みらい(新人医療事務)
先生、「導入期加算」ってレセプトで見かけたんですけど、これって何の加算なんですか?名前だけだと何の「導入」なのか全然わからなくて…。
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。導入期加算という名前の加算は実はいくつかの点数区分にありますが、今日お話しするのは「プログラム医療機器等指導管理料(区分番号B005-14)」の注2に規定されているものです。令和8年度の点数表では、プログラム医療機器等に係る初回の指導管理を行った場合に、その月に限って所定点数へ50点を加算する仕組みになっています。
みらい(新人医療事務)
「プログラム医療機器等」というのも聞き慣れないです…。アプリか何かのことですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ニコチン依存症治療補助アプリや高血圧症治療補助アプリのように、患者さん自身が使う治療用アプリ(特定保険医療材料に位置づけられるプログラム医療機器)を処方したときの指導管理料が「プログラム医療機器等指導管理料」です。導入期加算は、その中でも「初めて使い方を説明した月」だけに算定候補となる加算、と考えるとイメージしやすいと思います。
導入期加算の対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関でも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
断定はできませんが、令和8年度の告示では「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」で、主に患者自らが使用するプログラム医療機器等(特定保険医療材料に限る。)に係る指導管理を行った場合に、プログラム医療機器等指導管理料として月に1回に限り算定する、とされています。導入期加算はこのプログラム医療機器等指導管理料の「注2」に規定された上乗せの加算なので、まずベースのプログラム医療機器等指導管理料が算定候補になっていることが前提です。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんは決まっているんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。留意事項通知では「注2に規定する導入期加算は、プログラム医療機器等に係る初回の指導管理の際に、当該プログラム医療機器等を使用する際の療養上の注意点及び当該プログラム医療機器等の使用方法等の指導を行った場合に算定する」とされています。つまり、対象患者はプログラム医療機器等指導管理料の対象患者と同じで、そのうち「初めて指導管理を受ける月」の患者さんが導入期加算の対象になる、という整理です。診療所・病院どちらも対象医療機関になり得ますし、外来診療での算定が想定されています。
対象になりやすいケース
初回の指導が該当: ニコチン依存症治療補助アプリや高血圧症治療補助アプリなどを、患者さんに初めて処方・説明したタイミングが対象です。 2回目以降は対象外: 2か月目以降の継続的な指導管理では、導入期加算そのものは算定候補になりません(プログラム医療機器等指導管理料の本体点数のみ)。
点数とコードの整理【令和8年度】
みらい(新人医療事務)
実際の点数って、いくらになるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、プログラム医療機器等指導管理料(区分番号B005-14)の本体点数が90点、導入期加算(注2)が50点です。初回の指導管理を行った月は、本体90点に導入期加算50点を加えて140点が算定候補になる、という計算です。なお、情報通信機器を用いて指導管理を行った場合(注3)は、所定点数に代えて78点を算定する取り扱いになっており、この場合の導入期加算の扱いは対面の場合と条文の構成が異なるため、自院での適用は公式資料で個別に確認してください。
| 区分番号 | 項目 | 点数(令和8年度) | 算定できる回数 |
|---|---|---|---|
| B005-14 | プログラム医療機器等指導管理料(本体) | 90点 | 月1回に限る |
| B005-14 注2 | 導入期加算 | 50点 | 初回の指導管理を行った月に限る |
| B005-14 注3 | 情報通信機器を用いた場合 | 78点 | 施設基準の届出が必要 |

みらい(新人医療事務)
「初回の指導管理を行った月に限り」というのは、暦月で見るということですか?
あおい(元・医療事務)
条文の文言としては「当該初回の指導管理を行った月に限り」となっているので、暦月単位での理解になります。ただし実際の運用で迷うケース(月をまたいで指導が続いた場合など)は、当サイトの整理だけで判断せず、審査支払機関や地方厚生局への確認をおすすめします。
算定単位の注意
導入期加算はプログラム医療機器等指導管理料と同時に算定する加算で、単独では算定候補になりません。本体のプログラム医療機器等指導管理料が算定候補かどうかを、まず確認する必要があります。
施設基準と届出の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
施設基準は具体的に何を見ればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
導入期加算はプログラム医療機器等指導管理料に付帯する加算なので、本体の施設基準を満たして届出をしていることが前提になります。令和8年度の告示では「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが条件として明記されています。当サイトが収集している一次資料の範囲では、使用するプログラム医療機器等の種類(例えばニコチン依存症治療補助アプリや高血圧症治療補助アプリなど)ごとに、個別の施設基準が追加で定められているケースも確認されています(具体的な要件は各アプリに関する疑義解釈・留意事項通知でご確認ください)。
みらい(新人医療事務)
それって、届出さえしていれば自動的に算定候補になるということですか?
