脳脊髄腔造影剤使用撮影加算とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「脳脊髄腔造影剤使用撮影加算」ってレセプトで見かけたんですけど、聞き慣れない名前で戸惑っています。
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の医科点数表では、区分番号E002「撮影」の注3として規定されている加算です。条文には「造影剤使用撮影について、脳脊髄腔造影剤使用撮影を行った場合は、脳脊髄腔造影剤使用撮影加算として、148点を所定点数に加算する」と定められています。
みらい(新人医療事務)
「脳脊髄腔」というのは、脳や脊髄のまわりの空間、という意味ですか?
あおい(元・医療事務)
条文の名称をそのまま読み解くと、脳や脊髄をとりまく空間(脳脊髄腔)に造影剤を使用してエックス線撮影を行った場合、という区分になります。診断名や具体的な手技名までは今回確認できた一次資料の範囲では記載がないので、「どのような撮影がこれに該当するか」は自院の放射線科・レセコンの設定と、レセプトの記載内容で個別に確認していただくのが確実です。
みらい(新人医療事務)
これはE002「撮影」の中の話なんですね。CTやMRIとは別なんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ここが誤解されやすいポイントです。この加算はE002「撮影」の注3として定められているので、対象になるのはE002の区分で算定する撮影です。コンピューター断層撮影(CT)やMRI撮影は別の区分番号で算定されますので、レセプト上どの区分番号で撮影を算定しているかを、まず確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
なるほど、区分番号がポイントなんですね。じゃあ次は点数を教えてください!
点数・算定コードの確認(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的に何点になるのか、まとめて確認したいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)時点の点数表をまとめると、下の表のとおりです。
| 区分 | 点数(令和8年度) | 備考 |
|---|---|---|
| E002「撮影」3 造影剤使用撮影 イ アナログ撮影 | 144点 | 基本点数 |
| E002「撮影」3 造影剤使用撮影 ロ デジタル撮影 | 154点 | 基本点数 |
| 脳脊髄腔造影剤使用撮影加算(注3) | 148点 | 上記の所定点数に加算 |
| 新生児加算(E002 注2) | 所定点数の100分の80 | 新生児が対象の場合 |
| 乳幼児加算(E002 注2) | 所定点数の100分の50 | 3歳未満の乳幼児(新生児を除く)が対象の場合 |
| 幼児加算(E002 注2) | 所定点数の100分の30 | 3歳以上6歳未満の幼児が対象の場合 |

みらい(新人医療事務)
アナログ撮影だと144点+148点で292点、デジタル撮影だと154点+148点で302点になる、という単純な足し算でいいんですか?
あおい(元・医療事務)
条文上は「所定点数に加算する」という規定なので、造影剤使用撮影の所定点数(アナログ144点・デジタル154点)に脳脊髄腔造影剤使用撮影加算148点を加えるという計算の考え方自体は条文どおりです。ただし、新生児加算などが同時に絡む場合の端数処理や計算順序は自院のレセコン設定・審査支払機関の取扱いによる部分もあるため、最終的な算定額はレセプト作成時に必ず自院で確認してください。
みらい(新人医療事務)
148点って加算としてはけっこう大きいですね。取りこぼしがないようにしたいです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただ点数の大きさだけで飛びつくのではなく、「E002の区分で、脳脊髄腔に造影剤を使用した撮影を行ったかどうか」という条件に当てはまるかを、まず確認する姿勢が大切です。
対象になるのはどんな医療機関・場面ですか?
みらい(新人医療事務)
この加算、うちみたいな診療所でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
この記事で確認した範囲の一次資料では、対象医療機関を診療所に限定するような記載は見当たりません。E002「撮影」自体は診療所・病院のどちらでも算定されうる区分ですし、外来・入院のどちらの場面でも行われうる撮影です。ただし、実際に脳脊髄腔への造影剤使用撮影を行う体制(放射線機器・読影体制など)が自院に整っているかどうかは別の話ですので、その点は個別に確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
訪問診療とか在宅の患者さんにも関係しますか?
