みらい(新人医療事務)
訪問看護の記録を見ていたら「長時間加算」っていう項目があったんですけど、これって普通の訪問看護とは別に算定できるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度の医科点数表にある加算ですね。正式には在宅患者訪問看護・指導料の「注5」に規定されている長時間訪問看護・指導加算のことです。同一建物居住者訪問看護・指導料でも「注8」で同じ内容が準用されています。
みらい(新人医療事務)
「長時間加算」って名前だけ見ると、他にも似た名前の加算がありそうで不安になります。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。実は精神科訪問看護・指導料(I012)にも「長時間精神科訪問看護・指導加算」という別の加算があって、名前がよく似ています。今回ご紹介するのはあくまで在宅患者訪問看護・指導料(C005)・同一建物居住者訪問看護・指導料(C005-1-2)に対する加算です。混同しないよう、まず区分番号を確認する習慣をつけておくと安心ですよ。
この加算はどんな場面で算定候補になりますか
みらい(新人医療事務)
では具体的に、どういう場面で算定候補になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の令和8年度点数表には次のように定められています。「5 1及び2については、別に厚生労働大臣が定める長時間の訪問を要する者に対し、保険医療機関の看護師等が、長時間にわたる訪問看護・指導を実施した場合には、長時間訪問看護・指導加算として、週1日(別に厚生労働大臣が定める者の場合にあっては週3日)に限り、520点を所定点数に加算する。」
あおい(元・医療事務)
つまり「長時間の訪問を要する者」として厚生労働大臣が定める対象患者に、長時間にわたる訪問看護・指導を行った場合に、520点を所定点数に加算できる候補になる、という組み立てです。
みらい(新人医療事務)
「長時間」って具体的に何分からなんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは留意事項通知(令和8年3月5日 保医発0305第6号)でより具体的に示されています。「(20)在宅患者訪問看護・指導料の「注5」又は同一建物居住者訪問看護・指導料の「注8」の規定により準用する在宅患者訪問看護・指導料の「注5」に規定する長時間訪問看護・指導加算は、特掲診療料の施設基準等第四の四の(3)のイに規定する長時間の訪問を要する者に対して、1回の訪問看護・指導の時間が90分を超えた場合について算定するものであり、週1回(特掲診療料の施設基準等第四の四の(3)のロに規定する者にあっては週3回)に限り算定できるものとする。」
あおい(元・医療事務)
「1回の訪問看護・指導の時間が90分を超えた場合」というのが、時間の基準になっている確認ポイントです。

対象医療機関・対象患者は誰ですか
みらい(新人医療事務)
うちみたいな診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
この加算は在宅患者訪問看護・指導料(C005)・同一建物居住者訪問看護・指導料(C005-1-2)を算定する保険医療機関に付随する加算なので、当院データでも診療所・病院のいずれも対象、在宅の場面が該当する候補として整理されています。入院・外来の点数区分としては別枠の加算です。
みらい(新人医療事務)
対象患者のほうはどう考えればいいですか?
あおい(元・医療事務)
「別に厚生労働大臣が定める長時間の訪問を要する者」という患者要件があり、これは特掲診療料の施設基準等第四の四の(3)のイに定義されている区分です。週の算定回数が週3日(週3回)まで認められる方も別区分(同(3)のロ)で規定されています。どの患者さんがどちらの区分に該当するかは、特掲診療料の施設基準等の該当箇所を実際に確認する作業が必要で、症状名だけで自己判断しないほうが安全です。
みらい(新人医療事務)
患者さんの状態によって週の上限も変わるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、そこがこの加算の核心部分なので、レセプト作成前に必ず確認しておきたいポイントです。
点数とコードを確認しましょう
みらい(新人医療事務)
点数を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、当サイトが収録している一次資料の範囲でまとめると、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 | 年度 |
|---|---|---|
| 加算名 | 長時間訪問看護・指導加算(長時間加算) | 令和8年度 |
| 点数 | 520点(所定点数に加算) | 令和8年度 |
| 算定回数の限度 | 週1日(対象者は週3日)まで | 令和8年度 |
| 時間の基準 | 1回の訪問看護・指導が90分を超えた場合 | 令和8年度 |
| 対象となる基本の点数 | 在宅患者訪問看護・指導料(C005)/同一建物居住者訪問看護・指導料(C005-1-2) | 令和8年度 |
みらい(新人医療事務)
診療行為コードの番号までは分からないんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えすると、当サイトが収録している一次資料の範囲では加算そのものの診療行為コードまでは確認できていません。コードの特定が必要な場合は、医科診療行為マスターで区分番号と合わせて確認することをおすすめします。数字だけを見て判断するより、そのほうが確実です。
みらい(新人医療事務)
520点って結構大きい印象を受けますけど、そういう評価はしていいんですか?
