みらい(新人医療事務)
先生、レセプトを見ていたら「骨髄像診断加算」という名前が出てきたんですけど、これってどんな加算なんですか?聞いたことがなくて…。
あおい(元・医療事務)
血液内科や血液疾患を診ている医療機関でときどき出てくる検査加算ですね。骨髄像診断加算は、D005の14に掲げる「骨髄像」という検査を行った場合に、その結果を血液疾患の専門知識を持つ医師が文書で報告したときに、240点を所定点数に加算できるものです。令和8年度(2026年度)の医科点数表でも、D026検体検査判断料の注6として位置づけられています。
みらい(新人医療事務)
「骨髄像」の検査自体とは別物なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そこは区別して考える必要があります。骨髄像そのものはD005の14「骨髄像」という検査項目で788点。そこに、専門知識を持つ医師が結果を文書で報告した場合にだけ、骨髄像診断加算として240点が上乗せされる、という構造です。検査をしただけでは加算候補にならず、報告のしかたまで含めて確認が必要なところがポイントですね。
対象になるのはどんな医療機関・患者?
みらい(新人医療事務)
うちのような診療所でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
対象医療機関としては診療所・病院のどちらも含まれますし、外来・入院のいずれの患者にも適用され得ます。ただし在宅の場面は対象になりません。対象になるのは、D005の14に掲げる骨髄像の検査を実施した患者、つまり骨髄疾患・血液疾患が疑われ骨髄穿刺などで検体を採取し、骨髄像検査を行った患者です。
みらい(新人医療事務)
血液疾患ならどんな患者でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
そこは断定できません。あくまで「骨髄像の検査を行い、専門知識を持つ医師がその結果を文書で報告した」という要件を満たした場合の算定候補です。検査を行っただけ、あるいは口頭での説明のみでは加算の対象にならない可能性があるので、自院のカルテ運用・報告書の作成状況を必ず確認してください。
点数はいくらで、どういう構成になっている?
あおい(元・医療事務)
点数の構成は次のようになります。
| 区分 | 内容 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| D005の14 | 骨髄像(検査そのもの) | 788点 | 1回につき |
| D026 注6 | 骨髄像診断加算 | 240点 | 月1回に限り |

みらい(新人医療事務)
検査の788点と加算の240点、両方合わせて算定候補になるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。骨髄像診断加算は単独では算定できず、D005の14骨髄像の検査を行っていることが前提になります。厚生労働省の告示では、次のように定められています。
告示の該当箇所(令和8年度・医科点数表)
D026 検体検査判断料 注6: 「区分番号D005の14に掲げる骨髄像を行った場合に、血液疾患に関する専門の知識を有する医師が、その結果を文書により報告した場合は、骨髄像診断加算として、240点を所定点数に加算する。」
みらい(新人医療事務)
「専門の知識を有する医師」というのは、具体的にどう確認すればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは告示だけでなく、留意事項通知も合わせて確認する必要があります。次の項目で詳しく見ていきましょう。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
この加算、施設基準の届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、骨髄像診断加算そのものについて、地方厚生局への施設基準の届出を求める記載は確認できていません。ただし届出が不要だからといって要件が緩いわけではなく、留意事項通知では医師と検体の要件がかなり具体的に定められています。
留意事項通知の該当箇所(要件はここまで具体的)
「『注6』に規定する骨髄像診断加算は、血液疾患に関する専門の知識及び少なくとも5年以上の経験を有する医師が、当該保険医療機関内で採取された骨髄液に係る検査結果の報告書を作成した場合に、月1回に限り算定する。」
みらい(新人医療事務)
「血液疾患に関する専門の知識」だけじゃなくて「5年以上の経験」も要件になっているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。告示の本文だけを読むと「専門の知識を有する医師」としか書かれていませんが、留意事項通知でさらに「少なくとも5年以上の経験を有する医師」と踏み込んで定義されています。届出のように書類を出す手続きはなくても、実際に報告書を作成する医師がこの経験年数の要件を満たしているかどうかは、自院で個別に確認しておく必要があります。
みらい(新人医療事務)
「当該保険医療機関内で採取された骨髄液」というのも気になります。
あおい(元・医療事務)
ここも見落としやすいポイントです。留意事項通知は「当該保険医療機関内で採取された骨髄液に係る検査結果の報告書」と限定しています。つまり、他院で採取した検体を持ち込んで自院で検査・報告しただけのようなケースは、この文言のとおりであれば対象外になる可能性があります。院内で骨髄液を採取したケースかどうかは、算定前に確認しておきたいところですね。
算定のタイミングと注意点
みらい(新人医療事務)
算定できるタイミングにも決まりがありますか?
