みらい(新人医療事務)
先生、「療養生活環境整備支援加算」っていう名前の加算を見つけたんですけど、これって何のための加算なんですか? うちのクリニックでも算定候補になるのか気になっています。
あおい(元・医療事務)
これは精神科の外来でよく出てくる加算ですね。正式には、精神科継続外来支援・指導料(I002-2)の注3に規定されている加算です。医師の支援に加えて、医師の指示のもとで保健師・看護師・作業療法士・精神保健福祉士が、患者さんやご家族に対して療養生活環境を整備するための支援を行った場合に、所定点数へ40点を加算するものです。令和8年度(2026年度)の点数表に基づく内容としてお話ししますね。
みらい(新人医療事務)
精神科継続外来支援・指導料って、そもそもどんな点数なんですか?
あおい(元・医療事務)
精神科継続外来支援・指導料(I002-2)は「1日につき」55点の点数です。算定の基本条件は、入院中の患者さん以外について、精神科を担当する医師が、患者さんやご家族に対して病状・服薬状況・副作用の有無等の確認を主とした支援を行った場合に、患者1人につき1日に1回に限り算定できる、というものです。今日お話しする療養生活環境整備支援加算は、この55点に上乗せする形の加算です。
この加算は何のための加算か
みらい(新人医療事務)
「療養生活環境整備支援」って、具体的にはどんな支援を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料の条文では、こう書かれています。「医師による支援と併せて、精神科を担当する医師の指示の下、保健師、看護師、作業療法士又は精神保健福祉士が、患者又はその家族等に対して、療養生活環境を整備するための支援を行った場合は、40点を所定点数に加算する。」つまり、医師だけの診察・支援では足りず、医師の支援に加えて、看護師さんや作業療法士さん、精神保健福祉士さんといった多職種が、患者さんの療養生活の環境を整えるための支援を実際に行った場合に、初めて算定候補になる仕組みです。
みらい(新人医療事務)
「療養生活環境を整備するための支援」って、もう少し具体的に決まっているんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
そこは重要な確認ポイントで、当サイトが収録している一次資料の範囲では、具体的な支援内容(例えば面談の頻度や記録の様式など)までは明記されていません。条文にあるのは「患者又はその家族等に対して、療養生活環境を整備するための支援を行った場合」という要件だけです。ですので、具体的にどこまでの支援が該当するかは、自院の運用と照らし合わせて確認することをおすすめします。資料に書かれていない具体的な支援内容を勝手に補って判断しないほうが安全です。

対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
うちみたいな診療所でも対象になりますか? それとも病院じゃないとダメなんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の整理では、対象は「診療所・病院・外来」とされています。診療所・病院のどちらも対象になり得る、外来を中心とした加算ということですね。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者さんは対象外なんですか?
あおい(元・医療事務)
そうですね。土台となる精神科継続外来支援・指導料(I002-2)の注1には、次のように書かれています。「入院中の患者以外の患者について、精神科を担当する医師が、患者又はその家族等に対して、病状、服薬状況及び副作用の有無等の確認を主とした支援を行った場合に、患者1人につき1日に1回に限り算定する。」この加算はI002-2の上乗せなので、入院中の患者さんは対象外の可能性が高いです。また、当サイトの整理では在宅(訪問診療)を主眼にした加算ではなく、外来を前提とした加算に位置づけています。訪問診療中心の患者さんへの適用は、自院の診療形態と照らして要確認と考えてください。
対象患者のチェックポイント
入院中でないか: 入院中の患者は対象外の可能性です。 外来(通院)が前提か: 在宅医療中心の患者は要確認です。 精神科の医師が関わっているか: 「精神科を担当する医師」の指示が条件です。
点数・算定の仕組み
みらい(新人医療事務)
点数の関係を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
テーブルにまとめますね。
| 項目 | 点数 | 算定単位 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 精神科継続外来支援・指導料(I002-2) | 55点 | 1日につき | 医科点数表 I002-2 |
| 療養生活環境整備支援加算(注3) | +40点 | 所定点数に加算 | 医科点数表 I002-2 注3 |
みらい(新人医療事務)
55点と40点を単純に足していいんですか?
