みらい(新人医療事務)
先輩、この「間接撮影50%逓減加算」って名前、初めて見ました。「加算」ってことは点数が増えるんですよね?
あおい(元・医療事務)
そこ、誤解しやすいポイントなんです。名前に「加算」と付いていますが、これは点数が増えるものではなく、間接撮影を行ったときに写真診断料・撮影料が所定点数の100分の50(半分)に減額されるという計算ルールなんですよ。令和8年度の医科点数表でも、区分番号E001写真診断とE002撮影の両方に、この注記があります。
みらい(新人医療事務)
減る方なんですね!ということは、間接撮影をしているクリニックは注意しないと請求を多く出しすぎてしまう、ということですか?
あおい(元・医療事務)
その可能性があります。間接撮影を行った場合にこの50%相当点数で算定していないと、過剰な点数で請求してしまうリスクがあります。今日は、この逓減ルールの内容と、自院で確認すべきポイントを一緒に見ていきましょう。
この加算(逓減ルール)は何のためのもの?
みらい(新人医療事務)
そもそも「間接撮影」ってどういう撮影方法なんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料では撮影方法そのものの定義までは詳しく書かれていませんが、点数表の中では「イメージ・インテンシファイアー間接撮影装置によるエックス線撮影」という表現が出てきます。厚生労働省の留意事項通知には、次のように書かれています。
一次資料の記載(留意事項通知)
「イメージ・インテンシファイアー間接撮影装置によるエックス線撮影については、診断料及び撮影料は間接撮影の場合の所定点数により算定できる。また、同一部位に対し直接撮影を併せて行った場合は、イメージ・インテンシファイアー間接撮影装置による一連の撮影として間接撮影の場合の所定点数のみを算定する。」
あおい(元・医療事務)
つまり、間接撮影の装置を使ってエックス線撮影を行った場合は、写真診断料(E001)・撮影料(E002)ともに間接撮影用の点数(=所定点数の50%相当)で算定する、という決まりです。さらに、同じ部位に直接撮影も一緒に行った場合でも、まとめて「間接撮影の場合の所定点数」だけを算定する、とされています。
みらい(新人医療事務)
直接と間接、両方やっても二重に算定はできないってことですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。次は、区分番号E001とE002、それぞれの点数の注記を見てみましょう。
対象となる区分番号と点数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的に、どの区分番号にこのルールが付いているんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、E001写真診断とE002撮影のそれぞれに、同じ趣旨の「注」が置かれています。
点数表の記載(E001写真診断)
「注 間接撮影を行った場合は、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。」
点数表の記載(E002撮影)
「注1 間接撮影を行った場合は、所定点数の100分の50に相当する点数により算定する。」
あおい(元・医療事務)
それぞれの所定点数(100%の場合)は、こちらの表のとおりです。間接撮影のときは、この点数の50%相当で算定します。
| 区分番号 | 項目 | 所定点数(直接撮影の場合) | 間接撮影の場合の目安 |
|---|---|---|---|
| E001写真診断 | 単純撮影(頭部、胸部、腹部又は脊椎) | 85点 | 100分の50相当 |
| E001写真診断 | 単純撮影(その他) | 43点 | 100分の50相当 |
| E001写真診断 | 特殊撮影(一連につき) | 96点 | 100分の50相当 |
| E001写真診断 | 造影剤使用撮影 | 72点 | 100分の50相当 |
| E002撮影 | 単純撮影(アナログ撮影) | 60点 | 100分の50相当 |
| E002撮影 | 単純撮影(デジタル撮影) | 68点 | 100分の50相当 |
| E002撮影 | 特殊撮影・造影剤使用撮影・乳房撮影 | 各区分の所定点数 | 100分の50相当 |

みらい(新人医療事務)
表を見ると、写真診断料と撮影料の両方が半分になる、というイメージなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。写真診断料(E001)と撮影料(E002)は別々の区分ですが、間接撮影を行った場合はそれぞれに同じ「100分の50」ルールが適用される、という位置づけです。
端数処理の注意(点数計算の最後にまとめて行う)
みらい(新人医療事務)
点数を半分にすると、小数点が出ることがありますよね。85点の半分だと42.5点になりますし……。
あおい(元・医療事務)
いいところに気づきましたね。留意事項通知には、端数処理の考え方も具体的な計算例つきで示されています。
端数処理のルール(留意事項通知)
「(9) 2枚目以降100分の50で算定する場合及び間接撮影を行った場合に端数が生じる場合の端数処理は、点数計算の最後に行うものとする。例 2枚の胸部アナログエックス線間接撮影を行った場合[診断料]85点×0.5+85点×0.5×0.5=63.75点→(四捨五入)→64点[撮影料]60点×0.5+60点×0.5×0.5=45点」
あおい(元・医療事務)
この例は、間接撮影で2枚撮影した場合(間接撮影の50%と、2枚目以降の50%が重なるケース)の計算を示したものです。ポイントは、計算の途中で都度四捨五入するのではなく、最後にまとめて端数処理をする、という順序です。
みらい(新人医療事務)
途中で丸めずに、最後にまとめて四捨五入、ですね。レセプトの計算をするときに気をつけないといけないポイントですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。1枚だけ間接撮影を行った場合でも、考え方は同じで、所定点数の50%相当を計算した上で、最後に端数処理を行います。実際の点数は、資料に示された計算方法に沿ってレセコン側で確認するのが確実です。
直接撮影と間接撮影を併用したときの扱い
みらい(新人医療事務)
さっき先輩が言っていた「直接撮影も一緒にやった場合」というのも、もう少し詳しく知りたいです。
あおい(元・医療事務)
はい。留意事項通知にあるとおり、同じ部位に対して直接撮影と間接撮影(イメージ・インテンシファイアー間接撮影装置による撮影)を併せて行った場合は、まとめて「間接撮影の場合の所定点数のみ」を算定する、とされています。直接撮影分と間接撮影分を別々に足し合わせて算定する、という扱いにはなりません。
みらい(新人医療事務)
二重取りにならないよう、間接撮影の点数だけでまとめる、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。この点は算定誤りが起きやすいポイントなので、レセプトチェックの際に意識しておくとよいと思います。
基本的エックス線診断料(E004)を算定している場合の注意
