みらい(新人医療事務)
あおいさん、「小児加算」ってレセプトでたまに見かけるんですけど、これって何にでも付けられる加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、そこがポイントです。「小児加算」という名前の加算は複数の項目にありますが、今日確認するのは、がん性疼痛緩和指導管理料(区分番号B001の22)の注3に規定されている小児加算です。がん性疼痛緩和指導管理料を算定している患者さんが15歳未満の小児である場合に、所定点数へ50点を上乗せする加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表に基づいて確認していきますね。
みらい(新人医療事務)
つまり単独では算定できなくて、元になる管理料とセットなんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。がん性疼痛緩和指導管理料自体を算定していない月に、小児加算だけを算定することはできません。まずベースの管理料の要件を満たしているかを確認するのが出発点になります。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
がん性疼痛緩和指導管理料の対象患者は、がん性疼痛の症状緩和を目的として麻薬が投与されているがん患者さんです。その中で、当該患者が15歳未満の小児である場合に、今回の小児加算50点が上乗せされます。対象医療機関は、地方厚生局長等に施設基準の届出を行った保険医療機関に限られます。
みらい(新人医療事務)
入院患者さんにも使えますか?
あおい(元・医療事務)
告示・留意事項通知の中には、外来か入院かを限定する文言は見当たりません。そのため、入院中の患者さんへの適用可否について当サイトで断定はできません。レセプトを作成する前に、自院の算定実績や審査支払機関への確認をおすすめします。
点数・算定単位
みらい(新人医療事務)
点数はどうなっていますか? 表で見たいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表(告示)で確認できる範囲をまとめますね。
| 項目 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|
| がん性疼痛緩和指導管理料(基礎点数) | 200点 | 月1回 |
| 小児加算(本加算・注3) | +50点 | 基礎点数に加算(15歳未満の場合) |
| (参考)難治性がん性疼痛緩和指導管理加算(注2) | +100点 | 患者1人につき1回に限り |
| (参考)情報通信機器を用いた場合(注4) | 174点 | 所定点数に代えて算定 |

みらい(新人医療事務)
難治性がん性疼痛緩和指導管理加算と小児加算は、同じ患者さんに両方付けられるんですか?
あおい(元・医療事務)
それぞれ別の要件に基づく加算のため、要件をどちらも満たせば両方が算定候補になり得ますが、これは個別の算定判断になります。告示(注2)では、難治性がん性疼痛緩和指導管理加算は「がん性疼痛緩和のための専門的な治療が必要な患者に対して、当該患者又はその家族等の同意を得て、当該保険医療機関の保険医が、その必要性及び診療方針等について文書により説明を行った場合」の加算とされており、小児加算とは着眼点が異なります。自院での適用は、届出内容とレセプト記載要領に沿って確認が必要です。
コードの確認は医科診療行為マスターで
点数表の区分番号や算定コードは、必ず自院のレセプトコンピュータや医科診療行為マスターで最新のものを確認してください。当サイトの記事は、告示・留意事項通知の文言をもとに構成を整理していますが、実際の入力コードは医療機関ごとのシステムで確認するのが確実です。
施設基準
みらい(新人医療事務)
施設基準はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
がん性疼痛緩和指導管理料の告示(注1)にはこう定められています。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、がん性疼痛の症状緩和を目的として麻薬を投与している患者に対して、WHO方式のがん性疼痛の治療法に基づき、当該保険医療機関の緩和ケアに係る研修を受けた保険医が計画的な治療管理及び療養上必要な指導を行い、麻薬を処方した場合に、月1回に限り算定する」とされています。
みらい(新人医療事務)
「緩和ケアに係る研修を受けた保険医」というのがポイントですね。
あおい(元・医療事務)
はい。留意事項通知(保医発)でも「がん性疼痛緩和指導管理料は、緩和ケアの経験を有する医師(緩和ケアに係る研修を受けた者に限る。)が当該指導管理を行った場合に算定する」と重ねて示されています。つまり、①施設基準の届出、②緩和ケア研修を受けた保険医による指導管理、この2点がベースの管理料の土台になります。小児加算はこの土台の上に、患者が15歳未満であるという年齢要件が加わる形です。
届出要否
みらい(新人医療事務)
届出は必須なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、必須です。がん性疼痛緩和指導管理料自体が「地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることを前提とした管理料なので、小児加算だけを単独で届け出るという考え方ではなく、ベースの管理料の届出が済んでいることが前提になります。届出済みであれば、15歳未満の患者に対する小児加算は算定候補になります。届出内容や様式は、自院の届出書控えで必ず確認してください。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
算定タイミングと記載の注意
がん性疼痛緩和指導管理料は月1回に限り算定できる管理料です。小児加算はその管理料を算定する月に、患者が15歳未満であることを確認したうえで所定点数へ上乗せする形になります。診療録には、麻薬の処方前の疼痛の程度、処方後の効果判定、副作用の有無、治療計画及び指導内容の要点を記載することが留意事項通知で求められています。レセプト記載では、診療報酬明細書の「医学管理」欄に該当する略号を記載する運用になっているため、自院のレセプトコンピュータの設定も確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
