みらい(新人医療事務)
小児科でよく聞く「小児抗菌薬適正使用支援加算」って、どんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
小児科の外来で、風邪などの症状で受診した子どもに対して、抗菌薬を使わずに丁寧な説明を行った場合に算定候補になる加算です。令和8年度(2026年度)の診療報酬でも、小児科外来診療料の「注4」として設けられています。
みらい(新人医療事務)
抗菌薬を「使わない」ときに算定するんですね。ちょっと意外です。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。むやみに抗菌薬を処方せず、保護者の理解を得ながら経過観察を行う取り組みを評価する加算です。厚生労働省の告示では、次のように定められています。
告示の該当条文(令和8年度)
別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、急性気道感染症、急性中耳炎、急性副鼻腔炎又は急性下痢症により受診した患者であって、診察の結果、抗菌薬の投与の必要性が認められないため抗菌薬を使用しないものに対して、療養上必要な指導及び検査結果の説明を行い、文書により説明内容を提供した場合は、小児抗菌薬適正使用支援加算として、月1回に限り80点を所定点数に加算する。
対象医療機関・対象患者の確認
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックでも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
まず前提として、この加算は単独では算定できません。小児科外来診療料(B001-2)を算定している保険医療機関が対象になります。小児科外来診療料そのものが、入院中の患者以外で6歳未満の乳幼児を対象とする診療料なので、この加算もその枠組みの中で確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、内科や耳鼻咽喉科だけの医療機関では対象外になりますか?
あおい(元・医療事務)
小児科外来診療料を算定していなければ、この加算の対象にはなりません。小児科を標榜し、小児科外来診療料を算定している医療機関であることが前提になる、という理解で確認を進めるのがよいですね。
点数の確認(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はいくらなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示では、月1回に限り80点が加算されます。表にまとめますね。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 点数 | 80点 |
| 算定回数 | 月1回に限る |
| 加算対象の診療料 | 小児科外来診療料(B001-2)「注4」 |
| 対象年度 | 令和8年度(2026年度) |

みらい(新人医療事務)
80点というと、800円くらいのイメージですか?
あおい(元・医療事務)
1点10円で計算するので800円分の点数、という理解で大丈夫です。ただし、この点数がそのまま自院の増収につながるかは対象患者の受診状況次第なので、あくまで目安として捉えてくださいね。
算定要件(対象疾患・除外される患者)の確認
みらい(新人医療事務)
どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知では、対象疾患と除外される患者がはっきり書かれています。引用しますね。
留意事項通知の該当箇所(令和8年度)
「注4」に規定する小児抗菌薬適正使用支援加算は、急性気道感染症、急性中耳炎、急性副鼻腔炎又は急性下痢症により受診した基礎疾患のない患者であって、診察の結果、抗菌薬の投与の必要性が認められないため抗菌薬を使用しないものに対して、療養上必要な指導及び検査結果の説明を行い、文書により説明内容を提供した場合に、小児科を担当する専任の医師が診療を行った初診時に、月に1回に限り算定する。なお、インフルエンザウイルス感染の患者又はインフルエンザウイルス感染の疑われる患者及び新型コロナウイルス感染症の患者又は新型コロナウイルス感染症が疑われる患者については、算定できない。
みらい(新人医療事務)
「初診時」に限られるんですね。再診では算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知の文言では「初診時に、月に1回に限り算定する」とされています。再診時の取り扱いについては、この通知の本文だけでは詳細まで読み取れない部分があるので、迷う場合は審査支払機関に確認するのが確実です。
みらい(新人医療事務)
対象疾患と、除外される患者を表にしてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
表にすると次のようになります。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象疾患 | 急性気道感染症・急性中耳炎・急性副鼻腔炎・急性下痢症 |
| 対象患者の前提 | 基礎疾患のない患者、かつ抗菌薬の投与の必要性が認められない患者 |
| 除外される患者 | インフルエンザウイルス感染(疑い含む)の患者、新型コロナウイルス感染症(疑い含む)の患者 |
| 診療の担当 | 小児科を担当する専任の医師による初診 |
みらい(新人医療事務)
基礎疾患がある患者さんは、対象外になるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項通知に「基礎疾患のない患者」と明記されているので、基礎疾患がある患者は対象患者に含まれない可能性が高いです。個別のケースで判断に迷う場合は、自院で状況を整理したうえで審査支払機関に相談してください。
施設基準・届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準や届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
この加算自体は、単独の届出は不要とされています。ただし、小児科外来診療料を算定する医療機関が満たすべき取り組みの中に、抗菌薬の適正使用に関する内容が含まれています。留意事項通知には、こう書かれています。
留意事項通知: 抗菌薬適正使用の取組(令和8年度)
本診療料を算定する場合、抗菌薬の適正な使用を推進するため、「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課)を参考に、抗菌薬の適正な使用の普及啓発に資する取組を行っていること。
みらい(新人医療事務)
「手引き」を参考にした取り組みが必要なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。この取り組みが実際に行われているかどうかは、自院の運用状況を確認する必要があります。届出の様式提出が不要だからといって、要件確認をしなくてよいわけではない、という点は押さえておきたいですね。表で整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届出 | 不要(施設基準を満たしていれば算定候補) |
| 前提となる届出 | 小児科外来診療料を算定できる体制 |
| 施設基準に関わる取組 | 「抗微生物薬適正使用の手引き」を参考にした抗菌薬適正使用の普及啓発 |
届出不要でも要件確認は必須
届出手続きが不要とされている加算でも、算定要件・施設基準に該当する体制を満たしているかどうかは自院で確認が必要です。最終的な判断は自院の届出状況と公式資料に基づいて行ってください。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
一番のポイントは「月1回に限り」という回数制限と、「初診時」という条件です。同じ月にもう一度似たような受診があっても、2回目以降は対象になりません。
みらい(新人医療事務)
併算定で注意することはありますか?
