みらい(新人医療事務)
先輩、レセプトを見ていたら「断層撮影負荷試験加算」という項目が出てきたんですけど、これってどんな時につく加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これはE101「シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影」、いわゆるSPECT検査に負荷試験を組み合わせたときに算定候補になる加算ですよ。令和8年度(2026年度)の医科点数表でも、E101の「注3」として位置づけられています。
みらい(新人医療事務)
SPECT単体の点数とは別に、負荷試験をした分だけ上乗せされるイメージですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。厚生労働省の医科点数表(令和8年厚生労働省告示第69号)には、E101本体について「シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影(同一のラジオアイソトープを用いた一連の検査につき) 1,800点」とあり、続けて「3 負荷試験を行った場合は、負荷の種類又は測定回数にかかわらず、断層撮影負荷試験加算として、所定点数の100分の50に相当する点数を加算する。」と定められています。つまり負荷試験を行った場合は、1,800点の50パーセントにあたる900点が加算候補になります。
この加算はどんな場面で算定候補になるのか
みらい(新人医療事務)
「負荷の種類又は測定回数にかかわらず」ってどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
負荷試験にはいろいろな方法がありますが、どの方法を使っても、また測定回数が何回であっても、加算は一律900点(100分の50)という意味です。回数を重ねたからといって加算が増えるわけではない、という点は誤解しやすいので確認しておきたいところですね。
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関はどこですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算自体に医療機関の種別を限定する記載はなく、E101のSPECT検査を実施し、かつ負荷試験を行った場合に、診療所・病院を問わず、外来・入院を問わず算定候補になります。ただし在宅で行う検査ではないため、在宅診療の場面は対象になりません。実際にE101を実施できる体制(核医学検査の設備・読影体制など)があることが前提です。
| 区分 | 算定候補になり得るか |
|---|---|
| 診療所 | 算定候補(E101実施体制がある場合) |
| 病院 | 算定候補(E101実施体制がある場合) |
| 外来 | 算定候補 |
| 入院 | 算定候補 |
| 在宅療養 | 対象外の可能性(E101は施設内検査) |
見落としやすいポイント
加算対象はE101のみ: この加算は令和8年度の医科点数表上、E101(シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影)に限って規定されています。ポジトロン断層撮影(E101-2以降)とは区分番号が異なるため、混同しないよう確認が必要です。 回数を重ねても加算は増えない: 負荷試験を複数回行っても、加算額は一律900点のままです。
点数の構成を整理する
みらい(新人医療事務)
点数の内訳、もう一度整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい。E101には注1から注4まであり、それぞれ独立した加算です。負荷試験加算(注3)はこのうちのひとつという位置づけになります。
| 項目 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| E101 シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影(本体) | 1,800点 | 一連の検査につき |
| 注1 甲状腺ラジオアイソトープ摂取率測定加算 | 100点 | 甲状腺シンチグラム検査で摂取率を測定した場合 |
| 注2 新生児加算・乳幼児加算・幼児加算 | 所定点数の100分の80・50・30 | 対象年齢の患者に断層撮影を行った場合 |
| 注3 断層撮影負荷試験加算 | 所定点数の100分の50(900点) | 負荷試験を行った場合 |
みらい(新人医療事務)
注1の甲状腺ラジオアイソトープ摂取率測定加算と同時に算定することはできるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には「『注3』の加算における所定点数とは、『注1』及び『注2』の加算を含まない点数である」と明記されています。つまり注3の900点は、あくまでE101本体の1,800点を基準に計算するもので、注1や注2の点数を土台に上乗せするものではありません。要件を満たせば注1・注3をそれぞれ別に算定候補として確認する、という整理になります。関連する甲状腺ラジオアイソトープ摂取率測定加算の記事もあわせて確認しておくと理解しやすいと思います。

施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出とか、何か事前に出しておく書類ってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この断層撮影負荷試験加算そのものに専用の施設基準や届出は定められていません。E101本体を実施できる体制があり、実際に負荷試験を行ったという事実(診療録・レセプトへの記録)があれば算定候補になる、という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
届出が要らないなら、あまり気にしなくても大丈夫そうですね。
あおい(元・医療事務)
届出が不要だからといって、確認が要らないわけではありません。負荷試験を実施した記録がカルテに残っているか、E101本体の算定要件(同一のラジオアイソトープを用いた一連の検査であること等)を満たしているかは、レセプト点検の際に必ず確認したいところです。
届出不要でも確認したいこと
届出が不要な加算でも、負荷試験を実施した事実と、その記録(負荷の方法・実施日など)が診療録に残っているかどうかは、算定候補にする前に必ず確認してください。記録が不十分だと、審査支払機関から確認を求められる可能性があります。
算定のタイミングと併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
