みらい(新人医療事務)
レセプトを見ていたら「長時間心電図加算」という項目があったんですけど、これはどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
長時間心電図加算ですね。これは単独で算定候補になる加算ではなく、区分番号D210ホルター型心電図検査の注2に規定されている加算です。ホルター型心電図検査を7日間以上実施した場合に、320点を所定点数に加算するという規定になっています。
みらい(新人医療事務)
ホルター型心電図検査自体は知っています。24時間くらい記録する検査ですよね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただこの加算は「7日間以上」という、通常のホルター検査よりもかなり長い記録が対象になります。不整脈の発作が数日に一度しか起きないような患者さんで、短時間の記録では捉えきれない場合に、より長期間の記録を評価する趣旨の加算候補と考えられます。
みらい(新人医療事務)
なるほど、期間の長さが最大のポイントなんですね。
長時間心電図加算とはどんな加算ですか(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
あらためて確認したいんですが、この加算はどの検査に対する加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の医科点数表では、区分番号D210ホルター型心電図検査の注2にこう規定されています。「7日間以上実施した場合は、長時間心電図加算として、320点を所定点数に加算する」。つまりD210ホルター型心電図検査を算定していることが前提で、そのうえで記録期間が7日間以上であれば320点が加算候補になる、という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
D210を算定していないのに、この加算だけ単独で算定する、ということはできないんですね。
あおい(元・医療事務)
できません。あくまでD210ホルター型心電図検査の「注」に定められた加算ですので、基本検査であるホルター型心電図検査の算定が前提になります。この点は、加算名だけを見て単独の項目と誤解しないよう注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
ホルター型心電図検査そのものの決まりごとも確認しておきたいです。
あおい(元・医療事務)
同じ区分番号D210の留意事項では、こう整理されています。「ホルター型心電図検査は、患者携帯用の記録装置を使って長時間連続して心電図記録を行った場合に算定するものであり、所定点数には、単に記録を行うだけではなく、再生及びコンピューターによる解析を行った場合の費用を含む」。記録するだけでなく、再生・解析までを含めた点数だという整理ですね。
長時間心電図加算の位置づけ(令和8年度)
- 対象検査: 区分番号D210ホルター型心電図検査
- 加算の要件: 記録期間が7日間以上であること
- 加算点数: 320点(所定点数に加算)
- 前提: D210ホルター型心電図検査自体の算定が前提(単独算定は候補にならない)
長時間心電図加算の点数はいくらですか
みらい(新人医療事務)
具体的な点数も整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい。令和8年度の医科点数表では、D210ホルター型心電図検査の基本点数はこう規定されています。
| 区分 | 内容 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| D210「1」 | 30分又はその端数を増すごとに | 90点 |
| D210「2」 | 8時間以上の場合 | 1,730点 |
| D210注2 | 長時間心電図加算(7日間以上実施した場合) | +320点 |
みらい(新人医療事務)
7日間以上記録するということは、当然8時間はとっくに超えていますよね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。7日間以上の記録は当然「2」の8時間以上の区分に該当しますので、基本点数1,730点に、長時間心電図加算320点が加わる形になります。あくまで基本点数と加算点数は別枠として点数表に規定されているものですので、それぞれの点数を正確に区別して記載することが大切です。

みらい(新人医療事務)
注1に「解析に係る費用は、所定点数に含まれるものとする」ともありましたよね。
あおい(元・医療事務)
はい。解析にかかる費用を別に算定することはできず、所定点数の中に含まれているという整理です。長時間心電図加算についても同様に、320点という加算点数の中で完結する扱いになります。
記録日数・記録時間の数え方で気をつけたいこと
みらい(新人医療事務)
「7日間以上」の数え方で、何か注意点はありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項にこう書かれています。「やむを得ず不連続に記録した場合においては、記録した時間を合算した時間により算定する。また、24時間を超えて連続して記録した場合であっても、「2」により算定する。なお、8時間未満の場合は、「1」により算定する」。
みらい(新人医療事務)