あおい(元・医療事務)
考え方としては「土台の55点に40点を加算する」という構造ですが、40点が加算されるのは、医師の支援に加えて保健師等による療養生活環境整備の支援が実際に行われた場合だけです。単に精神科継続外来支援・指導料を算定しただけでは、この加算は算定候補になりません。あくまで条件を満たした場合の上乗せという理解にしてくださいね。
算定回数の考え方
本加算固有の併算定除外規定は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。ただし土台となるI002-2自体に「患者1人につき1日に1回に限り算定する」という回数制限があるため、本加算もその範囲に含まれると考えられます。実際の算定可否・回数の扱いは、自院のレセプト担当者や審査支払機関にご確認ください。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、「届出: 不要」と整理されています。特別な施設基準の届出を要件とする加算ではない、という位置づけですね。ただし、これは当サイトの整理に基づく情報なので、最終的には自院の届出状況や公式資料で確認することをおすすめします。届出が不要だからといって、算定要件そのものを満たしているかどうかは別の話ですから、そこは切り分けて考えてくださいね。
みらい(新人医療事務)
なるほど、届出は要らなくても、支援の中身の要件はちゃんと満たさないといけないんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。届出の有無と算定要件の充足は別物です。届出が不要でも、「医師の支援+多職種の支援」という要件を満たしていなければ算定候補にはなりません。
算定タイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
まず、医師による支援がベースにあることが前提です。そのうえで、保健師・看護師・作業療法士・精神保健福祉士のいずれかが、患者さんやご家族に対して療養生活環境を整備するための支援を実際に行った日に算定候補になります。医師の支援だけでは40点の加算は算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
記録は残しておいたほうがいいですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料には本加算固有の記録様式までは明記されていませんが、精神科の診療報酬全般で診療録への記載が重視される傾向があるのは確かです。「誰が」「どのような支援を」行ったかを診療録に残しておくと、後から算定根拠を説明しやすくなります。ここは自院の運用ルールと合わせて整えておくとよいと思います。
似た名前の加算との混同に注意
精神科の加算には「療養生活継続支援加算」という、とてもよく似た名前の加算があります。これは通院・在宅精神療法(I002)の注8に規定されている別の加算で、条文はこうなっています。
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、重点的な支援を要する患者に対して、精神科を担当する医師の指示の下、保健師、看護師又は精神保健福祉士が、当該患者が地域生活を継続するための面接及び関係機関との連絡調整を行った場合に、療養生活継続支援加算として、次に掲げる区分に従い、初回算定日の属する月から起算して1年を限度として、月1回に限り、いずれかを所定点数に加算する。
「療養生活環境整備支援加算」(I002-2注3・40点・届出不要)と「療養生活継続支援加算」(I002注8・届出必要・重点的な支援を要する患者向け)は、土台となる点数も届出の要否も対象患者も異なる別の加算です。名前が似ているため、レセプト確認の際は取り違えないよう注意してください。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの変更点について、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません(確認日: 2026年8月)。点数・算定要件ともに、現時点で収録している資料からは変更の記載を見つけられていない状態です。もし今後、告示や通知の改正が確認された場合は、その都度この記事も更新していきます。
改定差分の確認スタンス
「変更なし」と判断する際は、点数だけでなく施設基準・対象患者・記録要件までを一次資料で照合する必要があります。現時点では該当する改定差分の一次資料が見当たらないため、「確認されていません」という表現にとどめています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの外来で算定候補になるか、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で見ていくとわかりやすいです。
自院で確認する順番
- 対象の患者さんが「入院中の患者以外」(外来通院中)であるかを確認する
- 精神科を担当する医師による支援(病状・服薬状況・副作用の確認など)が行われているかを確認する
- その支援に加えて、保健師・看護師・作業療法士・精神保健福祉士のいずれかが、療養生活環境を整備するための支援を実際に行ったかを確認する
- 支援の内容と担当者を診療録に記録しているかを確認する
- 精神科継続外来支援・指導料(I002-2)自体の算定回数(1日1回)の範囲内であるかを確認する

みらい(新人医療事務)
この順番で確認していけば、算定候補かどうかの見当がつきそうですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ただし、これはあくまで一次資料に基づく確認の目安です。最終的な算定可否の判断は、自院の診療内容や届出状況、審査支払機関の判断によって変わり得ることは覚えておいてくださいね。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
算定を取りこぼしがちなパターンってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは次のようなケースです。
よくある取り漏れ
多職種の関与を記録していない: 医師の診察は記録していても、保健師や看護師など多職種の支援内容を診療録に残していないと、後から算定根拠を説明しにくくなります。 医師の支援だけで算定してしまう: 医師の支援のみで、多職種による療養生活環境整備の支援が実際には行われていないのに、この加算を算定候補として扱ってしまうケース。 似た名前の加算と混同する: 前述の「療養生活継続支援加算」(I002注8)と取り違え、届出の要否や対象患者を誤認してしまうケース。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
いくつか気になっていることを質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。順番に答えていきますね。
みらい(新人医療事務)
この加算は医師だけで算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ。条文上は「医師による支援と併せて」多職種の支援が行われた場合の加算なので、医師の支援だけでは算定候補になりません。保健師・看護師・作業療法士・精神保健福祉士のいずれかによる支援が実際に行われていることが前提です。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、届出は不要と整理されています。ただし、これは自院の状況によって解釈が変わる可能性もあるため、最終的には公式資料や審査支払機関でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
入院患者にも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
土台となる精神科継続外来支援・指導料(I002-2)自体が「入院中の患者以外」を対象としているため、入院中の患者は対象外の可能性が高いです。
みらい(新人医療事務)
「療養生活継続支援加算」と同じものですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、別の加算です。名前は似ていますが、療養生活継続支援加算は通院・在宅精神療法(I002)の注8に規定されている、届出が必要な別の加算です。土台の点数も対象患者も異なりますので、混同しないよう注意してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。