みらい(新人医療事務)
精神科オンライン在宅管理料という名前を見つけたんですが、これって何のための加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これは精神科在宅患者支援管理料(I016)の注5に規定されている加算です。精神科在宅患者支援管理料を算定している患者さんに対して、訪問診療とは別の時間帯に情報通信機器を用いた診察による医学管理を行った場合に、100点を所定点数に加えて算定できる仕組みです。
みらい(新人医療事務)
つまり、単独では算定できなくて、精神科在宅患者支援管理料とセットになっているんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。厚生労働省の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)ではこう定められています。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、情報通信機器を用いた診察(訪問診療と同時に行う場合を除く。)による医学管理を行っている場合に、精神科オンライン在宅管理料として、100点を所定点数に加えて算定できる。」
みらい(新人医療事務)
「訪問診療と同時に行う場合を除く」というのは、どういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
訪問診療と同じ時間帯に行うオンライン診療は対象外、という意味です。訪問診療を実施した時間帯以外の時間帯に行う情報通信機器を用いた医学管理が算定候補になる、と留意事項通知に書かれています。この時間帯の切り分けは取り違えやすいので、後の章で詳しく確認していきましょう。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関や患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象医療機関は、精神科在宅患者支援管理料の施設基準に適合し、地方厚生局長等に届け出た診療所・病院です。在宅(訪問診療)に対応していることが前提になります。
みらい(新人医療事務)
患者さんの方はどうですか?
あおい(元・医療事務)
精神科在宅患者支援管理料1・2・3のいずれかを算定している患者さんが土台になります。告示の注1にはこう書かれています。「1については、在宅で療養を行っている通院が困難な患者に対して、当該保険医療機関(別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出たものに限る。)の精神科の医師等が、当該患者又はその家族等の同意を得て、計画的な医学管理の下に、定期的な訪問診療又は訪問診療及び訪問看護を行っている場合(イについては週2回以上、ロについては月2回以上行っている場合に限る。)に、単一建物診療患者の人数に従い、初回算定日の属する月を含めて6月を限度として、月1回に限り算定する。」
みらい(新人医療事務)
まず精神科在宅患者支援管理料の対象患者であることが前提なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。その上で、訪問診療と情報通信機器を用いた診療を組み合わせた在宅診療計画を作成し、患者さんの同意を得ていることが精神科オンライン在宅管理料の追加の条件になります。基礎となる管理料については精神科在宅患者支援管理料(I016)の記事でも整理していますので、あわせて確認してみてください。
点数の整理(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はどう整理すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
テーブルにまとめますね。
| 項目 | 点数 | 算定単位 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 精神科在宅患者支援管理料(基礎) | 区分・単一建物診療患者数により変動 | 月1回 | I016本体の点数区分による |
| 精神科オンライン在宅管理料(本加算) | 100点 | 精神科在宅患者支援管理料の所定点数に加算 | 単独では算定不可 |
点数は上乗せ分のみ
