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令和8年度最終更新 2026-07-31T04:38:00+00:00出典あり

冠攣縮誘発薬物負荷試験加算、算定候補は?確認ポイント【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

D206心臓カテーテル法による諸検査の注2加算(800点)。右心・左心カテーテル検査に当たって冠攣縮誘発薬物負荷試験を行った場合に所定点数に加算する。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

先輩、循環器内科のカルテを見ていたら「冠攣縮誘発薬物負荷試験加算」っていう聞き慣れない加算が出てきたんです。これって何の検査に付く加算なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

これはD206心臓カテーテル法による諸検査に関する加算の一つですよ。右心カテーテル検査や左心カテーテル検査を行う際に、冠攣縮誘発薬物負荷試験という検査を追加で実施した場合に、所定点数に上乗せする加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表でも同じ位置づけで設定されています。

みらい

みらい新人医療事務

冠攣縮誘発薬物負荷試験って、具体的にどんな検査なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

名前のとおり、薬物を使って冠攣縮(冠動脈のけいれん)を誘発させて反応をみる負荷試験です。心臓カテーテル法による諸検査の一連の中で、この試験を行った場合にだけ算定候補になる加算、という位置づけです。当サイトが収録している一次資料の範囲では、検査の詳しい実施方法までは記載がないので、実施手技の詳細は循環器内科の担当医にご確認くださいね。

この加算の対象・位置づけ

みらい

みらい新人医療事務

どんな医療機関が対象になるんですか? クリニックでも算定候補になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

D206心臓カテーテル法による諸検査自体は、入院・外来を問わず、心臓カテーテル検査を実施できる医療機関であれば算定候補になり得ます。当サイトの整理では、この加算は病院・診療所どちらにも紐づく形で登録されていますが、実際に心臓カテーテル検査を行える体制(循環器の専門医・カテーテル室など)が前提になる点は変わりません。

みらい

みらい新人医療事務

対象患者の縛りみたいなものはあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

一次資料の該当条文には、対象患者を限定する記載は見当たりません。D206心臓カテーテル法による諸検査(右心カテーテルまたは左心カテーテル)を実施し、その中で冠攣縮誘発薬物負荷試験を行った患者、という実施内容ベースの要件です。年齢や疾患名での限定は確認できていないので、詳しくは主治医・循環器科と一緒に確認することをおすすめします。

点数・算定の仕組み

みらい

みらい新人医療事務

肝心の点数はいくらなんですか?

あおい

あおい元・医療事務

冠攣縮誘発薬物負荷試験加算は800点です。厚生労働省の医科点数表(令和8年度)では、D206心臓カテーテル法による諸検査の「注2」として、この検査を含む9種類の追加検査に対する加算がまとめて規定されています。

D206心臓カテーテル法による諸検査 注2加算の一覧(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

他にも似たような加算がたくさんあるんですね。表にしてもらえますか?

あおい

あおい元・医療事務

もちろんです。同じ「注2」に規定されている加算を並べると、こうなります。

実施した検査・手技加算名点数(令和8年度)
卵円孔・欠損孔を通しての左心カテーテル検査卵円孔・欠損孔加算800点
経中隔左心カテーテル検査(ブロッケンブロー)ブロッケンブロー加算2,000点
伝導機能検査伝導機能検査加算400点
ヒス束心電図ヒス束心電図加算400点
診断ペーシング診断ペーシング加算400点
期外(早期)刺激法による測定・誘発試験期外刺激法加算800点
冠攣縮誘発薬物負荷試験冠攣縮誘発薬物負荷試験加算800点
冠動脈造影冠動脈造影加算1,400点
ガイドワイヤを用いた冠微小循環の評価冠微小循環評価加算150点
あおい

あおい元・医療事務

このうち冠攣縮誘発薬物負荷試験加算が今回の主役ですね。基本部分の右心カテーテル(3,600点)または左心カテーテル(4,000点)に、この800点が上乗せされる形です。