あおい(元・医療事務)
小児科外来診療料の留意事項通知では、この加算を含む複数の加算が「所定点数に含まれるもの」として整理されている項目があります。他の加算との組み合わせについては、個別に一次資料で確認が必要な領域です。
インフルエンザ・新型コロナの患者は対象外
留意事項通知で、インフルエンザウイルス感染(疑い含む)と新型コロナウイルス感染症(疑い含む)の患者は明確に算定対象から除外されています。発熱外来などで検査結果が確定する前に受診した患者については、確定診断や臨床的な判断の記録を確認してから算定候補かどうかを判断してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料の範囲では、小児抗菌薬適正使用支援加算そのものの点数・算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省の告示および留意事項通知ベース)。
前回改定(令和6年度)との対比の確認状況
点数(月1回80点)、対象疾患(急性気道感染症・急性中耳炎・急性副鼻腔炎・急性下痢症)、除外される患者(インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症)といった要件は、当サイトが確認した令和8年度の告示・留意事項通知の範囲で、令和6年度(2024年度)改定時点の内容から変更は確認されていません。
みらい(新人医療事務)
変わっていないなら、少し安心ですね。
あおい(元・医療事務)
ただ「確認されていません」というのは、あくまで当サイトが参照した一次資料の範囲での話です。自院での算定にあたっては、最新の告示・通知をご自身でも直接確認することをおすすめします。

自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちで確認するときは、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
ステップで整理しますね。
自院で確認する順番
- 小児科外来診療料(B001-2)を算定しているか確認する
- 急性気道感染症・急性中耳炎・急性副鼻腔炎・急性下痢症で受診した患者かを確認する
- 診察の結果、抗菌薬を使用しなかったかを確認する
- 療養上必要な指導と検査結果の説明を行い、文書で説明内容を提供したかを確認する
- 小児科を担当する専任の医師による初診であるかを確認する
- インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症(疑い含む)の患者ではないかを確認する
- 同じ月に既にこの加算を算定していないかを確認する
みらい(新人医療事務)
この順番で確認すれば、算定候補かどうか見えてきますね。
あおい(元・医療事務)
はい。1つでも当てはまらない項目があれば、その回は算定候補から外れます。逆にすべて満たしていれば、算定候補として検討できる状況です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある取り漏れってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
取り漏れやすいポイント
文書提供の記録漏れ: 指導内容を口頭だけで済ませ、文書で説明内容を提供した記録がカルテに残っていないケース。 初診・再診の混同: 再診で同様の説明を行った場合に、初診時の要件を満たしているかを確認せずに算定してしまうケース。 発熱外来での混同: インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症の検査結果が確定する前に算定し、後から除外対象と判明するケース。
みらい(新人医療事務)
記録が残っていないと、後から確認できなくなりそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。文書提供の記録は、算定の可否を後から自院で振り返って確認するためにも重要です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。
みらい(新人医療事務)
6歳以上の子どもは対象になりませんか?
あおい(元・医療事務)
この加算は小児科外来診療料の「注4」として設けられていて、小児科外来診療料自体が入院中の患者以外で6歳未満の乳幼児を対象としています。6歳以上の患者は小児科外来診療料の対象外になる可能性が高く、この加算の対象になるかどうかも自院での確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
抗菌薬の代わりに解熱剤などを処方した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
抗菌薬以外の薬剤の処方状況の取り扱いについては、当サイトが確認した留意事項通知の本文だけでは詳細が読み取れない部分があります。個別のケースについては、審査支払機関や地方厚生局に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)の頃と比べて、確認すべきポイントは変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した範囲では、前回改定(令和6年度)から今回の令和8年度改定にかけて、この加算固有の要件に大きな変更は確認されていません。ただし改定のたびに周辺の点数表・通知が更新されるので、算定の都度、最新の一次資料を確認する習慣をおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。