あおい(元・医療事務)
点数の大小についての評価は控えますね。金額の大きさより、算定の要件(90分超・対象患者・週の回数)を満たしているかどうかが判断のポイントになります。
施設基準・届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
この加算、施設基準の届出は必要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している範囲では、この加算自体に個別の届出や施設基準の要件は確認されていません。ただし、これは基本診療料である在宅患者訪問看護・指導料や同一建物居住者訪問看護・指導料の算定ができていることが前提の加算です。基本診療料側の届出状況・施設基準は別途確認が必要です。
届出不要=無条件ではありません
届出が不要な加算であっても、対象患者の該当性(長時間の訪問を要する者かどうか)・訪問時間(90分超)・週の算定回数の上限は、患者ごとに確認が必要です。「届出がいらないから誰にでも算定できる」という判断は避け、要確認の姿勢を保ってください。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
実際に算定するときに気をつけることを教えてください。
あおい(元・医療事務)
大きく3つの確認ポイントがあります。1つ目は時間、1回の訪問看護・指導が90分を超えているかどうかです。2つ目は対象者、厚生労働大臣が定める長時間の訪問を要する者に該当するかどうかです。3つ目は回数、週1日(対象者によっては週3日)が上限になっている点です。
みらい(新人医療事務)
併算定については何か注意点がありますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算と他の加算との併算定の可否について明確な禁止規定は確認できていません。ただし、同じ在宅患者訪問看護・指導料の「注」にはほかにも深夜訪問看護加算のように時間帯・時間の長さに着目した加算が複数あります。同一建物居住者訪問看護・指導料を算定する場合は同一建物居住者訪問看護・指導料側の注も合わせて確認してください。どの加算とどの加算が同時に成立し得るかは、個々のケースで公式資料・レセプトコンピュータの設定を確認したほうが確実です。
算定の可否は個別に確認を
算定候補になるかどうかは、患者の状態・訪問時間の記録・週の算定回数によって変わります。本記事の内容だけで「算定できる」と判断せず、必ず自院の記録と公式資料で確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料(令和8年度点数表・留意事項通知)の範囲では、長時間訪問看護・指導加算の点数(520点)・算定回数の上限(週1日、対象者は週3日)・90分超という時間の基準について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。
時系列で見る確認ポイント
前回改定の令和6年度: 90分超の訪問を要件とした長時間訪問看護・指導加算(週1日・対象者週3日、520点)が運用されていました。 令和8年度: 現時点で確認できる一次資料の範囲では、同様の要件・点数が継続しています。
あおい(元・医療事務)
ただし改定のたびに疑義解釈や通知の追加が入ることもあるので、算定の直前には最新の公式資料を確認する習慣をつけておくと安心です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちの場合、何から確認していけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
確認する順番はこちらです。
自院で確認する順番
- 対象患者が「厚生労働大臣が定める長時間の訪問を要する者」に該当するか、特掲診療料の施設基準等で確認する
- その訪問の記録で、1回の訪問看護・指導の時間が90分を超えているか確認する
- 同じ週にすでに算定した回数を確認し、週1日(対象者は週3日)の上限を超えていないか確認する
- 在宅患者訪問看護・指導料または同一建物居住者訪問看護・指導料の基本点数が正しく算定できているか確認する
- ここまで確認できた分を、算定候補としてレセプトに反映する

みらい(新人医療事務)
この順番で見ていけば、抜け漏れが減りそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に1番目の対象者要件は見落とされがちなので、時間だけで判断しないことが大事です。
よくある取り漏れ
訪問時間の記録忘れ
90分を超えたかどうかが基準になるため、訪問の開始・終了時刻を記録に残していないと、後から算定候補かどうかを確認できなくなります。訪問看護記録に時刻を明記しておくことが取り漏れ防止につながります。
対象者要件の見落とし
訪問時間が90分を超えていても、対象患者が「厚生労働大臣が定める長時間の訪問を要する者」に該当していなければ算定候補にはなりません。時間だけでなく対象者要件もセットで確認する必要があります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
この加算、精神科の訪問看護でも使えるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、精神科訪問看護・指導料(I012)には別に「長時間精神科訪問看護・指導加算」という加算があり、区分が異なります。今回ご紹介したのはあくまで在宅患者訪問看護・指導料と同一建物居住者訪問看護・指導料に対する加算です。名前が似ているので、区分番号で確認する習慣をつけておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
週に何回まで算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
原則は週1日までです。ただし対象者が特掲診療料の施設基準等第四の四の(3)のロに規定する方に該当する場合は、週3日(週3回)まで算定候補になり得ます。どちらに該当するかは患者ごとの確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
90分ちょうどだったら算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「90分を超えた場合」と定められています。当サイトが収録している一次資料の範囲では、ちょうど90分の扱いについての明確な記載までは確認できていません。境界にあたるケースは、記録を残したうえで自院の判断・公式資料で確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。