精神科オンライン在宅管理料の100点は、精神科在宅患者支援管理料の所定点数に上乗せする加算です。基礎点数の区分(管理料1〜3、単一建物診療患者数)によって合計点数は変わるため、まず基礎点数の区分を確認したうえで加算候補かどうかを見ていく順番になります。
算定要件(情報通信機器を用いた診療のルール)
みらい(新人医療事務)
オンライン診療の部分について、具体的にどんなルールがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(令和8年3月5日保医発0305第6号)に細かく列挙されています。まず計画と同意についてです。「精神科オンライン在宅管理料は、訪問診療と情報通信機器を用いた診療を組み合わせた在宅診療計画を作成し、当該計画に基づいて、情報通信機器を用いた診療による計画的な療養上の医学管理を行うことを評価したものであり、訪問診療を実施した時間帯以外の時間帯に情報通信機器を用いた診療による医学管理を実施した場合に算定できる。」続けて「患者の同意を得た上で、訪問診療と情報通信機器を用いた診療を組み合わせた在宅診療計画を作成すること。当該計画の中には、患者の急変時における対応等も記載すること。」とされています。
みらい(新人医療事務)
計画書と同意が必要なんですね。診療録への記載はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
これも決められています。「当該計画に沿って、情報通信機器を用いた診療による計画的な療養上の医学管理を行った際には、当該管理の内容、当該管理に係る情報通信機器を用いた診療を行った日、診察時間等の要点を診療録に記載すること。」と留意事項通知に明記されています。
みらい(新人医療事務)
診療する医師は誰でもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
原則として、精神科在宅患者支援管理料を算定する際に診療している医師と同一の医師に限られます。留意事項通知には「情報通信機器を用いた診療による計画的な療養上の医学管理を行う医師は、精神科在宅患者支援管理料を算定する際に診療を行う医師と同一のものに限る。ただし、在宅診療を行う医師が同一の保険医療機関に所属するチームで診療を行っている場合であって、あらかじめ診療を行う医師について在宅診療計画に記載し、複数医師が診療を行うことについて患者の同意を得ている場合に限り、事前の対面診療を行っていない医師が情報通信機器を用いた診療による医学管理を行っても差し支えない。」とあり、チーム診療の例外規定もあります。
みらい(新人医療事務)
診察の仕方そのものにもルールがあるんですね。
あおい(元・医療事務)
あります。「情報通信機器を用いた診療を行う際には、オンライン指針及びオンライン精神療法指針に沿って診察を行うこと。」とされていて、オンライン指針とオンライン精神療法指針に沿うことが求められています。
みらい(新人医療事務)
実施する場所についても決まりがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。原則は院内での実施ですが、院外でも要件を満たせば認められています。「情報通信機器を用いた診療による計画的な療養上の医学管理は、原則として、保険医療機関に所属する保険医が保険医療機関内で実施すること。なお、保険医療機関外で情報通信機器を用いた診療を実施する場合であっても、オンライン指針に沿った適切な診療が行われるものであり、情報通信機器を用いた診療を実施した場所については、事後的に確認可能な場所であること。」と留意事項通知に定められています。

併算定の注意点(要確認ポイント)
みらい(新人医療事務)
併算定で気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
ここは取り漏れ・算定誤りの両方が起きやすい部分なので、丁寧に確認しましょう。まず同一時間帯の訪問看護についてです。留意事項通知には「同一の患者について、情報通信機器を用いた診療による医学管理を実施した同一時間帯に連携する訪問看護ステーションが訪問看護基本療養費又は精神科訪問看護基本療養費を算定した場合、精神科オンライン在宅管理料は算定できない。」とあります。
みらい(新人医療事務)
同じ時間帯に訪問看護が入っていると算定できないんですね。同じ日ならどうですか?
