みらい(新人医療事務)
あおいさん、レセプトを見ていたら「NGS−SBT法実施加算」という項目を見つけました。名前だけだと何のための加算かさっぱりで…。これはどういうときの加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
いい着眼点ですね。NGS−SBT法実施加算は、令和8年度(2026年度)の診療報酬点数表で、造血幹細胞移植(K922)の「臍帯血移植」に関連して規定されている加算ですよ。臍帯血に係る組織適合性試験を行うときに、ある特定の方法を用いた場合に所定点数へ上乗せする、という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
造血幹細胞移植の中でも、臍帯血移植のときの話なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。造血幹細胞移植には骨髄移植や末梢血幹細胞移植などいくつかの種類がありますが、この加算が関わるのは臍帯血移植の組織適合性試験の部分です。まずは全体像から一緒に整理していきましょう。
NGS−SBT法実施加算とは(何のための加算か)

みらい(新人医療事務)
そもそも「組織適合性試験」って、何を調べる検査なんですか?
あおい(元・医療事務)
移植に使う細胞と患者さんの相性、いわゆるHLA型が合っているかを確認する検査です。造血幹細胞移植では、この適合性の確認がとても重要になります。厚生労働省の告示では、臍帯血移植に用いられた臍帯血に係る組織適合性試験の費用は、原則として所定点数(移植そのものの点数)に含まれるものとされています。
みらい(新人医療事務)
あれ、含まれているなら別に加算はいらないんじゃ…?
あおい(元・医療事務)
基本はそのとおりで、通常は移植の点数の中に含まれています。ただし令和8年度(2026年度)の告示の「注6」には、その組織適合性試験に当たってNGS−SBT法を用いた場合には、NGS−SBT法実施加算として2,000点を所定点数に加算する、という規定があるんです。つまり、検査の方法によって上乗せの対象になり得る、というイメージですね。
みらい(新人医療事務)
なるほど。「方法」がポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
そこが一番の肝です。NGS−SBT法は、次世代シーケンサーを使った塩基配列に基づく方法で、従来のやり方より詳しく型を調べられる手法として位置づけられています。その方法を使ったときに、追加の評価として加算の候補になる、という構造です。
対象になる場面
みらい(新人医療事務)
どんな場面だと対象になりそうか、条件を整理したいです。
あおい(元・医療事務)
大きく3つの条件が重なる場面をイメージするとわかりやすいですよ。1つ目は造血幹細胞移植(K922)の中でも臍帯血移植であること、2つ目はその臍帯血に係る組織適合性試験を実施していること、3つ目はその試験にNGS−SBT法を用いていること。この3つがそろって初めて算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
逆に、骨髄移植のときや、臍帯血でも別の検査方法だと対象外になりそう、ということですね。
あおい(元・医療事務)
考え方としてはそのとおりです。ただ、最終的に対象かどうかは実際の診療内容と公式資料で確認していただく必要があります。ここでは「どういう場面を確認すればよいか」の目安として押さえておいてください。
断定を避けたい注意点
本記事は令和8年度(2026年度)の告示・留意事項通知をもとに要件を整理したものです。個別のケースが算定対象になるかどうかは、実施した移植の種類・検査方法・記録などによって変わります。算定の可否をこの記事で言い切ることはできませんので、必ず自院の診療内容と公式資料でご確認ください。
点数とコード
みらい(新人医療事務)
点数まわりを表で見たいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の内容を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加算名 | NGS−SBT法実施加算 |
| 点数 | 2,000点(所定点数に加算) |
| 対象 | 造血幹細胞移植(K922)の臍帯血移植に用いられた臍帯血に係る組織適合性試験 |
| 条件 | 組織適合性試験にNGS−SBT法を用いた場合 |
| 規定 | 令和8年度(2026年度)告示 K922「注6」 |
| 年度 | 令和8年度(2026年度) |
みらい(新人医療事務)
具体的な診療行為コードは記事に書かなくていいんですか?
