みらい(新人医療事務)
あおいさん、「重度喘息患者治療管理加算」ってカルテで見かけたんですけど、これって普通の喘息治療管理料と何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。これは喘息治療管理料(B001の16)のイに規定されている「注2」の加算です。喘息治療管理料イを算定している患者さんのうち、症状が重い方に対してより手厚い管理を行った場合に、上乗せで算定する仕組みになっています。単独では算定せず、あくまで加算だという位置づけをまず押さえておくとわかりやすいです。
みらい(新人医療事務)
なるほど、土台になる喘息治療管理料があって、その上に乗る加算なんですね。年度はいつのお話ですか?
あおい(元・医療事務)
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいて整理しています。年度によって点数や要件が変わることがあるので、必ず年度を確認しながら読んでくださいね。
対象になる患者と医療機関
みらい(新人医療事務)
じゃあ、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知では、対象をこう定めています。「注2に規定する加算については、当該加算を算定する前1年間において、中等度以上の発作による当該保険医療機関への緊急外来受診回数が3回以上あり、在宅での療養中である20歳以上の重度喘息患者を対象とし」とされています。つまり、20歳以上で、過去1年間に中等度以上の発作による緊急受診がその医療機関で3回以上ある、在宅療養中の重度喘息患者さんが対象になる、という整理です。
みらい(新人医療事務)
「緊急受診」ってどんな受診でもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこも告示に条件があって、「区分番号A000に掲げる初診料の注7、区分番号A001に掲げる再診料の注5又は区分番号A002に掲げる外来診療料の注8に規定する加算を算定したものに限る」とされています。つまり、初診料・再診料・外来診療料の該当する注の加算を算定した緊急受診に限られる、という条件です。ここは実際のレセプトで確認が必要なポイントですね。
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関は病院でも診療所でもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、施設基準に適合して届出をしていれば、病院・診療所どちらも算定候補になり得ます。ただし対象は在宅療養中の外来患者とされているため、入院中の患者さんは対象外の可能性が高いです。自院の患者さんが算定候補になるかどうかは、届出の有無と要件充足の両方を確認する必要があります。
点数の整理(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数はどうなっているんですか?
あおい(元・医療事務)
土台の喘息治療管理料イと、上乗せの加算を分けて考えるとわかりやすいです。表にまとめますね。
| 区分 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| 喘息治療管理料イ(1月目) | 75点 | 基本点数。加算とは別に算定 |
| 喘息治療管理料イ(2月目以降) | 25点 | 基本点数 |
| 重度喘息患者治療管理加算(1月目) | 2,525点 | 注2加算。要件を満たす場合に上乗せ |
| 重度喘息患者治療管理加算(2月目以降6月目まで) | 1,975点 | 注2加算。最長6か月 |

あおい(元・医療事務)
告示の原文では「重度喘息患者治療管理加算として、次に掲げる点数を月1回に限り加算する。イ 1月目 2,525点 ロ 2月目以降6月目まで 1,975点」とされています。月1回限りという回数制限が明記されている点は重要です。
みらい(新人医療事務)
「2月目以降6月目まで」ってことは、7か月目以降はもう算定候補にならないんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「初回の所定点数を算定する月(暦月)から連続した6か月について、必要な治療管理を行った場合に月1回に限り算定すること」とされています。つまり、初回算定月を1か月目として数えて連続6か月が対象という整理です。7か月目以降が算定候補になるかどうかは、この期間の考え方にもとづいて自院で確認が必要です。
喘息治療管理料には1と2がある。混同注意
喘息治療管理料には、イ(喘息治療管理料1)とロ(喘息治療管理料2)があります。重度喘息患者治療管理加算は、イ(喘息治療管理料1)の注2に規定される加算です。ロ(喘息治療管理料2)には別に注3があり、「ロについては、入院中の患者以外の喘息の患者(6歳未満又は65歳以上のものに限る。)であって、吸入ステロイド薬を服用する際に吸入補助器具を必要とするものに対して、吸入補助器具を用いた服薬指導等を行った場合」の加算が規定されています。名称も対象年齢も似て見えるため、レセプト入力の際はどちらの区分・どちらの注にもとづく加算かを取り違えないよう確認してください。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準はどうなっているんですか?