あおい(元・医療事務)
そこは注意が必要です。届出は前提条件のひとつであって、それだけで算定候補になるとは言い切れません。実際に算定候補になるかどうかは、使用するプログラム医療機器等の種類ごとの施設基準を満たしているか、初回の指導管理の内容が留意事項通知の要件(療養上の注意点や使用方法等の指導)を満たしているかなど、複数の条件を合わせて確認する必要があります。
施設基準確認の落とし穴
届出済み=即算定候補ではない: 届出をしていても、指導内容や患者の対象要件を満たしていなければ算定候補にはなりません。 アプリごとに要件が異なる: プログラム医療機器等の種類によって、追加の施設基準が定められている場合があります(各アプリの疑義解釈・留意事項通知で確認してください)。
届出の要否
みらい(新人医療事務)
導入期加算そのものについて、個別の届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
導入期加算はプログラム医療機器等指導管理料の「注」として規定されている加算なので、別建ての届出様式が独立して用意されているというよりも、プログラム医療機器等指導管理料本体の施設基準の届出が前提になります。ただし、扱うプログラム医療機器等の種類によって届出に必要な添付書類や様式が変わる可能性もあるため、届出済みであれば導入期加算も算定候補になる、という整理にとどめ、実際の届出内容は自院の控えと公式の届出様式で必ず確認してください。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定できるタイミングって、どう確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
ポイントは3つあります。ひとつめは、プログラム医療機器等指導管理料そのものが月1回に限る算定であること。ふたつめは、導入期加算はその中でも「初回の指導管理を行った月」に限られること。みっつめは、翌月以降に同じ患者さんへ継続して指導管理を行っても、導入期加算は算定候補にならず、プログラム医療機器等指導管理料の本体点数のみが算定候補になる、という点です。
みらい(新人医療事務)
他の管理料と一緒に算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
併算定の可否は、対象となる管理料の組み合わせによって個別に条件が定められていることがあります。例えば疑義解釈では、生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定する月において、プログラム医療機器等指導管理料は除外規定の対象になる(つまり別に算定できる)ことが示されているケースもあります。ただし、これは特定の組み合わせについての整理なので、自院が算定しようとしている他の管理料との関係は、個別に公式資料や疑義解釈で確認が必要です。
回数制限の再確認
導入期加算は「初回の指導管理を行った月」の1回のみが算定候補です。同じ患者さんに翌月以降も指導管理を続けた場合、本体のプログラム医療機器等指導管理料は算定候補になり得ますが、導入期加算は原則として算定候補になりません。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前の改定と比べて、この加算は何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収集している一次資料の範囲では、導入期加算(プログラム医療機器等指導管理料 注2・50点)について、前回改定(令和6年度)との点数・要件の差分を示す一次資料は確認できていません(2026年7月確認時点)。当サイトの令和8年度点数表データでは本体90点・導入期加算50点という構成が確認できていますが、令和6年度時点の同項目の点数表データは今回参照できていないため、「変更なし」と断定することも避けています。改定内容が気になる場合は、厚生労働省が公表する「令和8年度診療報酬改定の概要」や「個別改定項目について」を直接ご確認いただくことをおすすめします。
改定差分を確認するときの注意
点数だけで判断しない: 点数が変わっていなくても、施設基準や対象患者の範囲が改定で変わることがあります。 一次資料を優先: 民間の解説記事ではなく、厚生労働省の告示・留意事項通知・個別改定項目の資料で確認してください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院がこの加算の対象になるか、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくと、抜け漏れが少ないと思います。
自院で確認する順番
- プログラム医療機器等指導管理料(B005-14)の施設基準の届出をしているか確認する
- 患者さんに処方しているプログラム医療機器等が、特定保険医療材料として位置づけられたものか確認する
- その月が、対象患者にとって「初回の指導管理」に当たる月かどうかを診療録・指導記録で確認する
- 使用するプログラム医療機器等の種類ごとの追加の施設基準(研修修了など)を満たしているか確認する
- 上記が揃っていれば、導入期加算の算定候補として院内でダブルチェックする

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実際の現場では、どんな取り漏れが多いんですか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは、初回の指導管理をした月に導入期加算の入力自体を忘れてしまうケースです。プログラム医療機器等指導管理料の本体点数だけを入力して、注2の加算を付け忘れる、という取り漏れです。反対に、2か月目以降も継続して導入期加算を付けてしまう、という逆方向のミスも起こりえます。
よくある取り漏れ・つけすぎパターン
取り漏れ: 初回月に導入期加算の入力を忘れる。 つけすぎ: 2か月目以降も継続して導入期加算を算定してしまう。
みらい(新人医療事務)
レセプト担当としては、月をまたぐタイミングに特に注意した方がよさそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に月初・月末をまたいで初回指導が行われた場合は、どちらの月を「初回の指導管理を行った月」とするかを診療録の記載と合わせて確認しておくと、後からの見直しがしやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よく聞かれそうな質問をまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
では対話形式でいくつか挙げますね。
みらい(新人医療事務)
Q. 導入期加算だけを単独で算定できますか?
あおい(元・医療事務)
A. できません。導入期加算はプログラム医療機器等指導管理料(B005-14)の注2に規定された加算のため、本体のプログラム医療機器等指導管理料と合わせて算定候補になります。単独算定は想定されていません。
みらい(新人医療事務)
Q. 同じ患者さんに2種類のプログラム医療機器等を処方した場合、それぞれ導入期加算の対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 資料の範囲では、プログラム医療機器等指導管理料自体が「月に1回に限り」算定するとされています。複数のプログラム医療機器等を扱う場合の取り扱いは、当サイトの一次資料の範囲では確認できていないため、要確認としてお答えします。個別のケースは審査支払機関や地方厚生局にご確認ください。
みらい(新人医療事務)
Q. 情報通信機器を用いた指導管理でも、導入期加算は算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 令和8年度の告示では、情報通信機器を用いた場合は所定点数に代えて78点を算定する、という別建ての規定(注3)になっています。導入期加算(注2)との関係は条文構成が異なるため、対面の場合と同列には扱えません。自院で情報通信機器を用いた指導管理を行う場合は、公式資料で個別に確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。あわせて、上乗せの本体点数となるプログラム医療機器等指導管理料のページも確認しておくと、全体像がつかみやすくなります。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。