みらい(新人医療事務)
入院患者さんの場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
入院が長くなっている患者さんの場合、基本的エックス線診断料(E004)という1日につきの包括点数を算定していることがあります。この場合の扱いについても、留意事項通知に記載があります。
基本的エックス線診断料を算定している場合(留意事項通知)
「(7) 単純撮影を2枚以上撮影した場合又は間接撮影を行った場合にあっても、手技料は基本的エックス線診断料に含まれ、別に算定できない。」
あおい(元・医療事務)
つまり、基本的エックス線診断料を算定している患者さんについては、間接撮影を行っても、その分を別立てで算定することはできません。すでに包括された点数に含まれる、という扱いです。この場合は、間接撮影50%逓減加算という個別の計算ルールを別途あてはめる場面ではなくなるため、対象外の可能性があるケースとして意識しておく必要があります。
みらい(新人医療事務)
「入院が長引いている患者さんかどうか」も、確認するポイントの一つなんですね。
施設基準・届出について
みらい(新人医療事務)
この逓減ルールって、施設基準の届出とか必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
今回確認した一次資料の範囲では、この間接撮影の50%逓減ルールに、施設基準の届出は定められていません。区分番号E001・E002の点数に付随する計算ルールという位置づけで、届出をして初めて使えるようになる、という性質のものではなさそうです。
みらい(新人医療事務)
届出うんぬんより、「間接撮影をしているかどうか」がポイントになるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ただし、実際の運用や解釈は医療機関ごとの撮影方法・レセコンの設定によっても変わり得るところなので、最終的には自院の届出状況や運用も含めて確認しておくと安心です。
自院で確認する順番
自院で確認する順番
- E001写真診断・E002撮影のいずれかを算定しているか確認する
- 使用している装置がイメージ・インテンシファイアー間接撮影装置など、間接撮影に該当するか確認する
- 該当する場合は所定点数の100分の50相当で算定されているか、レセコンの設定を確認する
- 端数処理が「計算の最後にまとめて四捨五入」になっているか確認する
- 基本的エックス線診断料(E004)を算定している入院患者ではないか確認する

よくある取り漏れ・請求誤りのポイント
みらい(新人医療事務)
実務でつまずきやすいところってどこですか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。整理してみますね。
間違えやすいポイント
50%にするのを忘れる: 間接撮影なのに直接撮影と同じ所定点数で算定してしまうケース 端数処理の順番: 複数枚の撮影がある場合、途中で丸めてから合算してしまい、最後にまとめて四捨五入する扱いと結果が変わってしまうケース 直接撮影と間接撮影の重複算定: 同一部位で両方行った場合に、それぞれを別々に算定してしまうケース 基本的エックス線診断料との重複: E004算定中の患者に対して、間接撮影分を別立てで算定してしまうケース
みらい(新人医療事務)
「多く取りすぎてしまう」方向のミスが多いんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。加算という名前のイメージから増点側の確認になりがちですが、実際は「減額し忘れていないか」という視点でのセルフチェックが大切です。
改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この逓減ルール、前回の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
今回、令和8年度の医科点数表・留意事項通知を確認した範囲では、E001写真診断・E002撮影における間接撮影の100分の50逓減、および端数処理(点数計算の最後にまとめて四捨五入)の考え方について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026-07・厚労省一次情報ベース)。今回の一次資料の範囲での確認であり、資料に明示のない過去の細かな変更点までは断定できない点にはご留意ください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よく聞かれそうな質問をまとめてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
いいですね。まとめてみましょう。
みらい(新人医療事務)
Q. 間接撮影50%逓減加算は、届出をしないと使えない加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
A. 今回確認した一次資料の範囲では、施設基準の届出は定められていません。区分番号E001・E002の点数に付随する計算ルールで、間接撮影を行った場合に適用される位置づけです。最終的な取り扱いは自院の届出状況・公式資料でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
Q. 直接撮影と間接撮影を同じ部位に両方行った場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 留意事項通知では、まとめて「間接撮影の場合の所定点数のみ」を算定するとされています。直接撮影分と間接撮影分を別々に合算する扱いにはなりません。
みらい(新人医療事務)
Q. 入院が長引いている患者さんにも同じルールが適用されますか?
あおい(元・医療事務)
A. 基本的エックス線診断料(E004)を算定している患者さんについては、単純撮影を2枚以上撮影した場合や間接撮影を行った場合でも、手技料は基本的エックス線診断料に含まれ、別に算定できないとされています。対象外の可能性があるケースとして確認が必要です。
関連する画像診断の加算・ルールもあわせて確認
みらい(新人医療事務)
画像診断のまわりって、ほかにも確認しておいたほうがいいルールってありますか?
あおい(元・医療事務)
はい。同じ画像診断の通則まわりでは、撮影した画像を電子化して管理・保存した場合に関わる電子画像管理加算や、時間外・休日・深夜に院内で撮影・画像診断を行った場合に関わる時間外緊急院内画像診断加算などもあります。間接撮影の逓減ルールとあわせて、自院の画像診断まわりの算定状況を一通り確認しておくとよいと思います。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが間接撮影を行っているかどうか、算定に影響するかどうか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。撮影方法や算定状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。