あおい(元・医療事務)
マスターコードのような数字は、医科診療行為マスターで実在する値を確認したうえで扱うのが安全です。ここでは加算名と点数、そして「注6に規定されている」という根拠を押さえておけば十分ですよ。細かなコードはレセプトシステムや公式のマスターでご確認ください。
NGS−SBT法を用いた場合という条件
みらい(新人医療事務)
「NGS−SBT法を用いた場合」という条件、もう少し詳しく知りたいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の留意事項通知では、注6に規定するNGS−SBT法実施加算は、組織適合性試験の実施に当たり、蛍光ビーズ法等の従来法の代わりにNGS−SBT法を用いた場合に算定する、と示されています。つまり、従来法に「上乗せ」ではなく、従来法の「代わりに」NGS−SBT法を使ったケースが想定されているんですね。
みらい(新人医療事務)
従来法とNGS−SBT法、両方やったらどうなるんでしょう?
あおい(元・医療事務)
そこは実務でも迷いやすいところですね。通知の表現はあくまで「従来法の代わりに用いた場合」ですので、どの方法をどう実施したかを記録で確認できることが大切です。判断に迷う場合は、公式資料や審査支払機関の考え方をあわせて確認することをおすすめします。ここでも算定を言い切らず、確認が必要という姿勢が安全です。
| 検査方法 | 加算の扱い(目安) |
|---|---|
| 従来法(蛍光ビーズ法等) | NGS−SBT法実施加算の対象にはなりません |
| NGS−SBT法を従来法の代わりに用いた場合 | NGS−SBT法実施加算の算定候補になります |
みらい(新人医療事務)
表にすると、どちらの方法を使ったかが分かれ目なんだとよく分かります。
届出・施設基準の確認
みらい(新人医療事務)
この加算、届出や施設基準は必要なんですか?そこが院長にも聞かれそうで。
あおい(元・医療事務)
当サイトが整理している令和8年度(2026年度)の情報では、NGS−SBT法実施加算そのものについては、届出や特別な施設基準は不要という扱いになっています。ただし前提として、造血幹細胞移植(K922)を実施できる体制であることが土台になりますので、移植そのものの要件は別途ご確認くださいね。
みらい(新人医療事務)
加算単体では届出不要でも、移植の実施体制はそもそも必要ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。加算だけを切り離して考えず、「この移植を実施している医療機関で、条件を満たす検査をしたときの上乗せ」という全体像で見るのが安全です。届出の要否は改定で見直されることもあるので、最新の公式資料での確認は忘れないようにしましょう。
造血幹細胞移植(K922)の他の加算との関係
みらい(新人医療事務)
造血幹細胞移植には、他にも加算がいろいろあるんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度(2026年度)の告示では、臍帯血移植を含む造血幹細胞移植に関連して、いくつかの加算が並んで規定されています。代表的なものを整理してみましょう。
| 注 | 加算名 | 点数(目安) |
|---|---|---|
| 注6 | NGS−SBT法実施加算 | 2,000点 |
| 注7 | 抗HLA抗体検査加算 | 4,000点 |
| 注8 | 非血縁者間移植加算 | 10,000点 |
| 注9 | コーディネート体制充実加算 | 1,500点 |
みらい(新人医療事務)
同じ移植でも、条件によっていろいろな上乗せがあるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。それぞれ算定できる条件が異なりますので、混同しないことが大切です。当サイトで公開している関連ページとしては、非血縁者間移植加算 や コーディネート体制充実加算 がありますので、あわせて確認すると全体像がつかみやすいですよ。どの加算も、対象や条件を一次資料で確認してから算定を検討してください。
みらい(新人医療事務)
関連ページで見比べられるのは助かります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算は、前回の改定からどう変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲で確認すると、令和8年度(2026年度)の告示では、造血幹細胞移植(K922)の「注6」としてNGS−SBT法実施加算(2,000点)が規定されています。前回改定(令和6年度)との新旧を明示的に対比した個別改定項目の記載は、当サイトの収録範囲では確認できていません。
みらい(新人医療事務)
つまり、前からあったのか今回からなのかは、ここでは断定しないということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。淡々と事実だけをお伝えすると、「令和8年度(2026年度)の点数表に注6として位置づけられている」というところまでが、一次資料で確認できる範囲です。前回改定での取り扱いや新設・変更の有無については、厚生労働省の改定資料(改定の概要や個別改定項目)で確認していただくのが確実です。有利・不利といった価値判断も、公式資料が示していない範囲では書かないようにしています。
改定差分の確認ポイント(令和8年度)
確認できる事実: 令和8年度(2026年度)告示のK922「注6」にNGS−SBT法実施加算(2,000点)が規定されています。 未確認の事項: 前回改定(令和6年度)との新旧対比は、当サイトの収録資料では確認できていません。新設・変更の有無は厚生労働省の改定資料でご確認ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際に自院が対象か調べるとき、どういう順番で見ればいいですか?