あおい(元・医療事務)
はい。骨髄像診断加算は「月1回に限り算定する」と留意事項通知に明記されています。同じ月に複数回骨髄像の検査を行い、複数回報告書を作成したとしても、加算として算定できるのは月1回までという整理になります。
算定タイミングの注意
骨髄像診断加算は月1回に限り算定できる加算です。同月内に複数回の骨髄像検査・報告があっても、加算分の重複算定は候補になりません。また、D005の14骨髄像の検査自体を算定していない月は、この加算も算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
併算定について、何か決まりはありますか?
あおい(元・医療事務)
今回確認できた一次資料(告示・留意事項通知)の範囲では、骨髄像診断加算そのものに固有の併算定除外規定は確認できていません。ただし、骨髄像診断加算はD026検体検査判断料の注として位置づけられているため、検体検査判断料の算定の枠組みの中で考える必要があります。具体的な併算定の可否に迷うケースは、審査支払機関へ確認するか、加算チェッカーで整理することをおすすめします。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定から何か変わったところはありますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた一次資料の範囲では、骨髄像診断加算(240点、月1回算定)について、前回改定からの点数・算定要件の変更は確認されていません(2026年7月確認・厚生労働省の告示・留意事項通知ベース)。ただし、改定のたびに告示番号や留意事項通知の該当箇所が更新されることがあるため、算定前には必ず最新の一次資料で確認してください。
改定確認の考え方
点数が変わっていなくても、施設基準や算定要件だけが変更される改定もあります。骨髄像診断加算については、今回確認した範囲で医師要件(専門知識・5年以上の経験)や院内採取の要件に変更は見当たりませんが、今後の改定の都度、告示・留意事項通知の該当箇所を確認する習慣をつけておくと安心です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちで算定候補になるか確認するには、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認するとわかりやすいです。

自院で確認する順番
- 対象患者にD005の14「骨髄像」の検査を実施しているか確認する
- 検査した骨髄液が、自院で採取されたものかどうか確認する
- 結果を報告する医師が、血液疾患に関する専門知識と5年以上の経験を有しているか確認する
- 検査結果が文書(報告書)として作成されているか確認する
- 同月内に骨髄像診断加算をすでに算定していないか確認する
みらい(新人医療事務)
この順番なら、うちのカルテと照らし合わせて確認できそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に2番目の「院内採取かどうか」と3番目の「医師の経験年数」は、レセプト上では見えにくい部分なので、カルテや検査依頼の記録を実際に確認することをおすすめします。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れやすいポイントってどんなところですか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは次のようなケースです。
取り漏れやすいケース(1) 検査だけで終わっている
D005の14骨髄像の検査を実施し、口頭で結果を伝えているだけで、文書による報告書が作成されていないケースです。告示・留意事項通知はいずれも「文書により報告した場合」「報告書を作成した場合」と明記しているため、文書化されていない場合は算定候補にならない可能性があります。
取り漏れやすいケース(2) 報告医師の要件確認を後回しにする
検査自体は院内で行われていても、実際に結果を報告する医師が血液疾患に関する専門知識・5年以上の経験を有しているかどうかを確認しないまま算定してしまうケースです。逆に、要件を満たしているのに「届出が必要な加算」と思い込んで算定候補から外してしまうケースもあります。届出の有無ではなく、医師本人の知識・経験の実態で確認しましょう。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
いくつか気になっていることを聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。順番に答えていきますね。
みらい(新人医療事務)
骨髄像診断加算は、骨髄像の検査をしていなくても算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
なりません。告示上、この加算はD005の14骨髄像の検査を行ったことが前提になっています。検査を行っていない月に加算だけを算定することは候補になりません。
みらい(新人医療事務)
他院で採取した骨髄液の検体を、うちで検査・報告した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知は「当該保険医療機関内で採取された骨髄液」と限定しているため、他院で採取された検体の場合は、この文言のとおりであれば対象外の可能性があります。心配な場合は審査支払機関に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
医師の「5年以上の経験」というのは、血液内科医としての経験のことですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知の文言は「血液疾患に関する専門の知識及び少なくとも5年以上の経験を有する医師」というもので、具体的にどの診療科の経験年数を指すかまでは、今回確認した一次資料の範囲では明記されていません。判断に迷う場合は、地方厚生局や審査支払機関に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出をしていないと算定候補にならないんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した範囲では、骨髄像診断加算に届出を求める記載はありません。ただし、医師要件や検体の院内採取要件は届出とは別に満たしておく必要があるため、届出の有無だけで判断せず、要件そのものを確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。骨髄像の検査状況や報告書の作成状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。また、同じ検査加算のカテゴリでは外来迅速検体検査加算のように、検査の実施状況が算定条件になる加算もあわせて確認しておくと安心です。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
今回の内容のもとになった資料も教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。次の一次資料をもとに整理しています。
| 資料 | 発行 | リンク |
|---|---|---|
| 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)D026検体検査判断料・D005血液形態・機能検査 | 厚生労働省 | https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf |
| 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(D026検体検査判断料) | 厚生労働省 | 当サイトが収録している一次資料(URLは訂正等で変更されているため本文では割愛) |
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。