みらい

みらい新人医療事務

基本の心臓カテーテル検査そのものにも点数があるんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうなんです。D206の本体は「1 右心カテーテル 3,600点」「2 左心カテーテル 4,000点」で、冠攣縮誘発薬物負荷試験加算はあくまでその上乗せ分になります。カルテやレセプトを見るときは、本体の点数と加算の点数を分けて確認するとわかりやすいですよ。

算定単位の取り漏れに注意

D206の諸検査は「カテーテルの種類、挿入回数によらず一連として算定」する扱いです。同じ一連の検査の中で行った諸監視・血液ガス分析・心拍出量測定・造影剤使用撮影・エックス線診断などの費用は、すべて所定点数に含まれるとされています。これらを別立てで算定していないか、レセプトチェックの際に確認しておきたいポイントです。

併算定・回数制限の注意点

みらい

みらい新人医療事務

同時に色々な検査をしたときの回数制限とかってあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

はい、ここは特に注意が必要なところです。一次資料には「右心カテーテル及び左心カテーテルを同時に行った場合であっても、注1・注2・注3・注4及び注5の加算は1回のみに限られる」という規定があります。冠攣縮誘発薬物負荷試験加算は注2に含まれるので、この「1回のみ」ルールの対象になります。

みらい

みらい新人医療事務

つまり、右心と左心を両方やっても、加算はダブルで取れないってことですか?

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。同一の一連検査の中で右心カテーテルと左心カテーテルを両方実施しても、冠攣縮誘発薬物負荷試験加算を含む注1〜注5の加算はまとめて1回しか算定候補になりません。実施した検査ごとに二重で計上していないか、確認が必要です。

注3〜注6の月1回制限との違いに注意

一次資料には別途「注3・注4・注5及び注6に掲げる加算は、主たる加算を患者1人につき月1回に限り算定する」という規定もあります。ただしこちらは注3〜注6が対象で、今回の冠攣縮誘発薬物負荷試験加算(注2)を直接指定したものではありません。注2グループと注3〜6グループでは適用されるルールが異なるため、混同しないよう自院のレセプト担当者・審査支払機関に確認することをおすすめします。

施設基準・届出の確認

みらい

みらい新人医療事務

この加算を取るのに、施設基準の届出とか必要なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している登録情報の範囲では、冠攣縮誘発薬物負荷試験加算そのものに個別の施設基準・届出は設定されていません。D206心臓カテーテル法による諸検査を実施できる体制(カテーテル検査そのものの実施体制)があることが前提になります。

みらい

みらい新人医療事務

じゃあ届出なしでいきなり算定候補になるってことですか?

あおい

あおい元・医療事務

そう言い切るのは早いです。届出の要否は加算単体だけでなく、心臓カテーテル検査を行う保険医療機関としての体制・施設基準の充足状況とあわせて確認する必要があります。「届出なしで問題ない」と断定するのではなく、自院の届出状況を必ず確認したうえで判断してください。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

前回の改定から、この加算に変わったところってあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

気になるところですよね。当サイトが収録している令和8年度の一次資料を確認した限りでは、冠攣縮誘発薬物負荷試験加算の点数(800点)や、D206注2に列挙される加算の構成について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・当サイト収録の一次資料ベース)。

改定確認のポイント

点数が変わっていなくても、算定要件や併算定ルールだけが改定で見直されるケースもあります。今回のように「点数は据え置き」と見える場合でも、注1〜注6の併算定制限のような周辺ルールに変更がないか、改定のたびに一次資料で確認する習慣をつけておくと安心です。

自院で確認する順番

みらい

みらい新人医療事務

実際にうちの医療機関で算定候補になるか確認するとき、どういう順番で見ればいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

こんな流れで確認するとスムーズですよ。

自院で確認する順番

  1. D206心臓カテーテル法による諸検査(右心カテーテルまたは左心カテーテル)を実施したかを確認する
  2. その一連の検査の中で、冠攣縮誘発薬物負荷試験を実施したかをカルテ・検査記録で確認する
  3. 右心・左心カテーテルを同時に実施した場合、注1〜注5の加算をすでに他の項目で計上していないか確認する
  4. 診療録・レセプトへの記録が実施内容と一致しているかを確認する
  5. 自院の届出状況・体制を踏まえ、算定候補として整理する

