小児矯正視力検査加算とは何のための加算か
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「小児矯正視力検査加算」というのを見つけたんですけど、これってどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これはD261屈折検査の「注」に規定されている加算で、令和8年度は35点です。弱視や不同視と診断された子どもの患者さんに対して、眼鏡処方箋を交付せずに矯正視力検査を実施した場合に、屈折検査の点数に上乗せする形の加算です。
みらい(新人医療事務)
「眼鏡処方箋を交付せずに」というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。通常、屈折検査で弱視や不同視の疑いが見つかって眼鏡が必要になれば、矯正視力検査(D263)を行って処方箋を交付する流れになります。でもこの加算は、処方箋を交付する段階まで行かず、経過観察として矯正視力検査だけを行った場合を評価するものです。
みらい(新人医療事務)
眼鏡を作るところまでいかなくても、検査自体は評価されるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。小児の弱視は治療のタイミングが大事なので、定期的に矯正視力の状態を確認すること自体に意味があります。その検査の手間を評価する加算、というイメージを持っておくといいと思います。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関で算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
診療所・病院のどちらでも対象になります。外来はもちろん、入院中の患者さんに実施した場合も対象になり得ます。ただし在宅診療の場面は対象外です。
みらい(新人医療事務)
うちみたいな眼科のあるクリニックなら、外来でよく出てきそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。対象患者は「弱視又は不同視と診断された患者」で、しかもD261屈折検査の「1 6歳未満の場合」を算定した患者に限られます。告示の条文でも「1について」と明記されていて、「2 1以外の場合」には、この加算は規定されていません。
みらい(新人医療事務)
6歳以上の患者さんには使えない加算ということですか?
あおい(元・医療事務)
告示の文言をそのまま読む限り、「1について」の加算なので、対象は6歳未満の区分を算定した患者に限られると考えるのが自然です。ただし個々のカルテでどちらの区分を算定しているかで判断が変わる部分もあるので、迷うケースでは審査支払機関への確認をおすすめします。
対象になりにくいケース
- D261屈折検査「2 1以外の場合」を算定した患者(6歳未満の区分に該当しない場合)
- 弱視又は不同視の診断が確定していない患者
- 眼鏡処方箋を交付した場合(この加算は処方箋を交付しない場合が前提です)
- 在宅診療の場面
点数と算定ルール
みらい(新人医療事務)
点数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度はD261屈折検査そのものが69点、そこに小児矯正視力検査加算として35点が上乗せされます。表にすると次のとおりです。
| 区分 | 点数(令和8年度) |
|---|---|
| D261屈折検査「1 6歳未満の場合」 | 69点 |
| D261屈折検査「2 1以外の場合」 | 69点 |
| 小児矯正視力検査加算(「1」の場合の注加算) | +35点 |

みらい(新人医療事務)
加算は「1」の場合だけに乗る、という図がわかりやすいですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ここで大事なのは「この場合においてD263矯正視力検査は算定しない」という条文です。小児矯正視力検査加算を算定する回では、同時にD263矯正視力検査を算定することはできません。屈折検査+加算で完結させる、という組み合わせになります。
点数まとめ(令和8年度)
- D261屈折検査: 69点(区分「1」「2」共通)
- 小児矯正視力検査加算: +35点(「1 6歳未満の場合」を算定したときの注加算)
- 同一回でD263矯正視力検査は算定不可
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
何回でも算定していいわけではないんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうです。この加算は3月に1回に限られます。ただし例外があって、散瞳剤又は調節麻痺剤を使用してその前後の屈折の変化を検査した場合には、前後各1回までが上限になります。
みらい(新人医療事務)
「前後各1回」というのは、薬を使う前と後で1回ずつ、ということですか?
あおい(元・医療事務)
そういう理解でいいと思います。通常は3月に1回という制限ですが、調節麻痺剤などを使って屈折の変化を確認する検査の場合は、前後の2回分をそれぞれ数えるという扱いです。
みらい(新人医療事務)
併算定で気をつけることは他にありますか?
あおい(元・医療事務)
一番大事なのは繰り返しになりますが、D263矯正視力検査との同時算定不可という点です。また、この加算はあくまで「屈折検査の注加算」なので、屈折検査そのものを算定していない回に単独で算定することはできません。
算定回数・併算定の注意点
- 原則3月に1回(散瞳剤・調節麻痺剤使用時は前後各1回)
- 同一回でD263矯正視力検査は算定しない
- 眼鏡処方箋を交付した場合はこの加算の対象外(D263側の算定を検討)
- 対象はD261「1 6歳未満の場合」を算定したときに限られる
みらい(新人医療事務)
条件が多いので、一覧にしてもらえると助かります。
あおい(元・医療事務)
では算定要件を一覧にまとめます。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象区分 | D261屈折検査「1 6歳未満の場合」 |
| 対象診断 | 弱視又は不同視と診断された患者 |
| 前提条件 | 眼鏡処方箋を交付していないこと |
| 算定回数 | 3月に1回(散瞳剤・調節麻痺剤使用時は前後各1回) |
| 併算定 | D263矯正視力検査は同一回で算定しない |
施設基準・届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出とか、事前準備が必要な加算ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した告示・留意事項の記載の範囲では、この加算に固有の施設基準や届出は規定されていません。屈折検査自体を実施できる体制があれば、対象患者に該当した際に算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
届出なしでいきなり算定して大丈夫なんですか?