途中で記録が途切れてしまっても、合計時間で判断していいということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。何らかの事情で不連続な記録になった場合は、記録できた時間を合算して判断する、という整理です。ただし、この合算のルールがそのまま「7日間以上」の判定にどう適用されるかは、留意事項の文言上は「8時間以上か8時間未満か」の区分(「1」か「2」か)についての記載であり、長時間心電図加算の7日間の数え方そのものについての細則は、当サイトが確認できた資料の範囲では見当たりません。実務上は、記録が不連続になったケースについて、審査支払機関へ確認することをおすすめします。
7日間の数え方は確認が必要
資料には「不連続記録は合算時間で算定」「24時間超も『2』で算定」「8時間未満は『1』で算定」という区分(1・2)の判定ルールは明記されていますが、長時間心電図加算の要件である「7日間以上」の実施を、記録が不連続だった場合にどう積算するかという細則は、当サイトが確認できた資料の範囲では明記されていません。個別のケースは審査支払機関にご確認ください。
対象になる医療機関・患者はどこまでですか
みらい(新人医療事務)
この加算は診療所でも病院でも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では、診療所・病院のどちらでも、外来・入院のいずれでも算定候補として扱われる加算です。往診や訪問診療のような在宅の場面については、当サイトの整理では対象に含めていません。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの病気の種類とか、年齢制限のようなものはありますか?
あおい(元・医療事務)
資料の文言を確認する限り、長時間心電図加算そのものに、対象疾患や対象年齢を限定する記載は見当たりませんでした。要件として明記されているのは、あくまでD210ホルター型心電図検査を7日間以上実施したかどうかという、検査の実施内容に関する条件です。ですので、対象患者の範囲を判断する際は、疾患名で絞り込むのではなく、実際に7日間以上の記録を行ったかどうかを基準に確認するのがよいと思います。
みらい(新人医療事務)
心電図の検査以外にも、特定の検査に対して加算がつくケースってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。検査の領域には、長時間心電図加算のように特定の検査に紐づく加算が他にもいくつかあります。例えば冠微小循環評価加算や胎児心エコー法診断加算は、それぞれ別の検査項目に付随する加算で、長時間心電図加算とは対象検査も算定要件も異なりますが、「基本の検査に加えて、特定の条件を満たした場合に加算が上乗せされる」という組み立て方は共通しています。自院で複数の検査を実施している場合は、こうした検査加算の見落としがないかもあわせて確認しておくとよいと思います。
施設基準・届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するには、施設基準の届出とか必要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、長時間心電図加算そのものについて、個別の施設基準や届出を求める規定は確認されていません。D210ホルター型心電図検査を実施できる体制があり、記録期間の要件を満たしていれば、加算の候補として整理できる、という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
届出がいらないなら、比較的確認しやすい加算なんですね。
あおい(元・医療事務)
そう考えられますが、届出が不要だからといって記録内容の確認までしなくていいわけではありません。7日間以上の記録が実際に行われたことを、カルテやホルター記録のデータで確認できる状態にしておくことは必要です。最終的な施設基準・届出の要否は、自院の状況を含めて公式資料や審査支払機関で確認してください。
よくある取り漏れ
- D210ホルター型心電図検査の基本点数(90点または1,730点)のみを算定し、7日間以上の記録があるのに長時間心電図加算320点を算定し忘れる
- 「長時間心電図加算」を独立した検査項目と誤解し、D210本体の算定を確認しないまま加算だけを算定しようとする
- 記録期間が7日間に届いていないのに、24時間を超えているからという理由で長時間心電図加算まで算定してしまう
併算定・回数の注意点
みらい(新人医療事務)
同じ月に何度もホルター検査をした場合、点数はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
これは長時間心電図加算に固有の話ではなく、生体検査全体に関わる通則の話になりますが、令和8年度の点数表の通則にはこう整理されています。「2回目以降について所定点数の100分の90に相当する点数により算定することとされている場合において『所定点数』とは、当該項目に掲げられている点数及び当該注に掲げられている加算点数を合算した点数である」。またD210ホルター型心電図検査の「1」「2」は同一の検査として扱われる、とも整理されています。
みらい(新人医療事務)
つまり2回目以降は、基本点数と加算点数を合わせた金額に100分の90をかける、ということですか?