あおい(元・医療事務)
在宅医療の場面でエックス線撮影の造影剤使用撮影を行うケースは一般的ではありませんので、在宅の場面は基本的に想定しにくい加算です。院内・入院中の放射線撮影室での実施が中心になると考えられます。
みらい(新人医療事務)
患者さんの年齢によって対象が変わったりしますか?
あおい(元・医療事務)
脳脊髄腔造影剤使用撮影加算そのものに年齢制限があるという記載は、確認した一次資料の範囲では見当たりません。ただし、先ほどの表にある新生児加算・乳幼児加算・幼児加算はE002の撮影全体に関わる別の規定として存在しますので、対象患者が新生児・乳幼児・幼児にあたる場合は、そちらの加算もあわせて確認するとよいと思います。
みらい(新人医療事務)
では次は、届出とか施設基準について教えてください。
施設基準・届出は必要ですか?
みらい(新人医療事務)
この加算、算定するのに何か特別な届出が必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
この記事で確認した一次資料の範囲では、脳脊髄腔造影剤使用撮影加算そのものについて、独立した施設基準や地方厚生局への事前届出を求める規定は確認できませんでした。E002「撮影」の注3として、条件(脳脊髄腔への造影剤使用撮影を行ったこと)を満たせば所定点数に加算する、という構成になっています。
みらい(新人医療事務)
じゃあ届出なしでも大丈夫、ってことですか?
あおい(元・医療事務)
「届出なしで問題ない」と言い切ってしまうのは避けたいところです。今回確認できた一次資料の範囲でそのような規定が見当たらなかった、というのが正確な言い方です。医療機関ごとに算定要件の運用や、地方厚生局・審査支払機関からの指導内容が異なる場合もありますので、実際に算定を検討する際は、自院の届出台帳や過去の指導内容も含めて確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
なるほど、「無いから安心」ではなく「無いことを自分でも確認する」という姿勢が大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
まさにそのとおりです。特にレントゲン設備の増設・更新のタイミングでは、施設基準に関わる届出事項が変わっていないかをあわせて確認しておくと安心です。
算定タイミング・併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
算定するときに気をつけるポイントはありますか?
あおい(元・医療事務)
大きく2つ意識してほしいポイントがあります。
算定候補として確認したいポイント(令和8年度)
① 区分番号の確認: この加算はE002「撮影」の注3です。同じ「造影剤を使った撮影」でも、コンピューター断層撮影(CT)やMRI撮影など別の区分番号で算定する検査には、この注3の加算はそのままでは当てはまりません。まずレセプト上どの区分番号で撮影を算定しているかを確認してください。 ② 算定回数の記載: 今回確認した一次資料の範囲では、脳脊髄腔造影剤使用撮影加算そのものについて、月〇回までといった明確な回数制限は確認できませんでした。「造影剤使用撮影について、脳脊髄腔造影剤使用撮影を行った場合」に加算するという規定なので、実施の都度、所定点数に加算する考え方になりますが、レセプトの記載や運用上の取扱いは自院・審査支払機関で確認してください。
みらい(新人医療事務)
新生児加算とかと一緒に算定できるパターンはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象患者が新生児・乳幼児・幼児にあたる場合、E002「撮影」全体に対して新生児加算・乳幼児加算・幼児加算(それぞれ100分の80・50・30)が別途規定されています。脳脊髄腔造影剤使用撮影加算とあわせて算定する場面が想定されますが、加算同士の計算順序や端数処理の実務的な扱いは、自院のレセコンの設定や審査支払機関の取扱いに従う部分がありますので、算定候補になりそうな場合は必ず個別に確認してください。
みらい(新人医療事務)
「たぶん大丈夫」で進めずに、確認する癖をつけたいです。
あおい(元・医療事務)
その姿勢が一番大事です。148点という決して小さくない加算だからこそ、区分番号・実施内容・レセプトの記載を照らし合わせて確認する習慣をつけてください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の令和6年度改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
今回、当サイトが確認できた厚生労働省の一次資料(令和8年度の医科点数表)の範囲では、脳脊髄腔造影剤使用撮影加算(148点、E002「撮影」注3)について、前回改定(令和6年度)からの点数や算定要件の変更を示す記載は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
「変更なし」と言い切っていいんですか?