あおい(元・医療事務)
告示には「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において」算定する仕組みが定められています。つまり、届出が必要な加算だということは一次資料からはっきり確認できます。ただし、当サイトが収録している一次資料の範囲では、施設基準の具体的な内容(人員配置や設備の詳細な基準値など)を示す個別の告示文書までは確認できていません。届出可否や基準充足の判断は、地方厚生局への届出書類や施設基準に関する告示の原本で確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
何か備えておくべき機械や器具はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
喘息治療管理料を算定する保険医療機関に共通する留意事項として、次のような機械・器具を備えることが求められています。酸素吸入設備、気管挿管又は気管切開の器具、レスピレーター、気道内分泌物吸引装置、動脈血ガス分析装置(常時実施できる状態にあるもの)、スパイロメトリー用装置(常時実施できる状態にあるもの)、胸部エックス線撮影装置(常時実施できる状態にあるもの)です。これらの機械・器具を備えた別の保険医療機関と常時連携体制をとっている場合は、その旨を患者に文書で説明することを条件に、一部の器具で足りるとされています。
施設基準の充足は自院で確認
届出の有無や機械・器具の整備状況、人員体制が施設基準を満たしているかどうかは、当サイトのAIや記事では判定できません。あくまで「確認が必要な項目」として整理していますので、最終的な適合判断は自院の届出書類と地方厚生局への確認で行ってください。
算定要件(治療計画・週1回の計測)
みらい(新人医療事務)
届出だけでなく、実際の診療でもやることがあるんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい。告示では「治療計画を策定する際に、日常の服薬方法、急性増悪時における対応方法について、その指導内容を文書により交付し、週1回以上ピークフローメーターに加え一秒量等計測器を用い、検査値等を報告させた上で管理した場合に」加算する、と定められています。文書交付と、週1回以上の計測・報告という2つの行為がセットになっているのがポイントです。
みらい(新人医療事務)
器具は病院が用意するんですか、それとも患者さんが自分で使うものなんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には「当該加算を算定する場合、ピークフローメーター、一秒量等計測器及びスパイロメーターを患者に提供するとともに、ピークフローメーター、一秒量等計測器及びスパイロメーターの適切な使用方法、日常の服薬方法及び増悪時の対応方法を含む治療計画を作成し、その指導内容を文書で交付すること」とされています。つまり、器具は患者さんに提供したうえで、使用方法や服薬方法、増悪時対応を含む治療計画を作成し、文書で交付する必要がある、という整理です。
自院で確認する順番
自院で確認する順番(令和8年度)
- 喘息治療管理料イを算定している患者かどうか
- 過去1年間に中等度以上の発作による緊急受診(初診料注7・再診料注5・外来診療料注8該当の加算算定分)が3回以上あるか
- 20歳以上・在宅療養中の重度喘息患者に該当するか
- 治療計画の文書交付と、週1回以上のピークフローメーター+一秒量等計測器による管理ができているか
- 施設基準の届出が済んでいるか

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
逆に、見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まず、緊急受診の回数条件です。中等度以上の発作による緊急受診であれば何でもよいわけではなく、初診料・再診料・外来診療料の該当する注の加算を算定した受診に限られます。次に、算定期間の考え方です。初回算定月から連続した6か月という条件なので、途中で治療管理が途切れた場合の扱いは慎重な確認が必要です。
よくある確認漏れ
・緊急受診の回数を「中等度以上の発作による受診」全般でカウントしてしまい、初診料注7等の加算算定という条件を見落とすケース ・喘息治療管理料イ(本加算の土台)とロ(吸入補助器具の注3)を混同してしまうケース ・週1回以上の計測・報告の記録が診療録や交付文書にきちんと残っていないケース
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前の改定(令和6年度)から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和6年度時点の喘息治療管理料・重度喘息患者治療管理加算に関する記載を十分に確認できていません。そのため、令和8年度改定による変更の有無を一次資料同士の比較で判断することができない状態です。現時点で確認できているのは令和8年度の点数・要件のみですので、前回改定からの変更点については確認が必要な情報として扱ってください。最新の官報や厚生労働省の改定資料もあわせてご確認いただくことをおすすめします(確認日: 2026年7月)。
参考にした公式資料
みらい(新人医療事務)
この記事の根拠になっている資料も教えてください。
あおい(元・医療事務)
主に厚生労働省の告示と、令和8年度診療報酬改定の関連情報ページを参照しています。「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)」に点数と算定要件の本文が、留意事項通知に算定期間の考え方や必要な機械・器具の詳細が記載されています。留意事項通知そのものの個別ページは資料の差し替えで変わることがあるため、まずは厚生労働省の改定関連情報ページから最新版をたどるのが確実です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが気になりそうな質問をまとめてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
いいですね、いくつか整理しましょう。
みらい(新人医療事務)
喘息治療管理料を届け出ていれば、この加算も自動的に算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、自動ではありません。喘息治療管理料イの届出に加えて、この加算専用の施設基準の届出が必要です。両方の届出状況を確認することが、算定候補になるかどうかを判断する出発点です。
みらい(新人医療事務)
入院患者にも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
対象は在宅での療養中の患者とされているため、入院中の患者は対象外の可能性が高いです。ただし個別の状態によって判断が変わることもあるので、自院での確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
20歳未満の患者は対象外なんですね?
あおい(元・医療事務)
告示では「重度喘息である20歳以上の患者」と年齢条件が明記されています。20歳未満の患者は、この注2の加算の対象外の可能性が高いと考えられます。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。