自院で確認する順番(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

この順番で見ていけば、取り漏れも防げそうですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうですね。特に注2グループは9種類も加算が並んでいるので、実施した検査と加算の対応関係を1つずつ照合するのがポイントです。

よくある取り漏れ

D206本体の点数と混同していないか

冠攣縮誘発薬物負荷試験加算(800点)は、あくまでD206本体(右心カテーテル3,600点・左心カテーテル4,000点)への上乗せです。加算だけを単独で算定していたり、逆に本体点数に含めて別立てで請求していないか、レセプト作成時に確認しておきたいところです。

一連検査に含まれる費用の重複請求

諸監視・血液ガス分析・心拍出量測定・脈圧測定・肺血流量測定・透視・造影剤注入手技・造影剤使用撮影・エックス線診断の費用は、一次資料上、すべて所定点数に含まれる扱いとされています。これらを別項目で重ねて算定していないか、あわせて確認しておくと安心です。

よくある質問

みらい

みらい新人医療事務

最後に、素朴な疑問をいくつか聞いてもいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

どうぞ。

みらい

みらい新人医療事務

冠攣縮誘発薬物負荷試験を外来で実施した場合でも、この加算は算定候補になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

D206心臓カテーテル法による諸検査自体は入院・外来のどちらでも実施され得る検査です。当サイトの登録情報でも入院・外来どちらにも紐づいていますが、実際に実施したかどうか、記録が残っているかどうかが確認のポイントになります。個別の実施場面については自院の診療体制で確認してください。

みらい

みらい新人医療事務

冠動脈造影加算と一緒に算定候補になることはありますか?

あおい

あおい元・医療事務

冠動脈造影加算も同じ注2グループの加算です。同一の一連検査の中でそれぞれの検査を実施していれば、それぞれの加算が算定候補になり得ますが、右心・左心カテーテルを同時に実施した場合は注1〜注5の加算がまとめて1回のみという制限があるため、この点は必ず確認してください。

みらい

みらい新人医療事務

ありがとうございます、だいぶ整理できました。

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。実施した検査内容や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

算定要件・施設基準・届出は?

  • 算定要件

    当該検査に当たって、卵円孔又は欠損孔を通しての左心カテーテル検査、経中隔左心カテーテル検査(ブロッケンブロー)、伝導機能検査、ヒス束心電図、診断ペーシング、期外(早期)刺激法による測定・誘発試験、冠攣縮誘発薬物負荷試験、冠動脈造影又はガイドワイヤを用いた冠微小循環の評価を行った場合は、卵円孔・欠損孔加算、ブロッケンブロー加算、伝導機能検査加算、ヒス束心電図加算、診断ペーシング加算、期外刺激法加算、冠攣縮誘発薬物負荷試験加算、冠動脈造影加算又は冠微小循環評価加算として、それぞれ800点、2,000点、400点、400点、400点、800点、800点、1,400点又は150点を加算する。

  • 対象医療機関

    カテーテルの種類、挿入回数によらず一連として算定し、諸監視、血液ガス分析、心拍出量測定、脈圧測定、肺血流量測定、透視、造影剤注入手技、造影剤使用撮影及びエックス線診断の費用は、全て所定点数に含まれるものとする。

よくある質問

冠攣縮誘発薬物負荷試験加算はいくらですか?

令和8年度の医科点数表では800点です。D206心臓カテーテル法による諸検査の注2に規定される加算の一つです。

施設基準の届出は必要ですか?

当サイトが収録している範囲では、この加算単体の個別施設基準・届出は確認されていません。ただしD206心臓カテーテル法による諸検査を実施できる体制が前提になるため、自院の届出状況とあわせて確認が必要です。

右心・左心カテーテルを同時に行った場合、加算は2回取れますか?

一次資料では、右心カテーテルと左心カテーテルを同時に行った場合でも、注1〜注5の加算(冠攣縮誘発薬物負荷試験加算を含む)は1回のみに限られると規定されています。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

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