体も、短期間または同一入院期間中に複数回実施した場合であっても、回数にかかわらず第1回目の実施日に1回に限り算定するとされています。バルーン内視鏡加算・病変検出支援プログラム加算は、それぞれ別の実施条件を満たした場合の加算候補であり、消化管ポリポーシス加算と自動的にセットで算定できるものではありません。算定可否は個々の実施内容に応じて確認が必要です。

みらい

みらい新人医療事務

併算定できる可能性がある加算もあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

K721の注2にバルーン内視鏡加算、注3に病変検出支援プログラム加算が規定されています。これらはそれぞれ別の実施条件を満たした場合の加算候補です。バルーン内視鏡加算は、大腸ファイバースコピーを実施したものの腹腔内の癒着等で病変部位まで到達できなかった場合に、バルーン内視鏡を用いて実施したときの加算候補として整理されています。あわせて確認しておくとよいでしょう。

みらい

みらい新人医療事務

消化管ポリポーシス加算とは対象になる場面が違うんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうですね。3つの加算はそれぞれ独立した条件を持っていますので、実施した内容ごとに個別に確認することが大切です。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

令和8年度の改定で、この加算って何か変わりましたか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している一次資料の範囲では、消化管ポリポーシス加算そのものについて、前回改定(令和6年度・2024年度)からの点数・算定要件の変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省告示および留意事項通知ベース)。K721内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術という区分自体の点数や、注2・注3の加算については別途の改定影響を受けている可能性がありますので、術式全体の点数表は都度最新のものを確認してください。

みらい

みらい新人医療事務

変更がないというのも、確認できてよかったです。

あおい

あおい元・医療事務

そうですね。「変更がない」ということも、一次資料で確認したうえで初めて言えることです。思い込みで「変わっていないはず」と判断しないよう、改定のたびにあらためて確認する習慣が大切です。

自院チェックリスト

自院で確認する順番(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

最後に、うちのクリニックが算定候補になるか確認するには、どんな順番で見ていけばいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

こんな順番で確認するとスムーズです。

自院で確認する順番

  1. 対象の手術がK721内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術に該当するかを確認する

  2. 患者が家族性大腸腺腫症と診断されているかを診療録で確認する

  3. 患者が16歳以上であるかを確認する

  4. 大腸の腺腫が100個以上あるか(摘除数の合算を含む)を診療録・内視鏡所見で確認する

  5. 大腸切除歴がある場合は、残存大腸が10センチメートル以上かを確認する

  6. 大腸の3分の1以上が密生型でないかを内視鏡所見で確認する

  7. 長径1センチメートルを超えるポリープを基本的にすべて摘除したかを診療録で確認する

  8. 過去1年以内に同加算を算定していないか、レセプト履歴で確認する

みらい

みらい新人医療事務

8つも確認項目があるんですね…。

あおい

あおい元・医療事務

一つひとつは難しくありませんが、抜け漏れがあると算定要件を満たせていない状態になってしまいます。診療録への記載を丁寧に残しておくことが、後から見返す際にも役立ちます。

よくある取り漏れ

よくある取り漏れポイント

腺腫の個数が複数回の処置の合算で100個以上になっているのに、合算せずに1回分だけで判断して算定を見送ってしまうケースがあります。また、密生型かどうかの内視鏡所見の記載が診療録に残っておらず、後から算定要件を確認できないケースも見られます。長径1センチメートル超のポリープを一部残した状態で算定してしまうと、要件を満たさない可能性がありますので注意が必要です。

みらい

みらい新人医療事務

診療録への記載が本当に大事なんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうです。算定要件を満たしていても、記録が残っていなければ後から確認できません。実施時点で丁寧に記載しておくことをおすすめします。

公式情報・参考資料

あおい

あおい元・医療事務

この記事の内容は、以下の厚生労働省の公式資料を根拠としています。詳細な算定要件は必ず一次資料でご確認ください。

参考資料(厚労省公式・令和8年度)

診療報酬の算定方法の一部を改正する件(K721内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術・告示) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf

診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号)関連の令和8年度診療報酬改定に係る告示・通知一覧ページ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者の要件や実施内容を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

算定要件・施設基準・届出は?