あおい(元・医療事務)
迷ったときは、上から順にチェックしていくと整理しやすいですよ。

自院で確認する順番
- 造血幹細胞移植(K922)の臍帯血移植を実施したかを確認する
- その臍帯血に係る組織適合性試験を実施したかを確認する
- その組織適合性試験にNGS−SBT法を用いたか(蛍光ビーズ法等の従来法でないか)を確認する
- 実施内容の記録・レセプト摘要欄の記載を確認する
- 令和8年度(2026年度)の公式資料と照らし、算定候補かどうかを判断する
みらい(新人医療事務)
この順番なら、途中で「うちは対象外かも」と気づけそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に3番目の「どの方法を用いたか」は分かれ目になりますので、記録できちんと残っているかを確認しておくと安心です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
この加算で、うっかり見落としやすいところはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかありますね。まとめておきましょう。
よくある取り漏れ・確認ポイント
臍帯血移植の組織適合性試験にNGS−SBT法を用いたのに、加算の検討自体を失念していないか。 検査方法(従来法かNGS−SBT法か)が記録から確認できるか。方法が不明だと算定の裏付けが取りにくくなります。 造血幹細胞移植の種類(臍帯血移植かどうか)を取り違えていないか。 注7〜注9の他の加算と条件を混同していないか。
みらい(新人医療事務)
「方法が記録から分かるか」って、地味だけど大事ですね。
あおい(元・医療事務)
まさにそこが後から効いてきます。算定の根拠は記録なので、どの検査をどう実施したかが追える状態にしておくことが、取り漏れ防止にも査定対策にもつながります。
よくあるご質問
みらい(新人医療事務)
よく聞かれそうな質問も整理しておきたいです。
あおい(元・医療事務)
では代表的なものにお答えしますね。まず「NGS−SBT法実施加算は何点ですか?」については、令和8年度(2026年度)で2,000点を所定点数に加算する、が答えです。
みらい(新人医療事務)
「骨髄移植でも算定できますか?」はどうでしょう。
あおい(元・医療事務)
規定はあくまで臍帯血移植に用いられた臍帯血に係る組織適合性試験が対象です。臍帯血移植以外のケースは対象外の可能性が高いですが、最終的には実施内容と公式資料でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
「届出は必要ですか?」もよく聞かれます。
あおい(元・医療事務)
当サイトが整理している範囲では、この加算単体の届出は不要という扱いです。ただし造血幹細胞移植を実施する体制自体は前提になりますので、そちらの要件は別途ご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。実施した移植の種類や検査方法などを入力すると、確認すべきポイントが整理できます。あくまで確認の入り口として使い、最終判断は公式資料とあわせて行ってくださいね。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・診療内容・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。本記事は令和8年度(2026年度)の厚生労働省告示(令和8年厚生労働省告示・医科点数表 K922)および留意事項通知をもとに整理したものです。