同じ月に何回も検査したら、その分だけ加算も増えるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
そこは注意が必要なところです。E101とは別に「核医学診断料」という区分(E102)があり、留意事項通知では「核医学診断料は、実施した『E100』から『E101-5』までに掲げる各区分の種類又は回数にかかわらず、月1回の算定」と定められています。断層撮影負荷試験加算そのものはE101の「注」なので撮影の都度の考え方に近いですが、診断料側は月1回という制限があるため、同じ月に複数回検査をしても、核医学診断料(E102)は重複して算定できません。
みらい(新人医療事務)
加算(撮影側)と診断料(E102側)は別物として考えるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。医科点数表のE102核医学診断の項目では、ポジトロン断層撮影等の場合は450点、それ以外(E100・E101等)の場合は370点で、「行った核医学診断の種類又は回数にかかわらず、月1回に限り算定できる」とされています。断層撮影負荷試験加算(撮影料側の加算)と核医学診断料(診断料側)は区分番号も算定の考え方も異なるので、レセプトを組み立てる際は両方を混同しないように確認しておきたいところです。
併算定を確認するときの視点
撮影料側(E101とその注): 負荷試験を行った一連の検査につき、注3として900点(100分の50)が加算候補になります。 診断料側(E102核医学診断): 実施した核医学診断の種類・回数にかかわらず、月1回のみが算定候補になります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定から何か変わったところってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
断層撮影負荷試験加算そのものは、E101本体に付随する「注3」という古くからある加算の仕組みで、負荷の種類や回数にかかわらず所定点数の100分の50を加算するという計算方法自体は、点数表の構成として長く維持されてきた仕組みです。ただし、当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和6年度と令和8年度のE101関連条文を直接比較できる資料までは確認できていません。
みらい(新人医療事務)
つまり「変わっていない」とは言い切れないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ここは正直にお伝えしたいのですが、前回改定(令和6年度)からの変更点は、当サイトが確認できる一次資料の範囲では確認されていません(2026年7月時点)。E101本体の点数や注3の計算方法(100分の50)に変更があったかどうかは、厚生労働省が公表している「個別改定項目について」など最新の一次資料でも改めて確認していただくことをおすすめします。
前回改定との対比イメージ
令和6年度(2024年度)改定時点: 当サイトの一次資料の範囲では比較データを確認できていません。 令和8年度(2026年度)改定後: E101本体1,800点+注3加算900点(100分の50)という構成を、厚生労働省の医科点数表・留意事項通知で確認しています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックで確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
一緒に整理してみましょう。
自院で確認する順番
- E101(シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影)を実施したかどうかを確認する
- その検査の中で負荷試験を行ったかどうか、診療録に記録があるかを確認する
- 負荷試験の種類や測定回数を問わず、加算は所定点数の100分の50(900点)であることを確認する
- 注1(甲状腺ラジオアイソトープ摂取率測定加算)・注2(新生児・乳幼児・幼児加算)と重複して算定していないか、留意事項通知の考え方に沿って点検する
- 同一月の核医学診断料(E102)を重複算定していないか確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
レセプトのチェックでよくある見落としってどんなものがありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか挙げてみますね。
よくある取り漏れ例
負荷試験を実施したのに加算を付け忘れる: E101本体だけを算定し、負荷試験を行った記録があるのに注3の加算を確認していないケースです。 注1・注2との関係を誤解する: 注3の所定点数(1,800点)には注1・注2の加算分を含めない、という留意事項通知の考え方を確認せずに計算してしまうケースです。 月内の重複確認を忘れる: 核医学診断料(E102)は月1回のみという制限を見落として、複数回分を算定候補にしてしまうケースです。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
負荷試験の種類によって加算の点数が変わることはありますか?
あおい(元・医療事務)
医科点数表では「負荷の種類又は測定回数にかかわらず」と明記されているので、種類や回数によって点数が変わることはなく、一律900点(100分の50)という扱いになります。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出をしていない診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算専用の施設基準・届出は定められていません。ただしE101本体を実施できる体制があることが前提ですので、その点は自院の体制と合わせて確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から点数は変わっていますか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えすると、当サイトが確認できる一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの変更点は確認されていません。念のため最新の厚生労働省資料でも確認しておくと安心です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。