あおい(元・医療事務)
資料の文言上はそのように整理できます。ただし、これは同一月内に同一の検査を2回目以降実施した場合の通則であり、実際に自院のケースがこの通則の対象になるかどうかは、レセプトの算定回数や検査の実施状況によって変わりますので、断定はできません。該当しそうな場合は、審査支払機関や公式資料で確認することをおすすめします。
算定可否は自院の状況で確認を
長時間心電図加算が算定候補になるかどうかは、D210ホルター型心電図検査の算定状況・記録期間・同一月内の実施回数によって変わります。この記事の内容だけで断定的に判断せず、実際のカルテ・記録データと公式資料をあわせて確認してください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、自院で何から確認すればいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
順番に並べるとこうなります。
自院で確認する順番
- D210ホルター型心電図検査を実施し、算定しているかを確認する
- 記録期間が7日間以上(不連続の場合は合算時間)に達しているかを確認する
- 記録が単なる記録だけでなく、再生・解析まで行われているかを確認する
- 同一月内に同じ検査を2回目以降実施していないか、通則の90%ルールの対象にならないかを確認する
- 長時間心電図加算320点を、D210の基本点数に加えて算定候補として整理する

みらい(新人医療事務)
こうやって順番になっていると、確認しやすいです。
あおい(元・医療事務)
はい。特に最初の2つ、「D210本体を算定しているか」「記録期間が7日間以上か」を見落とさないことが大切です。この2つが揃って初めて、長時間心電図加算が算定候補になります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定から変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが今回確認できた一次資料は令和8年度分が中心で、前回改定(令和6年度)時点の同じ区分の一次資料までは、今回の調査範囲では突き合わせられていません。そのため、点数・要件が前回改定からどう変わったか(あるいは変わっていないか)は、当サイトが確認できた資料の範囲では確認できていません。
みらい(新人医療事務)
「わからない」と正直に書くんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。憶測で「変わっていません」と書いてしまうと、実際に変更があった場合に誤った情報になってしまいます。確認できていないことは確認できていないと明記して、必要であれば公式の官報・告示や「個別改定項目について」といった資料で前回改定分と直接照合することをおすすめします。
改定差分の確認状況(令和8年度)
- 確認できたこと: 令和8年度の医科点数表で、D210ホルター型心電図検査の注2に長時間心電図加算320点が規定されていること
- 確認できていないこと: 令和6年度(2024年度)改定時点からの点数・要件の変更有無(当サイトの今回の調査範囲では前回改定分の一次資料との突き合わせが未了)
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、現場でよく聞かれそうなことを聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
8日間記録したら、7日間の場合より加算点数が増えるんですか?
あおい(元・医療事務)
資料の文言上、320点という加算点数は「7日間以上実施した場合」という条件で規定されており、日数に応じて段階的に点数が増える規定は見当たりません。7日間でも10日間でも、条件を満たせば同じ320点という整理になります。
みらい(新人医療事務)
逆に、6日間しか記録できなかった場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
その場合は「7日間以上」の要件を満たさないため、長時間心電図加算320点は算定候補にはならず、D210ホルター型心電図検査の基本点数(記録時間に応じて「1」または「2」)のみでの算定候補になると考えられます。
みらい(新人医療事務)
植込み型の心電図検査とは違う加算なんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、別物です。区分番号D210-3には植込型心電図検査という別の項目があり、皮下に植込んだ記録装置を使う検査です。長時間心電図加算はあくまでD210ホルター型心電図検査(患者携帯用の記録装置を使う検査)の注2に規定された加算ですので、混同しないよう注意してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。D210ホルター型心電図検査の実施状況や記録期間を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。