診療録の記載まで見ていないと、あとで指摘されそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。点数だけでなく、記載事項も含めて要件として一体で確認するのが安全です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、小児加算そのものの点数(50点)や算定要件について、前回改定(令和6年度)からの明確な変更は確認されていません(2026年7月時点・厚生労働省の公表資料ベース)。ベースとなるがん性疼痛緩和指導管理料についても、基礎点数200点・注1〜注4の構成に大きな変更は見当たりませんでした。ただし、改定内容は今後の正式版や訂正通知で更新される可能性があるため、算定の直前には最新の告示・通知を必ず確認してください。
変更なし=安心、ではなく都度確認を
点数が変わっていないように見えても、施設基準や記載要領が改定年度ごとに見直されることがあります。小児加算のように「基礎点数への上乗せ」という形の加算は、ベースとなる管理料側の要件変更の影響を受けやすいため、ベース管理料(がん性疼痛緩和指導管理料)の要件も合わせて確認する習慣をつけておくと安心です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちで確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認するとわかりやすいですよ。
自院で確認する順番
- がん性疼痛緩和指導管理料の施設基準を地方厚生局長等に届け出ているかを確認する
- 指導管理を行う保険医が緩和ケアに係る研修を受けているかを確認する
- 対象患者ががん性疼痛の症状緩和を目的として麻薬を投与されているかを確認する
- 患者が15歳未満の小児であるかを確認する
- 診療録に麻薬処方前後の評価・治療計画・指導内容の要点が記載されているかを確認する

みらい(新人医療事務)
5番目まで来て、ようやく小児加算の算定候補が見えてくるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。年齢要件だけを見て判断すると、ベースの管理料の要件が抜け落ちてしまうことがあるので、順番に確認するのがおすすめです。
よくある取り漏れ
15歳の誕生日をまたぐケース
算定時点で患者が15歳未満かどうかは、診療を行った日を基準に確認する必要があります。誕生日をまたいだ月は、算定日の年齢を診療録で確認してから小児加算の可否を判断してください。年齢の確認漏れは取り漏れ・過剰算定のどちらの方向にもつながりやすいポイントです。
難治性がん性疼痛緩和指導管理加算との混同
小児加算(注3・50点)と、難治性がん性疼痛緩和指導管理加算(注2・100点)は、算定要件も点数も異なる別の加算です。名称が似ていないので混同しにくいと思われがちですが、レセプトの記載欄や摘要欄で取り違えると審査で指摘される可能性があります。それぞれの要件を分けて確認してください。
みらい(新人医療事務)
がん性疼痛以外でも、小児の緩和ケアに関する加算ってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。がん性疼痛以外の場面で15歳未満の小児への緩和ケアを検討している場合は、小児緩和ケア診療加算のように、対象や算定要件が異なる加算もあります。自院がどの加算の対象になり得るかは、それぞれ個別に確認することをおすすめします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
がん性疼痛緩和指導管理料を算定していない月でも、小児加算だけ算定できますか?
あおい(元・医療事務)
できません。小児加算はがん性疼痛緩和指導管理料の注3に規定された加算のため、ベースの管理料を算定する月にあわせて確認する加算です。
みらい(新人医療事務)
オンライン診療(情報通信機器を用いた医学管理)で174点を算定した場合も、小児加算は上乗せできますか?
あおい(元・医療事務)
告示上、小児加算は「所定点数に50点を加算する」という規定です。情報通信機器を用いた場合の取扱いも含め、自院での適用は個別の確認が必要な論点なので、断定はできません。審査支払機関や公式資料での確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出はどこで確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
自院が地方厚生局に提出した届出書の控えを確認するのが一番確実です。控えが見当たらない場合は、地方厚生局や審査支払機関へ問い合わせて、届出状況を確認してください。
公式資料の根拠
| 資料 | 内容 | リンク |
|---|---|---|
| 厚生労働省 医科点数表(令和8年度改定・告示) | がん性疼痛緩和指導管理料200点、注3「当該患者が15歳未満の小児である場合には、小児加算として、所定点数に50点を加算する」 | |
| 厚生労働省 診療報酬明細書の記載要領(別表Ⅴ・医科) | 「B001の22 がん性疼痛緩和指導管理料を算定している患者に対して小児加算を算定した場合」の記載欄区分 | |
| 厚生労働省 疑義解釈検索ツール | 医科診療報酬点数表に関する疑義解釈の確認に利用 | ページ |
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。 また、対象患者が小児であることによる加算には、小児個別栄養食事管理加算 や 小児抗菌薬適正使用支援加算 などもあります。自院で小児の患者さんを診療している場合は、あわせて取り漏れがないか確認してみてくださいね。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。