あおい(元・医療事務)
同日の併算定には、さらに広い除外リストがあります。「同一の患者について、情報通信機器を用いた診療による医学管理を実施した日に、「C000」往診料、「C001」在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、「C001-2」在宅患者訪問診療料(Ⅱ)、「C005」在宅患者訪問看護・指導料、「C005-1-2」同一建物居住者訪問看護・指導料、「C006」在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料、「C008」在宅患者訪問薬剤管理指導料、「C009」在宅患者訪問栄養食事指導料又は「I012」精神科訪問看護・指導料を算定した場合、精神科オンライン在宅管理料は算定できない。」と留意事項通知に明記されています。
みらい(新人医療事務)
精神科訪問看護・指導料も同日は算定できないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、そこは見落としやすいので必ず確認してください。実施場所と同時対応にも制限があります。「当該管理料を算定する場合、情報通信機器を用いた診療を受ける患者は、当該患者の自宅において情報通信機器を用いた診療を受ける必要がある。また、複数の患者に対して同時に情報通信機器を用いた診療を行った場合は、当該管理料は算定できない。」とされています。
みらい(新人医療事務)
患者さんが自宅にいないと算定できない、複数の患者さんを同時に診てもいけない、ということですね。機材にかかる費用はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
運用にかかる費用は、療養の給付と直接関係ないサービスの費用として別途徴収できるとされています。「当該診察を行う際の情報通信機器の運用に要する費用については、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として別途徴収できる。」と留意事項通知に規定されています。
除外項目は同日単位・同一時間帯単位が混在
併算定除外には「同一時間帯」で判定するもの(連携する訪問看護ステーションの訪問看護基本療養費等)と、「同日」で判定するもの(往診料・訪問診療料・訪問看護指導料等)が混在しています。レセプト作成時は日付だけでなく実施時間帯もあわせて確認する運用が候補になります。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準はどう確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
精神科オンライン在宅管理料は「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが前提です。当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算固有の施設基準の詳細条項までは確認できていないため、届出の可否や必要書類は地方厚生局・施設基準に関する告示で確認が必要です。
確認が必要な届出関連の書類
精神科在宅患者支援管理料そのものの届出が前提になるため、まだ精神科在宅患者支援管理料の届出をしていない医療機関は、そちらの施設基準から確認する必要があります。オンライン加算部分の追加届出の要否も、地方厚生局への確認が候補になります。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定ではどうだったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和6年度時点の点数表に精神科オンライン在宅管理料に相当する記載を確認できていません。令和8年度(2026年度)改定でオンライン診療の活用範囲が整理された可能性はありますが、「新設」であることを明言した一次資料の文言までは確認できていないため、断定はできません。正確な改定経緯は、厚生労働省の個別改定項目資料でご確認ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院で確認するとしたら、どんな順番がいいですか?
あおい(元・医療事務)
フローにしてみますね。
自院で確認する順番
- 精神科在宅患者支援管理料(管理料1・2・3のいずれか)の届出と算定実績があるか確認する
- 訪問診療と情報通信機器を用いた診療を組み合わせた在宅診療計画を作成し、患者の同意を得ているか確認する
- 診療を行う医師が、精神科在宅患者支援管理料を算定する際の医師と同一か(チーム診療の例外要件を満たすか)確認する
- オンライン指針・オンライン精神療法指針に沿った診察体制になっているか確認する
- 同一時間帯・同日の併算定除外(訪問看護基本療養費、往診料、訪問診療料、精神科訪問看護・指導料等)に該当していないか確認する
- 算定候補として、施設基準の届出内容を地方厚生局に確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは、訪問診療と同じ時間帯のオンライン診療を算定してしまうケースと、連携する訪問看護ステーションの訪問看護基本療養費と同一時間帯に重ねてしまうケースです。
よくある確認漏れ
訪問診療と同時算定: 「訪問診療と同時に行う場合を除く」と告示に明記されているため、訪問診療の実施時間帯とオンライン診療の実施時間帯が重ならないことを確認する必要があります。 同日の訪問看護・指導料との重複: 精神科訪問看護・指導料(I012)を同日に算定していないか、レセプト作成前に確認する必要があります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問させてください。精神科在宅患者支援管理料を算定していない患者にも使えますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注5は精神科在宅患者支援管理料の所定点数に加える加算として規定されているため、基礎となる精神科在宅患者支援管理料を算定していない患者では算定候補になりません。まず基礎の管理料の対象患者であるかどうかの確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
オンライン診療をした月に訪問診療をしていなくても大丈夫ですか?
あおい(元・医療事務)
精神科在宅患者支援管理料自体が月1回以上の訪問診療を前提とした管理料のため、その月の訪問診療の実施状況とあわせて確認が必要です。訪問診療を実施した時間帯以外の時間帯に行う医学管理が対象とされている点も踏まえ、自院の記録で確認してください。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出はどこに出せばいいんですか?
あおい(元・医療事務)
地方厚生局長等への届出になります。精神科在宅患者支援管理料の届出状況とあわせて、必要書類は地方厚生局に確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。