  • 算定要件

    家族性大腸腺腫症の患者に対して実施した場合は、消化管ポリポーシス加算として、年1回に限り5,000点を所定点数に加算する。

  • 算定要件

    「注1」に規定する消化管ポリポーシス加算は、以下のいずれも満たす家族性大腸腺腫症患者に対して内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を行った場合、年1回に限り算定できる。ア 16歳以上であること。イ 大腸に腺腫が100個以上あること。なお、手術又は内視鏡により摘除された大腸の腺腫の数を合算しても差し支えない。ウ 大腸切除の手術が実施された場合においては、大腸が10㎝以上残存していること。エ 大腸の三分の一以上が密生型ではないこと。

よくある質問

消化管ポリポーシス加算は病院でも算定候補になりますか?

当サイトが収録している一次資料の範囲では、医療機関の病床規模などの限定は確認できていません。診療所・病院いずれも算定候補になり得ますが、対象患者の要件(16歳以上・大腸腺腫100個以上等)を満たしているかの確認が必要です。

腺腫の数はどうやって100個以上を確認すればよいですか?

厚生労働省の留意事項通知では、手術または内視鏡により摘除された大腸の腺腫の数を合算しても差し支えないとされています。複数回の処置の合算数を診療録で確認してください。

消化管ポリポーシス加算に施設基準の届出は必要ですか?

当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算そのものに独立した施設基準の届出は確認できていません。ただし最新の届出要否は自院で必ず確認してください。

バルーン内視鏡加算や病変検出支援プログラム加算と同時に算定できますか?

それぞれ別の実施条件を満たした場合の加算候補であり、消化管ポリポーシス加算と自動的にセットになるものではありません。実施内容ごとに個別の要件充足を確認してください。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

関連する加算

手術加算令和8年度

アシステッドハッチング加算は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

K884-3胚移植術の注2に規定する加算。アシステッドハッチングを実施した場合に、1,000点を所定点数に加算する。

診療所病院
手術加算令和8年度

高濃度ヒアルロン酸含有培養液加算は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

胚移植術(K884-3)の注3に規定する加算で、高濃度ヒアルロン酸含有培養液を用いた前処置を実施した場合に1,000点を所定点数に加算する。不妊症患者の生殖補助医療(外来)として算定する。

診療所病院
手術加算令和8年度

遺伝性乳癌卵巣癌症候群乳房切除加算、算定候補の条件は【令和8年度】

K475乳房切除術を遺伝性乳癌卵巣癌症候群の患者に対して行う場合に、遺伝性乳癌卵巣癌症候群乳房切除加算として8,780点を所定点数に加算する。施設基準に適合し地方厚生局長等に届け出た保険医療機関で算定できる。

病院要届出
手術加算令和8年度

女子外性器悪性腫瘍センチネルリンパ節生検加算は算定候補?【令和8年度】

K850女子外性器悪性腫瘍手術の注に規定する加算。放射性同位元素を用いたセンチネルリンパ節生検を行った場合に、3,000点を所定点数に加算する。

診療所病院
手術加算令和8年度

頭頸部悪性腫瘍センチネルリンパ節生検加算とは?令和8年度新設・3,000点の確認ポイント

対象手術について、届出を行った保険医療機関において放射性同位元素を用いたセンチネルリンパ節生検を行った場合に、3,000点を所定点数に加算する。

診療所病院要届出
手術加算令和8年度

NGS−SBT法実施加算とは?算定候補の確認【令和8年度】

造血幹細胞移植(K922)の臍帯血移植に用いられた臍帯血に係る組織適合性試験に当たってNGS−SBT法を用いた場合に、NGS−SBT法実施加算として2,000点を所定点数に加算する加算。

診療所病院