あおい(元・医療事務)
言い切るというより、「今回確認できた資料の範囲では、変更を示す記載が見当たらなかった」というのが正確な表現です。改定のたびに個別の告示・通知を照合する必要があるので、気になる場合は最新の告示・通知を自院でもあわせて確認してみてください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの医院でこの加算が算定候補になるか確認するには、どんな順番で見ればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認していくと整理しやすいです。
自院で確認する順番
- レセプトで撮影の区分番号を確認する(E002「撮影」の区分で算定しているか)
- E002「撮影」の中でも「造影剤使用撮影」(3のイ・ロ)として算定しているかを確認する
- その撮影が脳脊髄腔への造影剤使用撮影に該当するかを、実施記録・オーダーで確認する
- 対象患者が新生児・乳幼児・幼児にあたるかを確認し、該当する場合は別建ての加算もあわせて確認する
- アナログ・デジタルどちらの撮影方式かを確認し、点数表と照合する
- 上記がすべて確認できたら、算定候補としてレセプトに反映し、最終的には自院・審査支払機関で確認する

みらい(新人医療事務)
区分番号の確認から入るのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。区分番号を取り違えると、そもそも対象外の撮影に加算をつけてしまうリスクがあるので、最初のステップとして特に大事にしてほしいところです。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある取りこぼしのパターンってありますか?
よくある取り漏れ(令和8年度)
① CT・MRIと混同してしまう: 「造影剤を使った撮影」というくくりだけで判断すると、CTやMRIの造影検査と混同しがちです。この加算はE002「撮影」の注3であることを、レセプトの区分番号で必ず確認してください。 ② アナログ・デジタルの点数を取り違える: 造影剤使用撮影の基本点数はアナログ144点・デジタル154点で異なります。撮影方式に応じた基本点数に148点を加算しているか、点検の際に見直してください。 ③ 新生児・乳幼児・幼児加算の確認漏れ: 対象患者が該当する場合、E002全体に別建ての加算(80%・50%・30%)が規定されています。脳脊髄腔造影剤使用撮影加算だけに注目して、こちらの確認を忘れるケースがあります。
みらい(新人医療事務)
「区分番号」と「撮影方式」と「患者の年齢」の3点セットで見るとよさそうですね。
あおい(元・医療事務)
まさにそのとおりです。1つずつチェックリスト的に確認していく癖をつけると、取りこぼしも過剰算定も防ぎやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが気になりそうな質問をまとめて聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。どうぞ。
みらい(新人医療事務)
Q. 脳脊髄腔造影剤使用撮影加算は、届出をしていない診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 今回確認した一次資料の範囲では、この加算そのものに独立した届出要件は確認できませんでした。ただし、他の要件(区分番号・実施内容)を満たしているかは個別確認が必要ですので、算定候補になるかどうかは自院で最終確認してください。
みらい(新人医療事務)
Q. コンピューター断層撮影(CT)で脳脊髄腔に造影剤を使用した場合も、この148点は加算できますか?
あおい(元・医療事務)
A. この加算はE002「撮影」の注3として規定されているものです。CT撮影は別の区分番号で算定されるため、同じ考え方をそのまま当てはめることはできません。CTでの算定を検討する場合は、CTの区分に関する規定を別途確認してください。
みらい(新人医療事務)
Q. 前回改定(令和6年度)から令和8年度にかけて、この加算の点数は変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
A. 今回確認できた令和8年度の一次資料の範囲では、点数(148点)や算定要件に変更を示す記載は見当たりませんでした。気になる場合は最新の告示・通知もあわせてご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。区分番号や撮影内容を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の医科点数表(区分番号E002「撮影」注3)に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。