あおい(元・医療事務)
「届出が不要」という点は確認できていますが、それは「届出さえなければ何も確認しなくてよい」という意味ではありません。弱視又は不同視の診断、眼鏡処方箋を交付していないこと、算定回数の管理など、カルテ上で条件を満たしているかどうかの確認は別途必要です。最終的な判断に迷う場合は、自院の届出状況とあわせて審査支払機関に確認することをおすすめします。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算は今回の改定で何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した令和8年度の告示・留意事項の範囲では、点数(35点)、算定要件(D261「1 6歳未満の場合」を算定した弱視又は不同視の患者に、眼鏡処方箋を交付せず矯正視力検査を実施した場合、3月に1回)について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません。
みらい(新人医療事務)
前から変わらず続いている加算、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ただしこれは「当サイトが確認できた告示・留意事項の記載範囲での判断」なので、様式や記録方法など細かな運用の変更まで完全に確認できているわけではありません。気になる場合は最新の告示・留意事項を直接確認するか、審査支払機関に問い合わせるのが確実です。
改定差分の確認ポイント(前回改定比較)
- 令和6年度(2024年度)改定: D261「1」を算定した弱視又は不同視の患者に対する注加算として35点、3月に1回
- 令和8年度(2026年度)改定: 点数・算定要件ともに同一の内容で規定(当サイトが確認した一次資料の範囲)
- 前回改定からの変更点は確認されていません
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックでこの加算が算定候補になるか、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で見ていくと整理しやすいと思います。
自院で確認する順番
ステップ1: 患者がD261屈折検査「1 6歳未満の場合」の対象か確認する カルテ・レセコン上でどちらの区分を算定しているかを確認します。
ステップ2: 弱視又は不同視の診断があるか確認する 医師の診断としてカルテに記載されているかを確認します。
ステップ3: 眼鏡処方箋を交付していないか確認する 処方箋を交付した場合はこの加算の対象外です。処方箋交付の有無を確認します。
ステップ4: D263矯正視力検査を同時に算定していないか確認する 同一回での併算定はできません。
ステップ5: 算定回数(3月に1回)を管理する 前回算定日からの間隔を確認し、散瞳剤・調節麻痺剤使用時は前後各1回の扱いも含めて記録します。

みらい(新人医療事務)
この5つを順番に見ていけば、算定候補かどうか整理できそうですね。
あおい(元・医療事務)
はい。特にステップ1とステップ3は見落としやすいポイントなので、レセプト点検の際にあわせてチェックする体制にしておくと安心です。
よくある取り漏れ・確認ポイント
算定漏れ・誤算定を防ぐためのチェック
- D261「2 1以外の場合」を算定した患者にこの加算を付けてしまっていないか
- 眼鏡処方箋を交付した回にこの加算とD263矯正視力検査を両方算定してしまっていないか
- 3月に1回の間隔管理ができているか(前回算定日の記録)
- 散瞳剤・調節麻痺剤を使用した前後各1回の扱いを正しく区別できているか
- 弱視又は不同視の診断がカルテ上に明記されているか
みらい(新人医療事務)
どれも「うっかり」しやすそうな項目ですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。特に「D263を同時算定していないか」は見落としやすいので、レセコンの併算定チェック機能があれば活用するのがおすすめです。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
もう少し細かいことを聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
弱視や不同視の「疑い」の段階でも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
告示・留意事項の文言は「弱視又は不同視と診断された患者」となっています。確定診断が前提と読めるため、「疑い」の段階で算定候補になるかどうかは慎重な判断が必要です。迷う場合は審査支払機関に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
眼鏡処方箋を交付した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
この加算は「眼鏡処方箋の交付を行わずに」矯正視力検査を実施した場合が対象です。処方箋を交付した場合は、この加算ではなくD263矯正視力検査側の算定を検討することになります。
みらい(新人医療事務)
3月に1回の「3月」はカレンダー上の3か月ということですか?
あおい(元・医療事務)
告示・留意事項の原文は「3月に1回」という表現にとどまっており、起算日の細かい扱いまでは記載を確認できていません。前回算定日からの間隔管理については、自院のレセコンの設定や審査支払機関の運用に沿って確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
他にも眼科関連の加算ってありますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度に新設された眼科関連の加算として、眼科医療機関連携強化加算があります。こちらは糖尿病を主病とする患者さんを眼科へ紹介・連携した際の加算で、今回の小児矯正視力検査加算とは対象患者も算定の枠組みも異なりますが、あわせて確認しておくと眼科まわりの加算の全体像がつかみやすくなります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者の診断状況や算定回数の管理状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。 また、対象患者が小児であることによる加算には、小児放射線治療加算 や 小児個別栄養食事管理加算 などもあります。自院で小児の患者さんを診療している場合は、あわせて取り漏れがないか確認してみてくださいね。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。